今日も1日、惨憺たるものだったけれど。

弊店間際に飛び込んだ店で、探してた食材が手に入った。

これで竜樹さんが喜んでくれそうなご飯が作れる。


これで竜樹さんに少しでも笑顔が戻ってくれるといいんだけど…


おなかがすくと、どことなく神経がささくれ立つように、

心の血糖値だって、下がればささくれ立つんだよね?


おなかをすかせてる竜樹さんに笑顔の元になるご飯を作ろう。


心の血糖値が下がって不安と自棄が入り乱れる竜樹さんに、


精一杯の想いを渡そう。


笑顔を渡そう。


こんな風に思えるうちは、


きっと大丈夫。


私の心の血糖値不足は、竜樹さんの笑顔を見れば解消できる。

大好きな人たちの暖かな想いで解消できる。


だから、きっと大丈夫。


朝、機嫌よく家を出ることが出来ても、

突然、胸騒ぎをつれてくる事態は起こる。

1日胸騒ぎに振り回されて、足元がおぼつかない。

どうしようかと思った。

でもね。

もしかしたら、いいことと悪いことの収支は、

ちゃんと一致してるのかもしれない。


いいことで一日が終わるなら。

もうそれでOKかもしれない。


夢路は遠いけれど。

問題は増えたけれど。


きっと私はまるっきり一人ではないから。


この移り変わりを楽しめるくらいの余裕を取り戻して、


いけたならいいな。

朝、鈍色の光で目が覚める。

外は大雨。

昨日から続く、吐き気を伴う腹痛はピーク。

叱責覚悟で半日だけお休みを貰った。


昨日作っていた散文をネットの片隅に送り出し、

少し眠ったら、腹痛が消えた。

窓の外の雨もあがった。


この天気だと、竜樹さんの体調がいいようには思えなくて、

かなり気がかりだけど、

仕事を放棄して、飛んでいくわけにも行かない。


ホントは放り出してでも、逢いに行きたいけれど。

ひとやすみはサボりとは違うから。

やるべきことをまず片付けよう。


竜樹さんの力になりたいと躍起になるのはいいけれど、


まずは、自分が元気になろう。


私が元気を繰り出すことで、少なくとも竜樹さんの不安は消えるから。


闇雲に動くよりも、元気な姿が役に立つことだってアリだと思うから。


3時間だけ休んで、少し充電はできた。


…さぁて、行ってくるか。


思ったより、疲れてるんだろうってこと。

思ったより、まいってるんだろうってこと。

思ったより、踏ん張りが利かないってこと。

それでも、頑張りたいって思ってること。

いろいろ判ったけれど。


何より、よく判ったことは。


思った以上に竜樹さんに想われていたこと。


その小さくて大きな、ささやかだけど大切な、


そんな想いを支えにして、


自分を奮い立たせながら、また歩こう。


今日は久しぶりのおでかけ。

大好きなお友達と外食デート。

久しぶりに逢う友達が選んだ場所は神戸。

今日行くお店は、竜樹さんと毎年やってくる小旅行の場所とかぶる。


昼間の神戸も大好き。

でも、夜の神戸も大好き。

竜樹さんと二人で手を繋いで歩く時間を思い出せるから。

寒くても心が温まる瞬間を思い出すから。


料理屋さんの窓から見える夜景は、

竜樹さんと二人で眺めた夜景と同じ。

友達と楽しい話をしながら、そんなことを思い返して、

一人でナチュラルハイを全開にしてた。


今年の年末もまた一緒に来れるかな?

光のゲートを手を繋いで歩けるのかな?

光の国にたどり着くとき、

二人の心は今よりもっと暖かな何かで繋がるのかな?


そんな想いをめぐらせながら、大好きな友達と大切な時間を過ごした。


大好きなお友達に。


楽しい時間をありがとう。

また一緒に来ようね。


そして、竜樹さんに。


暖かな思い出をありがとう。

今年もまた一緒に行こうね?

光のゲートをくぐろうね?


         
           
           
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りょうさん、奈央さん、リンクありがとうございました。

はじめまして。金岡霄(かなおか そら)と申します。
相互リンクにしたくて仕方ないのですが、サーバーの不具合騒動からブックマークの登録件数の制限がきつくなったようで、リンクをおき返すことが出来ません。
ブックを置き返せるようになったら、きちんと相互にさせて頂きたいと思います。
日記は毎日きちんと拝読させて頂きますね?

