言い訳でしかないとしても…
2001年7月29日昨日、竜樹さんに送って貰って、自宅に辿り着いたのは25時をまわっていた。
竜樹さんと出かけてて午前様になったのはこれが4度目。
6年間の間にたった(多い?)4回。
先週の午前様のとき以外はすべて連絡を入れていたのだけれど。
昨日はさすがに連絡を入れる気になれなかった。
今まで遅くなるとしたら、大概遠方に出かけてて道が込んでて自宅に辿り着けないか、竜樹さんの背中がやたら痛んで運転できる度頃の話でなくなってるかのどちらかで。
嘘をつくのがヘタな(←本当か?)バカ正直な私は、さしたる理由がないのに墓穴を掘るような連絡を入れて更に揉め事を押し広げたくなかったから、敢えて連絡をしなかったのだけれど。
…完全にそれが裏目に出た
帰ってくるなり、両親ともどもすごい激怒モード(>_<)
母は激しく怒り散らしてるし、父は静かに怒ってる。
…これは、「竜樹さんの背中が痛んだので〜」って理由だけで通るはずもないなぁ
そう思ったから、竜樹さんが実家から引っ越して一人暮らしを始めたことを話してしまった。
けれど、怒りのテンションはあがる一方で。
収拾をつけるために話したはずの真実が火に油を注いでしまう形になってしまった。
ただ単に私が帰ってくる時間が遅かったのが悪かっただけのことなのに、彼らの怒りの矛先は竜樹さんに集中することとなる。
…あと、10分その罵りが続いていたなら、私は完全にキレてしまってただろう
じっと言い返すことなく、黙ってひたすら謝り続けたのがよかったのか悪かったのか、私の中の起爆スイッチに手をかけることはなかったけれど。
内心、はらわた煮えくり返りそうになっていた。
…2年前のこの頃だった。
その年の10月に妹の入籍が決まったと、事後承諾で話されてぶっちぎれたことがある。
妹の彼は当時、某国立大生で一人暮らしをしてたのだけど、ちょっとばかり金岡家より遠かったために半同棲みたいな状態になってて、妹が家に帰ってきたとしても午前様は日常茶飯事。
苦肉の策で、彼の家に泊まりに行くくらいなら泊まりに来て貰えってことになって、2年近く殆ど毎週末、彼と妹がこの家に泊まるということを繰り返す生活が続いた。
…これが私と竜樹さんだったら、絶対に認めてもらえなかったことくらい判ってる。
うちの両親の竜樹さんに対する態度と妹の旦那になる彼に対する態度が全然違ってたことは彼らを間近に見ててよく知ってたから。
竜樹さんがそれをよく思っていないことも、言葉の端々から痛いほど判っていたから。
…正直言って、その当時私は週末家に居るのが嫌だった。
この事件よりもっと前に自尊心をぶち壊されるような思いをさせられた出来事もあって、両親の言葉に何かが弾けた。
常日頃、人や動物に暴力をふるうのは最低野郎がすることだと思ってる私は、暴れるなら自分の身体を痛めつける方向に留めておこうと思っていたから。
お酒を飲みながら両親の話を聞き、ぶっちぎれて部屋の壁に膝蹴り食らわして、壁に穴を開け、右膝に紫色通り越して緑色の大きなあざを作った。
そんなこともあった。
妹たちが入籍し、姪御が生まれてからはだいぶ自分の言動を自制するようにしてたけれど。
何か起こるとその時の想いがふっと蘇ることがあって。
…私のやることは認めないけれど、妹のやることは何でも認めるのね?
だったら、何か困ったことがあっても私じゃなくて妹に面倒見てもらって。
私はこの家を出たら、あんたたちのことなんて預かり知らないよ?
そんな風に思うようになっていた。
私の友達が随分昔に言っていた言葉だけど。
「血が繋がっているから許せることって確かにあるとは思うけれど、
血が繋がってるが故に絶対に許せないってことはあるよね?」
その当時、その言葉に薄ら寒さを覚えてコメントを返すことができなかったけれど。
「あの日」を境にそう思うようになった。
「血が繋がっているからこそ、言われたことされたこと、絶対に許せない」って。
暫くなりを潜めていた泥のような物思いがまた私の中でふつふつと蘇る。
済んだことをいつまでも忘れられずにいること。
問題を解決しようと本気で思うなら、もっと積極的に動けたんちゃうんっていう疑問。
それが嫌なら、何を置いても何を傷つけてもこんな家出ればよかったんじゃないか?って思い。
両親を利用するだけ利用してるような形態でこの家に住み続けてるという事実。
すべてをトータルして考えれば、こんなのはただの泣き言でしかないこた判ってる。
竜樹さんと二人で生きていくことに対して臆病な自分に対して言い訳してるだけでしかないこた、誰に言われなくても判ってる。
けれど。
また「あの時」のような感情を蒸し返しそうになってる自分がそこにいてる。
そして、そんな大人気ない自分に情けなさ覚えてるもう一人の自分もいてる。
行き場のない感情に引っ張られ続けた。
幸い昨日の晩、ネットの友達に呼んでもらえた上に、捕まえてもらえてお話してもらえたから助かったんだけどね(^^ゞ
今にも暴れ出しそうな「凶悪なる霄」に捕まらなくて済んだから…
…本当にこんな時、一人でなくてよかったって思った。
友達がいてくれてよかったって思う。
明くる朝、案の定、金岡両親は昨日のことなんてどこ吹く風。
けろっとして普通の態度に戻ってる。
それを「相変わらずやなぁ」と笑いながら、でも少々苦々しい気持ちで見つめる私がいる。
いつか、こんな感情に引導を渡せる日は来るのだろうか?
それとも。
いつか、この人たちに引導を渡す日が来るのだろうか?
…もっと強くなりたい。
いろんな出来事を飲み込んでなお、まだ歩く気力を持ち、荒れ狂いそうになる自分を押さえこめるだけの強さと、大切な人たちを傷つけないで済むだけの度量を身に付けたいと希う。
そこに辿り着くまでに、あとどれくらいいろんな感情を飲み込んでいけばいいのか?
そんな自分になるまでに、あとどれくらいいろんな出来事を乗り越えればいいのか?
ちっとも判らないけれど。
こんなままでいてていい筈がないこた、判ってるよ。
言い訳じみた御託並べる前にしないといけないことをもう一度冷静に見渡してみよう。
…昨日の晩から引き継いでいる、この泥のような物思いを竜樹さんに気付かせることなく歩けますように。
私の家のことで、竜樹さんの気持ちに漣が立ちませんように。
竜樹さんと出かけてて午前様になったのはこれが4度目。
6年間の間にたった(多い?)4回。
先週の午前様のとき以外はすべて連絡を入れていたのだけれど。
昨日はさすがに連絡を入れる気になれなかった。
今まで遅くなるとしたら、大概遠方に出かけてて道が込んでて自宅に辿り着けないか、竜樹さんの背中がやたら痛んで運転できる度頃の話でなくなってるかのどちらかで。
嘘をつくのがヘタな(←本当か?)バカ正直な私は、さしたる理由がないのに墓穴を掘るような連絡を入れて更に揉め事を押し広げたくなかったから、敢えて連絡をしなかったのだけれど。
…完全にそれが裏目に出た
帰ってくるなり、両親ともどもすごい激怒モード(>_<)
母は激しく怒り散らしてるし、父は静かに怒ってる。
…これは、「竜樹さんの背中が痛んだので〜」って理由だけで通るはずもないなぁ
そう思ったから、竜樹さんが実家から引っ越して一人暮らしを始めたことを話してしまった。
けれど、怒りのテンションはあがる一方で。
収拾をつけるために話したはずの真実が火に油を注いでしまう形になってしまった。
ただ単に私が帰ってくる時間が遅かったのが悪かっただけのことなのに、彼らの怒りの矛先は竜樹さんに集中することとなる。
…あと、10分その罵りが続いていたなら、私は完全にキレてしまってただろう
じっと言い返すことなく、黙ってひたすら謝り続けたのがよかったのか悪かったのか、私の中の起爆スイッチに手をかけることはなかったけれど。
内心、はらわた煮えくり返りそうになっていた。
…2年前のこの頃だった。
その年の10月に妹の入籍が決まったと、事後承諾で話されてぶっちぎれたことがある。
妹の彼は当時、某国立大生で一人暮らしをしてたのだけど、ちょっとばかり金岡家より遠かったために半同棲みたいな状態になってて、妹が家に帰ってきたとしても午前様は日常茶飯事。
苦肉の策で、彼の家に泊まりに行くくらいなら泊まりに来て貰えってことになって、2年近く殆ど毎週末、彼と妹がこの家に泊まるということを繰り返す生活が続いた。
…これが私と竜樹さんだったら、絶対に認めてもらえなかったことくらい判ってる。
うちの両親の竜樹さんに対する態度と妹の旦那になる彼に対する態度が全然違ってたことは彼らを間近に見ててよく知ってたから。
竜樹さんがそれをよく思っていないことも、言葉の端々から痛いほど判っていたから。
…正直言って、その当時私は週末家に居るのが嫌だった。
この事件よりもっと前に自尊心をぶち壊されるような思いをさせられた出来事もあって、両親の言葉に何かが弾けた。
常日頃、人や動物に暴力をふるうのは最低野郎がすることだと思ってる私は、暴れるなら自分の身体を痛めつける方向に留めておこうと思っていたから。
お酒を飲みながら両親の話を聞き、ぶっちぎれて部屋の壁に膝蹴り食らわして、壁に穴を開け、右膝に紫色通り越して緑色の大きなあざを作った。
そんなこともあった。
妹たちが入籍し、姪御が生まれてからはだいぶ自分の言動を自制するようにしてたけれど。
何か起こるとその時の想いがふっと蘇ることがあって。
…私のやることは認めないけれど、妹のやることは何でも認めるのね?
だったら、何か困ったことがあっても私じゃなくて妹に面倒見てもらって。
私はこの家を出たら、あんたたちのことなんて預かり知らないよ?
そんな風に思うようになっていた。
私の友達が随分昔に言っていた言葉だけど。
「血が繋がっているから許せることって確かにあるとは思うけれど、
血が繋がってるが故に絶対に許せないってことはあるよね?」
その当時、その言葉に薄ら寒さを覚えてコメントを返すことができなかったけれど。
「あの日」を境にそう思うようになった。
「血が繋がっているからこそ、言われたことされたこと、絶対に許せない」って。
暫くなりを潜めていた泥のような物思いがまた私の中でふつふつと蘇る。
済んだことをいつまでも忘れられずにいること。
問題を解決しようと本気で思うなら、もっと積極的に動けたんちゃうんっていう疑問。
それが嫌なら、何を置いても何を傷つけてもこんな家出ればよかったんじゃないか?って思い。
両親を利用するだけ利用してるような形態でこの家に住み続けてるという事実。
すべてをトータルして考えれば、こんなのはただの泣き言でしかないこた判ってる。
竜樹さんと二人で生きていくことに対して臆病な自分に対して言い訳してるだけでしかないこた、誰に言われなくても判ってる。
けれど。
また「あの時」のような感情を蒸し返しそうになってる自分がそこにいてる。
そして、そんな大人気ない自分に情けなさ覚えてるもう一人の自分もいてる。
行き場のない感情に引っ張られ続けた。
幸い昨日の晩、ネットの友達に呼んでもらえた上に、捕まえてもらえてお話してもらえたから助かったんだけどね(^^ゞ
今にも暴れ出しそうな「凶悪なる霄」に捕まらなくて済んだから…
…本当にこんな時、一人でなくてよかったって思った。
友達がいてくれてよかったって思う。
明くる朝、案の定、金岡両親は昨日のことなんてどこ吹く風。
けろっとして普通の態度に戻ってる。
それを「相変わらずやなぁ」と笑いながら、でも少々苦々しい気持ちで見つめる私がいる。
いつか、こんな感情に引導を渡せる日は来るのだろうか?
それとも。
いつか、この人たちに引導を渡す日が来るのだろうか?
…もっと強くなりたい。
いろんな出来事を飲み込んでなお、まだ歩く気力を持ち、荒れ狂いそうになる自分を押さえこめるだけの強さと、大切な人たちを傷つけないで済むだけの度量を身に付けたいと希う。
そこに辿り着くまでに、あとどれくらいいろんな感情を飲み込んでいけばいいのか?
そんな自分になるまでに、あとどれくらいいろんな出来事を乗り越えればいいのか?
ちっとも判らないけれど。
こんなままでいてていい筈がないこた、判ってるよ。
言い訳じみた御託並べる前にしないといけないことをもう一度冷静に見渡してみよう。
…昨日の晩から引き継いでいる、この泥のような物思いを竜樹さんに気付かせることなく歩けますように。
私の家のことで、竜樹さんの気持ちに漣が立ちませんように。
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ただ触れたくて…
2001年7月28日今日も朝から快晴。
先週、竜樹さんは「週末、プールに行きたい」って行ってたよなぁ。
新しい水着も買ってないし、一昨年買った水着も何処に片付けたやら…
行くなら、早めに出て買いに行かないといけないし…
そう思って、竜樹さんに電話したけれど、竜樹さんは出てくれない。
…こないだまで試験続きで疲れているんだろうな
そう思ったから、先週できなかったことをするけれど、作業はなかなか前に進まない。
暑い部屋で悪戦苦闘してるうちに夕方近くになる。
疲れてきて横になってうとうとし始めた頃、頭の奥の方で携帯の着信音が聞こえる。
…あ、竜樹さんからだ
そう思って、慌てて出る。
案の定、竜樹さんは不調で起きられなかったらしい。
「涼しくなってからでいいから、うちに来てくれる?それとも明日の方がええか?」
明日にしたら、もっと長い時間一緒にいられるのかもしれないけれど、延期して逢うのがボツになるのも辛いから、
「今日行くよ。待っててね(*^_^*)」
そう言って電話を切って用意をし、慌てて外に飛び出していった。
今日は夕方になってから、心地いい風が吹いて外にいててもそう苦痛ではない。
…どんなに暑かろうと寒かろうと、竜樹さんに逢えるならそれでいいんだけどね(^^ゞ
電車とバスを乗り継いで、竜樹さんの家に行った。
ドアを開けてくれた竜樹さんはちょっとお疲れ気味だけど。
私の顔を見て、ほっとしたような表情を見せてくれたのが嬉しい。
飲み物とコップを持って、竜樹さんの部屋に上がる。
竜樹さんの部屋でパソコンを開けてソフトをインストールしたり、中に入ってるソフトで遊んだりする。
その間も取り留めない会話は続いている。
生来、竜樹さんはあまりおしゃべりな方ではないけれど、どちらかと言えば喋りな私に合わせてくれてるのか、学校で習っていることの話や思ってることを話してくれる。
そうしてるうちに、またじゃれモードに入っていくのだけど、私の体調が今ひとつなので竜樹さんが遠慮がちにしてたのが申し訳なくて小さくなってたんだけど。
「霄だって1週間大変やってんし、疲れてるのはしゃあないって」
そう言って竜樹さんは気遣い続けた。
それでも私の身体に触れ続けるのは、いつもと変わらないんだけれど…
ひとしきりじゃれあって、夕飯を作ることになる。
竜樹さんが実家にタマネギを取りに言ってる間(笑)、私は世界水泳を見てる。
「これ、食べ。おいしいから」
戻ってきた竜樹さんは桃を1つ差し出してくれた。
見ると、桃と皮入れしかない(゜o゜)
「桃は洗ってあるから、手で皮むいて食べてくれたらいいから」
…出た。またしても竜樹流(^^ゞ
惑うことなく、「ありがとー」と言い、皮をむいてもしゃもしゃと桃を食べた(笑)
甘くてとてもおいしい桃だった(*^_^*)
俄然機嫌をよくして1階に下りると、竜樹さんが料理の下ごしらえを始めていた。
「今日は酢豚を作るからなぁ(*^_^*)」
私はタマネギの皮むきをして、櫛形に切っていく。
竜樹さんが皮むきしたにんじんとまな板の傍に転がっているピーマンを食べやすい大きさに切り、野菜を炒め始める。
その間も竜樹さんはあちらこちらで何か準備している。
勿論、例のごとく指示も飛ぶ(笑)
黙々と野菜を炒める私。
炒めあがってから竜樹さんが下ごしらえした豚肉と調味料をいれ、炒めて完成。
そのあと、またしても飛び出してきたのはステーキ肉。
サイコロステーキにし、どこからともなく出てきたビールと一緒にまたしてもフライパンから食べる。
今日は2階で涼みながらご飯を食べようということで、サイコロステーキを食べ終えてから酢豚とご飯と飲み物を持ってあがる。
そうして、世界水泳を見ながらご飯を食べる。
二人で作ったご飯は上手にできていて、おなかも気持ちも満足(*^_^*)
食べ終わった食器を下に持って降り、また二人で休む。
きちんと疲れが取れていないのに、いつも以上にハイペースで飲んだのがいけなかったのか、私は眠ってしまってた。
途中、物音がしてた気がしたけれど、起きれずに眠り続けた。
次に気がついた時は、竜樹さんは隣の部屋でパソコンを叩いていた。
1学期に習ったことの復習をしてたみたい。
「…あ、霄。起きたんか?」
そう言って、私が横になってる隣に来てくれた。
…またしても、じゃれモード(^^ゞ
今日の竜樹さんは触れはするけど、ある線を越えることはない。
…私はただ抱き締めてもらったり触れたりされるだけで十分だけど、竜樹さんはどうなんだろう?
そう思って、声をかけるけれど、
「ただ霄に触れてたら、気持ちが落ち着くからこのままでいい」
そう返す竜樹さん。
時間はどんどん過ぎていく。
気がつくと、23時を回っていた(゜o゜)
帰らないといけないのは判っていたけれど。
その手を跳ね除けてまで、帰る気がしなくてずっとされるままになる私。
そうしてるうちに、本当にのっぴきならない時間になった。
時計を見てびっくりする竜樹さん。
でも、何となく二人の間にまだ帰ろうっていう空気が流れない。
「…竜樹さん、本当に困ってないの?」
我ながらバカみたいな質問をしたなと思ったけれど…
「ヘンな言い方するなぁ。落ち着かないのは確かやけど…」
「見た目ほど疲れてないから、気にしなくていいよぉ。来週も何だかんだ忙しいでしょ?学校が休みでも」
「…うん」
そうして、どちらからともなくそれは始まる。
ひとしきりお互いのすべてを分け合って、安堵の時を迎えるけれど。
そこからゆっくりしてると、本当に無断外泊になるので、慌てて帰る用意をして家を出る。
車のスピードから、竜樹さんが慌ててるのが判る。
…これからは、もっと早く竜樹さんの家に行くか、もっと早く竜樹さんの家を出るようにしよう
それを実行できるかどうかは判らないけれど…(^^ゞ
家に帰ったら、怒られるのは百も承知。
それでも、車が家に辿り着かなければいいと思ってしまう。
…我儘でも、何でも。
ただ傍にいられたら、癒される気がするんだもの。
1週間、ぎりぎりの状態で生きてるんだから、許してくださいって言ったならきっと怒られるのだろうとは思うけれど…
ごめんなさい。
それでも、竜樹さんのすぐ傍にいたいと願う私はいるのです。
触れられる距離にいたいと願う私がいるのです。
先週、竜樹さんは「週末、プールに行きたい」って行ってたよなぁ。
新しい水着も買ってないし、一昨年買った水着も何処に片付けたやら…
行くなら、早めに出て買いに行かないといけないし…
そう思って、竜樹さんに電話したけれど、竜樹さんは出てくれない。
…こないだまで試験続きで疲れているんだろうな
そう思ったから、先週できなかったことをするけれど、作業はなかなか前に進まない。
暑い部屋で悪戦苦闘してるうちに夕方近くになる。
疲れてきて横になってうとうとし始めた頃、頭の奥の方で携帯の着信音が聞こえる。
…あ、竜樹さんからだ
そう思って、慌てて出る。
案の定、竜樹さんは不調で起きられなかったらしい。
「涼しくなってからでいいから、うちに来てくれる?それとも明日の方がええか?」
明日にしたら、もっと長い時間一緒にいられるのかもしれないけれど、延期して逢うのがボツになるのも辛いから、
「今日行くよ。待っててね(*^_^*)」
そう言って電話を切って用意をし、慌てて外に飛び出していった。
今日は夕方になってから、心地いい風が吹いて外にいててもそう苦痛ではない。
…どんなに暑かろうと寒かろうと、竜樹さんに逢えるならそれでいいんだけどね(^^ゞ
電車とバスを乗り継いで、竜樹さんの家に行った。
ドアを開けてくれた竜樹さんはちょっとお疲れ気味だけど。
私の顔を見て、ほっとしたような表情を見せてくれたのが嬉しい。
飲み物とコップを持って、竜樹さんの部屋に上がる。
竜樹さんの部屋でパソコンを開けてソフトをインストールしたり、中に入ってるソフトで遊んだりする。
その間も取り留めない会話は続いている。
生来、竜樹さんはあまりおしゃべりな方ではないけれど、どちらかと言えば喋りな私に合わせてくれてるのか、学校で習っていることの話や思ってることを話してくれる。
そうしてるうちに、またじゃれモードに入っていくのだけど、私の体調が今ひとつなので竜樹さんが遠慮がちにしてたのが申し訳なくて小さくなってたんだけど。
「霄だって1週間大変やってんし、疲れてるのはしゃあないって」
そう言って竜樹さんは気遣い続けた。
それでも私の身体に触れ続けるのは、いつもと変わらないんだけれど…
ひとしきりじゃれあって、夕飯を作ることになる。
竜樹さんが実家にタマネギを取りに言ってる間(笑)、私は世界水泳を見てる。
「これ、食べ。おいしいから」
戻ってきた竜樹さんは桃を1つ差し出してくれた。
見ると、桃と皮入れしかない(゜o゜)
「桃は洗ってあるから、手で皮むいて食べてくれたらいいから」
…出た。またしても竜樹流(^^ゞ
惑うことなく、「ありがとー」と言い、皮をむいてもしゃもしゃと桃を食べた(笑)
甘くてとてもおいしい桃だった(*^_^*)
俄然機嫌をよくして1階に下りると、竜樹さんが料理の下ごしらえを始めていた。
「今日は酢豚を作るからなぁ(*^_^*)」
私はタマネギの皮むきをして、櫛形に切っていく。
竜樹さんが皮むきしたにんじんとまな板の傍に転がっているピーマンを食べやすい大きさに切り、野菜を炒め始める。
その間も竜樹さんはあちらこちらで何か準備している。
勿論、例のごとく指示も飛ぶ(笑)
黙々と野菜を炒める私。
炒めあがってから竜樹さんが下ごしらえした豚肉と調味料をいれ、炒めて完成。
そのあと、またしても飛び出してきたのはステーキ肉。
サイコロステーキにし、どこからともなく出てきたビールと一緒にまたしてもフライパンから食べる。
今日は2階で涼みながらご飯を食べようということで、サイコロステーキを食べ終えてから酢豚とご飯と飲み物を持ってあがる。
そうして、世界水泳を見ながらご飯を食べる。
二人で作ったご飯は上手にできていて、おなかも気持ちも満足(*^_^*)
食べ終わった食器を下に持って降り、また二人で休む。
きちんと疲れが取れていないのに、いつも以上にハイペースで飲んだのがいけなかったのか、私は眠ってしまってた。
途中、物音がしてた気がしたけれど、起きれずに眠り続けた。
次に気がついた時は、竜樹さんは隣の部屋でパソコンを叩いていた。
1学期に習ったことの復習をしてたみたい。
「…あ、霄。起きたんか?」
そう言って、私が横になってる隣に来てくれた。
…またしても、じゃれモード(^^ゞ
今日の竜樹さんは触れはするけど、ある線を越えることはない。
…私はただ抱き締めてもらったり触れたりされるだけで十分だけど、竜樹さんはどうなんだろう?
そう思って、声をかけるけれど、
「ただ霄に触れてたら、気持ちが落ち着くからこのままでいい」
そう返す竜樹さん。
時間はどんどん過ぎていく。
気がつくと、23時を回っていた(゜o゜)
帰らないといけないのは判っていたけれど。
その手を跳ね除けてまで、帰る気がしなくてずっとされるままになる私。
そうしてるうちに、本当にのっぴきならない時間になった。
時計を見てびっくりする竜樹さん。
でも、何となく二人の間にまだ帰ろうっていう空気が流れない。
「…竜樹さん、本当に困ってないの?」
我ながらバカみたいな質問をしたなと思ったけれど…
「ヘンな言い方するなぁ。落ち着かないのは確かやけど…」
「見た目ほど疲れてないから、気にしなくていいよぉ。来週も何だかんだ忙しいでしょ?学校が休みでも」
「…うん」
そうして、どちらからともなくそれは始まる。
ひとしきりお互いのすべてを分け合って、安堵の時を迎えるけれど。
そこからゆっくりしてると、本当に無断外泊になるので、慌てて帰る用意をして家を出る。
車のスピードから、竜樹さんが慌ててるのが判る。
…これからは、もっと早く竜樹さんの家に行くか、もっと早く竜樹さんの家を出るようにしよう
それを実行できるかどうかは判らないけれど…(^^ゞ
家に帰ったら、怒られるのは百も承知。
それでも、車が家に辿り着かなければいいと思ってしまう。
…我儘でも、何でも。
ただ傍にいられたら、癒される気がするんだもの。
1週間、ぎりぎりの状態で生きてるんだから、許してくださいって言ったならきっと怒られるのだろうとは思うけれど…
ごめんなさい。
それでも、竜樹さんのすぐ傍にいたいと願う私はいるのです。
触れられる距離にいたいと願う私がいるのです。
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ひとりごと
2001年7月27日今日は週末。
今日一日乗り越えたら、(もれなくかどうかは判らないけど)竜樹さんに逢える。
…のはずなのに、
朝から気分は沈没モード。
何をやっても沈んで行く気がする。
仕事をしててもどこか意識がそちらに引きずられるような気がして、ため息ばかり増えるのは自分の中でひっかかってることが予想以上に大きくなってるから?
それに決着つけるべく、始めようとしてる心の整理作業が思ってる以上に進まないから?
そんな原因追及の疑問ですら、心を暗闇に引きずり落とすには十分すぎる材料だったりするのかな?
今日は洗濯当番だったので、何分かおきに洗濯機のあるフロアと事務所のフロアを行ったりきたり。
隔週やってくるこの作業は私にとって、煩わしいものでしかないのだけれど。
今日は何故だか水を触っていられる時間が唯一の救いだったのかもしれない。
とても気持ちが安らぐ気がしたから。
事務所に戻ると、クレーム続き。
大抵、出張でいない人の抱える物件ばかりで、残ってる人間はそれだけで右往左往。
どこに隠されてるのか判らない書類を捜して右往左往。
よっぽど意固地に探してたんだろうか?
「もうやめとけ、見つからないのはしゃあないねんから?」
ボスに止められ、はっとする。
「見つからないと、いつまでも片付きませんよ?この問題?」
「そんな日もあるって。課長帰ってきたらすべて片付けさせたらええから。
どうしてん、金ちゃんらしくもない」
「…?」
「見つからないなら、諦めて次のことをする。
出来ないことは出来ないものとして認めて、次へ行く。
それくらいきちんと割り切って動いてくのがいつもの金ちゃんやのに。
何を『らしくもないこと』してんねん?ほっといて、次の仕事しようぜぇ」
そう言われて、探し物は止めてしまったけれど。
「ダメならダメで、次に行く。それが金ちゃんやろ?」
…あ、私はそういう風に見えるんだ。
だとしたら、この人は「知らない」んだ。
未だ、諦めつかずに抱え続けてる想いが私の中にあるなんて。
「決着」つけずに抱き締め続けたいと思い続けてることがあるなんて。
…知ったら、びっくりすんねやろな?
風のように吹き抜ける強さを持つ。
何物にも囚われない。
そうありたいと願い続けた時期があったから。
ボスに見えてる姿は間違いなく、私がなりたいと思っていた姿なんだと思うけれど。
その「姿」が今の自分の首をしめ続けてるということなんて、
きっと誰も知る由もないんだろうね?
