オフに届いた贈り物
2002年1月13日深夜に鏡映しのように考え方が似ている友達とメールの飛ばしあいをしながら朝方を向かえ、慌てて眠りにつく。
今日は金岡本家がらみの法事に両親が出かけるために、1日留守番。
目が覚めてから暫くぼけっと過ごし、時折プードルさんと遊びながら時間を過ごす。
一人になって、ゆっくり自分の気持ちを見据えてみたかったから。
丁度いいタイミングでオフになったのかもしれない。
昨日買った食材の一部を持って帰っていたので、明日竜樹邸に持っていくお土産を作ることにした。
去年のクリスマスイブに余った食材で作ったハンバーグを竜樹さんがとても喜んでくれたことを思い出して、ハンバーグのタネを作る。
玉ねぎをみじん切りして、塩コショウしながら焦げないようにじっくり炒め、つなぎに玉子やパン粉を入れてこねて4等分にして形作って冷凍。
プードルさんと戦いながら一通りの作業を終えて、ふと我に返る。
…何で、私。こんなことしてんねやろ?
残り戎の時、自分の傍から離れないように包み込むようにして歩いてくれたのも、私を自分の家に招き入れてずっとそばに置いてくれていたのも、他でもない竜樹さんだったけれど。
彼女が竜樹さんの命の根幹を守ったこと、それに恩義を感じてるが故に「縁を切ることができない」と言った竜樹さんの言葉を思うと、何をやっても意味がないようなことのように思える。
それが相手のためだとかいう恩着せがましいものでなく、あくまで自由意志でやってることとはいえ、自分自身がしてることの意義を感じないことに対して力を注ぐことに一体何の意味があるのだろうかと考え出すと、がくんとくる。
…そんな風に感じるなら、作り終える前に思えよ?
散らかした台所を片付けながら、がっくり疲れる。
片付け終え、コーヒーを入れて一息ついて考える。
「過去にあったことは時系列としてはそこで終わってるから、絶対に現在に勝つことはない」
昔、自分自身に言い聞かせ、ついでに彼の過去に悩む友達に何度となく吐きまくった言葉だけど。
今は、「よくそんな横柄なことが言えたよな?」って思う。
彼にも同じことを言われたし、確かにそれは事実なんだけれど、その「過去」が現在まで続いている彼の生命の根幹を握り締めてるものだとしたら。
たとえ現在がどうであれ、その事実が曲がることがない上に、感情の質を異にしてても繋がりが消えてない以上、とんぶり返ってもひっくり返っても私は彼女を越えることなんて出来やしないんじゃないだろうか?
昨日もそんな想いが心のどこかにあったせいか、竜樹さんの言動に心が動かなくなる瞬間があった。
どんなに暖かな空気であっても、どんなに彼が「私」を求めてきても。
「私はご飯も作れるセフレのようなものだから、大事なことは何も知らせてはもらえないし、特別な存在にもなれない」としか思えなくて。
どんなに一生懸命応えてみようとしても、心の中が厚い氷に閉ざされたみたいになってる。
それを相手に気付かれてしまったなら、曲がった形で受け取られたなら、新たに自分も相手も傷つけることになることを知りながら。
それでも、海馬を壊したくなるほどの記憶や事実を払拭できない自分がいる。
ほとんど自滅状態で引きずり出された事実と、壊れてしまった心の建て直し方を計りかねたまま時間だけが過ぎていく。
そのうち両親が戻ってきて、また「生活」が鈍い痛みを麻痺させてくれたけれど。
一人になると、また鈍い痛みが蘇ってくる。
何となく痛みを紛らわしたくて友達の宙に遊びに行くと、偶然大好きな友達とバッティングした。
そこで一時間近く、いろんな話をした。
かつて描いていたお話のことや、友達が大切に思っていること。そして、訳の判らない部分しかあげてない日記のこともいろいろ。
会話が微妙に時差を持っているのがまた楽しくて、それだけで救われた気がしたけれど。
大切なことを思い出させてくれた気がする。
私にとって辛い事実を知ってしまってなお、自分の心の中に「やめていいんだよ?」って声は聞こえてこないこと。
その声が聞こえる日までは、自分に何が出来るかを探しながら歩けばいいのだということ。
そして、友達は教えてくれた。
「最愛の人に笑顔を送るだけでも、喜ばれるものですよ」と。
何時までも続くかと思っていた楽しい時間が気がつくと終わってしまっていたけれど。
大切な贈り物が心に一つ届けられたようで、とても心が暖かくなった。
友達との会話を終えてから、床に放りっぱなしにしてた携帯を見ると、大切な友達からメールが届いていた。
友達の言葉にどきりとしたけれど、また心救われる思いがした。
去年、「竜樹さんが生きていさえいれば、何もいらない」と思っていたのに、今年になるとけろりと忘れてぐじぐじ言ってる自分。
自分がこれまでどんなことを思って生きていたかを、私以上に覚えてくれてる人がいることを知って驚くと同時に、穴を掘って隠れてしまいたい気持ちになってしまったけれど(笑)
自分が誰かを支えたことがあったとして、それがいつどんな部分で支えたのかをなかなか判らないもので、自分がいつの間にか支えられていたことだってあるんだと。
だから、私が気付かないところで私が竜樹さんを支えている部分があるから、今一緒にいてるんじゃないのかと。
…いえ。私はそんなにたいそなこと、してないと思うけど(^^ゞ
彼女が感じたことを伝えてもらうこと。
へたばってる自分に暖かな檄を貰うこと。
それがとても嬉しい。
お礼のメールを打とうかと思ったら、日付が変わってしまっていたので諦めたけれど。
立て続けに届けられた贈り物で心はすっかりご機嫌だった。
竜樹さんの命の根幹を守った「特別」な女になれなかったことは仕方がない。
それは私の能力が足りなかったから。
けれど自分が「特別」でなくても、彼にしようと思うことをしたいように気が済むまですればいい。
それが何をなさなくても、今まで通り続ければいい。
その末に、自分の奥底から「もうやめてもいいんだよ?」って声が聞こえてきた時は、いざよく去ればいい。
そんな簡単な、でも私にとって大切なことをいろんな人が教えてくれた。
これまた成り行きで、明日も竜樹邸に行くことになっているけれど。
できるだけ、「今」の竜樹さんに笑顔を向けられるようでありたいと思う。
たとえ、彼と顔を付き合わせたときに、心が曇ったとしても。
なるべく「今」傍にいることを、「今」できることを大切にしよう。
それが自分にとって不安定で、どうしようもなくそぐわないものであったとして。
それを打開したくなったら、次にどうするかはその時に考えよう。
何度でもぐじぐじ考えるだろうけれど、ひとまず今はこの辺でやめておこう。
オフに届けられた「贈り物」をちゃんと受け取ったっていう証しくらいは自分で立てられるよう、もう暫く頑張ってみよう。
ひとまず、すべては「自分」のために…
今日は金岡本家がらみの法事に両親が出かけるために、1日留守番。
目が覚めてから暫くぼけっと過ごし、時折プードルさんと遊びながら時間を過ごす。
一人になって、ゆっくり自分の気持ちを見据えてみたかったから。
丁度いいタイミングでオフになったのかもしれない。
昨日買った食材の一部を持って帰っていたので、明日竜樹邸に持っていくお土産を作ることにした。
去年のクリスマスイブに余った食材で作ったハンバーグを竜樹さんがとても喜んでくれたことを思い出して、ハンバーグのタネを作る。
玉ねぎをみじん切りして、塩コショウしながら焦げないようにじっくり炒め、つなぎに玉子やパン粉を入れてこねて4等分にして形作って冷凍。
プードルさんと戦いながら一通りの作業を終えて、ふと我に返る。
…何で、私。こんなことしてんねやろ?
残り戎の時、自分の傍から離れないように包み込むようにして歩いてくれたのも、私を自分の家に招き入れてずっとそばに置いてくれていたのも、他でもない竜樹さんだったけれど。
彼女が竜樹さんの命の根幹を守ったこと、それに恩義を感じてるが故に「縁を切ることができない」と言った竜樹さんの言葉を思うと、何をやっても意味がないようなことのように思える。
それが相手のためだとかいう恩着せがましいものでなく、あくまで自由意志でやってることとはいえ、自分自身がしてることの意義を感じないことに対して力を注ぐことに一体何の意味があるのだろうかと考え出すと、がくんとくる。
…そんな風に感じるなら、作り終える前に思えよ?
散らかした台所を片付けながら、がっくり疲れる。
片付け終え、コーヒーを入れて一息ついて考える。
「過去にあったことは時系列としてはそこで終わってるから、絶対に現在に勝つことはない」
昔、自分自身に言い聞かせ、ついでに彼の過去に悩む友達に何度となく吐きまくった言葉だけど。
今は、「よくそんな横柄なことが言えたよな?」って思う。
彼にも同じことを言われたし、確かにそれは事実なんだけれど、その「過去」が現在まで続いている彼の生命の根幹を握り締めてるものだとしたら。
たとえ現在がどうであれ、その事実が曲がることがない上に、感情の質を異にしてても繋がりが消えてない以上、とんぶり返ってもひっくり返っても私は彼女を越えることなんて出来やしないんじゃないだろうか?