こんなゴミ日記にお付き合い頂くのは申し訳ない気がしますが、気が向いたときだけで結構ですので、お付き合い頂けましたら幸いです。
今後ともよろしくお願い致します。

やってきた週末。

しかも3連休。

少々の無理をしても大丈夫なお休み。

「今日は何を食べてもらおうかなぁ?」

それを考えるのも楽しい。


自宅を出る前に、ちょっとしたアクシデントがあって、

足止めを食らってしまった。

時間つぶしにチーズケーキを焼いた。

焼きあがって出かけようと思ったら、またも足止め。

もう行くのやめようかと思ったけれど。

足止めを食らったおかげで、

程よく冷めたチーズケーキを竜樹さんに届けられるようになった。


竜樹さんちに行って、

「さて、夕飯を作ろうかな?」と思ったとき、

竜樹さんのご両親が「夕飯を食べに行こう」とお声かけしてくれた。

それは嬉しい。


けれど、


私の役目がなくなってしまったようでちょっと複雑。

本当は疲れているけれど、

自分が「ここにいてもいいんだよ」という、

ある種の存在証明になる役目が果たせなくなるのはちと辛い。


食事会が楽しかった分、複雑な気持ちは深くなる。


他にもいろいろあったんだけれど。

そのすべてに纏わる感情の表裏を垣間見てしまって。


嬉しいんだけど複雑な気持ちも覚えた、


そんな1日。

昨日、竜樹さんと逢って暖かさ貰ったからか、

今日は調子がいい。

いつもは会社に入るとストレスまみれになるけれど、

今日はそれも少ない。

きっとボスがよく話し掛けてくれたからってのもあるだろう。


ボスは何気にストレスに小さな穴をあけてくれる。

そこからすべてのストレスが抜けるわけではないし、

時にかえってストレスになることもあるけれど。

今日はとても明るく過ごせた。


ふと思い出す。

あまり私が男の人といても心配そうなそぶり見せない竜樹さんが、

ボスのこと少し気にしてるみたいだと判ったときのこと。


私が「人間」として惚れた人に非常に弱いことを

何となく気にしてるって判ったときのこと。


最近、体調が思わしくなくて、

何気に心配げな表情を見せることのある竜樹さん。

私が何気なく話すことにも、不安になることあるのかもしれない。


…だったら、教えてあげよう。

私には竜樹さんが一番だってこと。

一番以外のものを欲しいとは思わないってこと。


「あなたを一番想ってるんだよ?」


明日逢ったら、一番最初に伝えよう。

竜樹さんが不安に想うたびに伝えよう。


いつか不安が自信に変わる日が来るまで…

竜樹さんに安心を与えられるその日まで…


先週の土曜日逢ったとこなのに。

随分長いこと逢えなかったみたいな気分。

仕事を投げ飛ばすように片付け、定時ダッシュ。

ホームに滑り込んでくる電車に飛び乗る。

今日の夕飯のメニューを考える時間ですら、

暖かいものだったけれど。


駅に着いたら、久しぶりに友達から電話が入る。

久しぶりに長電話。

竜樹さんと電話しないとと思いながらも話は続く。

すると。

竜樹さんの車が目の前に。


「長いこと連絡が取れへんから、心配してんぞ!」

そんなあなたに出会うのも何だか久しぶり。


夕飯を作ることばかり考えてたら、

今日は外食しようと竜樹さん。

「私の役割なくなっちゃった」と少し気持ちが曇ったけれど。

外でごはんも久しぶり。


「食事の後はどうするのかな?」って思ってたら、

久しぶりに買い物デート。

カートを動かし、寄り添ってお買い物。


…あれ?

いつもよりも竜樹さんの立ち位置が私に近い。

手を繋いでてもびったりくっついて歩くの、

最近ご無沙汰だったのに。

慣れてないから歩きにくいけれど。

何気に心が暖かくて、笑顔がいつも以上に飛び出す。


竜樹さんが子供っぽい表情を見せたのも、

本当に久しぶり。


そして、何より。


暖かい時間の終わりに竜樹さんがくれたもの。

それこそ本当に久しぶり。


日ごろご無沙汰してたものに、たくさん触れられた日。


いつもの暖かさと微妙に違う温度。

それ一つで、十分満たされたよ?