望んでる自分に遠い自分。
そのギャップに苦しんで、何気に周りを見渡し自分自身を見渡した時、
気がつくものもある。
「なりたい自分のかけらは既に自分のものとなっている」のだということですら、こんな迷いの中で見つけるものでもあるのかなって今なら思える。
なりたいと長いこと願っていた形に今の私は程遠いのだと痛烈に思ってるときに、
傍から「なりたかった自分」が私自身のように捉えられてるいう事実を前にすると、
「…あのう、もうその私は『今の私』の像とは既にずれてるんですけど…」
と言ってしまいたいような、でもそのまま黙っておいた方がよいような。
複雑な気持ちで一日過ごした。
些細な言葉で引っかかり続け、何気ない心の闇に足元すくわれて、
この酷暑のせいなのか、体調不良が治ってないせいなのか。
未だにその原因は掴みかねてるんだけれど。
もしも、私が歩いている道の路面がとてつもなく熱くなっていて。
履物という名の「強み」を持たない私の足が歩き続けるには脆弱すぎるというのなら。
進もうとする道を諦めて、路面が冷えるのを待つか、別のルートを探すしかない。
それが嫌だというのなら、
熱い路面に負けない、強い素足が欲しいと希う。
私の歩く道に何物かの結果を残せないだろうってことは、
今の段階では仕方のないこと。
飛んでもはねても暴れても、今目の前にある「現実」は覆りそうにない。
だとしても、心が「進んでいく」ことを望むなら、
怯まずに立ち向かえるだけの鋼のような意思を取り戻したいと希う。
何物かの結果が残せないという事実に心引きずられて、
それ以上に大切な何かを傷つけてしまいそうな、
大切な人ごと投げ出してしまいそうな、そんな衝動に駆られた時に。
それでも、大切なものや大切な人を守り続けたいと望むなら、
「凶暴なまでの自分」を制することが出来るだけの、強い自制心が欲しいと希う。
自分の心の中にたった一人、大切なものとして存在し続ける彼のことを。
何物からも守り遂せるだけの強さと、安心させ続けられる癒しの空気が欲しいと願うのなら、
そんなささやかな、だけどとてつもなく大きな力を自分の中から引きずり出せるような自分になれることを。
希いながら、この道を歩こう。
今日一日乗り越えたら、(もれなくかどうかは判らないけど)竜樹さんに逢える。
…のはずなのに、
朝から気分は沈没モード。
何をやっても沈んで行く気がする。
仕事をしててもどこか意識がそちらに引きずられるような気がして、ため息ばかり増えるのは自分の中でひっかかってることが予想以上に大きくなってるから?
それに決着つけるべく、始めようとしてる心の整理作業が思ってる以上に進まないから?
そんな原因追及の疑問ですら、心を暗闇に引きずり落とすには十分すぎる材料だったりするのかな?
今日は洗濯当番だったので、何分かおきに洗濯機のあるフロアと事務所のフロアを行ったりきたり。
隔週やってくるこの作業は私にとって、煩わしいものでしかないのだけれど。
今日は何故だか水を触っていられる時間が唯一の救いだったのかもしれない。
とても気持ちが安らぐ気がしたから。
事務所に戻ると、クレーム続き。
大抵、出張でいない人の抱える物件ばかりで、残ってる人間はそれだけで右往左往。
どこに隠されてるのか判らない書類を捜して右往左往。
よっぽど意固地に探してたんだろうか?
「もうやめとけ、見つからないのはしゃあないねんから?」
ボスに止められ、はっとする。
「見つからないと、いつまでも片付きませんよ?この問題?」
「そんな日もあるって。課長帰ってきたらすべて片付けさせたらええから。
どうしてん、金ちゃんらしくもない」
「…?」
「見つからないなら、諦めて次のことをする。
出来ないことは出来ないものとして認めて、次へ行く。
それくらいきちんと割り切って動いてくのがいつもの金ちゃんやのに。
何を『らしくもないこと』してんねん?ほっといて、次の仕事しようぜぇ」
そう言われて、探し物は止めてしまったけれど。
「ダメならダメで、次に行く。それが金ちゃんやろ?」
…あ、私はそういう風に見えるんだ。
だとしたら、この人は「知らない」んだ。
未だ、諦めつかずに抱え続けてる想いが私の中にあるなんて。
「決着」つけずに抱き締め続けたいと思い続けてることがあるなんて。
…知ったら、びっくりすんねやろな?
風のように吹き抜ける強さを持つ。
何物にも囚われない。
そうありたいと願い続けた時期があったから。
ボスに見えてる姿は間違いなく、私がなりたいと思っていた姿なんだと思うけれど。
その「姿」が今の自分の首をしめ続けてるということなんて、
きっと誰も知る由もないんだろうね?
望んでる自分に遠い自分。
そのギャップに苦しんで、何気に周りを見渡し自分自身を見渡した時、
気がつくものもある。
「なりたい自分のかけらは既に自分のものとなっている」のだということですら、こんな迷いの中で見つけるものでもあるのかなって今なら思える。
なりたいと長いこと願っていた形に今の私は程遠いのだと痛烈に思ってるときに、
傍から「なりたかった自分」が私自身のように捉えられてるいう事実を前にすると、
「…あのう、もうその私は『今の私』の像とは既にずれてるんですけど…」
と言ってしまいたいような、でもそのまま黙っておいた方がよいような。
複雑な気持ちで一日過ごした。
些細な言葉で引っかかり続け、何気ない心の闇に足元すくわれて、
この酷暑のせいなのか、体調不良が治ってないせいなのか。
未だにその原因は掴みかねてるんだけれど。
もしも、私が歩いている道の路面がとてつもなく熱くなっていて。
履物という名の「強み」を持たない私の足が歩き続けるには脆弱すぎるというのなら。
進もうとする道を諦めて、路面が冷えるのを待つか、別のルートを探すしかない。
それが嫌だというのなら、
熱い路面に負けない、強い素足が欲しいと希う。
私の歩く道に何物かの結果を残せないだろうってことは、
今の段階では仕方のないこと。
飛んでもはねても暴れても、今目の前にある「現実」は覆りそうにない。
だとしても、心が「進んでいく」ことを望むなら、
怯まずに立ち向かえるだけの鋼のような意思を取り戻したいと希う。
何物かの結果が残せないという事実に心引きずられて、
それ以上に大切な何かを傷つけてしまいそうな、
大切な人ごと投げ出してしまいそうな、そんな衝動に駆られた時に。
それでも、大切なものや大切な人を守り続けたいと望むなら、
「凶暴なまでの自分」を制することが出来るだけの、強い自制心が欲しいと希う。
自分の心の中にたった一人、大切なものとして存在し続ける彼のことを。
何物からも守り遂せるだけの強さと、安心させ続けられる癒しの空気が欲しいと願うのなら、
そんなささやかな、だけどとてつもなく大きな力を自分の中から引きずり出せるような自分になれることを。
希いながら、この道を歩こう。
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「元気」から生まれるものをあなたに…
2001年7月26日今朝はギリギリの時間まで眠っていたために、「おはようリレー」も出来なかった。
溜めてるレスも返せていない(>_<)
身体が重いのは相変わらずだけど、今日は喉も痛かった。
…こりゃあ、夏風邪ひいたかな?
運がよかったら、土曜日は竜樹さんと逢えるのに。
ちょっと運がよかったら、一緒に買い物に行ってまた一緒に夕飯を作ることになるのに。
更に運がよかったら、それ+遊びにいけるかもしれないのに。
連日暑い日続きのこの時期に夏風邪なんて感染したら、大変なことになる。
風邪薬をひとつお弁当鞄に放り込んで、会社に向かう。
今日はいつもよりも涼しくて、珍しく冷房の効きがいい。
とうとう腕の表面がぴりぴりと痛んできたので、台所で風邪薬を飲み、ロッカールームに駆け込んで制服のジャケットを着る。
そうして、午前中きりきりと仕事をした。
仕事の流れが緩やかだったから、思ったより体力の消耗は少ないはず…だったのに。
親会社の依頼で古い書類を取るために、脚立を使って中二階の倉庫に上がる。
一番上り易い場所は廃材が一杯で、脚立を立てるスペースがない。
天井の低いところしか脚立が立てられなくて、殆ど曲芸のようなノリで書類倉庫に上がり、再び曲芸のようにファイル片手に脚立を降りる。
…これで脚立から落っこって、廃材に頭突っ込んだら重症だよなぁ?
笑えない冗談を心の中で呟きながら、脚立を降りた。
それを数回繰り返して、すっかり疲れてしまった。
昼からの仕事は午前中に比べて更に緩やかだったので、今度は眠気と格闘,(_ _)(-.-)(~O~)ふぁ・・(~O~)(-.-)
部屋の温度は更に下がって、殆ど冬眠に入るクマ状態(爆)
爆弾コーヒーを飲み飲み、意識を繋ぐ。
そうして、ようよう定時に仕事を終えて、会社を出る。
それほど立て込んでた訳でもないのに、消耗が激しくてくたってる私。
寄り道する気力もないまま、電車を乗り継ぎ乗り継ぎして家路を急ぐ。
またしても「竜樹さんメール」を打つ気力なく、電車の中で眠りこけ、最後の乗換駅に着く。
ふと、途中下車してみたくなったので、寄り道。
百貨店の食料品売り場で、プリンを買う(*^_^*)
久しぶりに食べたかったのだ。「モロゾフ」のプリン。
家族の分を買ってよろよろと歩いてると、どこからともなくいい匂いが…
ふと見ると、「宇都宮餃子」の出店があった。
…今日が金曜日だったら、即買いなんだけどなぁ
明日はまだ会社があるから、何となく食べてはいけない気がして買うのは見合わせようと思ったけれど、気がついたら列に並んでる私(^^ゞ
ちゃっかり試食に出された焼き立て餃子を食べて、理性は飛んだ(笑)
「すみません、2パックください(^o^)丿」
100円割り引いてもらって、満面笑みの金岡。
冷たいプリンを左手に、焼き立て餃子を右手に再び電車に乗る。
バスに乗る前にビールを買おうと思ったけれど、これ以上荷物を増やすのが嫌で断念。
そのまままっすぐ家に帰った。
夕飯を食べる前に、何となく飲みたい気分になって。
買ってきた宇都宮餃子を広げて、白ワインを飲む。
中国産ワインのダイナスティは飲みやすくて、好き(*^_^*)
夕飯もあるというのに、1人前食べてしまった。
その数十分後、しっかり夕飯ともう一人前の餃子を、今度はビールと共に食べた(爆)
今、体調不良で食べても身にならないから、いいけれど。
体調がよくなったときにこのペースで食べ続けたら、間違いなく太るか、血液検査で異常値が出る(>_<)
「節制しないと…」とは思うけれど。
今、ダイエットを励行しても、再び病院送りになるのは目に見えてると、自分に言い訳(^^ゞ
…とりあえず、機嫌よく動けるようになるまではしっかり食べておこう
健康が資本だということは、こないだの膵炎騒動で嫌というほど実感したから。
今は極力無理をしないようにしようと思っている。
「霄はもうちょっと肥えてもええで?」
「もうちょっと、食べや〜」
竜樹さんがそう言ってくれてる間は、とりあえずちゃんと食べておこうと思う。
私から竜樹さんに元気を渡せるようになってやっと、竜樹さんの不安は一つ取れるのだと思うから。
最近、身体は動くようになったとは言え、精神的に浮き沈みが激しいから。
そっちの方もいずれは手をつけないとならなくはなるけれど…
…今は先ずハード面から片付けよう。
身体が元気になりさえしたら、心もまた上向きになるからさ…ヾ(^-^)
そう居直ると、何だか急に穏やかな気持ちになれた気がして、そのまま転寝してしまった。
気がつくと、水泳選手権が終わっていた(>_<)
そのままアイスコーヒーを飲み、自室に戻る。
ゆったりとした気持ちで、「こんばんはツアー」と称して、友達の掲示板に書き散らして、戻ってくる。
そして暫くまた本を読んだりして、ぼけっと過ごす。
…あ、竜樹さんに電話しなきゃ(゜o゜)
結構な時間になってたので、慌てて竜樹さんに電話を入れた。
「…あれ?霄、こんな時間まで起きてたん?」
「うん、家に帰ってきてから、餃子と夕飯食べてお酒飲んだら転寝してもて……(^^ゞ)
「一緒やぁ、俺も転寝しとってん(*^_^*)」
しょうもないことまで仲良しすぎて笑ってしまったけれど。
学校の話、今日のニュースの目新しい話……
携帯を当ててる耳が痛くなるくらいいろんな話をして、時計を見てびっくり。
25時を回っていた。
…竜樹さん、早く寝させてあげないと
そう思って「御開にしましょうか?」と切り出すけれど。
「お開き」を宣言してからも、何となく切り難くて話し込んでしまった。
「これではダメだ」と無理やり「お開き」宣告して電話を切る方向にもっていった。
…本当はいつまでも話していたかったけれど
今頃、竜樹さんはゆっくり眠ってるのだろう。
私は不思議と目が冴えて、こうしてまた日記を書いている(笑)
竜樹さんの声は私の心を暖かくしたり、穏やかにしてくれるけれど。
あの声を聞くと、びたっと眠気が飛んでいくのはちと厄介(^^ゞ
…だって寝れなくなるねんもん(T_T)
興奮するとかそんなんじゃないねんけどね(^^ゞ
何でなんやろう?
そうしてまた、元気から遠ざかるような環境になるのは問題ありだとは思うけれど。
声が聞けない日々が続くくらいなら、竜樹さんの声を聞いて夜更かししてしまう方がマシ。
いつか電池が切れたら、ちゃんと眠れるねんし。
竜樹さんからもらえる暖かさや穏やかな気持ちを持って、心も身体も元気になれますように。
そうして、元気になった私から竜樹さんに何かを贈れたらいいなぁ…
溜めてるレスも返せていない(>_<)
身体が重いのは相変わらずだけど、今日は喉も痛かった。
…こりゃあ、夏風邪ひいたかな?
運がよかったら、土曜日は竜樹さんと逢えるのに。
ちょっと運がよかったら、一緒に買い物に行ってまた一緒に夕飯を作ることになるのに。
更に運がよかったら、それ+遊びにいけるかもしれないのに。
連日暑い日続きのこの時期に夏風邪なんて感染したら、大変なことになる。
風邪薬をひとつお弁当鞄に放り込んで、会社に向かう。
今日はいつもよりも涼しくて、珍しく冷房の効きがいい。
とうとう腕の表面がぴりぴりと痛んできたので、台所で風邪薬を飲み、ロッカールームに駆け込んで制服のジャケットを着る。
そうして、午前中きりきりと仕事をした。
仕事の流れが緩やかだったから、思ったより体力の消耗は少ないはず…だったのに。
親会社の依頼で古い書類を取るために、脚立を使って中二階の倉庫に上がる。
一番上り易い場所は廃材が一杯で、脚立を立てるスペースがない。
天井の低いところしか脚立が立てられなくて、殆ど曲芸のようなノリで書類倉庫に上がり、再び曲芸のようにファイル片手に脚立を降りる。
…これで脚立から落っこって、廃材に頭突っ込んだら重症だよなぁ?
笑えない冗談を心の中で呟きながら、脚立を降りた。
それを数回繰り返して、すっかり疲れてしまった。
昼からの仕事は午前中に比べて更に緩やかだったので、今度は眠気と格闘,(_ _)(-.-)(~O~)ふぁ・・(~O~)(-.-)
部屋の温度は更に下がって、殆ど冬眠に入るクマ状態(爆)
爆弾コーヒーを飲み飲み、意識を繋ぐ。
そうして、ようよう定時に仕事を終えて、会社を出る。
それほど立て込んでた訳でもないのに、消耗が激しくてくたってる私。
寄り道する気力もないまま、電車を乗り継ぎ乗り継ぎして家路を急ぐ。
またしても「竜樹さんメール」を打つ気力なく、電車の中で眠りこけ、最後の乗換駅に着く。
ふと、途中下車してみたくなったので、寄り道。
百貨店の食料品売り場で、プリンを買う(*^_^*)
久しぶりに食べたかったのだ。「モロゾフ」のプリン。
家族の分を買ってよろよろと歩いてると、どこからともなくいい匂いが…
ふと見ると、「宇都宮餃子」の出店があった。
…今日が金曜日だったら、即買いなんだけどなぁ
明日はまだ会社があるから、何となく食べてはいけない気がして買うのは見合わせようと思ったけれど、気がついたら列に並んでる私(^^ゞ
ちゃっかり試食に出された焼き立て餃子を食べて、理性は飛んだ(笑)
「すみません、2パックください(^o^)丿」
100円割り引いてもらって、満面笑みの金岡。
冷たいプリンを左手に、焼き立て餃子を右手に再び電車に乗る。
バスに乗る前にビールを買おうと思ったけれど、これ以上荷物を増やすのが嫌で断念。
そのまままっすぐ家に帰った。
夕飯を食べる前に、何となく飲みたい気分になって。
買ってきた宇都宮餃子を広げて、白ワインを飲む。
中国産ワインのダイナスティは飲みやすくて、好き(*^_^*)
夕飯もあるというのに、1人前食べてしまった。
その数十分後、しっかり夕飯ともう一人前の餃子を、今度はビールと共に食べた(爆)
今、体調不良で食べても身にならないから、いいけれど。
体調がよくなったときにこのペースで食べ続けたら、間違いなく太るか、血液検査で異常値が出る(>_<)
「節制しないと…」とは思うけれど。
今、ダイエットを励行しても、再び病院送りになるのは目に見えてると、自分に言い訳(^^ゞ
…とりあえず、機嫌よく動けるようになるまではしっかり食べておこう
健康が資本だということは、こないだの膵炎騒動で嫌というほど実感したから。
今は極力無理をしないようにしようと思っている。
「霄はもうちょっと肥えてもええで?」
「もうちょっと、食べや〜」
竜樹さんがそう言ってくれてる間は、とりあえずちゃんと食べておこうと思う。
私から竜樹さんに元気を渡せるようになってやっと、竜樹さんの不安は一つ取れるのだと思うから。
最近、身体は動くようになったとは言え、精神的に浮き沈みが激しいから。
そっちの方もいずれは手をつけないとならなくはなるけれど…
…今は先ずハード面から片付けよう。
身体が元気になりさえしたら、心もまた上向きになるからさ…ヾ(^-^)
そう居直ると、何だか急に穏やかな気持ちになれた気がして、そのまま転寝してしまった。
気がつくと、水泳選手権が終わっていた(>_<)
そのままアイスコーヒーを飲み、自室に戻る。
ゆったりとした気持ちで、「こんばんはツアー」と称して、友達の掲示板に書き散らして、戻ってくる。
そして暫くまた本を読んだりして、ぼけっと過ごす。
…あ、竜樹さんに電話しなきゃ(゜o゜)
結構な時間になってたので、慌てて竜樹さんに電話を入れた。
「…あれ?霄、こんな時間まで起きてたん?」
「うん、家に帰ってきてから、餃子と夕飯食べてお酒飲んだら転寝してもて……(^^ゞ)
「一緒やぁ、俺も転寝しとってん(*^_^*)」
しょうもないことまで仲良しすぎて笑ってしまったけれど。
学校の話、今日のニュースの目新しい話……
携帯を当ててる耳が痛くなるくらいいろんな話をして、時計を見てびっくり。
25時を回っていた。
…竜樹さん、早く寝させてあげないと
そう思って「御開にしましょうか?」と切り出すけれど。
「お開き」を宣言してからも、何となく切り難くて話し込んでしまった。
「これではダメだ」と無理やり「お開き」宣告して電話を切る方向にもっていった。
…本当はいつまでも話していたかったけれど
今頃、竜樹さんはゆっくり眠ってるのだろう。
私は不思議と目が冴えて、こうしてまた日記を書いている(笑)
竜樹さんの声は私の心を暖かくしたり、穏やかにしてくれるけれど。
あの声を聞くと、びたっと眠気が飛んでいくのはちと厄介(^^ゞ
…だって寝れなくなるねんもん(T_T)
興奮するとかそんなんじゃないねんけどね(^^ゞ
何でなんやろう?
そうしてまた、元気から遠ざかるような環境になるのは問題ありだとは思うけれど。
声が聞けない日々が続くくらいなら、竜樹さんの声を聞いて夜更かししてしまう方がマシ。
いつか電池が切れたら、ちゃんと眠れるねんし。
竜樹さんからもらえる暖かさや穏やかな気持ちを持って、心も身体も元気になれますように。
そうして、元気になった私から竜樹さんに何かを贈れたらいいなぁ…
ささやかなる力の源
2001年7月24日今日も朝から蒸し暑さで目が覚める。
いつも以上に身体は重い。
それは予定よりも早く来てしまった「お客さん」のせいかもしれないし、連休明けにいきなり食らった残業大会の余波かもしれない。
体調不良のときのような、立ちくらみも吐き気もしないだけマシだけれど、一日の初めから気を吐かないと動き出せない感じにうんざりする。
電車に乗り、友達とメールを数通交わして電車を降りる。
せめて、朝食くらい取っておきたくて駅ビルのパン屋で朝食用と半夜食用のパンを買って、会社に向かう。
…会社の中もまた、蒸し暑い空気がとぐろを巻いていた。
またひとつ気を吐いて、事務所に上がる。
なんだか身体のだるさはいつまでたっても抜けなくて。
コーヒーを飲んだり台所で朝食を取ったりと、何とか身体の状態を立て直そうと努力はするけれど、ちょっと何かをするたびに思いっきり消耗する感じが抜けなくて。
…こんなんでは、アカンのになぁ
思考回路までネガティブな方向にしか向かないから、本当にその場にいるのが苦痛でならなくて。
仕事なんだからちゃんとしないとって思うのに、身体は言うことを聞かない。
いうこと聞かない身体と気持ちと格闘しながら、仕事を続ける。
昼休みを迎えるころには物を食べる気力すらなくなっていた。
暫く机に突っ伏して昼寝をして、仕方なく昼食を取る。
台所で洗い物をし、社長やボスのお茶を入れなおして、また昼寝をする。
…竜樹さん、調子崩してないかな? ちゃんとテスト受けられてるかな?
冷房を跳ね返すような熱気の中で、竜樹さんのことが気にかかった。
確か、今日は難しい教科のテストが立て続けに2つあるって言ってたよなぁ…
きっと竜樹さんのことだから、夜遅くまで勉強して、しんどくてもちゃんとテスト受けに行ってるんだろう。
「…ひとまず、あと4時間半頑張ろうか?私も」
そう思って、昼からの仕事にかかった。
昼からは暇なような忙しいような微妙な仕事の流れ。
溜めるとヤバそうな仕事をたったか片付けていった。
運がよければ定時に帰れそうな感じだったけれど、夕方からどっと仕事が増えてしまって、結局昨日と同様残業を食らってしまった。
…朝、「半夜食用」のパンを買っておいてよかった(^^ゞ
台所で買ったパンを食べながら、そう思った。
やっと仕事が終わり、よろよろと纏わりつく熱気の中自転車を飛ばして駅に向かう。
「竜樹さんメール」を送るつもりでいたけれど、電車に乗った途端、異常なる眠気に襲われて送れずじまい。
家に辿り着くまでずっと、乗り物の中では眠っていた(爆)
家に帰って、寝とぼけながら夕食をとり、水泳の世界選手権を見て自室に戻り、「こんばんはツアー」と称して友達の宙にメッセージを書き散らし、そのまま転寝してしまった。
…ピピピ、ピピピ、ピピピ
メールの着信音で目が覚める。
見ると、竜樹さんからだった。
…私が寝飛ばしている間に、3通もメールをくれていたんだ(゜o゜)
しかも、そのうち一つは調べ物の依頼メールだったΣ( ̄ロ ̄|||)
慌ててメールを打ち返し、最後に「調べ物、すぐにするからね」と打って、送信。
調べ物をするために本を取りにリビングに降り、戻ってくると携帯に着信が。
再び慌てて、竜樹さんに電話を入れなおす。
「…調べ物、急がなくてもええからなって言っておこうと思ってん」
電話に出てくれた竜樹さんはしんどそうではあったけれど、どこか明るい感じでそう言ってくれた。
そうして、テストの話やソフトの話、互いの近況(笑)を話す。
明日もテストだというのに、竜樹さんはいろいろお話してくれるし、私の話も聞いてくれた。
それだけで十分嬉しかったのに。
OSやソフトの話をしてるとき、私の持ってるものや知識で対応できそうだったのがとても嬉しかった。
竜樹さんが私のことを気遣ってくれる以上に、竜樹さんのの役に立てそうだってことがただ嬉しかった。
メールに気がつくまで、意識がなくなるほど眠かったのに。
竜樹さんと話していると、眠気は飛ぶし気持ちは前向きになる。
ちょうどいい状態になった頃、明日に備えて休もうってことで電話を切ったけれど。
…暑くて寝苦しいことを除けば、とてもいい気持ちで休めそう
そう思えたんだ。
先週の土曜日にゆったりとした気持ちで竜樹さんと過ごせたからかな?
それとも、音信があるってだけで安心できてるのかな?
気持ちが上向きになったことについて、詳しくその理由が解析できてはいないけれど…
何気なく竜樹さんがどうしてるかって判ること。
竜樹さんが私に気持ちを割いてくれること。
互いに少しの時間でも共有できること。
それが今の私にはありがたいことなんだと思う。
それが気持ちを立て直して歩いていくためのエネルギー源になってるのかもしれない。
あと3日会社に行ったら、また2日休み。
今週末、竜樹さんに逢えても逢えなくても、こんな風に時々でも互いのことを思い遣って、少しの時間でも共有できるなら。
それは確実に私の気持ちを上向きにしてくれるから。
上向きになった私の気持ちから、竜樹さんに何かを送り届けられたなら。
それはとても嬉しいことだから。
あと3日間、身体が重くても気持ちが塞ぎそうになっても。
心の傍にいる竜樹さんと一緒に頑張ろう。
投げずに一緒に頑張ろう。
ささやかなる力の源は、やがて暖かな何かを生み出す大きなエネルギーになるのだと信じてる。
その気持ちが維持できるように、明日からもまた歩いていこう。
いつも以上に身体は重い。
それは予定よりも早く来てしまった「お客さん」のせいかもしれないし、連休明けにいきなり食らった残業大会の余波かもしれない。
体調不良のときのような、立ちくらみも吐き気もしないだけマシだけれど、一日の初めから気を吐かないと動き出せない感じにうんざりする。
電車に乗り、友達とメールを数通交わして電車を降りる。
せめて、朝食くらい取っておきたくて駅ビルのパン屋で朝食用と半夜食用のパンを買って、会社に向かう。
…会社の中もまた、蒸し暑い空気がとぐろを巻いていた。
またひとつ気を吐いて、事務所に上がる。
なんだか身体のだるさはいつまでたっても抜けなくて。
コーヒーを飲んだり台所で朝食を取ったりと、何とか身体の状態を立て直そうと努力はするけれど、ちょっと何かをするたびに思いっきり消耗する感じが抜けなくて。
…こんなんでは、アカンのになぁ
思考回路までネガティブな方向にしか向かないから、本当にその場にいるのが苦痛でならなくて。
仕事なんだからちゃんとしないとって思うのに、身体は言うことを聞かない。
いうこと聞かない身体と気持ちと格闘しながら、仕事を続ける。
昼休みを迎えるころには物を食べる気力すらなくなっていた。
暫く机に突っ伏して昼寝をして、仕方なく昼食を取る。
台所で洗い物をし、社長やボスのお茶を入れなおして、また昼寝をする。
…竜樹さん、調子崩してないかな? ちゃんとテスト受けられてるかな?