昨日もそんな想いが心のどこかにあったせいか、竜樹さんの言動に心が動かなくなる瞬間があった。
どんなに暖かな空気であっても、どんなに彼が「私」を求めてきても。
「私はご飯も作れるセフレのようなものだから、大事なことは何も知らせてはもらえないし、特別な存在にもなれない」としか思えなくて。
どんなに一生懸命応えてみようとしても、心の中が厚い氷に閉ざされたみたいになってる。
それを相手に気付かれてしまったなら、曲がった形で受け取られたなら、新たに自分も相手も傷つけることになることを知りながら。
それでも、海馬を壊したくなるほどの記憶や事実を払拭できない自分がいる。
ほとんど自滅状態で引きずり出された事実と、壊れてしまった心の建て直し方を計りかねたまま時間だけが過ぎていく。
そのうち両親が戻ってきて、また「生活」が鈍い痛みを麻痺させてくれたけれど。
一人になると、また鈍い痛みが蘇ってくる。
何となく痛みを紛らわしたくて友達の宙に遊びに行くと、偶然大好きな友達とバッティングした。
そこで一時間近く、いろんな話をした。
かつて描いていたお話のことや、友達が大切に思っていること。そして、訳の判らない部分しかあげてない日記のこともいろいろ。
会話が微妙に時差を持っているのがまた楽しくて、それだけで救われた気がしたけれど。
大切なことを思い出させてくれた気がする。
私にとって辛い事実を知ってしまってなお、自分の心の中に「やめていいんだよ?」って声は聞こえてこないこと。
その声が聞こえる日までは、自分に何が出来るかを探しながら歩けばいいのだということ。
そして、友達は教えてくれた。
「最愛の人に笑顔を送るだけでも、喜ばれるものですよ」と。
何時までも続くかと思っていた楽しい時間が気がつくと終わってしまっていたけれど。
大切な贈り物が心に一つ届けられたようで、とても心が暖かくなった。
友達との会話を終えてから、床に放りっぱなしにしてた携帯を見ると、大切な友達からメールが届いていた。
友達の言葉にどきりとしたけれど、また心救われる思いがした。
去年、「竜樹さんが生きていさえいれば、何もいらない」と思っていたのに、今年になるとけろりと忘れてぐじぐじ言ってる自分。
自分がこれまでどんなことを思って生きていたかを、私以上に覚えてくれてる人がいることを知って驚くと同時に、穴を掘って隠れてしまいたい気持ちになってしまったけれど(笑)
自分が誰かを支えたことがあったとして、それがいつどんな部分で支えたのかをなかなか判らないもので、自分がいつの間にか支えられていたことだってあるんだと。
だから、私が気付かないところで私が竜樹さんを支えている部分があるから、今一緒にいてるんじゃないのかと。
…いえ。私はそんなにたいそなこと、してないと思うけど(^^ゞ
彼女が感じたことを伝えてもらうこと。
へたばってる自分に暖かな檄を貰うこと。
それがとても嬉しい。
お礼のメールを打とうかと思ったら、日付が変わってしまっていたので諦めたけれど。
立て続けに届けられた贈り物で心はすっかりご機嫌だった。
竜樹さんの命の根幹を守った「特別」な女になれなかったことは仕方がない。
それは私の能力が足りなかったから。
けれど自分が「特別」でなくても、彼にしようと思うことをしたいように気が済むまですればいい。
それが何をなさなくても、今まで通り続ければいい。
その末に、自分の奥底から「もうやめてもいいんだよ?」って声が聞こえてきた時は、いざよく去ればいい。
そんな簡単な、でも私にとって大切なことをいろんな人が教えてくれた。
これまた成り行きで、明日も竜樹邸に行くことになっているけれど。
できるだけ、「今」の竜樹さんに笑顔を向けられるようでありたいと思う。
たとえ、彼と顔を付き合わせたときに、心が曇ったとしても。
なるべく「今」傍にいることを、「今」できることを大切にしよう。
それが自分にとって不安定で、どうしようもなくそぐわないものであったとして。
それを打開したくなったら、次にどうするかはその時に考えよう。
何度でもぐじぐじ考えるだろうけれど、ひとまず今はこの辺でやめておこう。
オフに届けられた「贈り物」をちゃんと受け取ったっていう証しくらいは自分で立てられるよう、もう暫く頑張ってみよう。
ひとまず、すべては「自分」のために…
賽は投げられた
2002年1月11日感情面ですべてが終わっていても、生きている限り彼の命の根幹を守ったという意味で「特別」なあの人には、どうあっても勝てないのかもしれない。
これまで私がしてきたことは、所詮誰にでもできたことに過ぎない。
何処まで行っても、私は「特別」な人にはなれない。
この後、どれだけの時間を彼と共に過ごそうとも。
どれだけのことをしたとしても。
所詮、私はたまたま「今」彼の隣にいてるだけの、代わりなどいくらでもいる「ただの」女に過ぎないということ。
命が尽きるその日まで、この迷宮から逃れることはできないのだということ。
意識が落ちたかと思った頃、携帯が鳴った。
竜樹さんとの電話の後に泣いてどうしようもない私に、自分の時間を割いて一生懸命話を聞き、話し続けてくれた大切な友達からだった。
「頑張って!」という電話の切り際の声に背中を押されて家を出た。
心の痛みがそれで消えたわけではないけれど。
何も知らないことで走れる強さに憧れることはもう許されない。
海馬を壊してしまいたくなるくらいの事実は曲がることはない。
自分の中で知ってしまうことで壊れてしまった心のかけらを拾い合わせる気力もないまま、時間はどんどん現実へと連れて行く。
…ひとまず目の前にある現実を片付けよう。
社屋に入ると、程よく仕事はやってくる。
今日は鏡開きで、ぜんざいを社内に配って歩くことになっている。
昨日からボスの指示で作り続けた小豆の鍋に、同僚と二人でザラメを放り込む。
何となくボスが味付けをした段階でめっちゃ濃い味付けになりそうな予感があったからこっそりすませようとしたけれど、小豆の鍋を触ってる気配がしたのか。
何処からともなくボスはやってきて、ザラメの袋からざらざらざらと鍋にザラメを放り込む。
「…あ゛ぁぁぁぁぁぁぁっ( ̄○ ̄;)!!」
低く木霊するボスの叫び声と共に背後でバラバラバラという音がする。
ボスは必要以上に鍋にも床にもザラメを食べさせていた(笑)
掃除機をかける手間をかけさせてくれることにさえ、ありがたかった。
ぜんざいに入れるお餅がなかなか焼けなくて、同僚と二人で悪戦苦闘する時間も、ぜんざい配給のために通常業務が滞ることも、今はそのすべてが私にとっては救いだった。
逃れられない迷宮は他の何かに忙殺されることでしか遠のかせることが出来ない。
…なのに、仕事はキレイに定時には片付いてしまった。
お昼、竜樹さんからメールがきていた。
あの一件で残り戎なんて行く気にはならないだろうとタカを括っていたのに、どうやら行くつもりでいてるような明るい文面のメール。
今は何をされても心は動かない。
駐輪場に自転車を置いて、竜樹さんに電話をした。
体調が悪くなって、残り戎が中止になることを心のどこかで祈りながら…
けれど予定は覆らず、竜樹さんの地元の駅まで行くように指示され、電車に乗る。
もうすぐ待ち合せの駅につくかという頃、大好きな友達からメールが届く。
「霄さんにとって、大事なことは何ですか?」
愛する人が生きてるなら、側で笑っているなら、最終的には勝ちなのではないかと教えてくれた。
…うん。そうなんだよね?でも…
「そうなんだよね」が勝つのか、「でも」が勝つのか確かめたくなった。
友達にその旨を伝えるメールを送ることで、自分の気持ちを確かめる決意を固めて改札を飛び出した。
駅の前で待っていた竜樹さんの車に乗り込み、戎神社に向かう。
いつものように話し掛ける気になれずにただじっと前を向く私に、何気なく話し掛ける竜樹さん。
赤信号で止まると私の顔を覗き込むように話し掛ける。
それにぎこちなく答えながらも、心は揺れ続ける。
彼の笑顔を愛しく思いながら、越えられない現実を見つめながら…
戎神社周辺は交通規制がかかっていたので、交通規制のない側道に車を停めて、神社を目指して歩いていく。
周辺は屋台が出ていて、すごい人。
ぼんやり歩いている私に暖かな手が伸びる。
境内に入っても、時折手を離しては後ろから抱きかかえるようにして歩いてくれたり、また手を引いてくれたりとずっと側にいてくれる。
縁日の明るい空気にほだされて、敬語気味に話していた私もいつもと同じような口調に戻っていく。
握り締める暖かな手を握り返す。
そうして賑わう境内を本堂目指して歩いていく。
途中で、打ち出の小槌に5種類10個の縁起物を詰めて作ってくれるお守りを買ってくれた。
本堂前では、冷凍の本マグロの身体にお金を貼り付ける行事が行われていた。
「これ、ニュースで見てん、昨日。やってこうや?」
そう言って、結構な行列に一緒に並ぶ。
「押さないでくださぁい!マグロは逃げませ〜ん!!」
そんなアナウンスに笑いながら、マグロにお金を貼り付けようとすると、時間が経ってすっかり溶けてしまったからか、お金は貼り付かない。
マグロの身体にところどころ空いてる隙間にお金をこじ入れて、列を後にする。
その後、本堂で参拝して、帰るルートに入る。
貰った打ち出の小槌のお返しがしたくてお守り売り場に行くと、大黒様と恵比寿様のちっさな金色の像が売っていたのでそれを購入。
対応してくれた巫女さんがすんごいかわいらしくてにこにこしてると、