大好きだよ。


ありがとう。


相変わらず疲れてはいるけれど、

竜樹さんの笑顔に逢いたくて。

今日も頑張ってみたんだ。

煩わしいざわめきも聞いて聞かん振りしたし、

誰かの挙動不審なるちょっかいも知らない顔して過ごした。

都合を問わずに降ってくる仕事も、

投げ飛ばすように片付けた。


なのに。


ちょっとした理由で逢うのは延期。

本当は少し腐ったんだけど。


でも。


竜樹さんが自発的に動こうとしたってこと。

その結果、逢えなくなったのは仕方がない。

逢えないことを嘆くよりも、

少しずつでも前に進もうとする、

竜樹さんの頑張りを愛しいと思う。


私もまた、

少しずつでも何かを変えていけたらいいな。

二人でいるために。


少しずつでも、


いろんなものを越えていきたい。


少しずつでもいいから…

大切な人のネガも認めたいと思うのは、

自分が認められない痛さを知っているから。

「心の傍にいるから、大丈夫。行っといで」

そんな風に言うのは、そんな風に言われた嬉しさを知っているから。

大切な人が自信なげにしてて胸が痛むのは、

自分が大好きな人が自分を否定するのを切なく思うから。

自分自身から大切な人に送り出す何気ない心の基が、

大切な人の心の中にもあるのだということに気がつかなかった。


ある一面が何気に覆って失望されるたびに、

自分の中の自信がひとつずつ落ちていった。

自分のことが好きではなくなった。

それが何気ない言葉となって飛び出してること。

それが大切な人の気持ちを痛めていたこと。

気がつかなかった。

気づこうとしなかった。


「過去がどうあろうと、今のあなたを知っていればそれでいいんだよ」

「自分の大切な人が自分を否定するのは悲しいことなんだよ」


大切な人にかけた言葉が自分の元にも還ってきたこと。

それがとても嬉しいものだと。

改めて、知ったんだ。


自分で自分を認めること。

大切な人にとって「自慢の人」と言われるに見合うだけの、

ほんの少しの自信を

ゆっくりと取り戻したいと思う。


それはきっと私にとって、


この世界の中でい一番遠い場所にあるような気がするけれど。


いつか、たどり着けるように。


また歩いていくかぁ。


今日もありがとう。


いつか「あなた」の自慢の人と言われるにふさわしいだけの自分に

なりたいって思った。

雨宿り

2001年10月1日
外は大雨。

心の中に降りしきる雨もまたやむ様相を見せない。

煩わしい気持ち一つ払えないまま会社に向かう。


過去・現在・未来

そのいずれにも潜む不安材料が一気に進路を狭めるように、

圧迫感を持って迫ってくる


雨は降り止まない

歩く力を奮い立たせられない。


目の前に雨宿り出来そうな「樹」があった。

大切な人の笑顔ですら思い出せない私は、

そこで雨宿りすることにした。


そこでいろんな人の心に触れた。


ずっと長い間、振り切ることの出来なかった小さな鎖を

断ち切ろうと躍起になってくれた人がいる。

人に失望され慣れてるはずの私が、

本当は人に失望されることをひどく恐れてること。

「あなたはあなたのままでいいんだよ」

自分だって大変なのに何度も話し掛けてくれた人がいる。

不安でがちがちになって元気を奮えない私に、

少し寄り道することを教えてくれた人もいる。


偶然だったのか、求めていたのかは判らないけれど、

雨宿りしてる間に暖かな心にたくさん触れた気がする。


あぁ、まだ歩いていくことを許されてるんだ。

いつかは晴れた日の空を見つけられるかもしれないんだ。

弱った心が、やっとそう確認できたとき、


降りしきる雨は、あがった。


少しの間の晴れ間かもしれないけれど。


確かに、雨はあがったんだ。


ありがとう。

傍にいればよかった

2001年9月30日
今日は朝からあいにくの雨。
本当は今日も竜樹さんちにご飯を作りにいくつもりだったけれど。

「予想以上に体調がいいみたいだから、一度霄も休憩取り?」

帰りの車の中でそう言われてしまったので、今日はお休み。
確かに、こないだの3連休と中2日あけて会社帰りに竜樹さんちに寄って夕飯を作っているから、疲れていたのは確か。
精神的に参ってるのも、確か。
でも、たとえ疲れていても竜樹さんの傍で何かできるほうがいいと思うから。
聞き分けのいい(?)私には珍しく、食い下がってみたんだけれど…

「これから寒くなってきたら、また俺が動けなくなることもあるから。
霄に本当に助けてもらいたいときに霄が倒れてしまったんではアカンから。
明日はゆっくり休み?
それに明日から秋のG1が始まるし、体調がよかったらPATで馬券買って貰わんとアカンから…(^^ゞ」

竜樹さんがそう言ったから、それ以上は食い下がらなかったけれど。


鈍色の空から落ちてくる湿気の塊。
妙な身体のだるさと起きるのを躊躇うほどの頭痛。
ついでに喉も痛い。
連休明け、妙な風邪を貰ってきた社員さんがうちのフロアでウイルス撒き散らして、そこいら中に風邪菌保持者が蔓延してる。
私も風邪菌保持者のお仲間の一人(爆)
雨降りの日は竜樹さんの身体が弱るのに、凶悪なる風邪の菌を託したんじゃ何にもならないから、おとなしく家にいることにした。


「今日から秋のG1が始まるねんなぁ」


たとえ竜樹さんに逢えなくても、PATを動かす機会がありさえすれば一日に何度も竜樹さんとお話できる。
ささやかなことでも、同じ時間を共有できる。
それは少しだけ、私の気持ちを上向きにしてくれるから…
秋のG1が始まったこと、PATを持っていること。
そんな些細なものにすら感謝しながら、横になっている。


…竜樹さん、大丈夫かなぁ

そんなことを考えながら、何度も寝たり起きたりを繰り返した。


気がつくと、13時になっていた。
起き上がって、覚え書きをひとつあげ竜樹さんに電話する。
竜樹さんは出ない。

…やっぱり、昨日無理しすぎたんやろうなぁ

それなら、夕飯を作りに行こうかなと思ったけれど。
相変わらず頭痛は取れないままだし、今日のG1の馬券を買うかどうかも聞いていない。
家を出てから「買って」と言われてもどうしようもないから、そのまままた横になる。
そのうちレースの時間は迫ってくる。
電話をしても一向に出てくれない竜樹さんのことが気になって、自分自身の馬券を買うのも忘れてしまった。
痛む頭を抱えて、リビングに下りてレースを見る。


…あ、この着順なら買ってたよ(T_T)


そう思いながら痛む頭を抱えて、また自室に戻る。
よろよろと携帯から竜樹さんに電話をすると、やっと竜樹さん出てくれた。

「…どうもなぁ、体調悪いみたいで、さっき起きたところやねん」

少し眠そうな声でそう答える竜樹さん。
今日のレースの話をしたり、他愛のない話をして電話を切る。


「少々無理しても、行けばよかったかなぁ」

痛む頭を抱えて、また横になった。


このところいろんなことがあって、本当は事態がよいほうに向かっていないことも、それに立ち向かうだけの精神力も今は持ち合わせていないことも判り切っていて。
悠長なことを言っていられないことも、もっと自分自身を締め直さないといけないことも十分理解している。
本当は夕食を作りに行くってこと自体が何の問題解決にも繋がらないことも、このままではダメなんだってことも判っている。
こうして頭が痛いからと言って寝てるわけにいかないことも。


みんな判ってるけれど…


冷静に戦況を分析して、自分の立ってる状況と竜樹さんの置かれてる状況を把握して、何が必要で何をするべきなのかに目を向ければ向けるほど、首が絞まっていくような感覚が抜けなくて。
想いとは反対向いた結論を選び取らなければならないんじゃないかって気がしてならなくなる。
そんな不安定な心を竜樹さんに気取られたくない。
それがつまらない意地でしかなかったとしても。
竜樹さんには自分のことだけを考えて欲しい。