冷房を跳ね返すような熱気の中で、竜樹さんのことが気にかかった。
確か、今日は難しい教科のテストが立て続けに2つあるって言ってたよなぁ…
きっと竜樹さんのことだから、夜遅くまで勉強して、しんどくてもちゃんとテスト受けに行ってるんだろう。
「…ひとまず、あと4時間半頑張ろうか?私も」
そう思って、昼からの仕事にかかった。
昼からは暇なような忙しいような微妙な仕事の流れ。
溜めるとヤバそうな仕事をたったか片付けていった。
運がよければ定時に帰れそうな感じだったけれど、夕方からどっと仕事が増えてしまって、結局昨日と同様残業を食らってしまった。
…朝、「半夜食用」のパンを買っておいてよかった(^^ゞ
台所で買ったパンを食べながら、そう思った。
やっと仕事が終わり、よろよろと纏わりつく熱気の中自転車を飛ばして駅に向かう。
「竜樹さんメール」を送るつもりでいたけれど、電車に乗った途端、異常なる眠気に襲われて送れずじまい。
家に辿り着くまでずっと、乗り物の中では眠っていた(爆)
家に帰って、寝とぼけながら夕食をとり、水泳の世界選手権を見て自室に戻り、「こんばんはツアー」と称して友達の宙にメッセージを書き散らし、そのまま転寝してしまった。
…ピピピ、ピピピ、ピピピ
メールの着信音で目が覚める。
見ると、竜樹さんからだった。
…私が寝飛ばしている間に、3通もメールをくれていたんだ(゜o゜)
しかも、そのうち一つは調べ物の依頼メールだったΣ( ̄ロ ̄|||)
慌ててメールを打ち返し、最後に「調べ物、すぐにするからね」と打って、送信。
調べ物をするために本を取りにリビングに降り、戻ってくると携帯に着信が。
再び慌てて、竜樹さんに電話を入れなおす。
「…調べ物、急がなくてもええからなって言っておこうと思ってん」
電話に出てくれた竜樹さんはしんどそうではあったけれど、どこか明るい感じでそう言ってくれた。
そうして、テストの話やソフトの話、互いの近況(笑)を話す。
明日もテストだというのに、竜樹さんはいろいろお話してくれるし、私の話も聞いてくれた。
それだけで十分嬉しかったのに。
OSやソフトの話をしてるとき、私の持ってるものや知識で対応できそうだったのがとても嬉しかった。
竜樹さんが私のことを気遣ってくれる以上に、竜樹さんのの役に立てそうだってことがただ嬉しかった。
メールに気がつくまで、意識がなくなるほど眠かったのに。
竜樹さんと話していると、眠気は飛ぶし気持ちは前向きになる。
ちょうどいい状態になった頃、明日に備えて休もうってことで電話を切ったけれど。
…暑くて寝苦しいことを除けば、とてもいい気持ちで休めそう
そう思えたんだ。
先週の土曜日にゆったりとした気持ちで竜樹さんと過ごせたからかな?
それとも、音信があるってだけで安心できてるのかな?
気持ちが上向きになったことについて、詳しくその理由が解析できてはいないけれど…
何気なく竜樹さんがどうしてるかって判ること。
竜樹さんが私に気持ちを割いてくれること。
互いに少しの時間でも共有できること。
それが今の私にはありがたいことなんだと思う。
それが気持ちを立て直して歩いていくためのエネルギー源になってるのかもしれない。
あと3日会社に行ったら、また2日休み。
今週末、竜樹さんに逢えても逢えなくても、こんな風に時々でも互いのことを思い遣って、少しの時間でも共有できるなら。
それは確実に私の気持ちを上向きにしてくれるから。
上向きになった私の気持ちから、竜樹さんに何かを送り届けられたなら。
それはとても嬉しいことだから。
あと3日間、身体が重くても気持ちが塞ぎそうになっても。
心の傍にいる竜樹さんと一緒に頑張ろう。
投げずに一緒に頑張ろう。
ささやかなる力の源は、やがて暖かな何かを生み出す大きなエネルギーになるのだと信じてる。
その気持ちが維持できるように、明日からもまた歩いていこう。
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目が覚めて…
2001年7月22日次に意識がはっきりしてきた時、階下から話し声が聞こえた。
…あ、竜樹さんのお母さんが来てはるんや?
そんな感じがしたので、起き上がって着替えて階下に降りる。
…そこには、包丁片手に料理をしてる竜樹さんしかいなかった
「もう少し寝てたらよかったのに?」
「ううん、せっかくだから手伝うよ?」
「ここで料理してたら、めっちゃ汗をかくから俺の服に着替えたらいいわ」
そう言われてまた2階に上がって、竜樹さんのTシャツと半パンをはく。
なんだか大きくて、服の中で身体が泳いでる感じだったけど(^^ゞ
階下に降りて、料理を手伝う。
「ナスとベーコンの炒め物を作るねん(*^_^*)」
竜樹さんと立ち位置を変わり、フライパンの中身と格闘する金岡。
「ナスがこれくらいの色目になったら、ひっくり返すねんで?」
「ベーコンは柔らかいうちに端に避けて次のん炒めたらええから」
何気に指示が飛んでくる。
…わかっとおよぉ
と思うことも多いんだけど、ここは竜樹さんのお家。
竜樹さんの指示に従いましょう(笑)
…そう言えば
昔、竜樹さんが一人暮らししていたとき、竜樹さんが休みの日は一緒に料理をすることもあったけど、あの当時は私ががんがん指示飛ばして、竜樹さんを動かしてたような…(-_-;)
その当時のことを思うと、竜樹さんの手つきも随分慣れたもののような気がする。
「ナスとベーコンの炒め物」が出来上がり、お皿に移し変えると、竜樹さんは何時の間にか切っていたステーキ肉をフライパンの上に並べ始める。
「これは焼きあがったら、このまま食うからなぁ」
…え?(゜o゜)
フライパンから直にものを食べるなんて、初めてだからびっくりしたけれど…
これもまた竜樹流。このお家にいてる間は従おう(笑)
「肉をひっくり返す前に、これを乗せたら肉がやらかくなるねんで?」
と刻んだラードを肉の上に乗せていく。
確かに、焼きあがって食べてみると美味しかったので、びっくりしたけれど。
そうして焼きあがっては食べ、焼きあがっては食べを繰り返し、何時の間にかご飯を食べはじめ、何時の間にかご飯を食べ終えていた(笑)
ちなみに、サイコロステーキとナスとベーコンの炒め物に加え、何処からともなく鶉の卵の水煮とスライストマト、モズクが出てきた(^^ゞ
…私の知らない間に随分要領よく、家事をこなすようになりはってんなぁ
と感心仕切りだった。
ご飯を食べ終え、片付けようとすると、
「片付けはいいから、涼もう」と2階に連れて行かれてしまった。
食べっぽかしみたいで気にはなったけれど、竜樹さんに言われるままになってしまった。
二人でごろごろじゃれじゃれモードでテレビを見てのんびり過ごし、お風呂に入ってまたごろごろを繰り返す。
帰る時間が気にならなかったわけじゃないけれど、何となくこのままでいたくてじっとしてる。
…そうしてるうちに23時30分近くになった(゜o゜)
「霄、もう帰ろうか?」
竜樹さんに言われて、渋々帰る用意をする。
食事とお風呂を済ませた竜樹さんはとても眠そうだったので、送ってもらうのは申し訳ない気がしたけれど、お言葉に甘えて送ってもらうことにした。
「本当はこの3連休中に『泊まりにおいで』って言おうと思っててん。
でも、霄んち急に言って急に外泊できへんやろ?
だから、盆休みまで黙ってようと思っててんけどなぁ……」
…早く言ってくれたら、どんな理由をつけても泊まりにしたよ?
そう思ったけれど。
体調やスケジュールの折り合いがつかなかった末のことだろうから、それも仕方がない。
竜樹さんが昨日友達と日帰りで温泉に行った話をしてくれたとき、
「もし二人で旅行に出るなら、温泉に行きたいね。
別に周りに何もなくてもいいから、のんびりした旅行に出たいね」って言ってみた。
「そうやなぁ、でもカップル貸切風呂みたいなんがあるとこ探さんと、時間がもったいないやん?
せっかく二人でいられる時間が別々の風呂やと減ってまうやん?」
……(*^_^*)
滅多にそんなことを言わない人の口からそんな台詞が飛び出すとびっくりしちゃうけれど、すんごく嬉しくて一人でにこにこしてしまう。
「今月末から夏休みやし、テスト月間じゃない時以外は時間も取り易いはずだから…」
前向きに物事を動かそうと考えてくれるだけで十分だった。
連休明けからまた頑張って働こうという気になった。
けれど。
スケジュールの話になったとき初めて、月曜日から試験週間に入ることを知った(>_<)
そんな話をもっと早く聞いてたら、もっと早い時間に自力で帰ったのに……
少々落ち込む私に、
「俺って優しいからなぁ〜〜。『帰れ』ってよう言わへんもんなぁ〜〜( ^ー^) ニヤリ!」
と明るく言う、竜樹さん。
「じゃあ、金曜まではなるべく夜、電話せぇへんようにするね…(-_-;)」
トーンダウンする私に、
「電話出れそうにない時は出ぇへんから、かけるだけかけてみてもええで」
と飄々と答える竜樹さん。
なんだか何気ない言葉がすごく暖かいもののように思えて、とても嬉しかった。
そんな愛しい時間が終わりを迎える(T_T)
「テスト、頑張ってね」
「おう、頑張ってくるわ。霄も頑張って会社行けよ?」
そう言って別れた。
午前様になってしまって、そろりそろりと家の中に入る。
謝ろうと思ってリビングに行くと、両親はめいめい好き勝手に遊んでいて、私のことなどどうでもいい様子。
帰り際に竜樹さんから貰った「抹茶くずもち」を恐る恐る差し出すと、(特に金岡母)は喜んで食べ始めた。
こうして連休2日目は無事終わった。
部屋に戻って鞄を開けると、病院用のエアサロンパスがころんと出てきた。
…あ、
肩が痛い、背中が痛いと日頃口にしてるから、自分の貰ってる薬を分けてくれたんだ。
そう言えば、今日も私の背中に出来てる薬負けの跡や、身体に出ている小さな発疹を見つけて、気にしてたなぁ…
「薬負けの跡が消えなかったりぶつぶつが出たりするのは、ストレスからやで?
ゆったり暮らそうなぁ?」
そう言ってくれてたことを思い出す。
…いつでも、何気ないことをよく見ていてくれるんだよね?
そう思うと、とても愛しくて。
私もまた竜樹さんの役に立てたらって思ったんだ。
…逢えることがくれるもの。
それはきっと安らぎやぬくもりだけじゃなくて、相手を思い遣る気持ちもまた与えてくれるんだよね?
もし、また長い間逢えなくなったとしても、それが元でどんなにへこんでも。
暖かな時間と大好きな笑顔を思い出して頑張ろう。
そうして逢えた時、暖かな空気で包んであげよう。
…逢えてよかった。ありがとう。
…あ、竜樹さんのお母さんが来てはるんや?
そんな感じがしたので、起き上がって着替えて階下に降りる。
…そこには、包丁片手に料理をしてる竜樹さんしかいなかった
「もう少し寝てたらよかったのに?」
「ううん、せっかくだから手伝うよ?」
「ここで料理してたら、めっちゃ汗をかくから俺の服に着替えたらいいわ」
そう言われてまた2階に上がって、竜樹さんのTシャツと半パンをはく。
なんだか大きくて、服の中で身体が泳いでる感じだったけど(^^ゞ
階下に降りて、料理を手伝う。
「ナスとベーコンの炒め物を作るねん(*^_^*)」
竜樹さんと立ち位置を変わり、フライパンの中身と格闘する金岡。
「ナスがこれくらいの色目になったら、ひっくり返すねんで?」
「ベーコンは柔らかいうちに端に避けて次のん炒めたらええから」
何気に指示が飛んでくる。
…わかっとおよぉ
と思うことも多いんだけど、ここは竜樹さんのお家。
竜樹さんの指示に従いましょう(笑)
…そう言えば
昔、竜樹さんが一人暮らししていたとき、竜樹さんが休みの日は一緒に料理をすることもあったけど、あの当時は私ががんがん指示飛ばして、竜樹さんを動かしてたような…(-_-;)
その当時のことを思うと、竜樹さんの手つきも随分慣れたもののような気がする。
「ナスとベーコンの炒め物」が出来上がり、お皿に移し変えると、竜樹さんは何時の間にか切っていたステーキ肉をフライパンの上に並べ始める。
「これは焼きあがったら、このまま食うからなぁ」
…え?(゜o゜)
フライパンから直にものを食べるなんて、初めてだからびっくりしたけれど…
これもまた竜樹流。このお家にいてる間は従おう(笑)
「肉をひっくり返す前に、これを乗せたら肉がやらかくなるねんで?」
と刻んだラードを肉の上に乗せていく。
確かに、焼きあがって食べてみると美味しかったので、びっくりしたけれど。
そうして焼きあがっては食べ、焼きあがっては食べを繰り返し、何時の間にかご飯を食べはじめ、何時の間にかご飯を食べ終えていた(笑)
ちなみに、サイコロステーキとナスとベーコンの炒め物に加え、何処からともなく鶉の卵の水煮とスライストマト、モズクが出てきた(^^ゞ
…私の知らない間に随分要領よく、家事をこなすようになりはってんなぁ
と感心仕切りだった。
ご飯を食べ終え、片付けようとすると、
「片付けはいいから、涼もう」と2階に連れて行かれてしまった。
食べっぽかしみたいで気にはなったけれど、竜樹さんに言われるままになってしまった。
二人でごろごろじゃれじゃれモードでテレビを見てのんびり過ごし、お風呂に入ってまたごろごろを繰り返す。
帰る時間が気にならなかったわけじゃないけれど、何となくこのままでいたくてじっとしてる。
…そうしてるうちに23時30分近くになった(゜o゜)
「霄、もう帰ろうか?」
竜樹さんに言われて、渋々帰る用意をする。
食事とお風呂を済ませた竜樹さんはとても眠そうだったので、送ってもらうのは申し訳ない気がしたけれど、お言葉に甘えて送ってもらうことにした。
「本当はこの3連休中に『泊まりにおいで』って言おうと思っててん。
でも、霄んち急に言って急に外泊できへんやろ?
だから、盆休みまで黙ってようと思っててんけどなぁ……」
…早く言ってくれたら、どんな理由をつけても泊まりにしたよ?
そう思ったけれど。
体調やスケジュールの折り合いがつかなかった末のことだろうから、それも仕方がない。
竜樹さんが昨日友達と日帰りで温泉に行った話をしてくれたとき、
「もし二人で旅行に出るなら、温泉に行きたいね。
別に周りに何もなくてもいいから、のんびりした旅行に出たいね」って言ってみた。
「そうやなぁ、でもカップル貸切風呂みたいなんがあるとこ探さんと、時間がもったいないやん?
せっかく二人でいられる時間が別々の風呂やと減ってまうやん?」
……(*^_^*)
滅多にそんなことを言わない人の口からそんな台詞が飛び出すとびっくりしちゃうけれど、すんごく嬉しくて一人でにこにこしてしまう。
「今月末から夏休みやし、テスト月間じゃない時以外は時間も取り易いはずだから…」
前向きに物事を動かそうと考えてくれるだけで十分だった。
連休明けからまた頑張って働こうという気になった。
けれど。
スケジュールの話になったとき初めて、月曜日から試験週間に入ることを知った(>_<)
そんな話をもっと早く聞いてたら、もっと早い時間に自力で帰ったのに……
少々落ち込む私に、
「俺って優しいからなぁ〜〜。『帰れ』ってよう言わへんもんなぁ〜〜( ^ー^) ニヤリ!」
と明るく言う、竜樹さん。
「じゃあ、金曜まではなるべく夜、電話せぇへんようにするね…(-_-;)」
トーンダウンする私に、
「電話出れそうにない時は出ぇへんから、かけるだけかけてみてもええで」
と飄々と答える竜樹さん。
なんだか何気ない言葉がすごく暖かいもののように思えて、とても嬉しかった。
そんな愛しい時間が終わりを迎える(T_T)
「テスト、頑張ってね」
「おう、頑張ってくるわ。霄も頑張って会社行けよ?」
そう言って別れた。
午前様になってしまって、そろりそろりと家の中に入る。
謝ろうと思ってリビングに行くと、両親はめいめい好き勝手に遊んでいて、私のことなどどうでもいい様子。
帰り際に竜樹さんから貰った「抹茶くずもち」を恐る恐る差し出すと、(特に金岡母)は喜んで食べ始めた。
こうして連休2日目は無事終わった。
部屋に戻って鞄を開けると、病院用のエアサロンパスがころんと出てきた。
…あ、
肩が痛い、背中が痛いと日頃口にしてるから、自分の貰ってる薬を分けてくれたんだ。
そう言えば、今日も私の背中に出来てる薬負けの跡や、身体に出ている小さな発疹を見つけて、気にしてたなぁ…
「薬負けの跡が消えなかったりぶつぶつが出たりするのは、ストレスからやで?
ゆったり暮らそうなぁ?」
そう言ってくれてたことを思い出す。
…いつでも、何気ないことをよく見ていてくれるんだよね?
そう思うと、とても愛しくて。
私もまた竜樹さんの役に立てたらって思ったんだ。
…逢えることがくれるもの。
それはきっと安らぎやぬくもりだけじゃなくて、相手を思い遣る気持ちもまた与えてくれるんだよね?
もし、また長い間逢えなくなったとしても、それが元でどんなにへこんでも。
暖かな時間と大好きな笑顔を思い出して頑張ろう。
そうして逢えた時、暖かな空気で包んであげよう。
…逢えてよかった。ありがとう。
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待ち望んだ時間
2001年7月21日連休2日目。
昨日、友達と会ってご飯を食べて散々喋り倒したのだからゆっくり寝てればいいのに、会社に行く時と変わらない時間に目が覚める。
外は快晴。だけど、強烈に蒸し暑い(>_<)
…竜樹さんとは今日逢う約束はしてるけれど、竜樹さんの体調はどうなんだろう?
気になっているけれど、あんまり早い時間から起こしてもかわいそうだと思ったので、
昼過ぎ、竜樹さんに電話をした。
竜樹さんの声は少ししんどそうではあるけれど、
「とりあえずいつも待ち合わせしてる駅においで、迎えに行くから」ということなので、
シャワーを浴びて用意をして出かける。
…外はめちゃくちゃ暑かった(>_<)
正直、出かけると約束したことを一瞬後悔した(爆)
だけど、これを逃したら今度はいつ会えるか判らない。
来週の日曜日は友達の快気祝いの食事会に行くことになっているから、下手をするとまた2週先まで逢えないかもしれない。
そう思うと、こげそうなくらいの日差しも纏わりつくような空気も、ついでにいつも歩く道を通行止めにしてしまってる道路工事ですら竜樹さんに逢いに行こうと思う気持ちを阻むものにはならなかった。
駅に着いて、電車に乗ってやっと気持ちが落ち着いた。
今日は神戸の花火大会。
この時間から浴衣を着た女の子たちが神戸に向かう。
…場所取りをするのも楽じゃないんだよな?
去年、竜樹さんと花火にいく度に場所取りだけで疲れてしまったことを思い出してしまった。
本当は竜樹さんと花火を見に行きたかったけれど、体調が不安定な竜樹さんに「行きましょうよぉ」とお願いする気にはとてもなれなかった。
浴衣姿の女の子を横目に、電車を降りる。
電車を乗り換え、待ち合わせの駅の改札を出た頃、竜樹さんから電話があった。
「あと5分ほどでそっちに着くから、もう暫く待ってて」
日陰で竜樹さんの車が来るのを待った。
…あと5分で竜樹さんに逢えるんだ(*^_^*)
そう思うと、こげそうな日差しの下でじっと立ってるのもそう大変なことでもなかった。
暫くしてやって来た竜樹さんは、少し疲れているようにも見えたけど、笑顔で迎えてくれた。
私はそんな竜樹さんに会えただけで十分だった。
他愛もない話をしながら、竜樹さんの車はおうちの方に走っていく。
…あれ?今日はどうしたのかな?
しんどい時でもあまり家にいたがらない竜樹さんが自宅の方に向かうというのは、よっぽど体調が悪いってことだから心配してしまう。
…おうちの方だってこの暑さじゃしんどいだろうから、却ってご迷惑かな?
…何かお土産を買っておけばよかったかな?
いろいろと考えを走らせてるうちに、竜樹さんは駐車場に車を停めた。
車を降りて、歩き出す竜樹さんの後ろをついていくと、竜樹さんの自宅の隣に入っていく。
…え?
事情が飲み込めず、きょとんとしてる私に「おいで」という竜樹さん。
促されるまま入ってみると、玄関には竜樹さんの飼ってるベタの水槽がちょこなんとある。
「…いろんな事情があって、一人暮らし始めてん」
よくよく話を聞いてると、ちょうど逢えなくなった頃からこちらに移っていたらしい。
「何で言ってくれなかったんです?」
「ちゃんと落ち着いて霄を呼べるような状態になってから言おうと思っててん」
…竜樹さんはこういう人だ(-_-;)
ある程度、形になるまでは、一切教えてくれない人だ。
「薄情もん!!ヽ(`⌒´)ノ」って怒るだけ無駄だってことは百も承知(笑)
もうそれ以上、突っ込まないことにした。
竜樹さんが2階の部屋を冷やしに行ってる間、1階の部屋を眺めていた。
きちんと片付けが済ませてあるところは、昔と変わりがない。
台所にコンロが一つしかないところもまた、昔と変わりがない(笑)
…この先、ここで料理を作ることになっても、昔と同様苦労しそうだわ(笑)
部屋のあちこちに竜樹さんらしさが伺えて、思わず笑ってしまった。
降りてきた竜樹さんと畳の部屋で向かい合って座って、こちらに移ってきた経緯や引越しの時の話を聞く。
一人暮らしを始めてから、あれやこれやとしないといけないことが増えたり苦労もあるみたいだけど、一人の時間がないとイラついていたときと比べたらずっと表情が穏やかな気がして嬉しくなってくる。
「これで今までよりもゆったりした感じで一緒にいられるようになるで(*^_^*)」
確かに、「お風呂付部屋」にいても、ご飯を食べに行っても何かと時間を気にしていたから、それを考えると私が家に帰る時間以外、何も気にしなくていいという環境が手に入ったということは喜ばしいことなのかもしれない。
そろそろ部屋が冷える頃だろうというので、2階に上がった。
2階は寝室と勉強をする場所。
ここもまたちゃんと片付いている。
1階と違って涼しい部屋でまた二人他愛のない話をしてる。
話が途切れたところで、竜樹さんがぎゅーっと抱き締めてくれる。
そのまま別のやりとりが始まる。
正確にはマミちゃんの前楽の日に1時間だけ逢ってるんだけど、こうして二人が互いにやりとりをするのは1ヶ月ぶり。
長い間ずっと繰り返してきたはずのやり取りとどこか違うような気がするのは、そのせいなのかな?
とめどなく続いていくやりとりに何度も意識が途切れそうになるけれど、
やりとりに終わりが見えることがなくて。
何度も何度も繰り返すやり取りの中に安堵の色を見つけるのに時間がかかった。
ひと心地ついたと思うとまた始まるやりとりに、二人を隔てていた時間がゆっくりと埋まっていく感じがした。
それを自覚する頃には本当に意識が切れかけていたけれど……
長い長いやりとりの末に、私は眠ってしまっていたらしい。
時々、身体の上にかけられるタオルケットの感触で意識が戻るような気がしたけれど、
頭の奥の方で竜樹さんが声をかけてくれていたような気がしたけれど、そのままゆっくり記憶の底に落ちていってしまった。
…何気なく目が覚めたときには、竜樹さんはそこにはいなかった。
1階からはことこと音がしてる。
…もしかして、ご飯を作ってるのかな?
だとしたら、私も手伝わないと…
そう思って立ち上がった途端、立ちくらみがして布団の上に座り込んでしまう。
そうしてまた、横になって意識が落ちるのに任せてしまった…
*****************************************************
字数オーバーなので、22日の日記に続きます(^^ゞ
昨日、友達と会ってご飯を食べて散々喋り倒したのだからゆっくり寝てればいいのに、会社に行く時と変わらない時間に目が覚める。
外は快晴。だけど、強烈に蒸し暑い(>_<)
…竜樹さんとは今日逢う約束はしてるけれど、竜樹さんの体調はどうなんだろう?
気になっているけれど、あんまり早い時間から起こしてもかわいそうだと思ったので、
昼過ぎ、竜樹さんに電話をした。
竜樹さんの声は少ししんどそうではあるけれど、
「とりあえずいつも待ち合わせしてる駅においで、迎えに行くから」ということなので、
シャワーを浴びて用意をして出かける。
…外はめちゃくちゃ暑かった(>_<)
正直、出かけると約束したことを一瞬後悔した(爆)
だけど、これを逃したら今度はいつ会えるか判らない。
来週の日曜日は友達の快気祝いの食事会に行くことになっているから、下手をするとまた2週先まで逢えないかもしれない。
そう思うと、こげそうなくらいの日差しも纏わりつくような空気も、ついでにいつも歩く道を通行止めにしてしまってる道路工事ですら竜樹さんに逢いに行こうと思う気持ちを阻むものにはならなかった。
駅に着いて、電車に乗ってやっと気持ちが落ち着いた。
今日は神戸の花火大会。
この時間から浴衣を着た女の子たちが神戸に向かう。
…場所取りをするのも楽じゃないんだよな?
去年、竜樹さんと花火にいく度に場所取りだけで疲れてしまったことを思い出してしまった。
本当は竜樹さんと花火を見に行きたかったけれど、体調が不安定な竜樹さんに「行きましょうよぉ」とお願いする気にはとてもなれなかった。
浴衣姿の女の子を横目に、電車を降りる。
電車を乗り換え、待ち合わせの駅の改札を出た頃、竜樹さんから電話があった。
「あと5分ほどでそっちに着くから、もう暫く待ってて」
日陰で竜樹さんの車が来るのを待った。
…あと5分で竜樹さんに逢えるんだ(*^_^*)
そう思うと、こげそうな日差しの下でじっと立ってるのもそう大変なことでもなかった。
暫くしてやって来た竜樹さんは、少し疲れているようにも見えたけど、笑顔で迎えてくれた。
私はそんな竜樹さんに会えただけで十分だった。
他愛もない話をしながら、竜樹さんの車はおうちの方に走っていく。
…あれ?今日はどうしたのかな?
しんどい時でもあまり家にいたがらない竜樹さんが自宅の方に向かうというのは、よっぽど体調が悪いってことだから心配してしまう。
…おうちの方だってこの暑さじゃしんどいだろうから、却ってご迷惑かな?
…何かお土産を買っておけばよかったかな?
いろいろと考えを走らせてるうちに、竜樹さんは駐車場に車を停めた。
車を降りて、歩き出す竜樹さんの後ろをついていくと、竜樹さんの自宅の隣に入っていく。
…え?
事情が飲み込めず、きょとんとしてる私に「おいで」という竜樹さん。
促されるまま入ってみると、玄関には竜樹さんの飼ってるベタの水槽がちょこなんとある。
「…いろんな事情があって、一人暮らし始めてん」
よくよく話を聞いてると、ちょうど逢えなくなった頃からこちらに移っていたらしい。
「何で言ってくれなかったんです?」
「ちゃんと落ち着いて霄を呼べるような状態になってから言おうと思っててん」
…竜樹さんはこういう人だ(-_-;)
ある程度、形になるまでは、一切教えてくれない人だ。
「薄情もん!!ヽ(`⌒´)ノ」って怒るだけ無駄だってことは百も承知(笑)
もうそれ以上、突っ込まないことにした。
竜樹さんが2階の部屋を冷やしに行ってる間、1階の部屋を眺めていた。
きちんと片付けが済ませてあるところは、昔と変わりがない。
台所にコンロが一つしかないところもまた、昔と変わりがない(笑)
…この先、ここで料理を作ることになっても、昔と同様苦労しそうだわ(笑)
部屋のあちこちに竜樹さんらしさが伺えて、思わず笑ってしまった。
降りてきた竜樹さんと畳の部屋で向かい合って座って、こちらに移ってきた経緯や引越しの時の話を聞く。
一人暮らしを始めてから、あれやこれやとしないといけないことが増えたり苦労もあるみたいだけど、一人の時間がないとイラついていたときと比べたらずっと表情が穏やかな気がして嬉しくなってくる。
「これで今までよりもゆったりした感じで一緒にいられるようになるで(*^_^*)」
確かに、「お風呂付部屋」にいても、ご飯を食べに行っても何かと時間を気にしていたから、それを考えると私が家に帰る時間以外、何も気にしなくていいという環境が手に入ったということは喜ばしいことなのかもしれない。
そろそろ部屋が冷える頃だろうというので、2階に上がった。
2階は寝室と勉強をする場所。
ここもまたちゃんと片付いている。
1階と違って涼しい部屋でまた二人他愛のない話をしてる。
話が途切れたところで、竜樹さんがぎゅーっと抱き締めてくれる。
そのまま別のやりとりが始まる。
正確にはマミちゃんの前楽の日に1時間だけ逢ってるんだけど、こうして二人が互いにやりとりをするのは1ヶ月ぶり。
長い間ずっと繰り返してきたはずのやり取りとどこか違うような気がするのは、そのせいなのかな?