「霄の相手をしてくれた巫女さん、めっちゃかわいかったなぁ!」と何故か竜樹氏、上機嫌。
「いやぁ、私は可愛い人には縁があるからねぇ…( ̄ー+ ̄)」
そう言いながら、小さな金像を渡し、また手を繋ぎながら歩く。
途中でおみくじを引くと、竜樹さんは16番という彼にとっては縁起物な数字にもかかわらず凶、私は2番で吉が出た(笑)
「何で、俺が凶やねぇぇぇぇんヽ(`⌒´)ノ」
「さぁね。日頃の行いの問題じゃない?( ̄ー+ ̄)」
そう言いながらまた歩き出す。
笹を買ったり熊手を買ったり夜店のものを食べたりするどの場面でも、いつもより距離を縮めようとする、竜樹さんの努力を肌で感じ取りながら車に戻る。
車に乗って家路を目指す頃には、またいつもと同じような会話の状態に戻っていた。
私の心は迷宮に囚われ続けてはいたけれど、それでも二人を包む空気は暖かだった。
会話の流れで明日も逢いに行くことになってしまって、本当にこれでいいかどうかは判らないけれど。
賽は投げられてしまった。
もう何も知らずに、「好き」という感情だけで走れていた頃には戻れない。
それでも、竜樹さんの隣にいることを選ぶのか。
「特別」になれないことに見切りをつけて別の道を歩くのか。
それを決めるのは他でもない、自分でしかないのだと。
心の中に広がる迷宮を眺めながら、何も知らずに走っていた自分の姿を懐かしみながら、変わってしまった何かを懐かしむことすら許されなくなったことを痛感した。
これまで私がしてきたことは、所詮誰にでもできたことに過ぎない。
何処まで行っても、私は「特別」な人にはなれない。
この後、どれだけの時間を彼と共に過ごそうとも。
どれだけのことをしたとしても。
所詮、私はたまたま「今」彼の隣にいてるだけの、代わりなどいくらでもいる「ただの」女に過ぎないということ。
命が尽きるその日まで、この迷宮から逃れることはできないのだということ。
意識が落ちたかと思った頃、携帯が鳴った。
竜樹さんとの電話の後に泣いてどうしようもない私に、自分の時間を割いて一生懸命話を聞き、話し続けてくれた大切な友達からだった。
「頑張って!」という電話の切り際の声に背中を押されて家を出た。
心の痛みがそれで消えたわけではないけれど。
何も知らないことで走れる強さに憧れることはもう許されない。
海馬を壊してしまいたくなるくらいの事実は曲がることはない。
自分の中で知ってしまうことで壊れてしまった心のかけらを拾い合わせる気力もないまま、時間はどんどん現実へと連れて行く。
…ひとまず目の前にある現実を片付けよう。
社屋に入ると、程よく仕事はやってくる。
今日は鏡開きで、ぜんざいを社内に配って歩くことになっている。
昨日からボスの指示で作り続けた小豆の鍋に、同僚と二人でザラメを放り込む。
何となくボスが味付けをした段階でめっちゃ濃い味付けになりそうな予感があったからこっそりすませようとしたけれど、小豆の鍋を触ってる気配がしたのか。
何処からともなくボスはやってきて、ザラメの袋からざらざらざらと鍋にザラメを放り込む。
「…あ゛ぁぁぁぁぁぁぁっ( ̄○ ̄;)!!」
低く木霊するボスの叫び声と共に背後でバラバラバラという音がする。
ボスは必要以上に鍋にも床にもザラメを食べさせていた(笑)
掃除機をかける手間をかけさせてくれることにさえ、ありがたかった。
ぜんざいに入れるお餅がなかなか焼けなくて、同僚と二人で悪戦苦闘する時間も、ぜんざい配給のために通常業務が滞ることも、今はそのすべてが私にとっては救いだった。
逃れられない迷宮は他の何かに忙殺されることでしか遠のかせることが出来ない。
…なのに、仕事はキレイに定時には片付いてしまった。
お昼、竜樹さんからメールがきていた。
あの一件で残り戎なんて行く気にはならないだろうとタカを括っていたのに、どうやら行くつもりでいてるような明るい文面のメール。
今は何をされても心は動かない。
駐輪場に自転車を置いて、竜樹さんに電話をした。
体調が悪くなって、残り戎が中止になることを心のどこかで祈りながら…
けれど予定は覆らず、竜樹さんの地元の駅まで行くように指示され、電車に乗る。
もうすぐ待ち合せの駅につくかという頃、大好きな友達からメールが届く。
「霄さんにとって、大事なことは何ですか?」
愛する人が生きてるなら、側で笑っているなら、最終的には勝ちなのではないかと教えてくれた。
…うん。そうなんだよね?でも…
「そうなんだよね」が勝つのか、「でも」が勝つのか確かめたくなった。
友達にその旨を伝えるメールを送ることで、自分の気持ちを確かめる決意を固めて改札を飛び出した。
駅の前で待っていた竜樹さんの車に乗り込み、戎神社に向かう。
いつものように話し掛ける気になれずにただじっと前を向く私に、何気なく話し掛ける竜樹さん。
赤信号で止まると私の顔を覗き込むように話し掛ける。
それにぎこちなく答えながらも、心は揺れ続ける。
彼の笑顔を愛しく思いながら、越えられない現実を見つめながら…
戎神社周辺は交通規制がかかっていたので、交通規制のない側道に車を停めて、神社を目指して歩いていく。
周辺は屋台が出ていて、すごい人。
ぼんやり歩いている私に暖かな手が伸びる。
境内に入っても、時折手を離しては後ろから抱きかかえるようにして歩いてくれたり、また手を引いてくれたりとずっと側にいてくれる。
縁日の明るい空気にほだされて、敬語気味に話していた私もいつもと同じような口調に戻っていく。
握り締める暖かな手を握り返す。
そうして賑わう境内を本堂目指して歩いていく。
途中で、打ち出の小槌に5種類10個の縁起物を詰めて作ってくれるお守りを買ってくれた。
本堂前では、冷凍の本マグロの身体にお金を貼り付ける行事が行われていた。
「これ、ニュースで見てん、昨日。やってこうや?」
そう言って、結構な行列に一緒に並ぶ。
「押さないでくださぁい!マグロは逃げませ〜ん!!」
そんなアナウンスに笑いながら、マグロにお金を貼り付けようとすると、時間が経ってすっかり溶けてしまったからか、お金は貼り付かない。
マグロの身体にところどころ空いてる隙間にお金をこじ入れて、列を後にする。
その後、本堂で参拝して、帰るルートに入る。
貰った打ち出の小槌のお返しがしたくてお守り売り場に行くと、大黒様と恵比寿様のちっさな金色の像が売っていたのでそれを購入。
対応してくれた巫女さんがすんごいかわいらしくてにこにこしてると、
「霄の相手をしてくれた巫女さん、めっちゃかわいかったなぁ!」と何故か竜樹氏、上機嫌。
「いやぁ、私は可愛い人には縁があるからねぇ…( ̄ー+ ̄)」
そう言いながら、小さな金像を渡し、また手を繋ぎながら歩く。
途中でおみくじを引くと、竜樹さんは16番という彼にとっては縁起物な数字にもかかわらず凶、私は2番で吉が出た(笑)
「何で、俺が凶やねぇぇぇぇんヽ(`⌒´)ノ」
「さぁね。日頃の行いの問題じゃない?( ̄ー+ ̄)」
そう言いながらまた歩き出す。
笹を買ったり熊手を買ったり夜店のものを食べたりするどの場面でも、いつもより距離を縮めようとする、竜樹さんの努力を肌で感じ取りながら車に戻る。
車に乗って家路を目指す頃には、またいつもと同じような会話の状態に戻っていた。
私の心は迷宮に囚われ続けてはいたけれど、それでも二人を包む空気は暖かだった。
会話の流れで明日も逢いに行くことになってしまって、本当にこれでいいかどうかは判らないけれど。
賽は投げられてしまった。
もう何も知らずに、「好き」という感情だけで走れていた頃には戻れない。
それでも、竜樹さんの隣にいることを選ぶのか。
「特別」になれないことに見切りをつけて別の道を歩くのか。
それを決めるのは他でもない、自分でしかないのだと。
心の中に広がる迷宮を眺めながら、何も知らずに走っていた自分の姿を懐かしみながら、変わってしまった何かを懐かしむことすら許されなくなったことを痛感した。
コメントをみる |

決意始めは冬の嵐(覚え書き)
2002年1月7日「これがここで過ごす最後の新年かもしれない」
居直れたら少しだけ余裕が見えたかもしれない。
自分の歩くこれからに変化をつけることを決めた日。
そんな気持ちの向きと気圧の状態がたまたまかち合ったのか。
家に戻る頃、冬の嵐が訪れる。
すごい風と激しい雷鳴。
家にいても怖いくらい。
「冬に雷鳴を聞くのは、初めてだよな?」
そう思えるほどの余裕が取り戻せた頃、
冬の嵐は形を潜めた。
いつかはこんな風に、
すべてを余裕を持って眺められる日が来るのかな?
嵐の後に安堵を覚えるように、ひとしきり片がついた時、
私の心にも彼の心にも安堵は訪れるのだろうか?
笑顔をもって結果を受け入れられるのだろうか?
数年ぶりの決意始めは、
冬の嵐を齎した。
冬の街にも、私の心にも…
居直れたら少しだけ余裕が見えたかもしれない。
自分の歩くこれからに変化をつけることを決めた日。
そんな気持ちの向きと気圧の状態がたまたまかち合ったのか。
家に戻る頃、冬の嵐が訪れる。
すごい風と激しい雷鳴。
家にいても怖いくらい。
「冬に雷鳴を聞くのは、初めてだよな?」
そう思えるほどの余裕が取り戻せた頃、
冬の嵐は形を潜めた。
いつかはこんな風に、
すべてを余裕を持って眺められる日が来るのかな?
嵐の後に安堵を覚えるように、ひとしきり片がついた時、
私の心にも彼の心にも安堵は訪れるのだろうか?
笑顔をもって結果を受け入れられるのだろうか?