本当は私のことに気持ちを割いてもらいたいとは思うけれど…

竜樹さんがしんどさをたくさん抱えるようなものなら、預けたくはないんだ。

今はそう思って、頑張るしかないんだ。


でも。


今日も竜樹さんの傍にいればよかった。


やっぱりそう思うんだ。


傍にいさえすれば、無力感から逃れられなかったとしても気持ちは前向きでいられるから。
傍にいさえすれば、とりあえず目先のことだけでしかなかったとしても何らかの役には立てそうな気がするから。
傍にいさえすれば、きっとどん底からでも策は見つけられる気がするから。


身体の中にある風邪の菌を早く追い出してしまおう。
心の中に潜む不安材料をできるだけ多く越えてしまおう。
早く理知的に策を講じられるだけの精神力を取り戻そう。


…竜樹さんと離れずにいられるだけの力を手に入れよう。


今は鈍色の雨の中にあっても。
人を羨み、鈍色の刃で心を切り裂くしかなかったとしても。


いつか出逢える晴れの日の空を探そう。
竜樹さんの傍にいられてよかったと、笑える日の抜けるような青空を…


元気になって、青空に逢いに行こう。
その下にある、笑顔に逢いに行こう。
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マナさん、結城さん、リンクありがとうございました。

はじめまして、金岡 霄(かなおか そら)と申します。

相互リンクにさせて頂きたいって思ってるんですが、日記帳のサーバーの不具合騒動以来、登録制限がきつくなったみたいで、こちらから置き返すことができず私自身も弱っています。
置き返せそうなら、すぐに相互リンクの形を取らせて頂こうと思っていますので、しばらくお待ちください。

ゴミ日記を読ませてしまって申し訳ない気もするのですが、気が向いたときだけで結構ですので、お付き合い頂けましたら幸いです。
よろしくお願い致しますm(__)m


今朝も天気はいいのに。
相変わらず身体がだるくて頭痛が取れない。
でも、今日も頑張って竜樹さんの笑顔に逢いに行こう。
そう思って起き上がり、家の用事やプードルさんの相手をして過ごした後、竜樹さんに電話。

「はぃ…」

時々やらかしてくれる、竜樹さんのいたずら電話の声によく似た声が飛び出したからひやりとしたけれど(笑)
でも、その時の話し方とちょっと違う。

「…もしかして、竜樹さん。今起きた?」
「うにゃ…」


…か、かわいい(*^_^*)


「これから用意してそちらに行くから、待っててね?」

そう言って用意を始めたけれど、いろいろあって出るのが遅れる。
竜樹さんちへ持っていくものがたくさんあって、荷物は重たいけれど。
気にせず元気よく駆け出した。


竜樹さんちへ行くバスの出る駅に着き、いつものように買出しをする。
頭の中で考えてる遅い昼食と夕飯の献立を思い返しているうちに、ふと材料が残ってるかどうか気になって竜樹さんに電話する。

すると、竜樹さんが迎えに来てくれるというので、買い物を済ませて外で待っていた。
暫くすると、本当に(?)竜樹さんがやってきた。

「いやぁ、今日は元気やねんね?」
「うん、何となく身体が楽やねん」

そう言って車を走らせる。
家にすぐに戻るのかな?と思っていたら、買出しがしたいみたいで何件かお店をまわる。
大量の飲み物と少しばかりの非常食(と書いてインスタント食品と読む)を買って、車に戻る。

あまりによく動く竜樹さんの姿に目を白黒させてる私に、

「霄、おなかすいたから、ラーメン食べたいねんけど…」

と、本当に久しぶりの外食をすることに。
そこでも竜樹さん、夕飯まであまり時間の空きがないにも拘らず、ラーメンとミニ天津飯を注文(゜o゜)

「夕飯に障るといけないから、天津飯は半分こにしよう(*^_^*)」

驚く私を尻目に、ぱくぱくと食べる竜樹さん。

…一体どうしたんだろう?

そう思いながら、じっと竜樹さんとラーメン鉢を交互に眺めながら私も一所懸命ラーメンを食べた。
ひと心地ついて、また竜樹さんは車を走らせる。


「時間が経つのって早いよなぁ」


竜樹さんが何気にそう言ったのでふと時計を見ると、もう18時前(゜o゜)
本当に時間がたつのって早い。
竜樹さんが元気だから余計にそう感じたのかもしれないけれど…


荷物があるので竜樹さんちの前で車を止めて荷物を運び入れる。

片付けて一息ついてると、竜樹さんが触れてくる。
けれど、どこかいつもと違う感じで戸惑ってる間にそれは始まる。
やりとりがいつも以上に熱を帯びていたり、ちょっと過激な感じがして無意識に抵抗してしまったけれど。
竜樹さんが本気になってしまえば、私が太刀打ちできるはずもなくて。
戸惑っている部分と煽られる部分が混ぜこぜになったような感覚に捕まる。
注意してないと、意識が本当にぶつんと切れそうになる。
そんな虚ろな状態と格闘しながら、時間は二人の傍を流れていく。


「今日は送っていけるから、ゆっくりしたらええで」

頭の奥のほうで聞こえる竜樹さんの言葉に身を任せてしまいたかったけれど、このままだと本当に何もする気がなくなりそうだから、意識を奮うようにして起き上がる。
殆ど無理やり、夕飯作りを始めた。


今日のメニューは、キャベツとロールキムチの中身の重ね煮(笑)とナスとインゲンの味噌和え(byチャイさん)の2品。

キャベツとロールキムチの中身の重ね煮
本当は遊上さんに教えてもらった「きょうもおいしかったね」という本に載ってたロールキムチを作るつもりでいたんだけれど、思わぬアクシデントが続いて気がつくとメニュー自体が変形してしまった(爆)