とめどなく続いていくやりとりに何度も意識が途切れそうになるけれど、
やりとりに終わりが見えることがなくて。
何度も何度も繰り返すやり取りの中に安堵の色を見つけるのに時間がかかった。
ひと心地ついたと思うとまた始まるやりとりに、二人を隔てていた時間がゆっくりと埋まっていく感じがした。
それを自覚する頃には本当に意識が切れかけていたけれど……
長い長いやりとりの末に、私は眠ってしまっていたらしい。
時々、身体の上にかけられるタオルケットの感触で意識が戻るような気がしたけれど、
頭の奥の方で竜樹さんが声をかけてくれていたような気がしたけれど、そのままゆっくり記憶の底に落ちていってしまった。
…何気なく目が覚めたときには、竜樹さんはそこにはいなかった。
1階からはことこと音がしてる。
…もしかして、ご飯を作ってるのかな?
だとしたら、私も手伝わないと…
そう思って立ち上がった途端、立ちくらみがして布団の上に座り込んでしまう。
そうしてまた、横になって意識が落ちるのに任せてしまった…
*****************************************************
字数オーバーなので、22日の日記に続きます(^^ゞ
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「自分らしさ」を取り戻そう
2001年7月18日昨晩、疲れてうとうとしていると、携帯が鳴った。
…竜樹さんから電話が入った。
相変わらず竜樹さんの声は何処となくしんどそうで、早く切ってあげないとと思ったけれど、竜樹さんは私が電話をしなかった2日間どうしていたかを話してくれた。
そして、私の話も聞いてくれた。
竜樹さんに逢えない状態が長く続いていて、いろんな意味で投げやりモードが入ってきてはいるけれど。
どうしても、今の竜樹さんにそれを悟られるのだけはイヤだったから、今週末友達と食事に行く話や週末に妹が帰ってきてたときの話をした。
…そんな話をしていれば、とりあえずは安心してくれると思ったから。
「今週は3連休だからゆっくり休めるね」
こんなにしんどそうな竜樹さんに「逢えないのは寂しいから時間を取ってください」とお願いする気にはとてもなれない。
せめて熱い間だけでも我慢したらええわと自分に言い聞かせるつもりでそう言った。
「…いや、今回3連休やし、どこかで逢おう?」
竜樹さんはそう答えた。
常に、竜樹さんの「体調不良」に負け続けた私のために、時間を取ってくれるんだ?この人は…
びっくりして言葉も出ない私に、竜樹さんは穏やかな調子で話し続ける。
「もう少ししたら夏休みに入るから、これまでよりも時間を取れるようになるで?」
何度も何度も繰り返すフレーズ。
電話の切り際にも言われたような気がする。
…もしかして、逢えないでいることでへこんでたってバレバレ?(-_-;)
相変わらず、竜樹さんの前ではバカ正直なんだよ、私は。
中途半端に騙そうとするなら、最初っから「逢いたいから、時間を割いてください」って言えばいいのにね。
終始、情けなさモード入ってるから、自分自身に対して出てくる言葉もどこか批判めいてるけれど。
とりあえず、あと2回仕事を片付けたら休みの日のどこかで逢えるんだと思うと、それだけで嬉しくなった。
いつもは寝つきが悪いくせに、そのあとぱたんと眠ってしまった。
朝は相変わらず、身体が重くてとても眠かったけれど。
「あと2回仕事を片付けたら、もれなく竜樹さん」(笑)
を心に家を出る。
すると、会社に行くまでに一度も信号で捕まらずに済むし(笑)、会社に入ってからも終始仕事のペースが立て込みもせず暇すぎもせず、ちょうどよい。
定時に会社を出て、ドライバーを買いに出かけた先で最後まで見つかることのなかったい金岡妹の旦那のバースデイテディは見つかるし。
(…ついでにマミちゃんのテディも見つかったし(^^ゞ)
家に帰ると、夕飯はとても美味しかったし、珍しく日記を書こうという気にもなった。
…私ってめっちゃ単純なヤツだよなぁ
自分で自分に呆れてしまうけれど。
もしかして3連休中、相変わらず竜樹さんの具合が悪くて逢えなくなるかもしれないけれど。
もし逢えたなら、逢えなかった時の不満をぐちぐち言うのではなくて、とびっきりの笑顔で迎えてあげたいな。
…そして、今度は。
逢えなくなった時に必要以上にへこんだり竜樹さんを疑ってみて、関係を切ろうとか考えないで済むように、逢えたときに貰った気持ちを大切にしよう。
滅多に電話をしてこない竜樹さんが逢えなくなってから何気にくれる電話に。
不満や不安ではなく、暖かさや安心感を与えられるように。
竜樹さんが甘えてもいいのは、「ここ」なんだよ?と心に伝えられたらって思う。
さぁて、これから仕切りなおし。
竜樹さんに逢えても逢えなくても、竜樹さんのことを疑わない心と竜樹さんを癒せる暖かさと、竜樹さんが愛しいと思ってくれる自分であれるように。
出来ることから始めよう。
厚い雲に頭を押さえつけられてるような感覚に負けないよう、めげないよう。
「自分らしさ」を取り戻そう。
何が「自分らしさ」なのかはよく判らないし、「らしくてもらしくなくても、私は私だよ」って思ってる部分もあるけれど。
「霄の笑顔が俺のエネルギー源なんや」
二人が一緒にい始めた頃からずっと竜樹さんが口にしてた言葉。
それを維持しようと頑張ってた私は、間違いなく作り物の私ではないから。
そんなまっすぐなる気持ち一つでいろんなことをクリアしていける、そんな私を取り戻そう。
竜樹さんと向かい合える時は暖かな笑顔で包んであげる。
心も身体もきちんと抱き締めてあげる。
物理的に近くにいても遠くにいても、心だけはいつでも傍にいられるようでありたい。
竜樹さんの背中の痛みを取ることも体調不良を治してあげることも出来ないのなら、
せめて竜樹さんの心に晴れ間をもたらしてあげたい。
いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも皆まとめて引き連れていこう。
「捨てる」強さだけでおしてきた私に「引き連れていく」ことで強くなれることを教えてくれた竜樹さんの気持ちに応えたい。
竜樹さんの何気ない言葉で取り戻しつつあるそんな自分を、もっと強くしなやかなものにするために。
…もう少しだけ頑張ってみようかな?
…竜樹さんから電話が入った。
相変わらず竜樹さんの声は何処となくしんどそうで、早く切ってあげないとと思ったけれど、竜樹さんは私が電話をしなかった2日間どうしていたかを話してくれた。
そして、私の話も聞いてくれた。
竜樹さんに逢えない状態が長く続いていて、いろんな意味で投げやりモードが入ってきてはいるけれど。
どうしても、今の竜樹さんにそれを悟られるのだけはイヤだったから、今週末友達と食事に行く話や週末に妹が帰ってきてたときの話をした。
…そんな話をしていれば、とりあえずは安心してくれると思ったから。
「今週は3連休だからゆっくり休めるね」
こんなにしんどそうな竜樹さんに「逢えないのは寂しいから時間を取ってください」とお願いする気にはとてもなれない。
せめて熱い間だけでも我慢したらええわと自分に言い聞かせるつもりでそう言った。
「…いや、今回3連休やし、どこかで逢おう?」
竜樹さんはそう答えた。
常に、竜樹さんの「体調不良」に負け続けた私のために、時間を取ってくれるんだ?この人は…
びっくりして言葉も出ない私に、竜樹さんは穏やかな調子で話し続ける。
「もう少ししたら夏休みに入るから、これまでよりも時間を取れるようになるで?」
何度も何度も繰り返すフレーズ。
電話の切り際にも言われたような気がする。
…もしかして、逢えないでいることでへこんでたってバレバレ?(-_-;)
相変わらず、竜樹さんの前ではバカ正直なんだよ、私は。
中途半端に騙そうとするなら、最初っから「逢いたいから、時間を割いてください」って言えばいいのにね。
終始、情けなさモード入ってるから、自分自身に対して出てくる言葉もどこか批判めいてるけれど。
とりあえず、あと2回仕事を片付けたら休みの日のどこかで逢えるんだと思うと、それだけで嬉しくなった。
いつもは寝つきが悪いくせに、そのあとぱたんと眠ってしまった。
朝は相変わらず、身体が重くてとても眠かったけれど。
「あと2回仕事を片付けたら、もれなく竜樹さん」(笑)
を心に家を出る。
すると、会社に行くまでに一度も信号で捕まらずに済むし(笑)、会社に入ってからも終始仕事のペースが立て込みもせず暇すぎもせず、ちょうどよい。
定時に会社を出て、ドライバーを買いに出かけた先で最後まで見つかることのなかったい金岡妹の旦那のバースデイテディは見つかるし。
(…ついでにマミちゃんのテディも見つかったし(^^ゞ)
家に帰ると、夕飯はとても美味しかったし、珍しく日記を書こうという気にもなった。
…私ってめっちゃ単純なヤツだよなぁ
自分で自分に呆れてしまうけれど。
もしかして3連休中、相変わらず竜樹さんの具合が悪くて逢えなくなるかもしれないけれど。
もし逢えたなら、逢えなかった時の不満をぐちぐち言うのではなくて、とびっきりの笑顔で迎えてあげたいな。
…そして、今度は。
逢えなくなった時に必要以上にへこんだり竜樹さんを疑ってみて、関係を切ろうとか考えないで済むように、逢えたときに貰った気持ちを大切にしよう。
滅多に電話をしてこない竜樹さんが逢えなくなってから何気にくれる電話に。
不満や不安ではなく、暖かさや安心感を与えられるように。
竜樹さんが甘えてもいいのは、「ここ」なんだよ?と心に伝えられたらって思う。
さぁて、これから仕切りなおし。
竜樹さんに逢えても逢えなくても、竜樹さんのことを疑わない心と竜樹さんを癒せる暖かさと、竜樹さんが愛しいと思ってくれる自分であれるように。
出来ることから始めよう。
厚い雲に頭を押さえつけられてるような感覚に負けないよう、めげないよう。
「自分らしさ」を取り戻そう。
何が「自分らしさ」なのかはよく判らないし、「らしくてもらしくなくても、私は私だよ」って思ってる部分もあるけれど。
「霄の笑顔が俺のエネルギー源なんや」
二人が一緒にい始めた頃からずっと竜樹さんが口にしてた言葉。
それを維持しようと頑張ってた私は、間違いなく作り物の私ではないから。
そんなまっすぐなる気持ち一つでいろんなことをクリアしていける、そんな私を取り戻そう。
竜樹さんと向かい合える時は暖かな笑顔で包んであげる。
心も身体もきちんと抱き締めてあげる。
物理的に近くにいても遠くにいても、心だけはいつでも傍にいられるようでありたい。
竜樹さんの背中の痛みを取ることも体調不良を治してあげることも出来ないのなら、
せめて竜樹さんの心に晴れ間をもたらしてあげたい。
いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも皆まとめて引き連れていこう。
「捨てる」強さだけでおしてきた私に「引き連れていく」ことで強くなれることを教えてくれた竜樹さんの気持ちに応えたい。
竜樹さんの何気ない言葉で取り戻しつつあるそんな自分を、もっと強くしなやかなものにするために。
…もう少しだけ頑張ってみようかな?
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雲の切れ間を探してる…
2001年7月13日日記の更新を止めて3,4日経った。
日記を書かない間も相変わらず寝付きは悪かったし、
「あ、日記書かないと…」と思わなかったわけじゃないけれど。
なんだか「書かない」という空気がヘンに居心地が良くて、ずっと放り出していた。
こんなことは日記を書き始めて以来、なかったことなんだけどね…
あいてる日の日記を穴埋めするかどうかわからないので、ざっと書いてしまうけれど。
10日の日に電話で話したっきり、竜樹さんとは連絡が取れていない状態。
このところ湿気を孕んだ空気は太陽の熱と混ざり合って倒れそうなまでの暑さをもたらしていたから、竜樹さんがしんどくても仕方がないと思っていたし、私自身も参っていたから。
それはそれで仕方がないと思ってるけれど。
…そんな中で、
自分の日記を振り返ったとき、少しやりきれない気持ちになったんだ。
今、ある作業の絡みで竜樹さんと出会ってからのことを振り返ってる。
そうする中で「元気だった頃の竜樹さん」が私の中で蘇ってるからかもしれない。
それとも、私が完全に復調しきれずにいてて、自分の気持ちを飼いならすことも衝動のままに突っ走ることも出来ずにいてるからかもしれない。
元気だった頃の竜樹さんはどんなにしんどくても、忙しくても会う時間を取るってことにはとても貪欲だった気がする。
どう考えても私の我儘でしかないような要求でも、少しの時間を縫って逢う努力をしてくれてた。
そんな姿を見てきたからこそ無理はさせたくないと思ってるし、自分の我儘なる想いを飲み込み続けるけれど…
本当にごく最近、竜樹さんの体調が悪ければひと月でもふた月でも容赦なく逢えなくなる。
別に互いの物理的距離が開いてるわけでも、おおっぴらに逢えないわけでもないのに。
平気で逢えない時間ばかりが増えていく。
竜樹さんと最後に話した時、時間の流れの捉え方が違ってきてると感じたことも私にはそれなりにショックだったのかもしれない。
私は「ひと月も逢えなかったんだ」って思ってるけれど、竜樹さんからすると「行事ごとであっという間にひと月経ったんやなぁ」って感じで。
逢える逢えないという事象に対して竜樹さんがどう思ってるか見えてこない。
本当にただしんどいだけなのか、何かが変わったのか?
それとも竜樹さんの中での優先順位が下のほうになってるからなのか。
ちゃんと向き合えば、それはそれとして片付けられることなのに。
私自身が竜樹さんと向き合って聞いてみようという気がなくなっている。
「…どうせ、竜樹さんの痛みにはかなわないんだよ?
行事ごとや体調と私が並んでたら、真っ先に切られるのは私の事情なんだよね?」
そんな風にしか思えなくなってきてる。
ここで書いてる自分の文章を振り返って。
そんな事実を認めたくなくて、無理やり自分の気持ちを立て直そうとするためにしかこの日記は機能してないんじゃないかって気がしてた。
竜樹さんのことが本当に好きで、大切だと思ってるのは間違いないけれど。
竜樹さんの状況をきちんと把握して、自分の期待が裏切られてもそれはそれとして自分の中で収められるのは、あくまで自分自身に余裕があるときの話。
…今はとてもそんな状態ではないんだってことも痛烈に思い知ってる
だから、自分が書いたものを振り返ったとき。
なんだか、想いが空回りしてるよな?って気がしてならなくて。
他愛のないことでも竜樹さんと「二人」で通り過ぎた出来事は宝物のように思えるのに。
竜樹さんのいないところで自分が思ってることを書いてる部分については、悪あがき極まりないもののように思えてならなくて。
なんだか空しいよな?って思ってしまってる。
…日記をこれほど長いこと放り出してても、それはそれで楽やんなぁって思うこと自体、かなりヤバイのかな?って気はしてるけれど。
折りしも、日記の件では考えさされることも多くて、ちょっとグロッキー入ってる。
ここでいろんな想いに触れ、いろんな人と出逢えたから。
今の私にどういう事情があれ、それは真実だから。
なるべくなら引き続きいろんなことを維持したいと思うけれど。
「続ける」ことを前提にいろんな思いを自分の中で整理したいと思うけれど…
いつか、私の頭の上にのしかかってる厚い雲の切れ間は見つかるのかな?
そのとき、私の周りには何があって、私はどんな思いを以ってそこにいるのかな?
…その隣にまだ竜樹さんはいてるのかな?
できるなら、少しでも早く厚い雲の切れ間が見つかりますように。
できるなら、竜樹さんが私のことも少しは拾ってくれますように(笑)
…できるなら、私が竜樹さんと歩いてきた道程から何からすべて放棄しないで済みますように
日記を書かない間も相変わらず寝付きは悪かったし、
「あ、日記書かないと…」と思わなかったわけじゃないけれど。
なんだか「書かない」という空気がヘンに居心地が良くて、ずっと放り出していた。
こんなことは日記を書き始めて以来、なかったことなんだけどね…
あいてる日の日記を穴埋めするかどうかわからないので、ざっと書いてしまうけれど。
10日の日に電話で話したっきり、竜樹さんとは連絡が取れていない状態。
このところ湿気を孕んだ空気は太陽の熱と混ざり合って倒れそうなまでの暑さをもたらしていたから、竜樹さんがしんどくても仕方がないと思っていたし、私自身も参っていたから。
それはそれで仕方がないと思ってるけれど。
…そんな中で、
自分の日記を振り返ったとき、少しやりきれない気持ちになったんだ。
今、ある作業の絡みで竜樹さんと出会ってからのことを振り返ってる。
そうする中で「元気だった頃の竜樹さん」が私の中で蘇ってるからかもしれない。
それとも、私が完全に復調しきれずにいてて、自分の気持ちを飼いならすことも衝動のままに突っ走ることも出来ずにいてるからかもしれない。
元気だった頃の竜樹さんはどんなにしんどくても、忙しくても会う時間を取るってことにはとても貪欲だった気がする。
どう考えても私の我儘でしかないような要求でも、少しの時間を縫って逢う努力をしてくれてた。
そんな姿を見てきたからこそ無理はさせたくないと思ってるし、自分の我儘なる想いを飲み込み続けるけれど…
本当にごく最近、竜樹さんの体調が悪ければひと月でもふた月でも容赦なく逢えなくなる。
別に互いの物理的距離が開いてるわけでも、おおっぴらに逢えないわけでもないのに。
平気で逢えない時間ばかりが増えていく。
竜樹さんと最後に話した時、時間の流れの捉え方が違ってきてると感じたことも私にはそれなりにショックだったのかもしれない。
私は「ひと月も逢えなかったんだ」って思ってるけれど、竜樹さんからすると「行事ごとであっという間にひと月経ったんやなぁ」って感じで。
逢える逢えないという事象に対して竜樹さんがどう思ってるか見えてこない。
本当にただしんどいだけなのか、何かが変わったのか?
それとも竜樹さんの中での優先順位が下のほうになってるからなのか。
ちゃんと向き合えば、それはそれとして片付けられることなのに。
私自身が竜樹さんと向き合って聞いてみようという気がなくなっている。
「…どうせ、竜樹さんの痛みにはかなわないんだよ?
行事ごとや体調と私が並んでたら、真っ先に切られるのは私の事情なんだよね?」
そんな風にしか思えなくなってきてる。
ここで書いてる自分の文章を振り返って。
そんな事実を認めたくなくて、無理やり自分の気持ちを立て直そうとするためにしかこの日記は機能してないんじゃないかって気がしてた。
竜樹さんのことが本当に好きで、大切だと思ってるのは間違いないけれど。
竜樹さんの状況をきちんと把握して、自分の期待が裏切られてもそれはそれとして自分の中で収められるのは、あくまで自分自身に余裕があるときの話。
…今はとてもそんな状態ではないんだってことも痛烈に思い知ってる
だから、自分が書いたものを振り返ったとき。
なんだか、想いが空回りしてるよな?って気がしてならなくて。
他愛のないことでも竜樹さんと「二人」で通り過ぎた出来事は宝物のように思えるのに。
竜樹さんのいないところで自分が思ってることを書いてる部分については、悪あがき極まりないもののように思えてならなくて。
なんだか空しいよな?って思ってしまってる。
…日記をこれほど長いこと放り出してても、それはそれで楽やんなぁって思うこと自体、かなりヤバイのかな?って気はしてるけれど。
折りしも、日記の件では考えさされることも多くて、ちょっとグロッキー入ってる。
ここでいろんな想いに触れ、いろんな人と出逢えたから。
今の私にどういう事情があれ、それは真実だから。
なるべくなら引き続きいろんなことを維持したいと思うけれど。
「続ける」ことを前提にいろんな思いを自分の中で整理したいと思うけれど…
いつか、私の頭の上にのしかかってる厚い雲の切れ間は見つかるのかな?
そのとき、私の周りには何があって、私はどんな思いを以ってそこにいるのかな?
…その隣にまだ竜樹さんはいてるのかな?
できるなら、少しでも早く厚い雲の切れ間が見つかりますように。
できるなら、竜樹さんが私のことも少しは拾ってくれますように(笑)
…できるなら、私が竜樹さんと歩いてきた道程から何からすべて放棄しないで済みますように
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ここで待ってる…
2001年7月9日今日も相変わらず寝起きが悪くて、ついでに体調も悪くて。
朝、何気に携帯を覗き込んで、双眸を見開いた。
…たまらない気持ちになったんだ
私は。
3cm角の携帯のディスプレイで出会った想いにここまで連れきてもらったんだ。
人の想いが切なくて、でも暖かなものなのだと教えてもらったんだ。
その頃。
一番欲しかった「何か」を手に入れられたのに、その日を境に「何か」が違ってきてて、
憧れと現実の間で首が絞まっていくような感じがしてたんだ。
ひんやりとした空気に包まれた、でもまだ木漏れ日から微かな暖かさを感じ取れるような午後に小さなネット散歩の途中で迷子になった。
そこで大切な想いに出会えたんだ。
それからは、ずっと3cm角のディスプレイからその想いを眺めてきて。
やがて、私もここで自分の想いを綴ることになった。
ここにきて、人の想いの深さと暖かさ、それに纏わる切なさを痛いほど知った。
やがて、その想いは私の想いに少しばかりの色を挿し、いろんな想いを抱える人たちとめぐり合わせてくれた。
私が指針にしたいと願った想いを持つ人。
そして家に帰ってきて、今度はA4サイズのディスプレイを見つめて双眸を見開くことになった。
私のことを見つけ出して、話し掛けてくれた暖かな想い。
一途で弱さも強さも孕んだその想いに、「こんな風に素直になりたいと」と憧れたんだ。
いろんな出来事の移ろいの中で、その想いを持つ人と言葉を交わすこともあったけれど。
経験則も何もない私が、自分の身体と気持ちの中からひねり出したなけなしの言葉を受け止めてくれた。
陽だまりのような想いを持つ人。
…湿気を含む重い空は切ない出来事ばかりを連れてくるのかな?
ディスプレイは人の想いにぐっと近づけてくれるけれど、
何かが起こっても結局は何も出来はしないのだと。
こんなとき身にしみて判る。
「人に入れ揚げたって傷つくのはお前なんだから、たいがいにしとけよ?」
いつかそう言われたことが胸に蘇ってくるようで、心は痛むけれど。
人それぞれに想うことも考えることもあって、生きていく道もまた違うものなのだということは十分判ってる。
だから、それを嘆かないで置こうと思うんだ。
けれど。
私に暖かな気持ちをくれた、暖かな想いを持つ人たちが、
やがて「なれるものの中の一番」を見つけてまた戻ってくる日が来るのを、
ここで変わらずに待っていたいと今は思う。
それが叶うかどうかは、HEAVEN KNOWSってところなのだろうけれど
なるべく「あなた」の目に留まりそうなところで、ちょろちょろしながらでも待っています。
私が憧れ、なりたいと希った想いにもう一度出逢えますようにと、そっと祈りながら…
今はただ静かに見つめていようと思っています。
私をここへ連れてきてくれてありがとう。
人を想うことの暖かさやしなやかさ、切なさや優しさを教えてくれてありがとう。
朝、何気に携帯を覗き込んで、双眸を見開いた。
…たまらない気持ちになったんだ
私は。
3cm角の携帯のディスプレイで出会った想いにここまで連れきてもらったんだ。
人の想いが切なくて、でも暖かなものなのだと教えてもらったんだ。
その頃。
一番欲しかった「何か」を手に入れられたのに、その日を境に「何か」が違ってきてて、
憧れと現実の間で首が絞まっていくような感じがしてたんだ。
ひんやりとした空気に包まれた、でもまだ木漏れ日から微かな暖かさを感じ取れるような午後に小さなネット散歩の途中で迷子になった。
そこで大切な想いに出会えたんだ。
それからは、ずっと3cm角のディスプレイからその想いを眺めてきて。
やがて、私もここで自分の想いを綴ることになった。
ここにきて、人の想いの深さと暖かさ、それに纏わる切なさを痛いほど知った。
やがて、その想いは私の想いに少しばかりの色を挿し、いろんな想いを抱える人たちとめぐり合わせてくれた。
私が指針にしたいと願った想いを持つ人。
そして家に帰ってきて、今度はA4サイズのディスプレイを見つめて双眸を見開くことになった。
私のことを見つけ出して、話し掛けてくれた暖かな想い。
一途で弱さも強さも孕んだその想いに、「こんな風に素直になりたいと」と憧れたんだ。
いろんな出来事の移ろいの中で、その想いを持つ人と言葉を交わすこともあったけれど。
経験則も何もない私が、自分の身体と気持ちの中からひねり出したなけなしの言葉を受け止めてくれた。
陽だまりのような想いを持つ人。
…湿気を含む重い空は切ない出来事ばかりを連れてくるのかな?
ディスプレイは人の想いにぐっと近づけてくれるけれど、
何かが起こっても結局は何も出来はしないのだと。
こんなとき身にしみて判る。
「人に入れ揚げたって傷つくのはお前なんだから、たいがいにしとけよ?」
いつかそう言われたことが胸に蘇ってくるようで、心は痛むけれど。
人それぞれに想うことも考えることもあって、生きていく道もまた違うものなのだということは十分判ってる。
だから、それを嘆かないで置こうと思うんだ。
けれど。
私に暖かな気持ちをくれた、暖かな想いを持つ人たちが、
やがて「なれるものの中の一番」を見つけてまた戻ってくる日が来るのを、
ここで変わらずに待っていたいと今は思う。
それが叶うかどうかは、HEAVEN KNOWSってところなのだろうけれど
なるべく「あなた」の目に留まりそうなところで、ちょろちょろしながらでも待っています。
私が憧れ、なりたいと希った想いにもう一度出逢えますようにと、そっと祈りながら…
今はただ静かに見つめていようと思っています。
私をここへ連れてきてくれてありがとう。
人を想うことの暖かさやしなやかさ、切なさや優しさを教えてくれてありがとう。
天の川に届くかな?
2001年7月7日相変わらず寝つきが悪くて、朝方眠った。
「…霄、衛星放送で真琴つばさの特番やってるよ〜」
母のナイスな(笑)ご指摘で、目が覚めた。
ビデオに撮り損ねてしまってがっかりはしたけれど、寝起きからマミちゃんの姿が拝めたのはラッキーだった(*^_^*)
放送が終わり、ちょっとご機嫌さんで自室に戻る。
今日は七夕。
明日は竜樹さんの試験だから、会えることはまったく期待していなかった。
何日か前に夏風邪を引いていると言ってたし、今、竜樹さんにとって何が大切なのかってことくらいは判っていたから。
「1日の日、ほんの少しでも会えたんだから、ええやんか?もう」
「テストが終われば、また終末会えるようになるし、竜樹さんの体調がよければ放課後にでも会えるやんか?」
そう納得させようとは思うのだけど。
気持ちに余裕がなくなってる今の状態で、これ以上の我慢を背負うのがとてつもなくしんどい気がしてる自分がいる。
…とりあえず、明日のテストが受けられるところまで回復してるかな?
そう思って電話をしてみた。
電話口に出た竜樹さんは、どことなくしんどそうで。
「まだ、体調がすっきりせんねん」
と言っていた。
…こりゃ、「七夕デート」がどうのとか言ってられへんわ
そう思って「会いませんか?」と口にするのはやめた。
そして、報告し損ねてた検査結果の話をしてみた。
「膵臓じゃなくてそれだけ身体のあちこちが痛いんだったら、やっぱりパソコンを長く触り過ぎなんやって」
竜樹さん自身が授業を受け出してからずっと体調が優れないといっていたのと被せた見解なんだろう。
確かに、ネットオークションで遊びまわってたころよりも今の方が格段にパソコンを触る時間が長くなっているのは確かだし、納得できる部分はあるんだけど。
…それ以前に、気持ちの方がもういっぱいいっぱいなんだよ?
とはとても言えなかった。
暫く、明日のテストの話や取り止めのない話をして、電話を切る。
網戸越しの空は雲が重く立ち込めている。
…せめて夜には晴れるといいね
そう思いながら、母の買い物に付き合った。
「七夕だというのに、何をしょうもないことをしてるんやろう?」
そう思わない訳ではなかったのだけど。
母に連れられてる車の中で話すことといえば、ストレスが取れないことや本気で会社を辞めたくなってるってことばかりで。
なるべく言わんとこと思ってることばかりがぼんぼん口をついて出てくる。
自分でも「言っても無駄なことを…」と思わないわけではなかったんだけど…
それが元で、母と少し口論になる。
「何で、いつでも『今』がそんなに不服なん?
過ぎてしまえば、それほど悪かったように思ってないような言い方になるのに…」とは金岡母。
…じゃあ、あんたもあの会社に行って1週間なり私と同じことやってみろよ?