数年ぶりの決意始めは、
冬の嵐を齎した。
冬の街にも、私の心にも…
初めての雪 雪の後の陽だまり
2002年1月6日ひとまず鍋を食べるまでに竜樹さんの小腹を満たさないといけない。
冷凍庫に入っていた豚肉のスライスを解凍して、キムチの素と甘味噌を混ぜ合わせたところに投入。片栗粉をつけて揚げて、揚げたてを竜樹さんのところへ運ぶ。
「…うまいわ!これ(*^_^*)」
神戸小旅行から戻ってきたときにも作って好評だった覚えがあるので、豚肉のスライスは常に竜樹さんちの冷凍庫に居座ってる(笑)
…在庫を持っておいてよかった(*^_^*)
竜樹さんの笑顔を横目に、夕飯の用意に取り掛かる。
鍋に入れる鶏ダンゴは、ネギ1本をみじん切りにし、鶏ひき肉とあわせ、塩・コショウ・甘味噌(本当はショウガのみじん切りを入れた方がおいしい。竜樹邸で切らしてたので諦めたけれど)・少しのごま油を加えよく混ぜる。
スープは鶏がらスープに鰹節を加えひと煮立ちさせたあと、味噌と少しばかりキムチの素で味付け。
長ネギと白菜、豆腐と鶏団子を入れ煮立ったら、ラーメンを投入して2.3分煮込んで完成。
横になりながら待っていた竜樹さんを起こし、夕飯にありつく。
「鍋にラーメンってええなぁ。俺、ラーメン食べたかってん(*^_^*)」
ご飯を作ってるのを待ってる間、どうも体調が優れなかったみたいでなかなか起きられなかったみたいだけれど。
食べ始めると、たくさん食べてくれるのが嬉しい。
程なく2回目の炊き込みに入り、お腹一杯になるまで食べる。
お腹も心も満足したところで、ごろんと横になりテレビを見たりお話したりする。
その間、ずっと竜樹さんは私に触れ、時折キスをする。
いつもと比べるとずっと静かなじゃれあい。
それがどこか心に優しい。
気がつくと、眠ってしまっていた。
テレビの音が変わり「ちゅーぼーですよ!」が始まったことを知って、慌てて飛び起きる。
最近、竜樹さんは夕方過ぎると体調が悪くなるみたいで、ずっと頭痛を訴えている。
今もかなり頭痛がひどいみたい。
さりとて、このまま竜樹邸に留まれば、金岡母の鉄拳を食らうのは免れなくなる。
食卓と台所を片付けて、タクシー会社に電話しようとしたら竜樹さんが起き上がった。
しんどいのに送ってくれるというので、帰る支度をして竜樹邸を出る。
外はとても寒かった。
その上、雨が降った後に急激に冷えたせいか、竜樹さんの車の窓は凍り付いていた。
竜樹邸に戻り、鍋にお湯を取ってきて窓にかけ、家路を急ぐ。
竜樹さんの中に「早く帰さないといけない」って思いがあるのか、いつもよりもスピードが出てる。
少々それを怖いと思いながら窓の外を眺めていると、雪がちらついている。
それは私の家の方向へ向かえば向かうほど、降りが強くなってくる。
…路面、凍結してないかな?
気にしてるうちに私の家の近くまで、車は辿り着いている。
最後の角を曲がる時、ちょっと車がぶれた感じがした。
「…もしかして、路面、凍結始まってない?」
「うん。今の感じやと凍ってるわ(-_-;)」
「気をつけて帰ってね。こんな時に送らせてしまって、ごめんねm(__)m」
「おう。気をつけて帰るわな」
そう言って、別れる。
家に入ってからも、竜樹さんがきちんと帰れたかどうか不安でしょうがなくて、メールを一つ飛ばしてみた。
お返事があるとは思わなかったけれど、本当にお返事はなくて。
竜樹さんの安否が気になるのと、生活パターンが完全に夜型になってしまってるのとが重なって、結局朝まで起きていてしまった。
昨日の夜、友達からメールを貰っていたので返事を返すと、友達もまた朝まで起きてたという話。
そんなメールのやりとりを少しばかりしてるうちに、意識が落ちていってしまった。
どれくらい眠ったのか、見当もつかないけれど。
頭の上の方で携帯が鳴っている。
出てみると、竜樹さんだった。
「…あれ?霄、今起きたんか?」
「うん。朝まで寝られなくて、いい加減起きなって思っててんけど…」
「俺が電話したの、役に立ってんな(*^_^*)」
暫く携帯で話した後、起き上がり部屋の電話回線をつなぎなおして、お話の続き。
竜樹さんはきちんと帰れてて、今日はかなりいいことがあった様子。
竜樹さんが上機嫌で話しているのを聞くのは大好き。
電話口でにこにこしててもしょうがないのに、にこにこしながら話を聞いている。
ふと、明日の仕事始めの話になってしまい、ちょっと私がトーンダウン。
「…霄、もう会社辞めて、ちょっとの間、ゆっくりするか?」
突然、竜樹さんがそんなことを言い出した。
…去年までやったら「デフレスパイラルはあと2年くらい続くから、それまでは頑張れ」って言ってたのに?
驚く私を尻目に、竜樹さんはいろいろと提案してくれる。
去年の後半くらいから、精神的に職場にいるのが辛くて、家に帰ると日記を書く気力もネットにあがる気力もなくなってしまっていて、どう考えてもこんな状態を長く続けていていいはずはないと思っていた。
だから、動くなら今年だろうなとは前々から思ってはいたけれど。
竜樹さんと楽しい時間を過ごせることに対して、私が働いてきたことも少なからず貢献はしてきたのだから、それを「しんどい」という理由でぶん投げてもいいはずはないと思ってはいるけれど。
本当にこの状態が自分にとっていいもののようには思えなくなってるから、随分迷い続けているけれど。
勝手なもので、竜樹さんが自分のことを気にかけてるように思えていない時は、「ちったぁ、気付いてよ?」って思うくせに、気にかけすぎてるのが見えすぎると「あ、私の頑張りは足りない」と思ってしまう。
我慢し続ける強さではなく、竜樹さんの心に負担やある種の負い目を感じさせないようにする配慮は必要だよなって思う。
何より、しんどそうな私ではなく、笑顔溢れる私でいたい。
笑顔ばかりでいられないこともわかってるけれど、竜樹さんの心に小さな陽だまりを作れる人になりたい。
「ありがとね。どう出るべきか考えながら今年は動くから」
私の想いがどれほど伝わったかは判らないけれど。
私の心には小さな陽だまりができていた。
昨日、今日と竜樹さんの心が微妙に変わってるのを感じて。
安穏と現状維持をしてればいいわとはいかなくなるだろうなって気がしてる。
大気の冷え込みは今年初めての雪を連れてきて、次の日小さな陽だまりを残していった。
それと同じように、年末年始と冷えてしまった私の心に、竜樹さんは小さな陽だまりをくれた。
いろいろなことに決断下して、急激に物事を変えるにはまだまだ不足してることは多いけれど。
もしも、竜樹さんという陽だまりが私にとって変わることなくそこにあってくれるのなら。
その陽だまりを守るために、腰をあげる必要があるのかもしれない。
風はまだ強いけれど、そろそろ動き出さないといけないのかな?
陽だまりを見つめながら、そう思った。
冷凍庫に入っていた豚肉のスライスを解凍して、キムチの素と甘味噌を混ぜ合わせたところに投入。片栗粉をつけて揚げて、揚げたてを竜樹さんのところへ運ぶ。
「…うまいわ!これ(*^_^*)」
神戸小旅行から戻ってきたときにも作って好評だった覚えがあるので、豚肉のスライスは常に竜樹さんちの冷凍庫に居座ってる(笑)
…在庫を持っておいてよかった(*^_^*)
竜樹さんの笑顔を横目に、夕飯の用意に取り掛かる。
鍋に入れる鶏ダンゴは、ネギ1本をみじん切りにし、鶏ひき肉とあわせ、塩・コショウ・甘味噌(本当はショウガのみじん切りを入れた方がおいしい。竜樹邸で切らしてたので諦めたけれど)・少しのごま油を加えよく混ぜる。
スープは鶏がらスープに鰹節を加えひと煮立ちさせたあと、味噌と少しばかりキムチの素で味付け。
長ネギと白菜、豆腐と鶏団子を入れ煮立ったら、ラーメンを投入して2.3分煮込んで完成。
横になりながら待っていた竜樹さんを起こし、夕飯にありつく。
「鍋にラーメンってええなぁ。俺、ラーメン食べたかってん(*^_^*)」
ご飯を作ってるのを待ってる間、どうも体調が優れなかったみたいでなかなか起きられなかったみたいだけれど。
食べ始めると、たくさん食べてくれるのが嬉しい。
程なく2回目の炊き込みに入り、お腹一杯になるまで食べる。
お腹も心も満足したところで、ごろんと横になりテレビを見たりお話したりする。
その間、ずっと竜樹さんは私に触れ、時折キスをする。
いつもと比べるとずっと静かなじゃれあい。
それがどこか心に優しい。
気がつくと、眠ってしまっていた。
テレビの音が変わり「ちゅーぼーですよ!」が始まったことを知って、慌てて飛び起きる。
最近、竜樹さんは夕方過ぎると体調が悪くなるみたいで、ずっと頭痛を訴えている。
今もかなり頭痛がひどいみたい。
さりとて、このまま竜樹邸に留まれば、金岡母の鉄拳を食らうのは免れなくなる。
食卓と台所を片付けて、タクシー会社に電話しようとしたら竜樹さんが起き上がった。
しんどいのに送ってくれるというので、帰る支度をして竜樹邸を出る。
外はとても寒かった。
その上、雨が降った後に急激に冷えたせいか、竜樹さんの車の窓は凍り付いていた。
竜樹邸に戻り、鍋にお湯を取ってきて窓にかけ、家路を急ぐ。
竜樹さんの中に「早く帰さないといけない」って思いがあるのか、いつもよりもスピードが出てる。
少々それを怖いと思いながら窓の外を眺めていると、雪がちらついている。
それは私の家の方向へ向かえば向かうほど、降りが強くなってくる。
…路面、凍結してないかな?
気にしてるうちに私の家の近くまで、車は辿り着いている。
最後の角を曲がる時、ちょっと車がぶれた感じがした。
「…もしかして、路面、凍結始まってない?」
「うん。今の感じやと凍ってるわ(-_-;)」
「気をつけて帰ってね。こんな時に送らせてしまって、ごめんねm(__)m」
「おう。気をつけて帰るわな」
そう言って、別れる。
家に入ってからも、竜樹さんがきちんと帰れたかどうか不安でしょうがなくて、メールを一つ飛ばしてみた。
お返事があるとは思わなかったけれど、本当にお返事はなくて。
竜樹さんの安否が気になるのと、生活パターンが完全に夜型になってしまってるのとが重なって、結局朝まで起きていてしまった。
昨日の夜、友達からメールを貰っていたので返事を返すと、友達もまた朝まで起きてたという話。
そんなメールのやりとりを少しばかりしてるうちに、意識が落ちていってしまった。
どれくらい眠ったのか、見当もつかないけれど。
頭の上の方で携帯が鳴っている。
出てみると、竜樹さんだった。
「…あれ?霄、今起きたんか?」
「うん。朝まで寝られなくて、いい加減起きなって思っててんけど…」
「俺が電話したの、役に立ってんな(*^_^*)」
暫く携帯で話した後、起き上がり部屋の電話回線をつなぎなおして、お話の続き。
竜樹さんはきちんと帰れてて、今日はかなりいいことがあった様子。
竜樹さんが上機嫌で話しているのを聞くのは大好き。
電話口でにこにこしててもしょうがないのに、にこにこしながら話を聞いている。
ふと、明日の仕事始めの話になってしまい、ちょっと私がトーンダウン。
「…霄、もう会社辞めて、ちょっとの間、ゆっくりするか?」
突然、竜樹さんがそんなことを言い出した。
…去年までやったら「デフレスパイラルはあと2年くらい続くから、それまでは頑張れ」って言ってたのに?