豚のミンチをボールに入れ粘りが出るまでこね、そこにみじん切りにした長ネギと水切りして裏ごしした豆腐を入れ混ぜる。
(本当はここで水に戻した干ししいたけもいれます。なかったからやめたけど)
そこに塩、こしょうで味をつけ、広げたキムチで巻く…予定だったんだけど。

私が買ってきていたキムチは刻んであるもので、どう頑張ってみても中身を包むほどの大きさはない。
仕方がないので、キムチをさらに刻んでミンチの入ってるボールに放り込み、そこにコチュジャンを加えてさらに混ぜ合わせ、16日の日に作った「豚肉とキャベツの重ね煮」の同様にフライパンにキャベツを敷き、その上にミンチを広げ、またその上にキャベツを重ねを繰り返し、水を1/2カップと鶏がらスープを入れ、蓋をして蒸し煮する。

ナスとインゲンの味噌和え(byチャイさん)は、8月18日に作ったもの。
作り方は18日の日記を参照してください。


ロールキムチが思わぬ方向に転ぶ羽目になって頭が真っ白けになったけれど(笑)
疲れてる割には頭がよく回っていたようで助かった。


食事を作ってる途中、竜樹さんが「寒気がする」と言って布団をかぶって眠ってしまったのがちょっと不安だったけれど。

「ご飯、できたよぉ」と小さな声で話し掛けると、「…ん」って言って手をつなごうとしてくる竜樹さんがとても愛しくて、そのままご飯を食べずに手を繋いで一緒にに横になっていた。

22時になり、テレビから流れる音が微妙に変わったのに気がついた竜樹さんは慌てて飛び起きる。
そして、お隣のご両親のおうちに電話を入れると、ご両親がご飯を持ってきてくれた。
お父さんは会社から戻ったところのようで、お土産にとカニの身をくれた。


暖かいご飯と私が作ったおかずとお父さんのお土産を机いっぱいに広げて、

「いただきます♪(*^人^*)」


「相変わらず美味いなぁ(*^_^*)」

さっきまで弱ってたのは嘘だったみたいによく食べる竜樹さん。
それを見ると、とても暖かな気持ちになれる。
食事の後も、本気にならない程度にじゃれあって、時計を見て慌てて家を出る。
車の中でも空気はどことなく暖かくて、いざ家に着いても別れるのに勇気が要った。


私たちの置かれている状況はますます困難を極めていることは判り切っているけれど。


いつまでもこんな風に穏やかに過ごせたらいいのにって思う。


二人で寄り添って歩き、

二人で暖かい時間を分け合い、

二人で同じ物を食べ、

二人で温度を分け合って眠る。


そんな愛しい時間が、


ずっと続けばいいのにって思った。


想い(覚え書き)

2001年9月28日
人は何らかの想いを抱えながら生きている。

誰かを想って生きている。

だけど、互いの想いの方向が合わなかったり、

想いの質が違ったり。

何のせいにも誰のせいにもできない理不尽さを孕むこともある。

そんな場面に出逢うたびに、心が痛くなる。

自分のことであってもなくても。
         
           
          
想いは人に暖かなものを与えるけれど、

時に切ないくらいの痛みも与えるものなのかもしれない。


「そんな不合理なものならいらへんやん?」


昔の私なら、迷いなくそう答えただろうけど。

今はその一言で片付けることができない。


「あなた」が昔の私に言ったみたいに、

不合理なものは投げ捨てて行けばいいのかもしれない。

けれど、その不合理が人を形作る大切な要素なのだと、

私は竜樹さんと出逢ってそう思えたから。


きっとその不合理を捨てていくことはできない。


痛みの後ろに暖かさのある、優しく切ない感情を。

きっと誰も捨てては歩けないのかもしれない。

    
    
だからこそ、


人は優しいものなのかもしれない。

悪意を孕むものもいたとしても、

優しさの後に鈍色の刃を併せ持っていたとしても、

人は暖かさを希う生き物だから。

その暖かさを得ることで、優しくなれる生き物だと思うから。


そして、今日も。

切なさと引き換えにしても暖かさを希う、

そんな想いを抱えて、生きていくんだろうね。


暖かさを失いたくなくて。

大切な人の心から生まれる暖かさが欲しいと希って。

自分の中から生まれる暖かさを想う誰かに渡したくて。

ただ、それだけで今日も明日も歩いていくんだろうね。


そんなシンプルだけと複雑な面を併せ持つ心に纏わる不合理を、

大切なものとしてこれからも抱えて生きていたい。


そう思った。

      
      
      
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遊上さん、優さん、リンクありがとうございました。

金岡 霄(かなおか そら)と申します。
相互リンクにしたくて仕方ないのですが、日記帳のサーバーの不具合後、相互リンク制限がきつくなったみたいで、相互にできない状態です。
いつか相互にできる日が来るのを楽しみにしながら、日記を毎日拝読させて頂こうと思っています。

しばらくの間、ご辛抱ください。


…遊上さん、表でのご挨拶、非常に遅れてしまってごめんなさいm(__)m



あと2日で週末。

最近はそれだけを楽しみにようよう平日を乗り切る。

別にとりたてて大きなこともなく、今週もやり過ごせるはずだった。


…何気に小さな憂鬱に捕まる


何で、判らへんのやろ?

一体、何がしたいんやろ?

でも誰を責めることもできなくて。

行き場のない感情はやがて鈍色の刃となって、

自分自身に切っ先が向かう。


やり切れなくなった。

どんなに週末までしんどくても。

このままの気持ちを連れて家には帰りたくなかった。


メールを一つ送って、定時に会社を飛び出して。

向かったのは大切な人の許。

夕飯を作って、一緒に食べて、

ただ触れ合うことだけで、

小さな憂鬱ははじけて消えた。

身体はしんどくても、

小さな憂鬱を振り払いたかった。


大切な人に逢えるなら、

本当はどんな理由も要らないのかもしれないけれど…


元気貰ったよ?