文句が出なかったらブラボーだよ?
そう思ったけれど、もう無駄に言い争うことすら煩わしかった。
確かに母の謂わんとすることが間違ってるとも思えなかったから。
家の外に出られたら気持ちが晴れると思ったけれど、少しも気持ちが晴れることはなかった。
心なしか、日差しが強くなっていたことだけが心に残っている。
自分が暗がりにいてるような気分だったから、余計に外の日差しが明るく見えただけだったのかもしれないけれど。
…いつまで、ゴールのないレースは続くんだろう?
そう思うと、それっきり何もする気がなくただぼけっと時間を潰してしまった。
もったいない休みの過ごし方だなぁと思いながら…
夜になり、何気に窓を開けて空を見上げる。
涼しくもなければ、雨が降ったというわけでもないのに、空が妙にガスってる。
月の光が翳って見える。
冬になるとよくあるけれど、こんな時期に空がガスってるなんて珍しい。
…お願い事があるのになぁ
ため息一つついて、リビングに行こうと思ったとき、何気に床に転がってる携帯が目に付いたから、竜樹さんに電話を入れてみたんだけれど、竜樹さんは出てはくれなかった。
…試験前だしあんまり追い掛け回さんとこ
そう思って、携帯を机の上に置いて、リビングで「ちゅ〜ぼ〜ですよ」を見てた。
ひとしきりテレビを見てげたげた笑いこけ、両親と他愛もない話をして自室に戻ると、
竜樹さんから電話が入っていた。
時間を見ると、「ちゅ〜ぼ〜ですよ」を見てる頃だった(>_<)
慌てて電話してみたけれど、今度もまた竜樹さんは電話には出てこなかった。
…そりゃそうだよね、日付変わってから30分くらい経ってるし、明日のテストはきっと早いんだろうから
そう思ったけれど。
せめて一言、明日のテストの応援になる言葉を送っておきたくて、メールを一つ飛ばした。
窓を開けて、空を見上げた。
相変わらず、まだガスってるような空。
天の川の遠さが身にしみてわかるような低い空。
…今日一日無気力に過ごしたんだから、最後に願い事くらい力使わないとね?
湿気を含む空気を吸い込んで、低い空めがけて願いをかけた。
…どうか、竜樹さんが無事にテストを受けることができますように
…どうか、私の心に早く晴れ間が覗きますように
…そして、
私の大切に思う人たちの歩いていく道が笑顔溢れるものでありますように
強く強く願った。
私の願いはこのガスった空を突き抜けて、天の川まで届いてくれるのだろうか?
今日一日、体力気力共に温存してきたんだから、勢い的には十分だろうけれど(爆)
どうかどうか、なけなしの願いがこの厚い雲を突き破って天の川に届きますように。
美しく煌いた、幸せの川に届きますように。
「…霄、衛星放送で真琴つばさの特番やってるよ〜」
母のナイスな(笑)ご指摘で、目が覚めた。
ビデオに撮り損ねてしまってがっかりはしたけれど、寝起きからマミちゃんの姿が拝めたのはラッキーだった(*^_^*)
放送が終わり、ちょっとご機嫌さんで自室に戻る。
今日は七夕。
明日は竜樹さんの試験だから、会えることはまったく期待していなかった。
何日か前に夏風邪を引いていると言ってたし、今、竜樹さんにとって何が大切なのかってことくらいは判っていたから。
「1日の日、ほんの少しでも会えたんだから、ええやんか?もう」
「テストが終われば、また終末会えるようになるし、竜樹さんの体調がよければ放課後にでも会えるやんか?」
そう納得させようとは思うのだけど。
気持ちに余裕がなくなってる今の状態で、これ以上の我慢を背負うのがとてつもなくしんどい気がしてる自分がいる。
…とりあえず、明日のテストが受けられるところまで回復してるかな?
そう思って電話をしてみた。
電話口に出た竜樹さんは、どことなくしんどそうで。
「まだ、体調がすっきりせんねん」
と言っていた。
…こりゃ、「七夕デート」がどうのとか言ってられへんわ
そう思って「会いませんか?」と口にするのはやめた。
そして、報告し損ねてた検査結果の話をしてみた。
「膵臓じゃなくてそれだけ身体のあちこちが痛いんだったら、やっぱりパソコンを長く触り過ぎなんやって」
竜樹さん自身が授業を受け出してからずっと体調が優れないといっていたのと被せた見解なんだろう。
確かに、ネットオークションで遊びまわってたころよりも今の方が格段にパソコンを触る時間が長くなっているのは確かだし、納得できる部分はあるんだけど。
…それ以前に、気持ちの方がもういっぱいいっぱいなんだよ?
とはとても言えなかった。
暫く、明日のテストの話や取り止めのない話をして、電話を切る。
網戸越しの空は雲が重く立ち込めている。
…せめて夜には晴れるといいね
そう思いながら、母の買い物に付き合った。
「七夕だというのに、何をしょうもないことをしてるんやろう?」
そう思わない訳ではなかったのだけど。
母に連れられてる車の中で話すことといえば、ストレスが取れないことや本気で会社を辞めたくなってるってことばかりで。
なるべく言わんとこと思ってることばかりがぼんぼん口をついて出てくる。
自分でも「言っても無駄なことを…」と思わないわけではなかったんだけど…
それが元で、母と少し口論になる。
「何で、いつでも『今』がそんなに不服なん?
過ぎてしまえば、それほど悪かったように思ってないような言い方になるのに…」とは金岡母。
…じゃあ、あんたもあの会社に行って1週間なり私と同じことやってみろよ?
文句が出なかったらブラボーだよ?
そう思ったけれど、もう無駄に言い争うことすら煩わしかった。
確かに母の謂わんとすることが間違ってるとも思えなかったから。
家の外に出られたら気持ちが晴れると思ったけれど、少しも気持ちが晴れることはなかった。
心なしか、日差しが強くなっていたことだけが心に残っている。
自分が暗がりにいてるような気分だったから、余計に外の日差しが明るく見えただけだったのかもしれないけれど。
…いつまで、ゴールのないレースは続くんだろう?
そう思うと、それっきり何もする気がなくただぼけっと時間を潰してしまった。
もったいない休みの過ごし方だなぁと思いながら…
夜になり、何気に窓を開けて空を見上げる。
涼しくもなければ、雨が降ったというわけでもないのに、空が妙にガスってる。
月の光が翳って見える。
冬になるとよくあるけれど、こんな時期に空がガスってるなんて珍しい。
…お願い事があるのになぁ
ため息一つついて、リビングに行こうと思ったとき、何気に床に転がってる携帯が目に付いたから、竜樹さんに電話を入れてみたんだけれど、竜樹さんは出てはくれなかった。
…試験前だしあんまり追い掛け回さんとこ
そう思って、携帯を机の上に置いて、リビングで「ちゅ〜ぼ〜ですよ」を見てた。
ひとしきりテレビを見てげたげた笑いこけ、両親と他愛もない話をして自室に戻ると、
竜樹さんから電話が入っていた。
時間を見ると、「ちゅ〜ぼ〜ですよ」を見てる頃だった(>_<)
慌てて電話してみたけれど、今度もまた竜樹さんは電話には出てこなかった。
…そりゃそうだよね、日付変わってから30分くらい経ってるし、明日のテストはきっと早いんだろうから
そう思ったけれど。
せめて一言、明日のテストの応援になる言葉を送っておきたくて、メールを一つ飛ばした。
窓を開けて、空を見上げた。
相変わらず、まだガスってるような空。
天の川の遠さが身にしみてわかるような低い空。
…今日一日無気力に過ごしたんだから、最後に願い事くらい力使わないとね?
湿気を含む空気を吸い込んで、低い空めがけて願いをかけた。
…どうか、竜樹さんが無事にテストを受けることができますように
…どうか、私の心に早く晴れ間が覗きますように
…そして、
私の大切に思う人たちの歩いていく道が笑顔溢れるものでありますように
強く強く願った。
私の願いはこのガスった空を突き抜けて、天の川まで届いてくれるのだろうか?
今日一日、体力気力共に温存してきたんだから、勢い的には十分だろうけれど(爆)
どうかどうか、なけなしの願いがこの厚い雲を突き破って天の川に届きますように。
美しく煌いた、幸せの川に届きますように。
判らずじまい
2001年7月6日今日は先週貰い損ねた検査結果を貰いに午前中病院に行った。
それほど時間がかかるとは思っていなかったので半休を取っていったのだが、病院に着いてみるとなかなか順番がやってこない。
容赦なく眠気はやってくる。
うつらうつら眠りながら、呼び出しのアナウンスのたびに目を覚ましていた。
…昨日は日記も書かずに寝たのに、何でこんなに疲れてるんだろう?
不思議に思うけれど、眠気には勝てずにまたまたうつらうつら(_ _)zzz...
何度かそれを繰り返し時計を見ると、昼前。
かれこれ2時間以上経過していた(-_-;)
…こんなのいつまで待ってても順番なんてこないんちゃうん?
会社に連絡しようと思い立ち、受付であとどれくらいかかるか聞いてみた。
「金岡さんの前に患者さんがあと10人くらいいらっしゃるので、あと1,2時間はかかりますね」
…(゜o゜)
「あの、検査結果って電話で聞いても教えてもらえないんですか?」
「それはできないんですよぉ」
「他の曜日に変えたら、もう少し早く結果もらえますか?」
「消化器内科は先生が少ないので、いつでも患者さんが多いんですよ。申し訳ないです」
一通り看護婦さんとの話を終え、ひとまず会社に連絡を入れる。
…どうせ、検査の結果なんて大したことないんだし、仕事が立て込んでたら放って帰ろう
そう思って連絡をしたら、
「早いこと結果を貰ってすっきりしようぜぃ?仕事のことは大丈夫やろうから」
そうボスが言ってくれた。
本当に申し訳ない気持ちで、検査結果が出たらその足で会社に向かうことだけを告げ、電話を切る。
他にすることもないので、食堂で昼ご飯を食べることにした。
この病院は緑が多い。
いろんなところにいろんな植物が植わっている。
私が座った席からも花壇が見える。
草花の碧を見ると心が少し安らいだ気がする。
…竜樹さんは大丈夫なのかな?
落ち着いてくると、竜樹さんのことが気になったけれど。
今はまだ学校にいる時間だから、携帯の電源は切っているはず。
電話もメールもしないまま、また待合室へ戻った。
昼食の時に飲んだコーヒーが効いているのか、今度は居眠りもせず待っていられる。
30分ほどして名前を呼ばれたので、中待合に移動。
暫くして、診察室に入る。
「検査の結果は異常なかったですよ。これは神経性のものですね。
今日で診察は終わりですよ、よかったですね」
そう言われてあっけなく病院通いは終わってしまったけれど。
体調不良の根本的な原因は再び藪の中。
「私の身体の部品は、少々無理をしても壊れへんねんや」って思う部分と、
「だったら、この体調不良はいつまで続くねん?」って思う部分とが引っ張りあいを始める。
診察まで4時間近く病院で無駄に過ごしたことと、すっきりしない気持ちとですっかり疲れてしまったけれど。
「これからそちらに向かいます」とだけ連絡して、病院を後にした。
電車に乗ると、疲れが出たのかまた居眠り(爆)
会社で眠気に引っ張られたら洒落にならないと、電車を降りてから薬局でカフェイン剤を買い込んで、会社に行く。
終業時間まであと2時間。
一体、何をしに来たんだろう?と思いながら、仕事をする。
あまりに出勤時間が短いのに「遅刻届」で済ませるのはさすがに気が引けたので、今日は有給扱いにしておいた。
こんな無駄なことで1日有給を使ってしまったと思うと、また気が滅入ってくるけれど。
…どうせこれから竜樹さんは忙しくなって、二人で出かけるために有給が使えるわけでもないし、マミちゃんが辞めてしまった今、観劇のために会社を休むこともないだろう
そう思うと、本当にどうでもいいような気分になってしまったんだ。
一通り仕事を済ませて、会社を後にする。
本当は真っ先に「竜樹さんメール」飛ばして、今日の結果を知らせるべきだとは思ったんだけど。
根本的に体調不良が解決したわけでも原因が特定できたわけでもない。
なんだかそんな無駄な報告をする気にはなれなかった。
家に帰り着いても、夕食を取る気にはなれずぼけっとしてる。
やっとのろのろ夕食を食べたはいいけれど、食べ終わって暫くしたら眠ってしまった。
起きた頃には日付が変わっていて、竜樹さんに電話する気もそがれてしまった。
…きっと、あさってのテスト勉強でそれどころじゃないだろうから
そう思ってあっさりやめてしまった。
この件ではいろんな人に迷惑も心配もかけたので、こんなことを思ってはいけないんだろうけれど。
どうせなら、内臓のどこかがのっぴきならないくらいぼろぼろになっててくれりゃよかったのにって思ってる。
そしたら、いろんなことをおおっぴらに放り出す免罪符になったのにって思う自分がいる。
…もういろんなことに疲れてしまってるのかもしれない
毎日、会社の敷地に入った途端、目じりががっとつりあがるような感じがする。
それは入社した当時からずっと変わらなくて。
会社を出ると、本当に何もする気が起こらないくらい疲れてしまってる。
これもずっと変わっていない。
それは前の会社を辞めてから、働かなければならない状況下でとりあえず決まった会社に飛び込んでしまったからっていうのもあるからかもしれない。
幹部さんは随分私によくしてくれるけれど、自分が絡むよその部署の人と向き合うとひどく疲れるんだ。
私が歩いてきた足跡をボスがばらして歩いたせいなのか、他にも原因があったのかまではもう判らないけれど。
私情と仕事を分けて考えられないような連中相手に、仕事を進めるためにいろんなことを必要以上に飲み込み続けてるのにもいい加減うんざりしてる。
「お前が『何か』を投げ出してしまったところで、誰もそれを責めるヤツなんていないってことは心に留めて置けよ?」
「あの人」が言った言葉が胸の中で蘇る。
「投げ出したらアカンって判ってることを放棄するのは、自分に辛いことなんですよ?
何でもかんでも判ってるかのようにぼんぼん言わんとって下さい!」
「あの人」と袂を分かつ直前、激しい言い争いをした記憶がある。
あの時は波乱含みのクラブの後継人事だったり、残務処理や牽引力が落ちることがわかってる状態でどう方向付ければ勢いが失速せずに済むってことで頭が一杯で、やっぱりいろんな面で不調をきたしてた気がする。
…今、投げ出すかどうか迷ってるのは何なんだろうね?
未来のための保険であったり、現状を維持するためにいつもギリギリの精神状態でやってる仕事?
自分が今「しないといけない」と判ってること?
…それとも、いろんな物事の根幹にいる竜樹さんのこと?
何をどうすべきなのか、何をどうしたいのか。
すべてが判らないまま、夜が過ぎていこうとしてる。
物理的な朝はまた訪れるけれど、気持ちの中に朝はやってくるのかな?
…今はまだ判らない
それほど時間がかかるとは思っていなかったので半休を取っていったのだが、病院に着いてみるとなかなか順番がやってこない。
容赦なく眠気はやってくる。
うつらうつら眠りながら、呼び出しのアナウンスのたびに目を覚ましていた。
…昨日は日記も書かずに寝たのに、何でこんなに疲れてるんだろう?
不思議に思うけれど、眠気には勝てずにまたまたうつらうつら(_ _)zzz...
何度かそれを繰り返し時計を見ると、昼前。
かれこれ2時間以上経過していた(-_-;)
…こんなのいつまで待ってても順番なんてこないんちゃうん?
会社に連絡しようと思い立ち、受付であとどれくらいかかるか聞いてみた。
「金岡さんの前に患者さんがあと10人くらいいらっしゃるので、あと1,2時間はかかりますね」
…(゜o゜)
「あの、検査結果って電話で聞いても教えてもらえないんですか?」
「それはできないんですよぉ」
「他の曜日に変えたら、もう少し早く結果もらえますか?」
「消化器内科は先生が少ないので、いつでも患者さんが多いんですよ。申し訳ないです」
一通り看護婦さんとの話を終え、ひとまず会社に連絡を入れる。
…どうせ、検査の結果なんて大したことないんだし、仕事が立て込んでたら放って帰ろう
そう思って連絡をしたら、
「早いこと結果を貰ってすっきりしようぜぃ?仕事のことは大丈夫やろうから」
そうボスが言ってくれた。
本当に申し訳ない気持ちで、検査結果が出たらその足で会社に向かうことだけを告げ、電話を切る。
他にすることもないので、食堂で昼ご飯を食べることにした。
この病院は緑が多い。
いろんなところにいろんな植物が植わっている。
私が座った席からも花壇が見える。
草花の碧を見ると心が少し安らいだ気がする。
…竜樹さんは大丈夫なのかな?
落ち着いてくると、竜樹さんのことが気になったけれど。
今はまだ学校にいる時間だから、携帯の電源は切っているはず。
電話もメールもしないまま、また待合室へ戻った。
昼食の時に飲んだコーヒーが効いているのか、今度は居眠りもせず待っていられる。
30分ほどして名前を呼ばれたので、中待合に移動。
暫くして、診察室に入る。
「検査の結果は異常なかったですよ。これは神経性のものですね。
今日で診察は終わりですよ、よかったですね」
そう言われてあっけなく病院通いは終わってしまったけれど。
体調不良の根本的な原因は再び藪の中。
「私の身体の部品は、少々無理をしても壊れへんねんや」って思う部分と、
「だったら、この体調不良はいつまで続くねん?」って思う部分とが引っ張りあいを始める。
診察まで4時間近く病院で無駄に過ごしたことと、すっきりしない気持ちとですっかり疲れてしまったけれど。
「これからそちらに向かいます」とだけ連絡して、病院を後にした。
電車に乗ると、疲れが出たのかまた居眠り(爆)
会社で眠気に引っ張られたら洒落にならないと、電車を降りてから薬局でカフェイン剤を買い込んで、会社に行く。
終業時間まであと2時間。
一体、何をしに来たんだろう?と思いながら、仕事をする。
あまりに出勤時間が短いのに「遅刻届」で済ませるのはさすがに気が引けたので、今日は有給扱いにしておいた。
こんな無駄なことで1日有給を使ってしまったと思うと、また気が滅入ってくるけれど。
…どうせこれから竜樹さんは忙しくなって、二人で出かけるために有給が使えるわけでもないし、マミちゃんが辞めてしまった今、観劇のために会社を休むこともないだろう
そう思うと、本当にどうでもいいような気分になってしまったんだ。
一通り仕事を済ませて、会社を後にする。
本当は真っ先に「竜樹さんメール」飛ばして、今日の結果を知らせるべきだとは思ったんだけど。
根本的に体調不良が解決したわけでも原因が特定できたわけでもない。
なんだかそんな無駄な報告をする気にはなれなかった。
家に帰り着いても、夕食を取る気にはなれずぼけっとしてる。
やっとのろのろ夕食を食べたはいいけれど、食べ終わって暫くしたら眠ってしまった。
起きた頃には日付が変わっていて、竜樹さんに電話する気もそがれてしまった。
…きっと、あさってのテスト勉強でそれどころじゃないだろうから
そう思ってあっさりやめてしまった。
この件ではいろんな人に迷惑も心配もかけたので、こんなことを思ってはいけないんだろうけれど。
どうせなら、内臓のどこかがのっぴきならないくらいぼろぼろになっててくれりゃよかったのにって思ってる。
そしたら、いろんなことをおおっぴらに放り出す免罪符になったのにって思う自分がいる。
…もういろんなことに疲れてしまってるのかもしれない
毎日、会社の敷地に入った途端、目じりががっとつりあがるような感じがする。
それは入社した当時からずっと変わらなくて。
会社を出ると、本当に何もする気が起こらないくらい疲れてしまってる。
これもずっと変わっていない。
それは前の会社を辞めてから、働かなければならない状況下でとりあえず決まった会社に飛び込んでしまったからっていうのもあるからかもしれない。
幹部さんは随分私によくしてくれるけれど、自分が絡むよその部署の人と向き合うとひどく疲れるんだ。
私が歩いてきた足跡をボスがばらして歩いたせいなのか、他にも原因があったのかまではもう判らないけれど。
私情と仕事を分けて考えられないような連中相手に、仕事を進めるためにいろんなことを必要以上に飲み込み続けてるのにもいい加減うんざりしてる。
「お前が『何か』を投げ出してしまったところで、誰もそれを責めるヤツなんていないってことは心に留めて置けよ?」
「あの人」が言った言葉が胸の中で蘇る。
「投げ出したらアカンって判ってることを放棄するのは、自分に辛いことなんですよ?
何でもかんでも判ってるかのようにぼんぼん言わんとって下さい!」
「あの人」と袂を分かつ直前、激しい言い争いをした記憶がある。
あの時は波乱含みのクラブの後継人事だったり、残務処理や牽引力が落ちることがわかってる状態でどう方向付ければ勢いが失速せずに済むってことで頭が一杯で、やっぱりいろんな面で不調をきたしてた気がする。
…今、投げ出すかどうか迷ってるのは何なんだろうね?
未来のための保険であったり、現状を維持するためにいつもギリギリの精神状態でやってる仕事?
自分が今「しないといけない」と判ってること?
…それとも、いろんな物事の根幹にいる竜樹さんのこと?
何をどうすべきなのか、何をどうしたいのか。
すべてが判らないまま、夜が過ぎていこうとしてる。
物理的な朝はまた訪れるけれど、気持ちの中に朝はやってくるのかな?
…今はまだ判らない
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夢のあと
2001年7月3日思いがけず零れた涙に驚きながら、舞台の上にいるマミちゃんを見つめてる。
鼻をグズグズ言わせてるお客さんはいたる所にいて、隣にいる相棒までハンドタオルで鼻を押さえながらオペラグラス越しにマミちゃんを見つめてる始末。
サヨナラショーの幕が下り、組長が退団者の紹介を始める。
周囲の鼻グスグスはすすり泣きに変わり始めた。
…マミちゃんが演じたり、歌ったり踊ったりしてる時に涙が零れなくてよかったって思った。
マミちゃんが何かをする瞬間瞬間を泣いてしまうことで見逃したりするのは嫌だったから。
だって、マミちゃんがここにいるのはこれで最後。
ここで何かをするのを見届けられるのもこれで最後。
…この場に立ち会えるってこと自体がすんごいラッキーなことなんだから、ね?
昨日の前楽でのサヨナラショーの後、マミちゃんは言ってた。
「本当は不安です。皆さんの力を貸してください」って。
自分の人生の半分以上を過ごした場所を去る最後の舞台に不安がないはずはないんだ。
なのに、マミちゃんが見せてくれたステージはとても楽しいものだった。
この空間に入ってからの数時間。
本当に自分自身を取り巻いているものすべてを忘れていられたんだ。
…ありがとう、マミちゃん
そんなことを考えてるうちに、他の退団者の紹介が終わり、組長さんが最後の退団者のマミちゃんを呼ぶ。
「はい!」
組長の呼びかけに、凛とした声で返事をするマミちゃん。
26段の大階段を燕尾服を着たマミちゃんが降りてくる。
周りのすすり泣きはピークに達してる。
私も相棒も泣いてしまってる。
マミちゃんの挨拶の間、一生懸命泣かないように頑張ってみた。
本当に最後の姿だから。
マミちゃんも泣かせないように(?)ちょっと工夫を凝らした挨拶をする。
スタッフさんや組子さん、お客さんにマミちゃんが呼びかけたら、拍手なり声を出すなり音を立てるなりして、応えてくださいというもの。
それがここに一緒にいてくれた証しになるとマミちゃんが言った。
それが余計に皆を泣かせるんだけど、マミちゃんの呼びかけにいろんな人が答えるたびにすすり泣きは止み、笑い声に変わる。
それがとてもいいなって思ったんだ。
マミちゃんの挨拶が終わり、最後にみんなで「宝塚わが心の故郷」を歌う。
最初はマミちゃんがソロで歌い、サビの部分からみんなが合唱して終わる。
そうして幕が下りたけれど、みんなの拍手は鳴り止まない。
何度も幕があがり、マミちゃんはその度に「ありがとうございました」と挨拶してくれる。
ある時は、退団者を呼び、ある時は組子さんを呼んで客席に挨拶してくれるマミちゃん。
本当にすんごい嬉しかったし、愛しいって思った。
これで本当に宝塚観るの辞めてもいいって思った。
…マミちゃんは「紫吹淳率いる月組をよろしくお願いします」って言ってたんだけどね(^^ゞ
本当の最後の最後に、マミちゃんはこう言ってくれたんだ。
「ありがとうございます。
今、なんか、私の頭上で最後の時を告げる緞帳が私を待ち構えてる、そんな心境でございます。
…なんか…幸せすぎて……」
そこにファンから掛け声がかかる。
「マミちゃ〜〜ん」「愛してる〜」「大好き〜」「ありがと〜」とかって(*^_^*)
「……ありがとうございます…
…あ〜、そうです。
皆さんがいるのを忘れていました(*^_^*)
皆さんもう一度、舞台に出てきてくださ〜い」
そう言って組子さん達を呼ぶ、マミちゃん。
「…この言葉はとっても綺麗過ぎて嫌いですが、皆様のこと、愛してます!」
お芝居の「愛のソナタ」のラストシーンと同じように、そう言ってくれたんだ。
「長い間、ありがとうございました」
そうマミちゃんは残して本当に去っていってしまった…はずなのに、また戻ってきてくれた(*^_^*)
場内は再びどよめきの渦。
「皆さ〜ん、これからも宝塚のことを愛してくれるかな?」
客席に問い掛けるマミちゃんにみんな大声で「Year!!」と応えた。
…そうして、今度こそ本当にマミちゃんは去っていってしまった。
みんなはパレードを見るために足早に立ち去っていく。
私と相棒はすっかり力が抜けたようになって座り込んでる。
「…なぁ、出待ちするのん?」
「…いや、もう足に力はいらへんし、マミちゃんの姿見たら『行かないでぇぇぇぇぇっ』って縋りそうだからやめとく」
珍しく相棒がそう言ったので、その足で帰ることにした。
劇場の外は黒山の人。
ファンクラブの人たちも何重にも列をなしてガードの体制をとってる。
そのうち兵庫県警も来るだろう(←パレードのある時は臨時で出てくることがある)
黒山の人を横目に二人は駅に向かって歩き出した。
「なんか明日、ちゃんと起きて仕事になんていかれへんわ」
「…もう、なぁんもする気なぁい」
「今日、私は電話には出ないから、霄ちゃん、連絡しても出ないからね」
「私も日記書くのが精一杯やって(笑)」
意味不明なる会話をぼそぼそしながら、歩く。
いつもなら駅に着いたら暫くホームでお話したりするけれど。
2日連続で会ってるし、感動半分悲しみ半分の二人が話すべきことなんて見当たらないから、
「また、連絡するねぇ〜」
そう言って別れた。
家に帰ってからも、何もする気になれずにそのままご飯を食べてぼけっと過ごし、そのまま眠ってしまったんだ。
今日の朝、起きても身体が重いのは相変わらずで、リフレッシュになったんだかなってないんだか判らない(^^ゞ
会社に行っても、何となくしゃんとしない。
夢が翼をもって飛び立ってしまったあとに、ぽつねんと残されてしまった人みたいにぼーっと一日を過ごしてしまった。
…さっさか、現実に戻らんとアカンやんか?
マミちゃんから楽しい時間を貰ったんだから、それを糧にしてまた頑張っていかないと。
私にはまだしないといけないことが山積みなんだから。
昨日は一日中、マミちゃんマミちゃんで竜樹さんのことすらすっかり忘れてしまっていた。
私が貸したものがきちんと竜樹さんの役に立っているかどうか、学校のこともちゃんと聞いて配慮したげないと。
もしかして、私が浮かれてる間に竜樹さんがしんどい思いをしてるかもしれないんだから。
寝る前に電話入れとこうね?
たとえ出てもらえなくても。
夢のあとで蹲るのは今日でおしまい。
心の目で見つめてきたマミちゃんは私の中にちゃんといてるから。
機嫌よく歩いていこう。
竜樹さんという「今」と共に歩いていこう。
鼻をグズグズ言わせてるお客さんはいたる所にいて、隣にいる相棒までハンドタオルで鼻を押さえながらオペラグラス越しにマミちゃんを見つめてる始末。
サヨナラショーの幕が下り、組長が退団者の紹介を始める。
周囲の鼻グスグスはすすり泣きに変わり始めた。
…マミちゃんが演じたり、歌ったり踊ったりしてる時に涙が零れなくてよかったって思った。
マミちゃんが何かをする瞬間瞬間を泣いてしまうことで見逃したりするのは嫌だったから。
だって、マミちゃんがここにいるのはこれで最後。
ここで何かをするのを見届けられるのもこれで最後。
…この場に立ち会えるってこと自体がすんごいラッキーなことなんだから、ね?