驚く私を尻目に、竜樹さんはいろいろと提案してくれる。
去年の後半くらいから、精神的に職場にいるのが辛くて、家に帰ると日記を書く気力もネットにあがる気力もなくなってしまっていて、どう考えてもこんな状態を長く続けていていいはずはないと思っていた。
だから、動くなら今年だろうなとは前々から思ってはいたけれど。
竜樹さんと楽しい時間を過ごせることに対して、私が働いてきたことも少なからず貢献はしてきたのだから、それを「しんどい」という理由でぶん投げてもいいはずはないと思ってはいるけれど。
本当にこの状態が自分にとっていいもののようには思えなくなってるから、随分迷い続けているけれど。
勝手なもので、竜樹さんが自分のことを気にかけてるように思えていない時は、「ちったぁ、気付いてよ?」って思うくせに、気にかけすぎてるのが見えすぎると「あ、私の頑張りは足りない」と思ってしまう。
我慢し続ける強さではなく、竜樹さんの心に負担やある種の負い目を感じさせないようにする配慮は必要だよなって思う。
何より、しんどそうな私ではなく、笑顔溢れる私でいたい。
笑顔ばかりでいられないこともわかってるけれど、竜樹さんの心に小さな陽だまりを作れる人になりたい。
「ありがとね。どう出るべきか考えながら今年は動くから」
私の想いがどれほど伝わったかは判らないけれど。
私の心には小さな陽だまりができていた。
昨日、今日と竜樹さんの心が微妙に変わってるのを感じて。
安穏と現状維持をしてればいいわとはいかなくなるだろうなって気がしてる。
大気の冷え込みは今年初めての雪を連れてきて、次の日小さな陽だまりを残していった。
それと同じように、年末年始と冷えてしまった私の心に、竜樹さんは小さな陽だまりをくれた。
いろいろなことに決断下して、急激に物事を変えるにはまだまだ不足してることは多いけれど。
もしも、竜樹さんという陽だまりが私にとって変わることなくそこにあってくれるのなら。
その陽だまりを守るために、腰をあげる必要があるのかもしれない。
風はまだ強いけれど、そろそろ動き出さないといけないのかな?
陽だまりを見つめながら、そう思った。
コメントをみる |

腕の中で溶けたのは…
2002年1月5日携帯の着信音で目が覚めた。
出てみると、竜樹さんからだった。
いつも事前に逢うことが決まってる場合、よほどの用がなければ電話は入らないのに…
多分、起きるのが遅くなってる私がなるべく早く竜樹邸に向かえるように起こしてくれたんだなと気付くのに、そんなに時間はかからなかった(笑)
用意をしながら、今日の夕飯の献立を考える。
けれど、起きてからずっと頭が痛くて、メニューを考える気力が起こらない。
仕方がないので、参考にできそうな料理の本を何冊か詰めて、電車の中で考えることして家を飛び出した。
今日は風が強い。
電車に乗ると、人がいっぱいで頭痛はますます加速していく感じがする。
気がつくと、本を見る間もなく竜樹さんちの最寄の駅に着いてしまっていた。
仕方なく、行きつけてるスーパーに飛び込み、食材を見てメニューを決めることにした。
体調が悪いこともあってなかなか買うものが決まらずに困っていると、豆腐と煮込み用のラーメンが異常に安かったので、鍋にすることにした。
鶏ひき肉と野菜を足し、竜樹邸で不足していた食材を買ってバス停に向かう。
本を読みながらバスを待ち、やってきたバスに乗り込む。
昨日買った本が(私にとっては)とても面白いもので、危うく降り損ねるところだった。
食材を提げて、竜樹邸に向かう。
竜樹邸に入ると、竜樹さんはパソコンを触っていた。
どうやら彼は競馬をしていたらしい(笑)
二人で京都金杯・中山金杯の予想をする。
予想をしてる間も、頬にキスしてきたり、身体に触れてきたり。
いつもと違う雰囲気に、びっくりしてしまったけれど。
竜樹さんを甘やかしながら、私も甘えながらパソコンとテレビの前をうろうろとして時間を過ごす。
競馬の結果は、竜樹さんも私も勝てたので一安心。
だけど、竜樹さんは中山金杯の1着2着を馬連ではなくワイドで買ってしまってたことが不満だったみたいで、暫く拗ねていた。
拗ねる竜樹さんを甘やかしながら、昨日観た舞台の話や友達の話をした。
「…今年はお金貯めて、今年の年末から来年の年始にかけて、近間でいいから温泉にでもいこっか?」
突然、竜樹さんがそう切り出した。
「年末年始は慌しいから、家でのんびりしていたい」と言ってたのもあって、お互いに家族の許に留まっていたのに……?
「家にいてたってじっとしてるだけで、何にも楽しいことないやんか?
それやったら、二人で温泉にでも入ってる方が楽しいやんか?」
私が年末年始腐ってる間、竜樹さんもまた思うところがあったのだろう。
そのことの詳細については聞かなかったし、竜樹さん自身も話さなかったけれど。
二人が離れて過ごした時間が楽しくなかったのだろうこと。
そして、二人で過ごしたいと少しでも思ってくれたのだろうこと。
それが垣間見られたことで、もう十分だった。
「そだね。今年の有馬記念には大勝ちして、行こっか?」
「…いや、そんなアテにならんことでお金作らんと、二人で貯めようや。
ちょっとずつ残していったら行けるだけの金はできるで?」
竜樹さんの言葉に、それを現実のものとしたいって想いが見えた気がした。
「うん。頑張って、お金貯めようね?」
そう笑って、竜樹さんを抱き締めた。
そんな風に竜樹さんの想いの端が見えたせいだろうか?
思惑も何もなく、自分が思ってることを竜樹さんに話し出した。
竜樹さんにとって自分がどんなものなのか?
一昨年の11月のお話は竜樹さんの中でどんな風に形を変えてしまったのか?
どう足掻いても竜樹さんの「一番」にはなれないだろうと思っていること。
年末年始に感じていたことの殆ど全部を吐き出してしまっていた。
意図的に話したわけでなかったとしても、もしかしたら竜樹さんの心に棘のある言葉もあったかもしれない。
わざとでなかったら、何を言っても許される訳じゃない。
そう思うと、何となく竜樹さんの方を向いていられなくて、ちょっと背中を見せるような格好をしてしまう。
「謝らないと…」と思っていると、
「俺の中で、霄はちゃんと一番やで?お前は信じてないみたいやけど。
俺の中ではあの時の言葉はなくなってへんねんで?
手紙にまでして渡した言葉に霄が迷ってるうちに、いろんな状況が悪くなって延び延びになってるだけで…
時期がきたら、あの言葉を実行に移すつもりでいてるねんで?」
そう言って、背中からぎゅっと抱き締める竜樹さん。
「ありがとう」。ただそう言いさえすればよかったのに。
「…なんでなんやろうね?
友達が彼氏に『俺にはお前が一番なんやで。お前だけなんやで?』って言われてるのを聞くと、『わぁ、すんごい羨ましい』って思えるのに、竜樹さんが『俺には霄ちゃんが一番!』って言うと『…うゎ、なんて嘘臭く聞こえるんやろう』って思ってまうねん」
そう返してしまった。
「俺って損や!ちゃんとそう思って言ってても、霄はいつも『嘘くさっ!』って言うねんもんなぁ…」
少し抗議するように、でも笑顔で抱き締めて続ける、竜樹さん。
その手を少し緩めてもらって竜樹さんの方を向きなおす私。
軽くキスをして、私から抱き締めなおす。
そのまま軽いキスを繰り返しながら、時間は流れていく。
長いこと一緒にいてても、見失うものはあるのだということ。
長くいてることで相手の手の内が互いに知れてしまってる状態で、誤解や不安が生じてしまった時、相手の反応をシミュレーションすることで余計に加速していくこと。
一人の時間に加速し続けていった誤解や悲しみは、こうして大切な人に触れれば溶けてなくなるものだということ。
ゆっくり自分の中でいろんなことが溶けていく。
竜樹さんと触れ合うことで溶けていく。
自分の中でいろんなネガティブな思考が溶けていくのを眺めていた。
それはまるで掌に舞い降りた雪がぱぁっと解けるような感じ。
竜樹さんの腕の中で溶けたのは、二人離れて過ごした時間が生んだ誤解と不安。
相手の顔のない、自分の意識の中で勝手に生み出された相手の像。
外が寒かったからかもしれない。
触れ合ってる暖かさが心の中にすーっと染み透ってくるような感じ。
すんごい居心地がよくて、「あぁ、ここが私の還りたい場所なんだなぁ」って実感できた。
「…霄ぁ、お腹、すいたぁ(T^T)」
甘い時間は、竜樹さんの空腹によって幕を下ろしたけれど(笑)
「…うん。ご飯までのつなぎに簡単なものを作るねぇ(*^_^*)」
ほにゃほにゃの竜樹さんの頭をなでなでして、立ち上がった。
機嫌よく、台所に移動した。
「霄、そこの戸は閉めなくてええからなぁ」
台所の冷たい空気が入るから竜樹さんのいる部屋の暖房の効きが悪くなるのに、そんな風に言う竜樹さんがとても愛しかった。
出てみると、竜樹さんからだった。
いつも事前に逢うことが決まってる場合、よほどの用がなければ電話は入らないのに…
多分、起きるのが遅くなってる私がなるべく早く竜樹邸に向かえるように起こしてくれたんだなと気付くのに、そんなに時間はかからなかった(笑)
用意をしながら、今日の夕飯の献立を考える。
けれど、起きてからずっと頭が痛くて、メニューを考える気力が起こらない。
仕方がないので、参考にできそうな料理の本を何冊か詰めて、電車の中で考えることして家を飛び出した。
今日は風が強い。
電車に乗ると、人がいっぱいで頭痛はますます加速していく感じがする。
気がつくと、本を見る間もなく竜樹さんちの最寄の駅に着いてしまっていた。
仕方なく、行きつけてるスーパーに飛び込み、食材を見てメニューを決めることにした。
体調が悪いこともあってなかなか買うものが決まらずに困っていると、豆腐と煮込み用のラーメンが異常に安かったので、鍋にすることにした。
鶏ひき肉と野菜を足し、竜樹邸で不足していた食材を買ってバス停に向かう。
本を読みながらバスを待ち、やってきたバスに乗り込む。
昨日買った本が(私にとっては)とても面白いもので、危うく降り損ねるところだった。
食材を提げて、竜樹邸に向かう。
竜樹邸に入ると、竜樹さんはパソコンを触っていた。
どうやら彼は競馬をしていたらしい(笑)
二人で京都金杯・中山金杯の予想をする。
予想をしてる間も、頬にキスしてきたり、身体に触れてきたり。
いつもと違う雰囲気に、びっくりしてしまったけれど。
竜樹さんを甘やかしながら、私も甘えながらパソコンとテレビの前をうろうろとして時間を過ごす。
競馬の結果は、竜樹さんも私も勝てたので一安心。
だけど、竜樹さんは中山金杯の1着2着を馬連ではなくワイドで買ってしまってたことが不満だったみたいで、暫く拗ねていた。
拗ねる竜樹さんを甘やかしながら、昨日観た舞台の話や友達の話をした。
「…今年はお金貯めて、今年の年末から来年の年始にかけて、近間でいいから温泉にでもいこっか?」
突然、竜樹さんがそう切り出した。
「年末年始は慌しいから、家でのんびりしていたい」と言ってたのもあって、お互いに家族の許に留まっていたのに……?