大好きだよ。


ありがとう。

別に嫌なことがあるわけでもないのに

やっぱり心の痛みからは逃れられないのかな?

自分に向けられたわけでもない言葉にすら、

意味もなく傷ついてみたり、

無力感を実感したりしてる。


「強化ガラスで仕切られた水槽は、

 年々狭くなっていく感じがする。

 いつか大きな海に還れるのだろうか?

 二人で還れるのだろうか?」


自転車を走らせる私の頭に、

ふとこんなフレーズが浮かんで消えた。


もう一度大波がくれば。

今の私ではもう持ちこたえられない。

「こんなんじゃ、アカンのに…」

想いばかりが空回り。

どこをどうして帰ったかすら覚えてない有様に、

やるせなさよりむなしさを覚える。


何気なくかけた電話。

それが繋がった。


「霄のおかげで、今日は少し元気なんだ」


その一言で少しだけ起き上がる勇気が出たんだ。

久しぶりの長電話のあと、やっとまともに眠れる気がしたんだ。


まだまだ足りないものが多すぎて。

本当にもう一波くれば持ちこたえられないだろうことは、

自分が一番よく判ってる。

それでも。

いつか還れる大きな海を目指して、

大切な人が少しずつでも元気になれるためにできることをして、

来るべき大波を乗り越えよう。


「言ってるだけじゃダメなんだ」

転んでも躓いても、できることを精一杯して、

二人で碧い海に還ろう。

あれからどれくらい経ったんだろう?

私たちはなんて近くに、

そしてなんて遠い場所に来たんだろう。

二人が並ぶ物理的な距離と心の距離は、

うんと近づいたけれど、

何かとても遠い場所まできたような。

そんな気がしてならない一日。


これからどこへ行くんだろう?

これからどれだけ傍にいられるんだろう?

もう一度振り返ったとき、

二人の立っている場所がどんなところにあるのか。

ふと、気になった一日。


いつか振り返った時、

二人がどんな場所にあっても、

笑顔あふれる二人でいられますようにと、

そう願った一日。


不思議な感じ

2001年9月24日
朝、母にたたき起こされた。
金岡父に譲った初代バイオくんがうんともすんとも言わないというのだ。
着替えて降りていくと、真っ黒い画面にエラーメッセージしか表示されていない。
リカバリーCDを使ってリストアしようとしたけれどダメ。
ウインドウズの起動ディスクが必要だったのかもしれないけれど、作っていなかった。
会社で98SEの起動ディスクを作成してそれで起動するかどうか確認できるまで、修理に出す予定だったへっぽこバイオくんを金岡父に貸すことになってしまった。

…私はどうするよ?

父から初代バイオくんを借りるという約束を取り付けたからこそ、へっぽこバイオくんを潔く修理に出す決心をつけたというのに。
これでは不自由どころか首が絞まったも同然じゃないか?

困ってしまった。

お江戸に帰る妹一家を見送り、1日分だけ日記をあげて、竜樹さんちに出かけることにする。
竜樹さんの夕飯を作っていれば、それだけで気分がまぎれる気がしたから。


竜樹さんはまたしても遅い昼食を取っていた。
昨日よりさらに鬱々としてる様子にどうしていいのか判らない私。
けれど一緒になってへこんでても仕方がないから、精一杯の笑顔を繰り出してお話する。
何を話したのかなんて覚えていないけれど、沈みの素を作らないよう、騒々しくならないようにお話し続けた。
竜樹さんが触れたそうにしたら、ずっとされるままになっていた(爆)

そのうち、「お風呂に入りたい」と竜樹さん。
このところ、背中や肩が強烈に痛むらしく、ちょっとしたことができないとは聞いていた。
精神面も肉体面もある程度の状態を保ってるときは、彼の意志に任せるほうがうまくいくのだけれど。
どちらもが下降線を辿ってる時は、プレッシャーをかけないように配慮しながらある程度のお膳立てもしておいたほうがいいというのは、これまでの経験で判っているから。
お風呂の種火を点け、お湯を沸かす。
「時間になったら、お風呂の火は切ってくださいね」とお願いして、夕食の下ごしらえを始める。


今日の夕飯は、ミラノ風カツレツもどきと、カマンベールチーズのサラダ・バジルドレッシングかけの2品。

ミラノ風カツレツもどき。
何故「もどき」なのかというと、本屋で立ち読みしたメニューを記憶を頼りにして作ったから(笑)
豚肉(ロース)は片面に格子状の切り目をいれ、塩・こしょう・にんにくのすりおろしで下味をつけ、小麦粉・溶き卵・パン粉をつけ、フライパンに深さ1cm程度のオリーブオイルを入れ、焼き揚げる。
片面がキツネ色になったらひっくり返し、じっくり焼き揚げ、油を切って皿に盛る。
熱したフライパンにバターを入れ、玉ねぎのスライスをいれ焦げないように炒め、塩・こしょうを振ったあと、ホールトマトの缶詰を投入、コンソメと3/2カップほどの水を入れ、煮る。
最後に刻んだバジルを入れで出来上がったソースをカツにかけて完成。