昨日の前楽でのサヨナラショーの後、マミちゃんは言ってた。
「本当は不安です。皆さんの力を貸してください」って。
自分の人生の半分以上を過ごした場所を去る最後の舞台に不安がないはずはないんだ。
なのに、マミちゃんが見せてくれたステージはとても楽しいものだった。
この空間に入ってからの数時間。
本当に自分自身を取り巻いているものすべてを忘れていられたんだ。
…ありがとう、マミちゃん
そんなことを考えてるうちに、他の退団者の紹介が終わり、組長さんが最後の退団者のマミちゃんを呼ぶ。
「はい!」
組長の呼びかけに、凛とした声で返事をするマミちゃん。
26段の大階段を燕尾服を着たマミちゃんが降りてくる。
周りのすすり泣きはピークに達してる。
私も相棒も泣いてしまってる。
マミちゃんの挨拶の間、一生懸命泣かないように頑張ってみた。
本当に最後の姿だから。
マミちゃんも泣かせないように(?)ちょっと工夫を凝らした挨拶をする。
スタッフさんや組子さん、お客さんにマミちゃんが呼びかけたら、拍手なり声を出すなり音を立てるなりして、応えてくださいというもの。
それがここに一緒にいてくれた証しになるとマミちゃんが言った。
それが余計に皆を泣かせるんだけど、マミちゃんの呼びかけにいろんな人が答えるたびにすすり泣きは止み、笑い声に変わる。
それがとてもいいなって思ったんだ。
マミちゃんの挨拶が終わり、最後にみんなで「宝塚わが心の故郷」を歌う。
最初はマミちゃんがソロで歌い、サビの部分からみんなが合唱して終わる。
そうして幕が下りたけれど、みんなの拍手は鳴り止まない。
何度も幕があがり、マミちゃんはその度に「ありがとうございました」と挨拶してくれる。
ある時は、退団者を呼び、ある時は組子さんを呼んで客席に挨拶してくれるマミちゃん。
本当にすんごい嬉しかったし、愛しいって思った。
これで本当に宝塚観るの辞めてもいいって思った。
…マミちゃんは「紫吹淳率いる月組をよろしくお願いします」って言ってたんだけどね(^^ゞ
本当の最後の最後に、マミちゃんはこう言ってくれたんだ。
「ありがとうございます。
今、なんか、私の頭上で最後の時を告げる緞帳が私を待ち構えてる、そんな心境でございます。
…なんか…幸せすぎて……」
そこにファンから掛け声がかかる。
「マミちゃ〜〜ん」「愛してる〜」「大好き〜」「ありがと〜」とかって(*^_^*)
「……ありがとうございます…
…あ〜、そうです。
皆さんがいるのを忘れていました(*^_^*)
皆さんもう一度、舞台に出てきてくださ〜い」
そう言って組子さん達を呼ぶ、マミちゃん。
「…この言葉はとっても綺麗過ぎて嫌いですが、皆様のこと、愛してます!」
お芝居の「愛のソナタ」のラストシーンと同じように、そう言ってくれたんだ。
「長い間、ありがとうございました」
そうマミちゃんは残して本当に去っていってしまった…はずなのに、また戻ってきてくれた(*^_^*)
場内は再びどよめきの渦。
「皆さ〜ん、これからも宝塚のことを愛してくれるかな?」
客席に問い掛けるマミちゃんにみんな大声で「Year!!」と応えた。
…そうして、今度こそ本当にマミちゃんは去っていってしまった。
みんなはパレードを見るために足早に立ち去っていく。
私と相棒はすっかり力が抜けたようになって座り込んでる。
「…なぁ、出待ちするのん?」
「…いや、もう足に力はいらへんし、マミちゃんの姿見たら『行かないでぇぇぇぇぇっ』って縋りそうだからやめとく」
珍しく相棒がそう言ったので、その足で帰ることにした。
劇場の外は黒山の人。
ファンクラブの人たちも何重にも列をなしてガードの体制をとってる。
そのうち兵庫県警も来るだろう(←パレードのある時は臨時で出てくることがある)
黒山の人を横目に二人は駅に向かって歩き出した。
「なんか明日、ちゃんと起きて仕事になんていかれへんわ」
「…もう、なぁんもする気なぁい」
「今日、私は電話には出ないから、霄ちゃん、連絡しても出ないからね」
「私も日記書くのが精一杯やって(笑)」
意味不明なる会話をぼそぼそしながら、歩く。
いつもなら駅に着いたら暫くホームでお話したりするけれど。
2日連続で会ってるし、感動半分悲しみ半分の二人が話すべきことなんて見当たらないから、
「また、連絡するねぇ〜」
そう言って別れた。
家に帰ってからも、何もする気になれずにそのままご飯を食べてぼけっと過ごし、そのまま眠ってしまったんだ。
今日の朝、起きても身体が重いのは相変わらずで、リフレッシュになったんだかなってないんだか判らない(^^ゞ
会社に行っても、何となくしゃんとしない。
夢が翼をもって飛び立ってしまったあとに、ぽつねんと残されてしまった人みたいにぼーっと一日を過ごしてしまった。
…さっさか、現実に戻らんとアカンやんか?
マミちゃんから楽しい時間を貰ったんだから、それを糧にしてまた頑張っていかないと。
私にはまだしないといけないことが山積みなんだから。
昨日は一日中、マミちゃんマミちゃんで竜樹さんのことすらすっかり忘れてしまっていた。
私が貸したものがきちんと竜樹さんの役に立っているかどうか、学校のこともちゃんと聞いて配慮したげないと。
もしかして、私が浮かれてる間に竜樹さんがしんどい思いをしてるかもしれないんだから。
寝る前に電話入れとこうね?
たとえ出てもらえなくても。
夢のあとで蹲るのは今日でおしまい。
心の目で見つめてきたマミちゃんは私の中にちゃんといてるから。
機嫌よく歩いていこう。
竜樹さんという「今」と共に歩いていこう。
巣立ちの日
2001年7月2日今日はマミちゃんのサヨナラ公演の千秋楽。
…外は白っぽい曇り空。湿度は高い。
蒸し暑い一日になりそうだ。
昨日と同様、Afternoon Tearoomに行き、季節限定のパスタランチを取り、劇場に向かう。
花の道には、千秋楽のチケットを売って欲しがる人が待ち構えている。
劇場の敷地内に入ると、こんな時間からもうお別れのパレードのための場所取をするべく座り込んでる人たちがいる(゜o゜)
…マミちゃんが出てくるまで、あと5時間以上もあるのに
チケットが取れなかった人にとっては、最後のパレードがマミちゃんと会える最後のチャンス。
これを逃したら二度と逢えないんだから、頑張っちゃうよね?
…多分、チケット取れてなかったら私もやったよなぁ。
そう思いながら、劇場内に入っていく。
今日でマミちゃんとはお別れ。
多分、私もこの先宝塚歌劇を観に来ることはないと思う。
次に月組トップになるリカちゃん(紫吹淳)の舞台も一度くらいは見てみたい気はするけれど、今まで私が宝塚観劇を辞めずにいたのはマミちゃんがいたからだから。
もうこれでやめてしまってもいいような気はしてるんだ。
私が宝塚を観るようになってから、何人ものトップが辞めていったし、そのうちの何人かはこんなふうに初日と千秋楽共に押さえてもらって見届けたけれど。
一人辞める度に「○○ちゃんとマミちゃんがいるから、まだ観に来れる」って言ってた。
やがて「マミちゃんがいるから、まだやめないもん」になり、とうとうそのマミちゃん自身が去ることになってしまった。
しかも、彼女は二度と舞台には立たないと言ってる。
宝塚を観るのをやめるにはいい機会なのかもしれない。
…いろいろ思うことはあるけれど、今日だけはマミちゃんに気持ちのすべてを割こう
馬鹿げてるとは思ったけれど、そう思ったんだ。
劇場に入り、自分の座席に着いてみると、背もたれに袋入りのサイリウムが貼り付けてある。
「サヨナラショーの後半に『LUNA』の『アナザーライフ』の歌の時、大階段にのぼり始めます。その際にペンライトを振ろうと思っています。
『愛のソナタ』終演後の35分休憩の間に、ペンライトを折って下さい。すぐに発光を始めますので、振る時まで光がもれないようにバック等に入れておいて下さい。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。
TSUBASA CLUB」
マミちゃんのファンクラブの人たちが自前で全席にペンライトを置いていたんだ。
今まで、男役トップの人のサヨナラショーには何度も立ち会ってきたけれど、こんなことは初めてだったから、相棒と二人でびっくりしてたんだ。
そんなささやかなことに感動(?)してるうちに幕は上がる。
前半のお芝居「愛のソナタ」は、本当にアドリブ合戦。
女装したマミちゃん(マリアンデルという名の小間使い)とリカちゃん(オックス男爵)とのやりとりの中で、なんとマウストゥマウスのキスが飛ぶ(゜o゜)
これは二人とも予期してなくて、たまたま勢いでぶつかったみたいになったんだけど。
リカちゃん、頭が真っ白になったみたいで台詞がちょっとの間出ない。
ようやっとリカちゃんから台詞が飛び出しはしたけれど、お客はいつまでも笑い続けてるし、舞台の進行がちょっと固まりモード入った状態になってしまって。
お客はただ笑ってるだけだからいいけれど、演じてる側は大変。
特に食われてしまった次期トップのリカちゃんにはちょっと気の毒だったかも(-_-;)
それでも、さすがは舞台人の集団。
みんな上手に流していく。
それでも、やっぱりおかしな台詞や仕草が混ざるから、見てる側はずっと笑い続けてるんだけどね。
周りの人たちはこの芝居の段階で、すでに鼻をグズグズいわしてたけど、私自身はあまりに面白い舞台の進行に気を取られていたために、「あぁ、これでマミちゃんの舞台は最後なんだ」っていう寂寥感に駆られることのないまま、舞台を見てはげらげら笑っていた。
お芝居が終わって、35分休憩に入る。
笑い死にしそうになってる私と相棒。
「…どうせなら、今日の公演すべてビデオ化してくれたらいいのになぁ。そしたら絶対買うよなぁ?」
どちらからともなく、そんな声があがった。
いつも会社を休むと気になって、休憩の時間中に会社に電話を入れるのだけど、珍しく会社のことを忘れていた。
席を立っていた相棒が戻ってきてから、二人してサイリウムを折って鞄にしまい、また取り留めない話をする。
…そうしてるうちに、ショーの始まりを告げるブザーが鳴り、マミちゃんのアナウンスが入る。
「このアナウンスも今日が最後か」
ちょっと心が痛む気はしたけれど、とりあえず楽しむことだけ考えた。
ショーはお芝居と違ってアドリブは少ないけれど、替え歌っぽい要素が入ったり、何回か観てると微妙に違いが判るような部分があったりして、楽しめた。
マミちゃん曰く「宝塚史上、舞台から客席に向かって声を上げさせるなんていうのは前例がないこと」を彼女自身がやってみたり、また客席もそれに応えたりとやっぱり泣いてる暇がないような作り方。
それでもやっぱり周囲から鼻をグズグズいわせてるのが聞こえてくる。
しかも、その人数は着実に増えている。
涙も出てこず、乗りまくってる私はなんだかいけないファンのような気がしたんだけど。
フィナーレを向かえ、大階段からマミちゃんが降りてきてもやっぱり涙は出てこなくて、
幕が下りるまでのってしまった(-_-;)
幕が下りると、組長さんの挨拶があって、その間にサヨナラショーの準備は進んでいく。
組長さんの挨拶中も鼻をすする人の数は増える一方。
それでもまだ涙も出ない金岡。
…本当に私、マミちゃんのこと好きなんだろうか?
理由もなく(笑)不安になってきた。
そうこうしてるうちに、サヨナラショーが始まる。
昨日も拝めたから、ショーの構成は重々わかってるはずなのに。
マミちゃんのお披露目公演の「EL DRADO」の主題歌が流れてくると、鳥肌が立つような感じがする。
もうそれからはずっと鼻グズグズを背中にしょって、マミちゃんを食い入るように見ていた。
それでも、まだ涙は出てこない。
…観劇を引っ張り続けた人が去るときですら泣けなくなってるん?
自分にもう一度問い返したけれど、涙は出てこなかった。
そうしてるうちに、「うたかたの恋」のデュエットシーンも終わり、やがてサヨナラショーも終わりに差し掛かってきた。
そして、サヨナラショーのフィナーレを向かえ、幕が下りる。
拍手の嵐に推されるように、幕が何度も上がりマミちゃんが姿を現す。
…つっと涙が頬を伝った
自分でもびっくりしてしまったんだ。
******************************************************
字数が一杯になってしまったから、3日に続きます。
「竜樹さん日記」の方がマシだと思ってる方がいらっしゃったら、ごめんなさいm(__)m
…外は白っぽい曇り空。湿度は高い。
蒸し暑い一日になりそうだ。
昨日と同様、Afternoon Tearoomに行き、季節限定のパスタランチを取り、劇場に向かう。
花の道には、千秋楽のチケットを売って欲しがる人が待ち構えている。
劇場の敷地内に入ると、こんな時間からもうお別れのパレードのための場所取をするべく座り込んでる人たちがいる(゜o゜)
…マミちゃんが出てくるまで、あと5時間以上もあるのに
チケットが取れなかった人にとっては、最後のパレードがマミちゃんと会える最後のチャンス。
これを逃したら二度と逢えないんだから、頑張っちゃうよね?
…多分、チケット取れてなかったら私もやったよなぁ。
そう思いながら、劇場内に入っていく。
今日でマミちゃんとはお別れ。
多分、私もこの先宝塚歌劇を観に来ることはないと思う。
次に月組トップになるリカちゃん(紫吹淳)の舞台も一度くらいは見てみたい気はするけれど、今まで私が宝塚観劇を辞めずにいたのはマミちゃんがいたからだから。
もうこれでやめてしまってもいいような気はしてるんだ。
私が宝塚を観るようになってから、何人ものトップが辞めていったし、そのうちの何人かはこんなふうに初日と千秋楽共に押さえてもらって見届けたけれど。
一人辞める度に「○○ちゃんとマミちゃんがいるから、まだ観に来れる」って言ってた。
やがて「マミちゃんがいるから、まだやめないもん」になり、とうとうそのマミちゃん自身が去ることになってしまった。
しかも、彼女は二度と舞台には立たないと言ってる。
宝塚を観るのをやめるにはいい機会なのかもしれない。
…いろいろ思うことはあるけれど、今日だけはマミちゃんに気持ちのすべてを割こう
馬鹿げてるとは思ったけれど、そう思ったんだ。
劇場に入り、自分の座席に着いてみると、背もたれに袋入りのサイリウムが貼り付けてある。
「サヨナラショーの後半に『LUNA』の『アナザーライフ』の歌の時、大階段にのぼり始めます。その際にペンライトを振ろうと思っています。
『愛のソナタ』終演後の35分休憩の間に、ペンライトを折って下さい。すぐに発光を始めますので、振る時まで光がもれないようにバック等に入れておいて下さい。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。
TSUBASA CLUB」
マミちゃんのファンクラブの人たちが自前で全席にペンライトを置いていたんだ。
今まで、男役トップの人のサヨナラショーには何度も立ち会ってきたけれど、こんなことは初めてだったから、相棒と二人でびっくりしてたんだ。
そんなささやかなことに感動(?)してるうちに幕は上がる。
前半のお芝居「愛のソナタ」は、本当にアドリブ合戦。
女装したマミちゃん(マリアンデルという名の小間使い)とリカちゃん(オックス男爵)とのやりとりの中で、なんとマウストゥマウスのキスが飛ぶ(゜o゜)
これは二人とも予期してなくて、たまたま勢いでぶつかったみたいになったんだけど。
リカちゃん、頭が真っ白になったみたいで台詞がちょっとの間出ない。
ようやっとリカちゃんから台詞が飛び出しはしたけれど、お客はいつまでも笑い続けてるし、舞台の進行がちょっと固まりモード入った状態になってしまって。
お客はただ笑ってるだけだからいいけれど、演じてる側は大変。
特に食われてしまった次期トップのリカちゃんにはちょっと気の毒だったかも(-_-;)
それでも、さすがは舞台人の集団。
みんな上手に流していく。
それでも、やっぱりおかしな台詞や仕草が混ざるから、見てる側はずっと笑い続けてるんだけどね。
周りの人たちはこの芝居の段階で、すでに鼻をグズグズいわしてたけど、私自身はあまりに面白い舞台の進行に気を取られていたために、「あぁ、これでマミちゃんの舞台は最後なんだ」っていう寂寥感に駆られることのないまま、舞台を見てはげらげら笑っていた。
お芝居が終わって、35分休憩に入る。
笑い死にしそうになってる私と相棒。
「…どうせなら、今日の公演すべてビデオ化してくれたらいいのになぁ。そしたら絶対買うよなぁ?」
どちらからともなく、そんな声があがった。
いつも会社を休むと気になって、休憩の時間中に会社に電話を入れるのだけど、珍しく会社のことを忘れていた。
席を立っていた相棒が戻ってきてから、二人してサイリウムを折って鞄にしまい、また取り留めない話をする。
…そうしてるうちに、ショーの始まりを告げるブザーが鳴り、マミちゃんのアナウンスが入る。
「このアナウンスも今日が最後か」
ちょっと心が痛む気はしたけれど、とりあえず楽しむことだけ考えた。
ショーはお芝居と違ってアドリブは少ないけれど、替え歌っぽい要素が入ったり、何回か観てると微妙に違いが判るような部分があったりして、楽しめた。
マミちゃん曰く「宝塚史上、舞台から客席に向かって声を上げさせるなんていうのは前例がないこと」を彼女自身がやってみたり、また客席もそれに応えたりとやっぱり泣いてる暇がないような作り方。
それでもやっぱり周囲から鼻をグズグズいわせてるのが聞こえてくる。
しかも、その人数は着実に増えている。
涙も出てこず、乗りまくってる私はなんだかいけないファンのような気がしたんだけど。
フィナーレを向かえ、大階段からマミちゃんが降りてきてもやっぱり涙は出てこなくて、
幕が下りるまでのってしまった(-_-;)
幕が下りると、組長さんの挨拶があって、その間にサヨナラショーの準備は進んでいく。
組長さんの挨拶中も鼻をすする人の数は増える一方。
それでもまだ涙も出ない金岡。
…本当に私、マミちゃんのこと好きなんだろうか?
理由もなく(笑)不安になってきた。
そうこうしてるうちに、サヨナラショーが始まる。
昨日も拝めたから、ショーの構成は重々わかってるはずなのに。
マミちゃんのお披露目公演の「EL DRADO」の主題歌が流れてくると、鳥肌が立つような感じがする。
もうそれからはずっと鼻グズグズを背中にしょって、マミちゃんを食い入るように見ていた。
それでも、まだ涙は出てこない。
…観劇を引っ張り続けた人が去るときですら泣けなくなってるん?
自分にもう一度問い返したけれど、涙は出てこなかった。
そうしてるうちに、「うたかたの恋」のデュエットシーンも終わり、やがてサヨナラショーも終わりに差し掛かってきた。
そして、サヨナラショーのフィナーレを向かえ、幕が下りる。
拍手の嵐に推されるように、幕が何度も上がりマミちゃんが姿を現す。
…つっと涙が頬を伝った
自分でもびっくりしてしまったんだ。
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字数が一杯になってしまったから、3日に続きます。
「竜樹さん日記」の方がマシだと思ってる方がいらっしゃったら、ごめんなさいm(__)m
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時の流れがくれた薬
2001年6月27日昨晩、日付が変わる前にもう一度竜樹さんに電話した。
「検査が終わったよ」
そう一言知らせておきたくて。
けれど、竜樹さんは出てくれなかった。
…まだ、検査の結果が出たという訳ではないから、いいかぁ
終日蒸し暑かったし、竜樹さんも学校行くだけで体力がいっぱいいっぱいなんだろう。
どうせ竜樹さんのことだから、他にもいろいろ用事を片付けてるんだろうし、
早く休ませてあげたい。
そう思って、それ以上電話するのはやめておいた。
日付が変わり、暫くしてそろそろ疲れてきたので、お風呂に入って寝ようと思った。
その時、携帯から「初恋」が。
…竜樹さん、ありがとう(*^_^*)
「検査、どうやった?」
開口一番、そう聞いてくれた。
検査の結果は金曜日にもらえること。でもその日は月末の締め日だから、結果をもらうのは多分その次の週になること。
検査が何時まで引っ張るか判らなかったから、有給をとって一日休んだこと。
多分、心配は要らない(だろう)こと。
私が判ってる範囲のことはすべて竜樹さんに話した。
「…今までの無理が積もり積もっててんなぁ」
そう竜樹さんが言った。
仕事でのストレスはともかく、他のこと…特に竜樹さんのことで無理をしてると思われたくはなかったから、
「夜更かしが過ぎたからやってぇ。大したことないよ、きっと(^○^)」
そう笑い飛ばしておいた。
竜樹さんがこれ以上私の心配なんかしませんようにと、小さく祈りながら。
…竜樹さんは学校でストレス溜めすぎていないかな?
そう思ったので、学校での話を聞いてみたんだ。
相変わらず、学校では面白くないことが続いてるようだけど。
ただ、いつもと少し様子が違ったんだ。
「俺は、前の会社で随分鍛えられたから、こんなことはどうってことない」
「前の会社で鍛えられたことはよかったって思ってる」
竜樹さんは前の会社を辞めるまでに、相当ひどい目に遭っていて。
会社を辞めて闘病生活に入ってからも、前の会社の話題というのは一切触れてはならないことだった。
たまに竜樹さんが前の会社の時の話を口にしても、そこにはあまりいい感情はないみたいだったし、私が前の会社の話をするだけで、彼の中から言い知れぬ恐怖心や嫌悪感が生まれてくることは彼が何も言わなくてもよく判ってたから。
たまに竜樹さんが前の会社の時の話を口にしても、そこにはいい感情なんて微塵もなかったし…
随分長いこと、前の会社でのことのすべては口にしないでいた。
私自身も竜樹さんと関係ないところにあるあの会社での思い出にいいものがなかったから、
それはそれでよかったんだけど…
だから、正直言って竜樹さんが前の会社にいた時のことをいい意味で口にするということに驚いたんだ。
…あ、時間の流れが竜樹さんの心にいい変化をもたらしたんだなって
それがとても嬉しかったんだ。
そんな気持ちを知ってか知らずか、竜樹さんは前の会社の時の話をしはじめる。
不思議なことに、彼の話すエピソードのどれをとっても嫌な話がなくて。
私の知らない彼の足跡を知るものばかりでとても驚いたんだ。
…前の会社は、私が竜樹さんと出会った場所。
一度でも、竜樹さんが自分自身に誇りを持って臨んでいられた場所。
その場所にいた時間がたとえどれほど面白くない時間であったり、彼に言い知れぬ恐怖や屈辱感を与えたりしたんだとしても、いつかは彼の中で「これはこれでよかったんだ」と思ってもらえたらいいなって思ったから。
ずっとずっと願っていたから。
彼の中で嫌なものをそれはそれでいいものに変えてくれた時間に感謝したい気持ちで一杯だったんだ。
そして、やっと少しだけ思えたんだ。
…絶望的な気持ちにさせる出来事にもやがて終わりは来るのかもしれない。
その出来事はいつまでも嫌なものだけを与えることはないのかもしれない。
もしかしたら、「力技」を以って結果を掴もうとしなかったこと。
竜樹さんが病のために、志半ばでいろんなものを失ったこと。
二人が躓きながらここまで歩いてきたこと。
私たちが歩いてきた道程のすべてもいつかは「これはこれでよかったんだよ」と笑顔で受け入れられるようになるのかもしれない。
そうして初めて、二人は本当の意味で「幸せ」に近づけるのかもしれない。
そう思うとなんだか嬉しかったんだ。
一通り前の会社のこと、学校のことを話し終えたとき。
竜樹さんは何気にこう言ってくれた。
「…本当は、昨日もよく眠れなくて、霄のところへ電話しようと思っててん」
「してくれたらよかったのに」
「いや、次の日検査やって聞いてたし、有給とってるって思わなかったから悪いなって思って…」
「背中が痛くて眠れなかったの?」
「うん、ちょっとしんどかってなぁ…」
「何か話したら、辛さも取れるもんね?」
「…いや、そういうのは俺にはないねんけどさ…」
「でも、声を聞いたら眠れそうってことはない?」
「…うん、それはあるねん。霄の声聞きたかってん」
そう言えば、竜樹さんが前の会社にいてる時、よくそう言って電話くれてたよね?
深夜の2時や3時やひどい時は4時ごろ。
いつでも会社から戻ってくるのはそれくらいの時間で、疲れすぎててよく眠れなかった竜樹さん。
…あの時は眠るのに薬を使わなかったから、辛かったんだよね?
ここ数年、そんな言葉を聞かなかったからとても懐かしく、いとおしく思えたんだ。
「眠れなかったら、昔みたいに何時でもいいから電話してくれていいんだよ?」
「…判った。ありがとうな」
そう言って、竜樹さんは電話を切った。
竜樹さんの中で忘れてしまいたいと思っていた記憶は時の流れという名の薬によって、
今を生きるための力や自信になって戻ってきた。
そのついでに(?)あの頃貰って嬉しかった言葉も一緒に帰ってきてくれたのがとても嬉しくて、
今日はとてつもなく寝不足でしんどかったくせに、機嫌よく一日過ごせたんだ。
時間の流れに物事を委ねるのは無責任ぽくって好きじゃないんだけど、
時間が癒してくれた結果が今はとても嬉しいんだ。
…いつかこうして、二人の記憶のいい部分も悪い部分も纏めて笑顔をもって受け入れられますように
そうして二人が歩く糧となりますように。
「検査が終わったよ」
そう一言知らせておきたくて。
けれど、竜樹さんは出てくれなかった。
…まだ、検査の結果が出たという訳ではないから、いいかぁ
終日蒸し暑かったし、竜樹さんも学校行くだけで体力がいっぱいいっぱいなんだろう。
どうせ竜樹さんのことだから、他にもいろいろ用事を片付けてるんだろうし、
早く休ませてあげたい。
そう思って、それ以上電話するのはやめておいた。
日付が変わり、暫くしてそろそろ疲れてきたので、お風呂に入って寝ようと思った。
その時、携帯から「初恋」が。
…竜樹さん、ありがとう(*^_^*)
「検査、どうやった?」
開口一番、そう聞いてくれた。
検査の結果は金曜日にもらえること。でもその日は月末の締め日だから、結果をもらうのは多分その次の週になること。
検査が何時まで引っ張るか判らなかったから、有給をとって一日休んだこと。
多分、心配は要らない(だろう)こと。
私が判ってる範囲のことはすべて竜樹さんに話した。
「…今までの無理が積もり積もっててんなぁ」
そう竜樹さんが言った。
仕事でのストレスはともかく、他のこと…特に竜樹さんのことで無理をしてると思われたくはなかったから、
「夜更かしが過ぎたからやってぇ。大したことないよ、きっと(^○^)」
そう笑い飛ばしておいた。
竜樹さんがこれ以上私の心配なんかしませんようにと、小さく祈りながら。
…竜樹さんは学校でストレス溜めすぎていないかな?