「家にいてたってじっとしてるだけで、何にも楽しいことないやんか?
それやったら、二人で温泉にでも入ってる方が楽しいやんか?」
私が年末年始腐ってる間、竜樹さんもまた思うところがあったのだろう。
そのことの詳細については聞かなかったし、竜樹さん自身も話さなかったけれど。
二人が離れて過ごした時間が楽しくなかったのだろうこと。
そして、二人で過ごしたいと少しでも思ってくれたのだろうこと。
それが垣間見られたことで、もう十分だった。
「そだね。今年の有馬記念には大勝ちして、行こっか?」
「…いや、そんなアテにならんことでお金作らんと、二人で貯めようや。
ちょっとずつ残していったら行けるだけの金はできるで?」
竜樹さんの言葉に、それを現実のものとしたいって想いが見えた気がした。
「うん。頑張って、お金貯めようね?」
そう笑って、竜樹さんを抱き締めた。
そんな風に竜樹さんの想いの端が見えたせいだろうか?
思惑も何もなく、自分が思ってることを竜樹さんに話し出した。
竜樹さんにとって自分がどんなものなのか?
一昨年の11月のお話は竜樹さんの中でどんな風に形を変えてしまったのか?
どう足掻いても竜樹さんの「一番」にはなれないだろうと思っていること。
年末年始に感じていたことの殆ど全部を吐き出してしまっていた。
意図的に話したわけでなかったとしても、もしかしたら竜樹さんの心に棘のある言葉もあったかもしれない。
わざとでなかったら、何を言っても許される訳じゃない。
そう思うと、何となく竜樹さんの方を向いていられなくて、ちょっと背中を見せるような格好をしてしまう。
「謝らないと…」と思っていると、
「俺の中で、霄はちゃんと一番やで?お前は信じてないみたいやけど。
俺の中ではあの時の言葉はなくなってへんねんで?
手紙にまでして渡した言葉に霄が迷ってるうちに、いろんな状況が悪くなって延び延びになってるだけで…
時期がきたら、あの言葉を実行に移すつもりでいてるねんで?」
そう言って、背中からぎゅっと抱き締める竜樹さん。
「ありがとう」。ただそう言いさえすればよかったのに。
「…なんでなんやろうね?
友達が彼氏に『俺にはお前が一番なんやで。お前だけなんやで?』って言われてるのを聞くと、『わぁ、すんごい羨ましい』って思えるのに、竜樹さんが『俺には霄ちゃんが一番!』って言うと『…うゎ、なんて嘘臭く聞こえるんやろう』って思ってまうねん」
そう返してしまった。
「俺って損や!ちゃんとそう思って言ってても、霄はいつも『嘘くさっ!』って言うねんもんなぁ…」
少し抗議するように、でも笑顔で抱き締めて続ける、竜樹さん。
その手を少し緩めてもらって竜樹さんの方を向きなおす私。
軽くキスをして、私から抱き締めなおす。
そのまま軽いキスを繰り返しながら、時間は流れていく。
長いこと一緒にいてても、見失うものはあるのだということ。
長くいてることで相手の手の内が互いに知れてしまってる状態で、誤解や不安が生じてしまった時、相手の反応をシミュレーションすることで余計に加速していくこと。
一人の時間に加速し続けていった誤解や悲しみは、こうして大切な人に触れれば溶けてなくなるものだということ。
ゆっくり自分の中でいろんなことが溶けていく。
竜樹さんと触れ合うことで溶けていく。
自分の中でいろんなネガティブな思考が溶けていくのを眺めていた。
それはまるで掌に舞い降りた雪がぱぁっと解けるような感じ。
竜樹さんの腕の中で溶けたのは、二人離れて過ごした時間が生んだ誤解と不安。
相手の顔のない、自分の意識の中で勝手に生み出された相手の像。
外が寒かったからかもしれない。
触れ合ってる暖かさが心の中にすーっと染み透ってくるような感じ。
すんごい居心地がよくて、「あぁ、ここが私の還りたい場所なんだなぁ」って実感できた。
「…霄ぁ、お腹、すいたぁ(T^T)」
甘い時間は、竜樹さんの空腹によって幕を下ろしたけれど(笑)
「…うん。ご飯までのつなぎに簡単なものを作るねぇ(*^_^*)」
ほにゃほにゃの竜樹さんの頭をなでなでして、立ち上がった。
機嫌よく、台所に移動した。
「霄、そこの戸は閉めなくてええからなぁ」
台所の冷たい空気が入るから竜樹さんのいる部屋の暖房の効きが悪くなるのに、そんな風に言う竜樹さんがとても愛しかった。
コメントをみる |

雨雲の向こうにあるのは…
2002年1月4日窓を開けると、外は小雨が降っていてとても寒い。
いろいろと用意をしたり、ダウンしていた金岡母に出来ることをして家を飛び出す。
今日は相棒と宝塚観劇。
新春公演なんて行くのは何年ぶりだろう?
竜樹さんと会えなかった年末年始。そしてすっきりしないまま別れた昨日。
そんな状態の中、比較的早い時期に相棒に逢えることが嬉しかった。
…なのに、電車に乗り遅れてしまった。
相棒に電話を入れ、先にいつも一緒にご飯を食べる店に行っててもらうことにする。
予定より10ほど遅れて相棒の待つ店に到着。
ごったがえす店の前でメニューを片手に、二人で席が空くのを待つ。
その間、いろんな話をした。
相棒も遠慮会釈なく話すので、私もつられて話してしまう。
「話してもどうしようもないこと」であることはお互いに判ってはいるんだろうけれど。
それでも相棒のペースに私も乗っかる形で救われてる。
それでも、年末から年始にかけて竜樹さんに対して思っていたことだけは、何となく話せずにいたけれど。
ふとしたことから、去年の終わり頃からずっと引っかかっていたことをぼろっと溢してしまった。
それこそ言っても仕方のないことだったけれど。
自分にない感覚について相棒が認知できるものなら、もしかしたら受け入れられるのかもしれない。
何となくそんな気分に駆られてしまった。
私が口火を切った時、相棒は少しばかり双眸を見開いていた。
「…そんなことで、ぐちぐち思ってる私がおかしかったかな?」と感じてた私に、彼女は一言こう言った。
「そんなヤツ、相手にしなくていいんだよ?」
相棒は私が鬱々と考えてきたことをばっさりと切って捨てた。
「幸せなんてさ、自分の物差しがすべてやん?
それを誰かと比べて、『誰々さんと比べたら自分は幸せなんだ』って思い込まなそう感じられへんってことは、そいつ幸せじゃないんだよ。
本当に幸せなヤツって、誰かと比べも僻みもしなけりゃ優越感も感じない。
むしろ『自分の幸せ、あげちゃあう♪』ってはた迷惑なくらい、幸せ気分ばら撒くやん?