カマンベールチーズのサラダ・バジルドレッシングかけ。
バジルを細かく刻んだ後、すり鉢に入れ滑らかになるまですり、フレンチドレッシングを入れて混ぜ、味を見ながらバルサミコ酢、コンソメ等で味を調え、ドレッシングは完成。
キャベツをざく切りにし、煮立った湯でやわらかくなるまで煮た後、ザルに揚げて水を切る。
ベーコンを幅1cmくらいに切り、湯通しした後キャベツと混ぜて器に盛る。
カマンベールチーズの表面を軽くフライパンで焼き、チーズの中が少しやわらかくなったところでキャベツを入れた器に乗せ、最後に水にさらしたスライスオニオンを乗せてバジルドレッシングをかけて食べる。


今日はサラダを先に作り、カツのソースを作った後、カツを揚げたのだけれど。
サラダを作り始めた頃、思い立ったように竜樹さんは散歩に出かけ、カツのソースを作り終えた頃戻ってきて、機嫌よく念願の(笑)お風呂に入った。
竜樹さんの立てる水音を聞きながら、カツを揚げる私。
なんてことのないシチュエーションなんだろうけれど。
私にはとても暖かで幸せな風景だったんだ。
そんな中に身を置いてられることに、たとえ永続性がなかったとしても。
なんだか幸せなことのように思えたんだ。


「霄ぁ、お風呂気持ちよかったわ(*^_^*)」

ちょうど、すべてのメニューを作り終えて、後片付けがすべて終わった頃に竜樹さんがあがってきた。
お風呂上りの竜樹さんはほにゃあっとしてて、とても幸せそう。

「背中とか肩とか、痛さはマシになったの?」
「何かなぁ、ほぐれたみたいで気持ちええねん(*^_^*)」

昨日までは自分がすることが何も繁栄されてないような気がして、ずいぶん落ち込んだものだけれど。
竜樹さんが何か一つ満足感を手にしてくれるお手伝いができたなら、それだけで十分嬉しかった。
「まだ」竜樹さんの傍にいてできることは残ってるんだと思えることで十分だった。


お風呂から上がった竜樹さんが落ち着くまで、取りとめのない話をしてゆっくりする。
そして、落ち着いた頃に夕飯。

「いただきます♪(*^人^*)」

「美味いわ♪」

この3連休中の食事の中で、一番いい笑顔を見た気がした。

「カツってこういう食べ方もできるねんなぁ」
「このドレッシング、美味いなぁ。どうやって作るねん?」
「俺の胃袋は霄の料理に釣られたわぁ(*^_^*)」

そんな言葉が嬉しくて、ただニコニコしてる私。
それだけで、十分嬉しかったのに…


今朝のパソコン騒動の話をした時、
「今、俺、パソコンの勉強どころちゃうし、霄の家のパソコンの件が落ち着くまで、俺のパソコンもって帰れや?」
そう言ってくれた。

「でも、私がすることって日記をあげるか、友達にメール送るくらいだよ?」
「それでも、パソコンがなかったら霄にとっては不便やろ?
今の霄にはネットするのも大事やろうから…」

そう言って、竜樹さんは自分のノートパソコンを一式私に貸してくれた。

「本当にいいの?」
「かまへんよ?
…けど、これから霄ちゃん、苛めるからなぁ♪(*^―^)」

…(*-_-*)

その後、しっかり苛められました(爆)
お願いですから、「苛められるってどんなこと?」とは聞かないでくださいませ(笑)


…いずれにせよ。
なんだか不思議な感じ。
あれほどネットを嫌っていた竜樹さんが私がネットをすることを認め、ネットでできた友達を認めてくれる。
そのために手を貸してくれる。

何より不思議なのは。
今、竜樹さんのパソコンを使って竜樹さんへの想いを綴っているってこと。
当然(?)、竜樹さんにパソコンを返すときはすべて跡形もなく消しちゃうんだけど。
形にならない想いは、このパソコンにも残るのかな?
それは何らかの形で竜樹さんに届くのかな?
そんな大人気ないことを考えながら、今日記を書いている。


それ自体が、とても不思議な感じ。


子供の泣き声で目が覚めた。
ドアを開けるとそこには姪御(1歳)がいた。
久しぶりに顔を見る。

「…あ、そっか。昨日から妹が帰っていたんだ」

この3連休中、妹と姪御がこちらに来ていたんだ。
妹や姪御の顔を見るのは、イヤではない。
嬉しい部分もあるのだけど、心に引っかかってる何かが取れない。


今日も外はよく晴れている。
今日も竜樹さんちに行こうと思うけれど。
昨日のお昼ご飯のミートソースの残りで竜樹さんの昼食は取れるし、昨日作った夕飯はまだ残っているだろうから、行ったところで私がすることは何もない。

…いや、することが何もなくても逢いたいって思ってるけれど


昨日、思い知ってしまったこと。
私が本調子じゃなければ、竜樹さんの笑顔を引き出すことは難しいってこと。
ただ、食事を作ってお話をする以外、外に連れ出してあげられる訳でも、何かしてあげられる訳でもない。
昨日今日で、私が完全に元気になれる訳じゃないことも本人が一番よく判っている。
そう思うと、竜樹さんに逢いに行くこと自体を躊躇ってしまうんだ。


一度でも竜樹さんが電話に出てくれたら、逢いに行こうと思っていたけれど。
一度も出てくれないところをみると、竜樹さんも本調子からはとても遠いところにいるのだろう。

「お休みする日だって必要だよね?」

そう言い聞かせて、家族のお昼ご飯を作ったり、明日持っていくための鶏ハムを茹でたりと、いろいろするけれど。
何となく、心の中がすっきりせずにいる。
覚え書きのまま書き散らしてる日記だって書いてしまいたいけれど、心の中にひっかかり続けてる何かに心押し潰されそうな感覚があって、文章が進まない。
横になって料理の本を眺めてるうちに、少しだけ眠ってしまっていた。