そう思ったので、学校での話を聞いてみたんだ。
相変わらず、学校では面白くないことが続いてるようだけど。
ただ、いつもと少し様子が違ったんだ。
「俺は、前の会社で随分鍛えられたから、こんなことはどうってことない」
「前の会社で鍛えられたことはよかったって思ってる」
竜樹さんは前の会社を辞めるまでに、相当ひどい目に遭っていて。
会社を辞めて闘病生活に入ってからも、前の会社の話題というのは一切触れてはならないことだった。
たまに竜樹さんが前の会社の時の話を口にしても、そこにはあまりいい感情はないみたいだったし、私が前の会社の話をするだけで、彼の中から言い知れぬ恐怖心や嫌悪感が生まれてくることは彼が何も言わなくてもよく判ってたから。
たまに竜樹さんが前の会社の時の話を口にしても、そこにはいい感情なんて微塵もなかったし…
随分長いこと、前の会社でのことのすべては口にしないでいた。
私自身も竜樹さんと関係ないところにあるあの会社での思い出にいいものがなかったから、
それはそれでよかったんだけど…
だから、正直言って竜樹さんが前の会社にいた時のことをいい意味で口にするということに驚いたんだ。
…あ、時間の流れが竜樹さんの心にいい変化をもたらしたんだなって
それがとても嬉しかったんだ。
そんな気持ちを知ってか知らずか、竜樹さんは前の会社の時の話をしはじめる。
不思議なことに、彼の話すエピソードのどれをとっても嫌な話がなくて。
私の知らない彼の足跡を知るものばかりでとても驚いたんだ。
…前の会社は、私が竜樹さんと出会った場所。
一度でも、竜樹さんが自分自身に誇りを持って臨んでいられた場所。
その場所にいた時間がたとえどれほど面白くない時間であったり、彼に言い知れぬ恐怖や屈辱感を与えたりしたんだとしても、いつかは彼の中で「これはこれでよかったんだ」と思ってもらえたらいいなって思ったから。
ずっとずっと願っていたから。
彼の中で嫌なものをそれはそれでいいものに変えてくれた時間に感謝したい気持ちで一杯だったんだ。
そして、やっと少しだけ思えたんだ。
…絶望的な気持ちにさせる出来事にもやがて終わりは来るのかもしれない。
その出来事はいつまでも嫌なものだけを与えることはないのかもしれない。
もしかしたら、「力技」を以って結果を掴もうとしなかったこと。
竜樹さんが病のために、志半ばでいろんなものを失ったこと。
二人が躓きながらここまで歩いてきたこと。
私たちが歩いてきた道程のすべてもいつかは「これはこれでよかったんだよ」と笑顔で受け入れられるようになるのかもしれない。
そうして初めて、二人は本当の意味で「幸せ」に近づけるのかもしれない。
そう思うとなんだか嬉しかったんだ。
一通り前の会社のこと、学校のことを話し終えたとき。
竜樹さんは何気にこう言ってくれた。
「…本当は、昨日もよく眠れなくて、霄のところへ電話しようと思っててん」
「してくれたらよかったのに」
「いや、次の日検査やって聞いてたし、有給とってるって思わなかったから悪いなって思って…」
「背中が痛くて眠れなかったの?」
「うん、ちょっとしんどかってなぁ…」
「何か話したら、辛さも取れるもんね?」
「…いや、そういうのは俺にはないねんけどさ…」
「でも、声を聞いたら眠れそうってことはない?」
「…うん、それはあるねん。霄の声聞きたかってん」
そう言えば、竜樹さんが前の会社にいてる時、よくそう言って電話くれてたよね?
深夜の2時や3時やひどい時は4時ごろ。
いつでも会社から戻ってくるのはそれくらいの時間で、疲れすぎててよく眠れなかった竜樹さん。
…あの時は眠るのに薬を使わなかったから、辛かったんだよね?
ここ数年、そんな言葉を聞かなかったからとても懐かしく、いとおしく思えたんだ。
「眠れなかったら、昔みたいに何時でもいいから電話してくれていいんだよ?」
「…判った。ありがとうな」
そう言って、竜樹さんは電話を切った。
竜樹さんの中で忘れてしまいたいと思っていた記憶は時の流れという名の薬によって、
今を生きるための力や自信になって戻ってきた。
そのついでに(?)あの頃貰って嬉しかった言葉も一緒に帰ってきてくれたのがとても嬉しくて、
今日はとてつもなく寝不足でしんどかったくせに、機嫌よく一日過ごせたんだ。
時間の流れに物事を委ねるのは無責任ぽくって好きじゃないんだけど、
時間が癒してくれた結果が今はとても嬉しいんだ。
…いつかこうして、二人の記憶のいい部分も悪い部分も纏めて笑顔をもって受け入れられますように
そうして二人が歩く糧となりますように。
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暖かな気持ちをありがとう
2001年6月26日今日は再検査の日。
再検査と言っても、もう一度あの恐ろしい胃カメラを飲むのではなく、超音波で内臓の大きさや状態を調べる「エコー検査」と呼ばれるもの。
会社に行く日よりもゆっくり目のスタートなので、身体は少し楽だ。
こないだの検査結果を貰いに行った時みたいに、果てしなく待たされることが予想できたので、会社には有給届を出しておいた。
もしも検査が早く終わって仕事が立て込んでいそうな様子ならば、その足で会社に行くつもりだということは昨日ボスに話しておいた。
今朝飛び込んできそうな仕事の準備は昨日片付けておいたから大丈夫だろうと思うけれど。
蒸し暑さによろけながら、病院に入った。
検査は胃カメラのとき以上に待ち時間を要した。
中待合室では検査を受けるお母さんの隣で子供さんが暴れている(笑)
胃カメラのときほど大層な検査ではないと竜樹さんにも金岡父にも言われていたから検査自体に不安はないけれど、いつもなら気に障らないことが気に障るのはやはり調子が悪いからなのか、検査前であがっているのか(笑)
自分の心の揺れ方が違うことで、まだ復調できていないことを再確認する。
子供さんがちょろちょろしてる中、診察を待っていると竜樹さんの通院に付き添った頃のことを思い出す。
竜樹さんの通っていた病院には患者さんの殆どが子供さんだったから、こんな光景は見慣れたものだった。
あの時は竜樹さんの心配をしながらじっと待合室のイスに座っていたけれど。
その1年後、今度は自分の身体の心配をしながら座ることになるとは思いもしなかった。
いろいろなことに思いを馳せてるうちに、検査の順番がやって来た。
薄暗い部屋の中で、女性の検査技師さんが黙々と作業をする。
私はといえば、「深呼吸をして…はい、息を吐いてください」の作業を延々と繰り返す。
検査の機械がおなかの上やら横やらをうろうろするのが何となく気持ち悪い感じもしたけれど。
検査は淡々と進み、とっとと終わってしまった。
こないだの胃カメラのときのように身体の状態について何かコメント挟んでくれたら、
「あ、そっかぁ。大丈夫なのね」とか「あ、やばいのかぁ」とかおおよその見当がつきそうなものなのに、今日の技師さんは何も言ってくれなかったので、すごぉく気になったんだけど。
遅かれ早かれ結果は明らかになるのだから、そう大袈裟に考えなくてもいいかと思って検査室を後にする。
会計を済ませ、会社に電話を入れる。
仕事の状況をボスに聞くと、フォローをしてる同僚に代わってくれた。
「何か問題があったら今から行くし…」
という私に、
「有給取ってるんだから、ちゃんと休み。他の社員さんの手を借りながらでも片付くし、どうしようもないのは置いておくから、来なくていいよ」
と返してくれたので、その言葉に甘えて家に帰ることにした。
外はよく晴れている上に、やたら蒸し暑かった。
倒れそうな感覚を覚えながら、バスに乗り駅に向かう。
駅に着いて、本屋さんにより寝ながらでも読めそうな本を何冊か買って、家に帰る。
ひと心地ついてからは、時々パソコンを開けてはふらりと遊びに出て、しんどくなると昼寝をするという状態だった。
平日の昼間はいつも会社にいるから寝ることが出来ないのに、家にいるとよく眠れた。
今日は検査以外のことはしていないのにね(^^ゞ
…それほどまでに、身体は疲れていたのかな?
そう思ったんだ。
時折、溜まっている日記を書こうとパソコンを開いては、自宙に行く。
そこに暖かな気持ちや言葉が溢れていて、びっくりするのと同時にそれをとてもありがたく思ったんだ。
「本当に本当に、早く元気になりたいや」
そう思ったんだ。
普段の日に比べたら何をしたのかよく判らない、というよりも殆ど何もしない一日だったけれど、それが身体にはよかったみたいで吐き気も背中痛も殆ど覚えずにいられた一日だった。
それがとても嬉しかったので、夕飯を食べたあと竜樹さんに電話をしたのだけれど。
竜樹さんは出てくれなかった(T_T)
…今日は蒸し暑かったから、学校へ行くので精一杯だったんだろうなぁ
竜樹さんもしんどい身体と相談しながら、頑張ってる。
そんな姿を思うと、何もしないで休んでる自分がなんだかへこたれな気がしてならないけれど。
今回の件ではっきりしたこと。
…すべてのことは元気であるってことから始まるのだということ。
自分が何かをするにつけても、大切な誰かを支えていくにつけても。
誰に心配をかけたくないんだとつっぱらかってても、身体の不調が続けば結果的にはいろんな人に心配はかけるし迷惑もかける。
普通に過ごしていられる時にはさほどありがたみのないことは、なくした途端にその大切さを痛感するものなのだと。
この不調から教わった気がする。
それでも、「何で今、ガタがくるかなぁ?」と思わないわけではないけれど…
今まで何年も休むことなく走り続けてきたから、そろそろ一度立ち止まってみろよってことだったのかな?
立ち止まらなければ見えないこともあるのかもしれない。
そうして見えたものを携えてまた歩き出したらいいのかもしれない。
今回のことですら、これからの私に役立つものなのだとしたら、それはそれでありがたく受け止めるべきなのかな?
辛気臭いことが嫌いな私は、しんどかろうが何だろうが止まることなく歩いていたいと思うのだけど。
何もしないでいることの楽さ加減。
それが「怠け」ではなく「次に歩き出す力を蓄える時間」だと思えば、少しは機嫌よくもいられるのだろうか?
立ち止まりなれてない私は未だにこの状況を上手く飲み込めずにいてるけれど…
いろんなことがまだまだ山積み状態なのだけど。
とりあえず、今回いろんな人から貰った暖かな気持ちに応えるのは元気になるということだと思うので。
めげずに投げずに無理せずに、元気になることを考えようと思う。
そうする先に、竜樹さんを支える力も宿るのだろうと思うから。
目指す場所はまだまだ遠いけれど、
夢路は遠いけれど。
目指す場所や姿に辿り着くために。
元気を取り戻すことだけに当分は専念しようと思う。
いろんな想いに捕まってしまうけれど、とりあえずは機嫌よく生きていく力を蓄えよう。
私の大切な人たちへ
暖かな気持ちをありがとう。
元気になれたからといって何をしてあげられるという訳じゃないけれど。
気持ちを受け止めたよってことの証しは、元気を取り戻すことだって思うので。
ゆっくりでも元気になることを考えます。
…ありがとう
再検査と言っても、もう一度あの恐ろしい胃カメラを飲むのではなく、超音波で内臓の大きさや状態を調べる「エコー検査」と呼ばれるもの。
会社に行く日よりもゆっくり目のスタートなので、身体は少し楽だ。
こないだの検査結果を貰いに行った時みたいに、果てしなく待たされることが予想できたので、会社には有給届を出しておいた。
もしも検査が早く終わって仕事が立て込んでいそうな様子ならば、その足で会社に行くつもりだということは昨日ボスに話しておいた。
今朝飛び込んできそうな仕事の準備は昨日片付けておいたから大丈夫だろうと思うけれど。
蒸し暑さによろけながら、病院に入った。
検査は胃カメラのとき以上に待ち時間を要した。
中待合室では検査を受けるお母さんの隣で子供さんが暴れている(笑)
胃カメラのときほど大層な検査ではないと竜樹さんにも金岡父にも言われていたから検査自体に不安はないけれど、いつもなら気に障らないことが気に障るのはやはり調子が悪いからなのか、検査前であがっているのか(笑)
自分の心の揺れ方が違うことで、まだ復調できていないことを再確認する。
子供さんがちょろちょろしてる中、診察を待っていると竜樹さんの通院に付き添った頃のことを思い出す。
竜樹さんの通っていた病院には患者さんの殆どが子供さんだったから、こんな光景は見慣れたものだった。
あの時は竜樹さんの心配をしながらじっと待合室のイスに座っていたけれど。
その1年後、今度は自分の身体の心配をしながら座ることになるとは思いもしなかった。
いろいろなことに思いを馳せてるうちに、検査の順番がやって来た。
薄暗い部屋の中で、女性の検査技師さんが黙々と作業をする。
私はといえば、「深呼吸をして…はい、息を吐いてください」の作業を延々と繰り返す。
検査の機械がおなかの上やら横やらをうろうろするのが何となく気持ち悪い感じもしたけれど。
検査は淡々と進み、とっとと終わってしまった。
こないだの胃カメラのときのように身体の状態について何かコメント挟んでくれたら、
「あ、そっかぁ。大丈夫なのね」とか「あ、やばいのかぁ」とかおおよその見当がつきそうなものなのに、今日の技師さんは何も言ってくれなかったので、すごぉく気になったんだけど。
遅かれ早かれ結果は明らかになるのだから、そう大袈裟に考えなくてもいいかと思って検査室を後にする。
会計を済ませ、会社に電話を入れる。
仕事の状況をボスに聞くと、フォローをしてる同僚に代わってくれた。
「何か問題があったら今から行くし…」
という私に、
「有給取ってるんだから、ちゃんと休み。他の社員さんの手を借りながらでも片付くし、どうしようもないのは置いておくから、来なくていいよ」
と返してくれたので、その言葉に甘えて家に帰ることにした。
外はよく晴れている上に、やたら蒸し暑かった。
倒れそうな感覚を覚えながら、バスに乗り駅に向かう。
駅に着いて、本屋さんにより寝ながらでも読めそうな本を何冊か買って、家に帰る。
ひと心地ついてからは、時々パソコンを開けてはふらりと遊びに出て、しんどくなると昼寝をするという状態だった。
平日の昼間はいつも会社にいるから寝ることが出来ないのに、家にいるとよく眠れた。
今日は検査以外のことはしていないのにね(^^ゞ
…それほどまでに、身体は疲れていたのかな?
そう思ったんだ。
時折、溜まっている日記を書こうとパソコンを開いては、自宙に行く。
そこに暖かな気持ちや言葉が溢れていて、びっくりするのと同時にそれをとてもありがたく思ったんだ。
「本当に本当に、早く元気になりたいや」
そう思ったんだ。
普段の日に比べたら何をしたのかよく判らない、というよりも殆ど何もしない一日だったけれど、それが身体にはよかったみたいで吐き気も背中痛も殆ど覚えずにいられた一日だった。
それがとても嬉しかったので、夕飯を食べたあと竜樹さんに電話をしたのだけれど。
竜樹さんは出てくれなかった(T_T)
…今日は蒸し暑かったから、学校へ行くので精一杯だったんだろうなぁ
竜樹さんもしんどい身体と相談しながら、頑張ってる。
そんな姿を思うと、何もしないで休んでる自分がなんだかへこたれな気がしてならないけれど。
今回の件ではっきりしたこと。
…すべてのことは元気であるってことから始まるのだということ。
自分が何かをするにつけても、大切な誰かを支えていくにつけても。
誰に心配をかけたくないんだとつっぱらかってても、身体の不調が続けば結果的にはいろんな人に心配はかけるし迷惑もかける。
普通に過ごしていられる時にはさほどありがたみのないことは、なくした途端にその大切さを痛感するものなのだと。
この不調から教わった気がする。
それでも、「何で今、ガタがくるかなぁ?」と思わないわけではないけれど…
今まで何年も休むことなく走り続けてきたから、そろそろ一度立ち止まってみろよってことだったのかな?
立ち止まらなければ見えないこともあるのかもしれない。
そうして見えたものを携えてまた歩き出したらいいのかもしれない。
今回のことですら、これからの私に役立つものなのだとしたら、それはそれでありがたく受け止めるべきなのかな?
辛気臭いことが嫌いな私は、しんどかろうが何だろうが止まることなく歩いていたいと思うのだけど。
何もしないでいることの楽さ加減。
それが「怠け」ではなく「次に歩き出す力を蓄える時間」だと思えば、少しは機嫌よくもいられるのだろうか?
立ち止まりなれてない私は未だにこの状況を上手く飲み込めずにいてるけれど…
いろんなことがまだまだ山積み状態なのだけど。
とりあえず、今回いろんな人から貰った暖かな気持ちに応えるのは元気になるということだと思うので。
めげずに投げずに無理せずに、元気になることを考えようと思う。
そうする先に、竜樹さんを支える力も宿るのだろうと思うから。
目指す場所はまだまだ遠いけれど、
夢路は遠いけれど。
目指す場所や姿に辿り着くために。
元気を取り戻すことだけに当分は専念しようと思う。
いろんな想いに捕まってしまうけれど、とりあえずは機嫌よく生きていく力を蓄えよう。
私の大切な人たちへ
暖かな気持ちをありがとう。
元気になれたからといって何をしてあげられるという訳じゃないけれど。
気持ちを受け止めたよってことの証しは、元気を取り戻すことだって思うので。
ゆっくりでも元気になることを考えます。
…ありがとう
気持ちの振れ幅
2001年6月25日どうして「右側」は生きているのだろう?
どうして「左側」にすべてを預けてはくれなかったのだろう?
そうすれば、自分が考えたことの愚かさに苦しまずに済むのに。
自分が思い違いをしても、省みることなく生きていけるのに。
心の揺れ幅が大きいのは、いつも「右側」
迷いが多くて物事を切り捨てていけないのはいつも「右側」
何の結果も残せないまま、迷い続けていくのはいつも「右側」
自分が走ろうと決めたことを阻止するのはいつも「右側」
「左側」に預けていけさえしたら、どれほどの結果が残せただろう?
どれほど潔い生き方が出来ただろう?
今はそれを思うのが辛い。
些細なことに傷つくのも「右側」
それを許さないのは「左側」
でも、真実に直面した時、
切り捨てなくて良かったとありがたがるのは「右側」
「左側」の衝動が勝てばすべてなくしていたはずのもの。
踏みとどまることで情けなさも残れども、安堵の色もまた心に残る
そこには「左側」はいない。
そんな情けない私を責めることも詰ることもなく、
また「左側」は還っていく。
「眠りの森」に還っていく。
この事態を、喜んでもいいのでしょうか?
この事態を、悲しむべきなのでしょうか?
どうして、切り捨てたはずのものを、
切り捨て切れなかったことに安心する自分はいるのでしょうか?
…いつか、その答えを知るときは来るのでしょうか?
いくつばかりかの勘違いで振り回された大切な人たちにごめんなさい。
心の揺れ幅が大きいために、余計な心配をかけてしまってごめんなさい。
私の周りを取り巻く揺れる風景に振り回されてしまったために、明日が検査であること。
明日休みを取って検査に臨むこと。
何一つ報告できませんでした。
ごめんなさい、竜樹さん。
きっと心配してくれただろうに。
心配してくれてるあなたの心の荷物を取り払うことが出来ませんでした。
葛藤が通り過ぎて、心の中に少しばかりの穏やかな風が吹いています。
それが私の心の中の鈍色を晴らしてくれるなら。
明日はきっと曇りない気持ちで連絡することが出来ると思います。
今は何に心囚われているのか、話すことは出来ないけれど。
きちんと向き合える状態になったら、一つずつ話していこうと思います。
それまでは、自分自身と向き合っていたいから。
…もしも、いつか、
この心の振れ幅に振り回されることが少なくなって、ある程度自分自身に折り合いがつけられるようになったなら、
あなたは私を受け止めてくれますか?
見た目以上に臆病で、でも本当はいろんなものを持ち続けていたいと願う、
カッコの悪い、でも刃物のようでない生身の私を。
…いつか受け止めてくれますか?
どうして「左側」にすべてを預けてはくれなかったのだろう?
そうすれば、自分が考えたことの愚かさに苦しまずに済むのに。
自分が思い違いをしても、省みることなく生きていけるのに。
心の揺れ幅が大きいのは、いつも「右側」
迷いが多くて物事を切り捨てていけないのはいつも「右側」
何の結果も残せないまま、迷い続けていくのはいつも「右側」
自分が走ろうと決めたことを阻止するのはいつも「右側」
「左側」に預けていけさえしたら、どれほどの結果が残せただろう?
どれほど潔い生き方が出来ただろう?
今はそれを思うのが辛い。
些細なことに傷つくのも「右側」
それを許さないのは「左側」
でも、真実に直面した時、
切り捨てなくて良かったとありがたがるのは「右側」
「左側」の衝動が勝てばすべてなくしていたはずのもの。
踏みとどまることで情けなさも残れども、安堵の色もまた心に残る
そこには「左側」はいない。
そんな情けない私を責めることも詰ることもなく、
また「左側」は還っていく。
「眠りの森」に還っていく。
この事態を、喜んでもいいのでしょうか?
この事態を、悲しむべきなのでしょうか?
どうして、切り捨てたはずのものを、
切り捨て切れなかったことに安心する自分はいるのでしょうか?
…いつか、その答えを知るときは来るのでしょうか?
いくつばかりかの勘違いで振り回された大切な人たちにごめんなさい。
心の揺れ幅が大きいために、余計な心配をかけてしまってごめんなさい。
私の周りを取り巻く揺れる風景に振り回されてしまったために、明日が検査であること。
明日休みを取って検査に臨むこと。
何一つ報告できませんでした。
ごめんなさい、竜樹さん。
きっと心配してくれただろうに。
心配してくれてるあなたの心の荷物を取り払うことが出来ませんでした。
葛藤が通り過ぎて、心の中に少しばかりの穏やかな風が吹いています。
それが私の心の中の鈍色を晴らしてくれるなら。
明日はきっと曇りない気持ちで連絡することが出来ると思います。
今は何に心囚われているのか、話すことは出来ないけれど。
きちんと向き合える状態になったら、一つずつ話していこうと思います。
それまでは、自分自身と向き合っていたいから。
…もしも、いつか、
この心の振れ幅に振り回されることが少なくなって、ある程度自分自身に折り合いがつけられるようになったなら、
あなたは私を受け止めてくれますか?
見た目以上に臆病で、でも本当はいろんなものを持ち続けていたいと願う、
カッコの悪い、でも刃物のようでない生身の私を。
…いつか受け止めてくれますか?
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どんな形ででも
2001年6月24日昨日の晩も相変わらず寝つきが悪くて、日が昇る頃に眠った。
次に目が覚めた時にはもう昼を回っていた。
外は、白っぽい灰色の空。
湿度の高い空気が纏わりつくような感じがする。
今日は「宝塚記念」の日。
…竜樹さんの調子がよければ、PATで賭けてから逢えるんだよね?
少し期待を込めて、竜樹さんに電話を一つ。
…竜樹さんは出なかった
「…やっぱり、調子が悪いのかな?今日は逢えないのかなぁ?」
時計を見ると、13時30分。
まだ諦めるような時間ではないけれど。
「宝塚記念」の出走時間は15時40分。
遅くとも15時30分には処理をしないといけない。
「宝塚記念」の結果を見てから出かけると、必然的に帰ってくるのは遅くなる。
私はともかく、竜樹さんはまたしんどい週明けになる。
…これは多分逢うのは無理だろうな
がっかりしないわけはないけれど、これも仕方がない。
でも、せめて電話ででも話せるなら…
そう思って、じっと携帯を睨んでいた。
出走1時間ほど前になって、もう一度電話したけれど出てくれず。
仕方がないから、自分の分だけでも先に予想してしまおうとリビングで出走表睨んで考えていたら、携帯が鳴った。
…竜樹さんだ(*^_^*)
「オッズ、どうなってる?」
PATは古い方のパソコンにしか入れてないので、まだちゃんとしたオッズは見れていない。
父が仕事で使っているのを頼み倒して借りてきて、確認をする。
「馬連だと2.2倍、ワイドだと1.5倍ほどだって」
その他ちょろちょろデータの確認をして、一旦電話を切る。
…PAT使って競馬するのは、「有馬記念」以来だよなぁ
去年の「有馬記念」以来、竜樹さんはぱたと競馬をやめてしまった。
彼の勘は良く当たるので、少々もったいないなぁと思っていたけれど、
「もうこんなことをしてる場合じゃないからな」
そう一言言ってやめてしまった。
それまでは、たとえ竜樹さんの体調が悪くて会えなくても、PATで馬券を買う時は電話で話せたから寂しくなかったんだけど、それもなくなってしまうとまるっきり話せない週末もあったから、随分がっかりしてたんだ。
さすがに、テイエムオペラオーとメイショウドトウが出てくるとなると、話は別なのね?(笑)
PATで残金を調べると、額面がかなり増えてる。
…この日のためにお金を入れてたのね、竜樹さん(^○^)
用意周到なので、思わず笑ってしまった。
私は秋のG1から有馬記念までしか競馬はしないことにしているので、この時期は残額が乏しい状態(笑)
自分の予算の範疇で予想を立てる。
暫くすると、竜樹さんから電話。
…彼が入金した額全部、3−4の馬連に賭けはった(゜o゜)
「ワイドにはせぇへんの?」
「いや、テイエムもメイショウドトウも外れないやろう?」
そう言って、予想の話はそこで終えてしまった。
竜樹さんは他の話をし出すけれど、ふと時計を見ると出走まであと15分。
慌てて電話を切って、パソコンから投票して、投票した旨電話する。
そうすると、レースが始まるまで竜樹さんは昨日一日何をしてたか話してくれた。
役所に提出する書類の作成や試験勉強、家の片付け等。
「本当にあなたは病人ですか?」と聞き返しそうになるほど、竜樹さんはいろんなことをしていたらしい。
思いつくまま、ばぁ〜っとやってしまうのは私も同じだから言えた義理ではないけれど…(^^ゞ
「あなたも平日忙しくしてるんだから、休みの日くらいゆっくりしたらいいのに…」
思わずそう言ってしまったんだ。
それでも、「のばしのばしにしてると、次に進めないからなぁ…」と竜樹さん。
「頑固者が二人寄り集まってしまったのね」と、携帯越しに苦笑。
そうしてるうちに、出走時間になったので電話を切ってテレビで観戦。
第4コーナーのアクシデントがなければ、テイエムが勝ってたのねと改めてテイエムの強さに感動。
でも、6回も同じ相手と対戦して6回とも負けてるドトウに勝たせてあげたかった気もするし。
…結果は残高2倍増(^○^)
これを少ない配当と嘆く人もいるけれど、今時銀行に預けても利子が残高と同じだけつくなんてことはありえないことだから、素直に喜んだ。
そして、竜樹さんに電話する。
…竜樹さんも同じことを言ったので笑ってしまった。
暫く競馬話をして電話を切った。
電話で話してるときやPAT扱ってる時。
テレビで観戦してた時。
傍に竜樹さんがいるわけでもないのに、竜樹さんと一緒に何かしてるような感じでいてたから。
レースが終わって電話を切った途端、ふっと思ったんだ。
…あ、結局逢えなかったんだよねぇ(-_-;)
急に現実に引き戻されたような気がしたんだ。
不思議なもので。
二人の物理的な距離は確かにあるんだけど、二人が同じものを見て同じものについて考えて、話すこと。
それですら、二人を繋いでるような感じをもたらしてくれるんだよね?
「宝塚記念」が始まる1時間ほど前から終わったあと電話で話し終えるまで。
傍にはいなかったけれど、何となく一緒に行動してたみたいな感じがしたんだ。
…どうせなら、競馬じゃなくてもっと違うものであって欲しかった気がするけれど(^^ゞ
つまらないことでも楽しめればOK。
どんな形ででも二人が繋がっていられるならそれで十分。
そう、思ったんだ。
明日からまたしんどい1週間は始まるけれど。
とりあえず、二人で一つの時間を共有できたことでよしとして歩いていこうか?
何の心配もなく逢えるようになる日まであと3週間あるけれど、
こんな風に過ごせる週末が入るなら、それでよしとしようか?
どんな形ででも、二人が結びついていられますように…
でも、できるなら早く竜樹さんに逢えますように…
次に目が覚めた時にはもう昼を回っていた。
外は、白っぽい灰色の空。
湿度の高い空気が纏わりつくような感じがする。
今日は「宝塚記念」の日。
…竜樹さんの調子がよければ、PATで賭けてから逢えるんだよね?