そんなもんでしょ?」
冷静に考えればそれはすぐに見えてくるものであったとしても。
相棒は私の頭に擡げている雨雲を一瞬で掃ってしまう。
それはこの件に関してだけじゃなくて、いつでもそうだった。
竜樹さんと一緒にい始めて家族との軋轢が生まれた時も、前の会社でいろいろあった時も、
そしてそのあともずっと。
何かと曇りがちな私の心に小さな晴れ間を齎してくれる。
人の好意に疎くて、何かと人のことを信じるのに躊躇する私に、
「安心し!少なくとも私は霄ちゃんのことが大好きやからね!」
大切な言葉をさも当たり前のようにぽぉんと投げてくれる。
だから、「言っても仕方のないこと」でも話せたし、彼女の「言っても仕方のないこと」も預かりたいと思ったんだ。
…いつも、サンキュね♪
心の中で小さく呟きながら、相棒の「言っても仕方のないこと」を預かる。
店を出て、相変わらずの調子で言いたい放題言いながら、劇場に向かう。
今日観るのは、月組公演の「ガイズ&ドールズ」。
(一部の場所では16年程前と書いてしまったけれど)18年前に大地真央がトップだった頃に上演されたブロードウェイミュージカルの再演。
幕が上がる前にトップの挨拶が流れるのだけれど、正月の間はいつもと違ってお正月バージョンの挨拶。
「…何日までの公演が『正月』の挨拶だったっけ?」
「さぁ、7日くらいまでと違うのん?」
相変わらず、すっとぼけたコメントを発しながら、舞台に入っていく。
二人とも、18年前の初演は見そびれていたので、楽しみにしていたけれど。
前半が終わって、二人同時に口にしたのは…
「りかちゃん(月組トップ・紫吹 淳)はカッコよいけど、18年前の『ガイズ〜』が観たかったね」
傍から見ると、なんとも見当違いなコメントをほぼ同時に発していた。
この公演のプログラムを買いに行って、店に飾ってあるポスターを観てきゃーきゃー喚き倒し、席に戻ってプログラムを眺めながら、あさって向いたような昔話が繰り広げられる。
そして、二人が同時に引っかかったささやかな疑問を抱えながら、後半の幕が上がる。
劇を見ながら、時々その筋書きに自分の立場や想いを照らしながら。
それでも、相棒と幕間の間に抱えたささやかな疑問の答に考えを巡らせながら、華やかな舞台を眺めていた。
公演がすべて終わったあと、相棒と交わしたコメントは幕間の間に抱えたささやかな疑問の答だった(爆)
…りかちゃん、ごめんなさい。今月もう一度来ますから、その時はちゃんと「りかちゃんの公演」を楽しみますのでm(__)m
劇場の外に貼ってある、りかちゃんのポスターに意味もなく謝りながら、外に出た。
観終わった後、とりたてて何もすることがなかったから、そのまま解散かと思われたけれど。
ランチを食べた店である飲み物が二人とも気になっていて、それを飲もうということでお店に入る。
二人とも気になるアイテムが割と近いところがあって、食事をしたりすると殆ど食べるものが同じものだったりする。
食べたいと思うものも似てて、メニュー片手に互いの思うところ語っては笑ってしまう。
結局、二人で一つのデザートのプレートを取り、気になる飲み物と合わせてオーダー。
昔の宝塚の話から取り留めない愚痴話まで、飲み物が冷え切るまで続いた。
そして、その取り留めない話は駅のコンコースでも繰り広げられたけれど。
ひとまず、冷え込んできたしということで、撤収。
数週間後、また宝塚観劇と称して、とりとめなく楽しい時間が繰り広げられることを楽しみにして。
雨雲が切れて晴れ間が見え始めた心を抱えて、家路についた。
家に帰ると、年始から塞いでいたことを心配してくれる友達からメールが届いていた。
心配かけっぱなしでドロンを決め込んでしまったことを申し訳なく思いながら、それでも暖かな言葉は心の中に垂れ込める雨雲を更に掃っていってくれることを嬉しく、ありがたいもののように思う自分がいる。
話しても仕方のないことと知りながら。
それでも心配をかけてしまってることを申し訳なく思うし、もう大丈夫だってことをきちんとした形で知らせたくて、キーボードを叩き始める。
いつでも暖かな想いは私を包んでくれるのだと。
その暖かな想いが私の中に垂れ込める雨雲を少しずつ掃っていってくれるのだと。
私を取り囲む状況はは相変わらず鈍色の様相を見せているけれど。
それでも、雨雲の向こうにあるものはきっと暖かな想いに包まれた笑顔なのだと。
竜樹さんに対するどこかすっきりしない想いはまだ解消されていないけれど。
相棒や大好きなお友達に雨雲を掃ってもらったのだから。
今度は自分自身の手で最後の大きな雨雲を掃おう。
雨雲を掃い終えるまでは、きっとすっきりはしないだろうけれど。
雨雲の向こうにあるものを、今度は自分自身で手に入れたい。
いろいろと用意をしたり、ダウンしていた金岡母に出来ることをして家を飛び出す。
今日は相棒と宝塚観劇。
新春公演なんて行くのは何年ぶりだろう?
竜樹さんと会えなかった年末年始。そしてすっきりしないまま別れた昨日。
そんな状態の中、比較的早い時期に相棒に逢えることが嬉しかった。
…なのに、電車に乗り遅れてしまった。
相棒に電話を入れ、先にいつも一緒にご飯を食べる店に行っててもらうことにする。
予定より10ほど遅れて相棒の待つ店に到着。
ごったがえす店の前でメニューを片手に、二人で席が空くのを待つ。
その間、いろんな話をした。
相棒も遠慮会釈なく話すので、私もつられて話してしまう。
「話してもどうしようもないこと」であることはお互いに判ってはいるんだろうけれど。
それでも相棒のペースに私も乗っかる形で救われてる。
それでも、年末から年始にかけて竜樹さんに対して思っていたことだけは、何となく話せずにいたけれど。
ふとしたことから、去年の終わり頃からずっと引っかかっていたことをぼろっと溢してしまった。
それこそ言っても仕方のないことだったけれど。
自分にない感覚について相棒が認知できるものなら、もしかしたら受け入れられるのかもしれない。
何となくそんな気分に駆られてしまった。
私が口火を切った時、相棒は少しばかり双眸を見開いていた。
「…そんなことで、ぐちぐち思ってる私がおかしかったかな?」と感じてた私に、彼女は一言こう言った。
「そんなヤツ、相手にしなくていいんだよ?」
相棒は私が鬱々と考えてきたことをばっさりと切って捨てた。
「幸せなんてさ、自分の物差しがすべてやん?
それを誰かと比べて、『誰々さんと比べたら自分は幸せなんだ』って思い込まなそう感じられへんってことは、そいつ幸せじゃないんだよ。
本当に幸せなヤツって、誰かと比べも僻みもしなけりゃ優越感も感じない。
むしろ『自分の幸せ、あげちゃあう♪』ってはた迷惑なくらい、幸せ気分ばら撒くやん?
そんなもんでしょ?」
冷静に考えればそれはすぐに見えてくるものであったとしても。
相棒は私の頭に擡げている雨雲を一瞬で掃ってしまう。
それはこの件に関してだけじゃなくて、いつでもそうだった。
竜樹さんと一緒にい始めて家族との軋轢が生まれた時も、前の会社でいろいろあった時も、
そしてそのあともずっと。
何かと曇りがちな私の心に小さな晴れ間を齎してくれる。
人の好意に疎くて、何かと人のことを信じるのに躊躇する私に、
「安心し!少なくとも私は霄ちゃんのことが大好きやからね!」
大切な言葉をさも当たり前のようにぽぉんと投げてくれる。
だから、「言っても仕方のないこと」でも話せたし、彼女の「言っても仕方のないこと」も預かりたいと思ったんだ。
…いつも、サンキュね♪
心の中で小さく呟きながら、相棒の「言っても仕方のないこと」を預かる。
店を出て、相変わらずの調子で言いたい放題言いながら、劇場に向かう。
今日観るのは、月組公演の「ガイズ&ドールズ」。
(一部の場所では16年程前と書いてしまったけれど)18年前に大地真央がトップだった頃に上演されたブロードウェイミュージカルの再演。
幕が上がる前にトップの挨拶が流れるのだけれど、正月の間はいつもと違ってお正月バージョンの挨拶。
「…何日までの公演が『正月』の挨拶だったっけ?」
「さぁ、7日くらいまでと違うのん?」
相変わらず、すっとぼけたコメントを発しながら、舞台に入っていく。
二人とも、18年前の初演は見そびれていたので、楽しみにしていたけれど。
前半が終わって、二人同時に口にしたのは…
「りかちゃん(月組トップ・紫吹 淳)はカッコよいけど、18年前の『ガイズ〜』が観たかったね」
傍から見ると、なんとも見当違いなコメントをほぼ同時に発していた。
この公演のプログラムを買いに行って、店に飾ってあるポスターを観てきゃーきゃー喚き倒し、席に戻ってプログラムを眺めながら、あさって向いたような昔話が繰り広げられる。
そして、二人が同時に引っかかったささやかな疑問を抱えながら、後半の幕が上がる。
劇を見ながら、時々その筋書きに自分の立場や想いを照らしながら。
それでも、相棒と幕間の間に抱えたささやかな疑問の答に考えを巡らせながら、華やかな舞台を眺めていた。
公演がすべて終わったあと、相棒と交わしたコメントは幕間の間に抱えたささやかな疑問の答だった(爆)
…りかちゃん、ごめんなさい。今月もう一度来ますから、その時はちゃんと「りかちゃんの公演」を楽しみますのでm(__)m
劇場の外に貼ってある、りかちゃんのポスターに意味もなく謝りながら、外に出た。
観終わった後、とりたてて何もすることがなかったから、そのまま解散かと思われたけれど。
ランチを食べた店である飲み物が二人とも気になっていて、それを飲もうということでお店に入る。
二人とも気になるアイテムが割と近いところがあって、食事をしたりすると殆ど食べるものが同じものだったりする。
食べたいと思うものも似てて、メニュー片手に互いの思うところ語っては笑ってしまう。
結局、二人で一つのデザートのプレートを取り、気になる飲み物と合わせてオーダー。
昔の宝塚の話から取り留めない愚痴話まで、飲み物が冷え切るまで続いた。
そして、その取り留めない話は駅のコンコースでも繰り広げられたけれど。
ひとまず、冷え込んできたしということで、撤収。
数週間後、また宝塚観劇と称して、とりとめなく楽しい時間が繰り広げられることを楽しみにして。