目が覚めたら14時前だった。

…この電話で竜樹さんが出てくれなかったら、今日は一日家にいよう。

そう思って電話をしたら、竜樹さんは出てくれたけれど。
竜樹さん自身もすっきりしていない様子で、行っていいのやら悪いのやら、判断がつかない。
互いが互いの置かれた現状をのらりくらりと話している状態。

「霄ぁ、うちに来てくれへんかぁ…」

その一言が聞けたら、それでよかったのかもしれない。
そうしたら、いろんなことを放り出してすっと出て行けたのかもしれない。
でも、二人とも何かに遠慮してるようで、互いに自分から結論を出したくないような感じ。
相手に悪いと言う気持ちがあるのか、相手の気持ちの出方を待っているのか?
なんだか変な感じのまま、言葉だけが滑っていく。
結論が出ないまま同じ所をぐるぐる回っているような会話に、竜樹さんが終止符を打った。

「とりあえず、電話で話してても仕方がないからおいで」


パソコンに覚え書き一つあげて、家を出た。


…私ってサイテー


竜樹さんに本当に逢いたいと思うなら、「パソコンを修理に出すために日記を片さないといけない」なんて言わなきゃいいのに。
竜樹さんに必要とされていると思えば何でもできるなんていうのは詭弁に過ぎなくて。
本当は日記が進まないことも、この家にいるのが嫌なことも、みんな私の都合。
その都合に目を向けたくないから、竜樹さんの言葉が欲しかっただけなんじゃないかって気がして、ただでさえ重い気分が更に沈んでいく感じがする。
本当は疲れてもいるし、今日の夕飯に何を作ればいいのかも思いついていない。
体調が思わしくなくて沈みがちな竜樹さんの気持ちをやわらげるだけの材料も、今の私は持ち合わせていない。
それでも、「竜樹さんに必要とされてる」と思える何かがあれば、動くに足りるだけのエネルギーは確保できる。
そんな自分の思惑を竜樹さんに押し付けてしまったんじゃないかって気がして、移動中もずっと気分が晴れることはなかった。


空はとても青いのに、霄の心は沈んだまま。

気がつくと、竜樹さん地へ向かうバスの始発駅に着いていた。
竜樹さんちに持っていく飲み物を幾つか買って、バスに乗る。


竜樹さんは、相変わらず調子が悪いらしい。
私も調子がいいわけじゃないから、話す内容がとても辛気臭くて申し訳なく思う。

…これじゃあ、来た意味がないやんなぁ?

何となくそう思っていると、身体が勝手に動き出した。
気がつくと、竜樹さんを抱き締めてた。
何かがほぐれていく感じがするのがわかる。
暫くしてゆっくり竜樹さんから身体を離すと、そこには少しだけ和らいだ竜樹さんの笑顔があった。
気がつくと私も笑っていた。
何かに詰まると、抱き締めあうことを繰り返して過ごした。
それが何の役に立つとも思えなかったけれど、「今」の私にできる精一杯のことはそれしかなかったから。
途中、竜樹さんのお母さんが差し入れしてくれたお好み焼きを食べたり、コーヒーを飲んだりもしたけれど。
気がつくと、鉄腕ダッシュが始まっていたので(笑)、慌てて夕飯を作り始める。


今日の夕飯は、ジャガイモと鶏肉のクリーム煮。
昨日の夕飯の残りだの、竜樹さんのお母さんの差し入れのお好み焼きだのあったから、
1品だけにしておいた。

ジャガイモは皮をむき立てに4つ割りにし、更にそれを横半分に切って10分ほど水にさらしておく。
鳥のモモ肉は食べやすい大きさに切り、塩コショウで下味をつけておく。
フライパンにバターを入れて熱し、スライスした玉ねぎ(1/2個)を炒め、しんなりしてきたら下味をつけてる鶏肉をいれ、焦げないように炒める。
肉の色が変わってきたら、水気を取ったジャガイモをいれさっと炒め、水1カップを足して煮る。
(竜樹さんちのフライパンはそれほど大きくないので、途中で鍋に移し変えた)
沸騰してきたら蓋をして火を弱め、10分から12分ほど煮る。
その後塩コショウで味を調え、牛乳1カップを足し、バターと小麦粉(竜樹邸には小麦粉がないので片栗粉を使いました)を大さじ2/3ずつ別容器に入れて混ぜ合わせたものを鍋に入れて混ぜて完成。


途中、外に出るのをおっくうがっていた竜樹さんが散歩に出かけた。
私がここに来ている間、少しでも何かをしようという気になるなら、今はそれで十分なんだろうか?
とりあえず、そう思うことにしたけれど…
その後、ちょっと遅くなった夕飯を竜樹さんはとても喜んで食べてくれた。
食事を取る竜樹さんの表情が柔らかでほっとしたけれど。
食事の後に背中が痛くなるのはお約束だから。
辛そうな竜樹さんを見ると、やっぱりちょっと気持ちが塞がるような感覚が取れずにいてるんだけれど。


どうしたら、「風向き」が変えられるんだろうか?
まずは私が本調子を取り戻すこと?
それとも他に何が必要?
今はまだ判らないけれど…
このまま歩きながら考えてみようか?
時には立ち止まり、歩きながら考えて。
やがて、吹く風を自分たちの味方に出来るように。
ゆっくりでも投げずに歩くしかないんだろうね?



       
       
       
       
この日も竜樹さんちで料理はしてきました。


報告は暫くお待ちくださいm(__)m


サボリでごめんなさい。

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