少し期待を込めて、竜樹さんに電話を一つ。
…竜樹さんは出なかった
「…やっぱり、調子が悪いのかな?今日は逢えないのかなぁ?」
時計を見ると、13時30分。
まだ諦めるような時間ではないけれど。
「宝塚記念」の出走時間は15時40分。
遅くとも15時30分には処理をしないといけない。
「宝塚記念」の結果を見てから出かけると、必然的に帰ってくるのは遅くなる。
私はともかく、竜樹さんはまたしんどい週明けになる。
…これは多分逢うのは無理だろうな
がっかりしないわけはないけれど、これも仕方がない。
でも、せめて電話ででも話せるなら…
そう思って、じっと携帯を睨んでいた。
出走1時間ほど前になって、もう一度電話したけれど出てくれず。
仕方がないから、自分の分だけでも先に予想してしまおうとリビングで出走表睨んで考えていたら、携帯が鳴った。
…竜樹さんだ(*^_^*)
「オッズ、どうなってる?」
PATは古い方のパソコンにしか入れてないので、まだちゃんとしたオッズは見れていない。
父が仕事で使っているのを頼み倒して借りてきて、確認をする。
「馬連だと2.2倍、ワイドだと1.5倍ほどだって」
その他ちょろちょろデータの確認をして、一旦電話を切る。
…PAT使って競馬するのは、「有馬記念」以来だよなぁ
去年の「有馬記念」以来、竜樹さんはぱたと競馬をやめてしまった。
彼の勘は良く当たるので、少々もったいないなぁと思っていたけれど、
「もうこんなことをしてる場合じゃないからな」
そう一言言ってやめてしまった。
それまでは、たとえ竜樹さんの体調が悪くて会えなくても、PATで馬券を買う時は電話で話せたから寂しくなかったんだけど、それもなくなってしまうとまるっきり話せない週末もあったから、随分がっかりしてたんだ。
さすがに、テイエムオペラオーとメイショウドトウが出てくるとなると、話は別なのね?(笑)
PATで残金を調べると、額面がかなり増えてる。
…この日のためにお金を入れてたのね、竜樹さん(^○^)
用意周到なので、思わず笑ってしまった。
私は秋のG1から有馬記念までしか競馬はしないことにしているので、この時期は残額が乏しい状態(笑)
自分の予算の範疇で予想を立てる。
暫くすると、竜樹さんから電話。
…彼が入金した額全部、3−4の馬連に賭けはった(゜o゜)
「ワイドにはせぇへんの?」
「いや、テイエムもメイショウドトウも外れないやろう?」
そう言って、予想の話はそこで終えてしまった。
竜樹さんは他の話をし出すけれど、ふと時計を見ると出走まであと15分。
慌てて電話を切って、パソコンから投票して、投票した旨電話する。
そうすると、レースが始まるまで竜樹さんは昨日一日何をしてたか話してくれた。
役所に提出する書類の作成や試験勉強、家の片付け等。
「本当にあなたは病人ですか?」と聞き返しそうになるほど、竜樹さんはいろんなことをしていたらしい。
思いつくまま、ばぁ〜っとやってしまうのは私も同じだから言えた義理ではないけれど…(^^ゞ
「あなたも平日忙しくしてるんだから、休みの日くらいゆっくりしたらいいのに…」
思わずそう言ってしまったんだ。
それでも、「のばしのばしにしてると、次に進めないからなぁ…」と竜樹さん。
「頑固者が二人寄り集まってしまったのね」と、携帯越しに苦笑。
そうしてるうちに、出走時間になったので電話を切ってテレビで観戦。
第4コーナーのアクシデントがなければ、テイエムが勝ってたのねと改めてテイエムの強さに感動。
でも、6回も同じ相手と対戦して6回とも負けてるドトウに勝たせてあげたかった気もするし。
…結果は残高2倍増(^○^)
これを少ない配当と嘆く人もいるけれど、今時銀行に預けても利子が残高と同じだけつくなんてことはありえないことだから、素直に喜んだ。
そして、竜樹さんに電話する。
…竜樹さんも同じことを言ったので笑ってしまった。
暫く競馬話をして電話を切った。
電話で話してるときやPAT扱ってる時。
テレビで観戦してた時。
傍に竜樹さんがいるわけでもないのに、竜樹さんと一緒に何かしてるような感じでいてたから。
レースが終わって電話を切った途端、ふっと思ったんだ。
…あ、結局逢えなかったんだよねぇ(-_-;)
急に現実に引き戻されたような気がしたんだ。
不思議なもので。
二人の物理的な距離は確かにあるんだけど、二人が同じものを見て同じものについて考えて、話すこと。
それですら、二人を繋いでるような感じをもたらしてくれるんだよね?
「宝塚記念」が始まる1時間ほど前から終わったあと電話で話し終えるまで。
傍にはいなかったけれど、何となく一緒に行動してたみたいな感じがしたんだ。
…どうせなら、競馬じゃなくてもっと違うものであって欲しかった気がするけれど(^^ゞ
つまらないことでも楽しめればOK。
どんな形ででも二人が繋がっていられるならそれで十分。
そう、思ったんだ。
明日からまたしんどい1週間は始まるけれど。
とりあえず、二人で一つの時間を共有できたことでよしとして歩いていこうか?
何の心配もなく逢えるようになる日まであと3週間あるけれど、
こんな風に過ごせる週末が入るなら、それでよしとしようか?
どんな形ででも、二人が結びついていられますように…
でも、できるなら早く竜樹さんに逢えますように…
逢えない週末の始まり
2001年6月23日昨晩あまり良く眠れなかったのに、朝から家中ばたばたしていて殆ど眠らないうちにたたき起こされた。
金岡妹の旦那の父上が胃癌の手術で神戸の病院に入院してるので、東京から戻ってくる妹夫婦と共に金岡両親も見舞いに行くのだとか。
幸か不幸か、私は留守番。
妹夫婦とは現地で落ち合うため、万が一の時の連絡係として家に残ることになった。
竜樹さんと出かける予定があれば、いつ終わるとも判らないこんな役割はイヤだとごねたかもしれないけれど、今週末からずっと竜樹さんとは逢えないのだからまぁいいかと引き受けた。
窓の外を見ると、鈍色の空からは大粒の雨が落ちてくる。
…竜樹さんと逢えないのなら、雨が降ろうが晴れようがどうでもいいや
ただ、姪御を連れてやってくる妹たちを思うと、出来る限り早く雨が上がればいいなと、空を見上げて思った。
母が出かけて暫くして、妹から電話が入り母の携帯番号を教えて電話を切る。
待ち合わせの時間になり、それ以降両親からも妹夫婦からも電話は入らなかったので、
竜樹さんのところに電話した。
…竜樹さんは出てくれた(*^_^*)
電話に出てくれた竜樹さんは心なしか元気そう。
「今日は雨が降ってるのに、身体の調子はマシなんや」
「…よかったねぇ(*^_^*)」
逢えないときに元気なことを喜んでいいのか悪いのか。
でも、竜樹さんが背中をいためて苦しむのはイヤだから、やっぱり元気だと聞くと嬉しくなる。
「今日は雨が降ってるから、明日晴れたら背中が痛まなかったら逢おうか?」
…え?逢えないんじゃなったの?
でも、そう聞き返すのも変な感じがしたから、
「ホントに?明日、晴れて元気だったら逢おうね」
「おう、宝塚記念を見に行くってのは無理やろうけど…」
「そしたら、明日は出かける前にPATから賭ける?」
「久しぶりに賭けよっか?テイエムとメイショウドトウやからなぁ…」
話は明るい方向に転がっていく。
すると、何気なく竜樹さんが聞いてきたんだ。
「昨日、俺寝てしまって聞きそびれたけど、検査結果でたんやろ?どうやってん?」
昨日は二人ともばたんきゅーで、お互いに電話は入れられなかったんだ。
あんまりいい結果じゃなかったから、言いたくなかったんだけど…
「…うん、それがね。胃カメラの方は胃炎程度だろうで済んだんだけど、血液検査でね膵臓に異常があるっぽいって言われてん」
「…確かに、膵臓がおかしいと胃が痛くなったり背中が痛くなったりするからなぁ…
俺の持ってる薬で使えそうなのがあるから、今度渡したるな…」
甘やかな、優しい声で竜樹さんはそう言ってくれた。
それで十分だった。
そうして1時間近く話して電話を切った。
…明日、運がよかったら会えるかもしれないんだ(*^_^*)
叶いそうにないようなお話だということはよく判っている。
でも信じてみたくなるのはどうしてだろう?
私の心も身体も弱っているから?
それとも、竜樹さんの優しさを信じてみたいと思うから?
予定が流動的になるのは今に始まったことじゃない。
期待しすぎてへこむのは自分ひとりなのにね?
でも。
あの人は叶えられないと判りきったことは口にしないから。
だから、がっかりはするけれど信じてみたくなるんだよね。
心にもない嘘を平気でつきとおせるような人だったら、私はここまで共に歩こうとは思わなかった。
竜樹さんの中にある強さや脆さ、優しさやキツさの元にあるものはいつだって変わることなく彼の中にあるから。
竜樹さんの一番底に眠ってるものを守りたいと願ったのも預かりたいと願ったのも、他でもない私自身だから。
結果に囚われることなく、竜樹さんの言葉をきちんと受け止められたらいいなぁって思ったんだ。
そうして家でたらたら休んでると、両親が帰ってきた。
結局、当初こちらに寄ると言っていた妹一家はお見舞いが済んだ足でお江戸に戻っていったそう。
両親は姪御の話ばかりしていた。
…何だかんだ言っても、両親もすっかりおじいちゃん・おばあちゃんなのよね(*^_^*)
口にしたら、ぶっ飛ばされそうだからやめたけれど(^^ゞ
そうして幸せそうな、妹たちを見て心の中に後ろ暗い感情が湧き上がることは今でもあるけれど。
妹たちのように、「力技」で結果を奪い取ればよかったのだと後悔しない日はないけれど。
「力技」を使わなかったのは私。
それを使えなかったのも私。
結果を導き出せなかった自分を責める暇があったら、今できることをしよう。
もしかしたら、あの時勇気を奮えなかったために、やがて二人は別々の道を歩くのかもしれない。
その時、また「力技」を使わなかったことを死ぬほど後悔することになるのかもしれない。
それでも。
今、こうして互いが思いあって生きているという事実を大事にしよう。
叶えられたかもしれない可能性ではなく、今こうしてあることの事実を受けて生きていこう。
今はまだ、その決意を突き通せるだけの気力も体力もついてきてはいないんだろうけれど。
明日、会えるといいな。
蒸し暑くてもいい。少々曇っててもいい。
何処へ行くわけでなくてもいい。
背中が痛まない、体調がそれほど悪くないそんな状態で、曇りのない気持ちと笑顔で向かい合えたなら。
そんな物思いには暫くつかれなくて済むかもしれないって思うから。
竜樹さんの笑顔一つありさえすれば、今はそれで安心できるような気がするから。
そして、私もまた竜樹さんに何かをあげられたらいいな。
体調が良くない時に、嫌な気持ちに負けないような。
そんな「何か」を。
竜樹さんにあげられたらいいな。
…明日、会えたらいいな
金岡妹の旦那の父上が胃癌の手術で神戸の病院に入院してるので、東京から戻ってくる妹夫婦と共に金岡両親も見舞いに行くのだとか。
幸か不幸か、私は留守番。
妹夫婦とは現地で落ち合うため、万が一の時の連絡係として家に残ることになった。
竜樹さんと出かける予定があれば、いつ終わるとも判らないこんな役割はイヤだとごねたかもしれないけれど、今週末からずっと竜樹さんとは逢えないのだからまぁいいかと引き受けた。
窓の外を見ると、鈍色の空からは大粒の雨が落ちてくる。
…竜樹さんと逢えないのなら、雨が降ろうが晴れようがどうでもいいや
ただ、姪御を連れてやってくる妹たちを思うと、出来る限り早く雨が上がればいいなと、空を見上げて思った。
母が出かけて暫くして、妹から電話が入り母の携帯番号を教えて電話を切る。
待ち合わせの時間になり、それ以降両親からも妹夫婦からも電話は入らなかったので、
竜樹さんのところに電話した。
…竜樹さんは出てくれた(*^_^*)
電話に出てくれた竜樹さんは心なしか元気そう。
「今日は雨が降ってるのに、身体の調子はマシなんや」
「…よかったねぇ(*^_^*)」
逢えないときに元気なことを喜んでいいのか悪いのか。
でも、竜樹さんが背中をいためて苦しむのはイヤだから、やっぱり元気だと聞くと嬉しくなる。
「今日は雨が降ってるから、明日晴れたら背中が痛まなかったら逢おうか?」
…え?逢えないんじゃなったの?
でも、そう聞き返すのも変な感じがしたから、
「ホントに?明日、晴れて元気だったら逢おうね」
「おう、宝塚記念を見に行くってのは無理やろうけど…」
「そしたら、明日は出かける前にPATから賭ける?」
「久しぶりに賭けよっか?テイエムとメイショウドトウやからなぁ…」
話は明るい方向に転がっていく。
すると、何気なく竜樹さんが聞いてきたんだ。
「昨日、俺寝てしまって聞きそびれたけど、検査結果でたんやろ?どうやってん?」
昨日は二人ともばたんきゅーで、お互いに電話は入れられなかったんだ。
あんまりいい結果じゃなかったから、言いたくなかったんだけど…
「…うん、それがね。胃カメラの方は胃炎程度だろうで済んだんだけど、血液検査でね膵臓に異常があるっぽいって言われてん」
「…確かに、膵臓がおかしいと胃が痛くなったり背中が痛くなったりするからなぁ…
俺の持ってる薬で使えそうなのがあるから、今度渡したるな…」
甘やかな、優しい声で竜樹さんはそう言ってくれた。
それで十分だった。
そうして1時間近く話して電話を切った。
…明日、運がよかったら会えるかもしれないんだ(*^_^*)
叶いそうにないようなお話だということはよく判っている。
でも信じてみたくなるのはどうしてだろう?
私の心も身体も弱っているから?
それとも、竜樹さんの優しさを信じてみたいと思うから?
予定が流動的になるのは今に始まったことじゃない。
期待しすぎてへこむのは自分ひとりなのにね?
でも。
あの人は叶えられないと判りきったことは口にしないから。
だから、がっかりはするけれど信じてみたくなるんだよね。
心にもない嘘を平気でつきとおせるような人だったら、私はここまで共に歩こうとは思わなかった。
竜樹さんの中にある強さや脆さ、優しさやキツさの元にあるものはいつだって変わることなく彼の中にあるから。
竜樹さんの一番底に眠ってるものを守りたいと願ったのも預かりたいと願ったのも、他でもない私自身だから。
結果に囚われることなく、竜樹さんの言葉をきちんと受け止められたらいいなぁって思ったんだ。
そうして家でたらたら休んでると、両親が帰ってきた。
結局、当初こちらに寄ると言っていた妹一家はお見舞いが済んだ足でお江戸に戻っていったそう。
両親は姪御の話ばかりしていた。
…何だかんだ言っても、両親もすっかりおじいちゃん・おばあちゃんなのよね(*^_^*)
口にしたら、ぶっ飛ばされそうだからやめたけれど(^^ゞ
そうして幸せそうな、妹たちを見て心の中に後ろ暗い感情が湧き上がることは今でもあるけれど。
妹たちのように、「力技」で結果を奪い取ればよかったのだと後悔しない日はないけれど。
「力技」を使わなかったのは私。
それを使えなかったのも私。
結果を導き出せなかった自分を責める暇があったら、今できることをしよう。
もしかしたら、あの時勇気を奮えなかったために、やがて二人は別々の道を歩くのかもしれない。
その時、また「力技」を使わなかったことを死ぬほど後悔することになるのかもしれない。
それでも。
今、こうして互いが思いあって生きているという事実を大事にしよう。
叶えられたかもしれない可能性ではなく、今こうしてあることの事実を受けて生きていこう。
今はまだ、その決意を突き通せるだけの気力も体力もついてきてはいないんだろうけれど。
明日、会えるといいな。
蒸し暑くてもいい。少々曇っててもいい。
何処へ行くわけでなくてもいい。
背中が痛まない、体調がそれほど悪くないそんな状態で、曇りのない気持ちと笑顔で向かい合えたなら。
そんな物思いには暫くつかれなくて済むかもしれないって思うから。
竜樹さんの笑顔一つありさえすれば、今はそれで安心できるような気がするから。
そして、私もまた竜樹さんに何かをあげられたらいいな。
体調が良くない時に、嫌な気持ちに負けないような。
そんな「何か」を。
竜樹さんにあげられたらいいな。
…明日、会えたらいいな
初心に返ろう
2001年6月22日今日は12日に受けた胃カメラ検査の結果を聞きに行く日。
診察時間は11時だったから、ちょっとのんびりと過ごしていた。
…が、のんびり過ごしすぎた(>_<)
母が私が病院に行く前に買い物を済ませるために出かけていった。
私の家から病院までは道が空いていても20分ほどかかる。
ところが診察時間20分前になっても母は戻ってこない。
この時間からタクシーを呼んでも診察時間に病院にいるのはどう考えても無理。
病院に電話を一つ入れて、20分ばかり遅れることを伝えた。
それはすんなり受け入れられた。
…しかし、着いたらすごいことになっていた(>_<)
急患が入ったらしく、診察は30分遅れているとのこと。
待てど暮らせど呼ばれる気配はない。
何時の間にか「1時間待ち」の表示が(゜o゜)
会社に出してる「遅刻届」に書いた時間に会社に入れるかどうかわからない状態になってきた。
診察を放って会社に行こうかと思ったとき、やっと呼び出しを受けて診察室に入った。
先生は明るく、検査結果を教えてくれる。
「胃の方は胃炎を起こしてる程度で、潰瘍にはなってませんね」
…よかった、これで病院通いともおさらばだ(*^_^*)
「ただね、血液検査のほうで気になる結果が出ましてね。
どうも膵臓の方に異常があるみたいなんですよねぇ…」
…え?それって膵炎?
「…いやぁ、肝臓の方も腎臓の方もまったく異常のない数値なんですけどねぇ、
膵臓の数値だけが基準値より2割ばかり高いんですよねぇ。
大したことはないと思うんですが、一応エコー検査しときましょうねぇ…」
2割高いとか言われても、どれくらい高いのかまったく判らない。
それはポテトチップスや洗剤の袋に「15%増量中」と書かれてても、どれくらい増えたのかわからないのと同じこと。
それがどれほどヤバいのか、また大丈夫なのかさっぱり判らない。
…原因不明の吐き気も背中が痛かったのも膵臓がおかしかったから?
そしたら、問診だけで言い当てた保健所の先生って捨てたもんじゃないんじゃあ…
一人でうろうろ考えてる間に、担当医はさっさと検査と診察の日を決めていく。
あっという間に診察は済み、会計を済ませ病院を後にした。
バスに乗って駅に向かう間も背中は痛いし吐き気がするのにも変わりはない。
昼食を取らないといけないのに取る時間がなくて、会社の最寄り駅の近くにあるパン屋さんで適当に見繕って自転車をかっ飛ばす。
仕事場には予定より15分遅れで到着した。
溜まった仕事が一段楽して、ボスに検査結果を報告することにした。
一通り報告を終えたとき、ボスが言った。
「今、調子が悪くなる時はどんな感じなんや?」
「本当に悪かったのは膵臓か?それはどれくらい療養の期間を置いたら完治するんや?」
多分それは「退職勧告」に繋がるんだろうなとぼんやり考えながら受け答えしていた。
「休むのは構わないけど、突然休まれるのは会社としては少し迷惑やなぁ」
「少しどころじゃなくて、大いに迷惑ですよ。ボス」
「もう辞めることになるのかな?」って思ったとき。
「休み続けても何てことのない程度の社員なら何も言わへんのや。
金ちゃんの役割っていうのは、会社のみんなに頼りにされてるんでなぁ。
早く良くなって、ちゃんと復帰して欲しいんや。
そのために、いっそまとめて休みを取って治すことに専念するか?」
そう言われたんだ。
さすがにどれくらい休んでいいのかわからないから、ひとまず来週の火曜日のエコー検査の結果次第ってことにしてもらった。
「大体なぁ、十二指腸とか膵臓とかいわすのは、ストレスから来るものが大きいんやで?
仕事のことでも何でもぎちぎちに考えんと、もっとおおらかに生きなアカンで?」
そう言って、ボスはこの話を締めくくった。
すんごい申し訳ない気持ちで一杯になった。
本当ならここで退職願を出した方がいいのかもしれない。
このご時世なら、すぐに次の人は見つかるだろうから。
いつ本当に倒れるか判らない半病人使うよりかは、新しい人に来てもらう方が迷惑も少ないはずだから。
…でも、同じ辞めるんだったら、ボスに一つでも恩返ししてから辞めたいよな?
不謹慎だけどそう思ったんだ。
立ちくらみと格闘、吐き気と格闘。
そうやって仕事をこなして一息ついた時、ボスがクリアファイルのレフィルに入ったプリントを2枚見せてくれた。
「これはわしが5年かけていろんな本から集めた言葉や、金ちゃんにやる。
わしが学んだことを会社の中でどんな形で生かせるのか、今、考えてるんや」
そう笑顔で渡してくれたんだ。
そこには、人として、社会人として必要であろう姿勢を集約した言葉が詰まっていた。
多分、今の私に足りないものがそこに詰まってたんだと思う。
「これは、すごい…ですね?」
目を丸くする私に、
「わしが5年間苦労して集めたものを金ちゃんはただで持っていけるんやで?(*^_^*)」
と笑顔で答えてくれたボス。
渡されたプリントを読み返しながら、本気で思ったんだ。
「私を拾ってくれたボスをちゃんとボスにしてから、会社を辞めよう。
元気になれるまでは、家でのネット散歩も自粛しよう」
本気でそう思ったんだ。
はっきり言って「気付くの遅すぎ」なんだけど(-_-;)
私は社会人としてはちっとも出来た人ではない。
「社会人不適格者」だと自ら認めているくらい、欠落しっぱなしの人間だけど。
竜樹さんといいボスといい、いい上司には恵まれてるんだと思う。
塾講の頃も竜樹さんにいろんなことを教えてもらった。
畑違いの業界に来て、今度はボスに手を引かれて歩いている。
出来の悪い私を大切に育ててくれてる竜樹さんとボス。
その人にきちんと誠意を返すためには、元気になることを優先しないといけないって思う。
ちゃんと寝て、ちゃんと食べて、ちゃんと仕事する。
その上で、ちゃんと遊ぶ(笑)
その基本に立ち返ろうと本気で思ったんだ。
ボスから貰ったプリントを持って、会社を後にする。
もうウイークデイに睡眠時間削ってまでいろんなことをするのはやめよう。
元気になれれば、いつでもできるんだから。
とりあえずは、元気になることだけ考えよう。
竜樹さんと共に歩くために、
そして、私を拾い上げてくれたボスに小さなお礼をするために、
大切な人たちのために、自分のために、本気で初心に返ろうって思ったんだ。
診察時間は11時だったから、ちょっとのんびりと過ごしていた。
…が、のんびり過ごしすぎた(>_<)
母が私が病院に行く前に買い物を済ませるために出かけていった。
私の家から病院までは道が空いていても20分ほどかかる。
ところが診察時間20分前になっても母は戻ってこない。
この時間からタクシーを呼んでも診察時間に病院にいるのはどう考えても無理。
病院に電話を一つ入れて、20分ばかり遅れることを伝えた。
それはすんなり受け入れられた。
…しかし、着いたらすごいことになっていた(>_<)
急患が入ったらしく、診察は30分遅れているとのこと。
待てど暮らせど呼ばれる気配はない。
何時の間にか「1時間待ち」の表示が(゜o゜)
会社に出してる「遅刻届」に書いた時間に会社に入れるかどうかわからない状態になってきた。
診察を放って会社に行こうかと思ったとき、やっと呼び出しを受けて診察室に入った。
先生は明るく、検査結果を教えてくれる。
「胃の方は胃炎を起こしてる程度で、潰瘍にはなってませんね」
…よかった、これで病院通いともおさらばだ(*^_^*)
「ただね、血液検査のほうで気になる結果が出ましてね。
どうも膵臓の方に異常があるみたいなんですよねぇ…」
…え?それって膵炎?
「…いやぁ、肝臓の方も腎臓の方もまったく異常のない数値なんですけどねぇ、
膵臓の数値だけが基準値より2割ばかり高いんですよねぇ。
大したことはないと思うんですが、一応エコー検査しときましょうねぇ…」
2割高いとか言われても、どれくらい高いのかまったく判らない。
それはポテトチップスや洗剤の袋に「15%増量中」と書かれてても、どれくらい増えたのかわからないのと同じこと。
それがどれほどヤバいのか、また大丈夫なのかさっぱり判らない。
…原因不明の吐き気も背中が痛かったのも膵臓がおかしかったから?
そしたら、問診だけで言い当てた保健所の先生って捨てたもんじゃないんじゃあ…
一人でうろうろ考えてる間に、担当医はさっさと検査と診察の日を決めていく。
あっという間に診察は済み、会計を済ませ病院を後にした。
バスに乗って駅に向かう間も背中は痛いし吐き気がするのにも変わりはない。
昼食を取らないといけないのに取る時間がなくて、会社の最寄り駅の近くにあるパン屋さんで適当に見繕って自転車をかっ飛ばす。
仕事場には予定より15分遅れで到着した。
溜まった仕事が一段楽して、ボスに検査結果を報告することにした。
一通り報告を終えたとき、ボスが言った。
「今、調子が悪くなる時はどんな感じなんや?」
「本当に悪かったのは膵臓か?それはどれくらい療養の期間を置いたら完治するんや?」
多分それは「退職勧告」に繋がるんだろうなとぼんやり考えながら受け答えしていた。
「休むのは構わないけど、突然休まれるのは会社としては少し迷惑やなぁ」
「少しどころじゃなくて、大いに迷惑ですよ。ボス」
「もう辞めることになるのかな?」って思ったとき。
「休み続けても何てことのない程度の社員なら何も言わへんのや。
金ちゃんの役割っていうのは、会社のみんなに頼りにされてるんでなぁ。
早く良くなって、ちゃんと復帰して欲しいんや。
そのために、いっそまとめて休みを取って治すことに専念するか?」
そう言われたんだ。
さすがにどれくらい休んでいいのかわからないから、ひとまず来週の火曜日のエコー検査の結果次第ってことにしてもらった。
「大体なぁ、十二指腸とか膵臓とかいわすのは、ストレスから来るものが大きいんやで?
仕事のことでも何でもぎちぎちに考えんと、もっとおおらかに生きなアカンで?」
そう言って、ボスはこの話を締めくくった。
すんごい申し訳ない気持ちで一杯になった。
本当ならここで退職願を出した方がいいのかもしれない。
このご時世なら、すぐに次の人は見つかるだろうから。
いつ本当に倒れるか判らない半病人使うよりかは、新しい人に来てもらう方が迷惑も少ないはずだから。
…でも、同じ辞めるんだったら、ボスに一つでも恩返ししてから辞めたいよな?
不謹慎だけどそう思ったんだ。
立ちくらみと格闘、吐き気と格闘。
そうやって仕事をこなして一息ついた時、ボスがクリアファイルのレフィルに入ったプリントを2枚見せてくれた。
「これはわしが5年かけていろんな本から集めた言葉や、金ちゃんにやる。
わしが学んだことを会社の中でどんな形で生かせるのか、今、考えてるんや」
そう笑顔で渡してくれたんだ。
そこには、人として、社会人として必要であろう姿勢を集約した言葉が詰まっていた。
多分、今の私に足りないものがそこに詰まってたんだと思う。
「これは、すごい…ですね?」
目を丸くする私に、
「わしが5年間苦労して集めたものを金ちゃんはただで持っていけるんやで?(*^_^*)」
と笑顔で答えてくれたボス。
渡されたプリントを読み返しながら、本気で思ったんだ。
「私を拾ってくれたボスをちゃんとボスにしてから、会社を辞めよう。
元気になれるまでは、家でのネット散歩も自粛しよう」
本気でそう思ったんだ。
はっきり言って「気付くの遅すぎ」なんだけど(-_-;)
私は社会人としてはちっとも出来た人ではない。
「社会人不適格者」だと自ら認めているくらい、欠落しっぱなしの人間だけど。
竜樹さんといいボスといい、いい上司には恵まれてるんだと思う。
塾講の頃も竜樹さんにいろんなことを教えてもらった。
畑違いの業界に来て、今度はボスに手を引かれて歩いている。
出来の悪い私を大切に育ててくれてる竜樹さんとボス。
その人にきちんと誠意を返すためには、元気になることを優先しないといけないって思う。
ちゃんと寝て、ちゃんと食べて、ちゃんと仕事する。
その上で、ちゃんと遊ぶ(笑)
その基本に立ち返ろうと本気で思ったんだ。
ボスから貰ったプリントを持って、会社を後にする。
もうウイークデイに睡眠時間削ってまでいろんなことをするのはやめよう。
元気になれれば、いつでもできるんだから。
とりあえずは、元気になることだけ考えよう。
竜樹さんと共に歩くために、
そして、私を拾い上げてくれたボスに小さなお礼をするために、
大切な人たちのために、自分のために、本気で初心に返ろうって思ったんだ。