雨雲が切れて晴れ間が見え始めた心を抱えて、家路についた。
家に帰ると、年始から塞いでいたことを心配してくれる友達からメールが届いていた。
心配かけっぱなしでドロンを決め込んでしまったことを申し訳なく思いながら、それでも暖かな言葉は心の中に垂れ込める雨雲を更に掃っていってくれることを嬉しく、ありがたいもののように思う自分がいる。
話しても仕方のないことと知りながら。
それでも心配をかけてしまってることを申し訳なく思うし、もう大丈夫だってことをきちんとした形で知らせたくて、キーボードを叩き始める。
いつでも暖かな想いは私を包んでくれるのだと。
その暖かな想いが私の中に垂れ込める雨雲を少しずつ掃っていってくれるのだと。
私を取り囲む状況はは相変わらず鈍色の様相を見せているけれど。
それでも、雨雲の向こうにあるものはきっと暖かな想いに包まれた笑顔なのだと。
竜樹さんに対するどこかすっきりしない想いはまだ解消されていないけれど。
相棒や大好きなお友達に雨雲を掃ってもらったのだから。
今度は自分自身の手で最後の大きな雨雲を掃おう。
雨雲を掃い終えるまでは、きっとすっきりはしないだろうけれど。
雨雲の向こうにあるものを、今度は自分自身で手に入れたい。
コメントをみる |

今年の終わりに…
2001年12月31日今年もあと1時間を切ってしまった。
31日の日付が変わってしまったあとから、少しばかりいろんな動きがあって、いろいろと思うことはあったけれど。
ひとまず、日付が変わる前に思ったことを。
今年は正月早々、初詣先で竜樹さんと大喧嘩を繰り広げるという波乱含みの幕開け。
その後、暫くはそれほど波打たなかった二人の関係は6年目の春に破綻の危機に陥って。
その2週間後、桜の花の許で二人の関係はとりあえず首の側一枚で繋がることになる。
その後は竜樹さんの学校がらみの関係で一月近く逢えなくなったり、今夏の酷暑で竜樹さんの体調が再び悪くなったりと、とにかく落ち着きのない状態は続く。
私自身も、初夏の頃に膵炎騒動を起こし、しんどい夏を過ごす。
会社の方では下半期の売上の伸びが悪くて、来年早々から社員全員の減給が決定。
ただでさえストレスフルな職場は、行くのが苦痛でしかない場所になる。
けれど、不思議なもので。
二人の置かれてる状況はそれほどよくないのに、今の二人の間に流れる空気は奇妙なくらい穏やかで。
竜樹さんが一人暮らしをはじめてからは、二人でいる空間がかなり二人の間に流れる空気を暖め続けた気がする。
そして、二人が共に生きようと誓った日から1年が経ち、ここで想いをを綴り始めてから1年が経つ。
最後の1ヶ月は(まだ書き上げていないけれど(^^ゞ)、神戸小旅行に6年目にして初めて二人で一緒に過ごしたクリスマスイブと暖かな出来事は続いた。
ろくでもない1年だったには違いなかったけれど、二人が暖かな想いを守り通すことの出来た1年であることにも間違いはなくて。
これはこれでよかったのかな?と今は思っている。
ここで想いを綴り始めて、いろんな友達が出来て。
中には袂を別ってしまった人もいれば、より近いところでお話する人もいて。
人の流れの速さに戸惑い、それでも留まってくれる人の心の暖かさをとてもありがたく思っている。
いろんなことをあわせて考えると、私は不幸ではないんだと思える。
新しい年を迎えたからといって、急激に物事が変わるとは思えないけれど。
何が変わるわけでなくても、すぐ傍にある幸せをありがたいものとして受け止めて、竜樹さんの隣を引き続き歩いていこうと思う。
そして。
去年は途中でブレーキがかかって、方々で心配をかけてしまったけれど。
今年はその分、暖かな気持ちをくれた人たちに何かを返せたらと思う。
…それと、いいことも悪いこともしんどさにかまけて投げることなく、「ここ」に留められたらと思う。
今年1年、暖かな気持ちをくれてありがとう。
来年も引き続きお付き合い頂けましたら幸いです。
2001年の終わりに。
金岡 霄
31日の日付が変わってしまったあとから、少しばかりいろんな動きがあって、いろいろと思うことはあったけれど。
ひとまず、日付が変わる前に思ったことを。
今年は正月早々、初詣先で竜樹さんと大喧嘩を繰り広げるという波乱含みの幕開け。
その後、暫くはそれほど波打たなかった二人の関係は6年目の春に破綻の危機に陥って。
その2週間後、桜の花の許で二人の関係はとりあえず首の側一枚で繋がることになる。
その後は竜樹さんの学校がらみの関係で一月近く逢えなくなったり、今夏の酷暑で竜樹さんの体調が再び悪くなったりと、とにかく落ち着きのない状態は続く。
私自身も、初夏の頃に膵炎騒動を起こし、しんどい夏を過ごす。
会社の方では下半期の売上の伸びが悪くて、来年早々から社員全員の減給が決定。
ただでさえストレスフルな職場は、行くのが苦痛でしかない場所になる。
けれど、不思議なもので。
二人の置かれてる状況はそれほどよくないのに、今の二人の間に流れる空気は奇妙なくらい穏やかで。
竜樹さんが一人暮らしをはじめてからは、二人でいる空間がかなり二人の間に流れる空気を暖め続けた気がする。
そして、二人が共に生きようと誓った日から1年が経ち、ここで想いをを綴り始めてから1年が経つ。
最後の1ヶ月は(まだ書き上げていないけれど(^^ゞ)、神戸小旅行に6年目にして初めて二人で一緒に過ごしたクリスマスイブと暖かな出来事は続いた。
ろくでもない1年だったには違いなかったけれど、二人が暖かな想いを守り通すことの出来た1年であることにも間違いはなくて。
これはこれでよかったのかな?と今は思っている。
ここで想いを綴り始めて、いろんな友達が出来て。
中には袂を別ってしまった人もいれば、より近いところでお話する人もいて。
人の流れの速さに戸惑い、それでも留まってくれる人の心の暖かさをとてもありがたく思っている。
いろんなことをあわせて考えると、私は不幸ではないんだと思える。
新しい年を迎えたからといって、急激に物事が変わるとは思えないけれど。
何が変わるわけでなくても、すぐ傍にある幸せをありがたいものとして受け止めて、竜樹さんの隣を引き続き歩いていこうと思う。
そして。
去年は途中でブレーキがかかって、方々で心配をかけてしまったけれど。
今年はその分、暖かな気持ちをくれた人たちに何かを返せたらと思う。
…それと、いいことも悪いこともしんどさにかまけて投げることなく、「ここ」に留められたらと思う。
今年1年、暖かな気持ちをくれてありがとう。
来年も引き続きお付き合い頂けましたら幸いです。
2001年の終わりに。
金岡 霄
繋いだ手から流れてきたもの…(神戸小旅行・前編)
2001年12月13日朝、雨音で目が覚めた。
…確か雨は今日の夕方から降ると聞いていたのに。
竜樹さんは雨と寒さに弱い。
この状態で中止を言い渡されても仕方がない。
私自身の身体もだるかったけれど、とりあえず起き上がり、荷造りを始める。
家を出る前、ちょっとひやっとすることがあったんだけど。
振り切るように日記帳や宙にご挨拶だけ書いて、母に駅まで送ってもらう。
竜樹さんと逢う前に、美容院に行く。
予定が立て込むのは好きではなくても、竜樹さんと小旅行に出るのだから、少しでもキレイにしておきたかった。
昼過ぎには出なければならない旨を伝えていたので、急いでやってくれた。
出来上がりがよくて、機嫌よくなったけれど。
…外は横殴りの雨(>_<)
傘を差して駅まで歩き、竜樹さんに電話すると、先に昼食を食べておいてとのこと。
雨はまだやむ様子がない。
…大丈夫なんだろうか?
今年でルミナリエを見に行くのは5回目になるけれど。
雨に降られたのはこれで2度目。
初めて雨に降られたのは、確か一昨年。
と言っても、小雨がぱらつく程度で横殴りの雨なんてのは経験したことがない。
漏電防止のために中止になることだってあり得ないとも言えない。
…一体、誰の行いが悪いねんヽ(`⌒´)ノ
移動しながら友達に電話をしてそんな話をすると、すかさず「竜樹さん!」と答が返ってきた(笑)
…直前に一悶着あったもんなぁ(-"-;)
竜樹さんには悪いけれど笑ってしまった。
友達との電話を終え、電車に乗り込む。
待ち合せの場所の最寄り駅に着く頃には、雨は小降りになっていた。
待ち合せの場所に程近いレストランで昼食をとる旨をメールで飛ばして、店に入る。
ご飯がやってくるまで、「いってらっしゃいメール」をくれたお友達にメールのお返事を飛ばす。
「さぁ、食べるぞ!」の段になって、竜樹さんがやってきた。
店に向かってくる竜樹さんの様子を窓から眺めてると、空には太陽が顔をのぞかせていた。
「昨日はいろいろせんなんことがあって、大変やってん」
竜樹さんは元気そうに話してくれる。
昨日竜樹さんがどんな風に過ごしたかを聞きながら昼食を食べ終え、車に乗り込む。
ナビの目的地を今日泊まるホテルに設定して、出発。
車の中は、日差しが強くなってきたせいか、暑いくらいだった。
道路は予想してたより空いていて楽に目的地に着いた。
早めにチェックインをして、部屋に入るととても見晴らしがいい。
去年よりも高層階で私が好きな景色が見える側の部屋(*^_^*)
竜樹さんと二人でご機嫌になる。
ただ、少し運転疲れが出たらしく、竜樹さんは楽な服装に着替えるとすこしばかり眠ってしまった。
寝たり起きたりを繰り返してるうちに夕方になってしまう。
「…竜樹さん。点灯式と夕食、どちらにするの?」
東遊園地側から見ると、スパッリエーラとガレリアの点灯が同時に見れると、美容師さんに教えてもらってたから、二人で試してみようかと移動中に話していたけれど。
天気予報を聞いていると、「冷え込みがきつくなる」とのことで、竜樹さんは怯んでしまった(笑)
丁度よくふたりともお腹もすいてきたので、夕食を取りに出かける。
…外に出ると、本当に吹く風が冷たく、寒かった (O.O;)
ハーバーランドまでの道を二人で歩いていく。
竜樹さんの手が伸びたと思ったら…
そのまま私の手を握り締める。
最近では外で手を繋いで歩くなんてことは殆どなかったから、ただただびっくり。
でも、なんだか嬉しくて。
普段は早足気味の私も、竜樹さんの手から流れる温みにほだされ、ゆっくりなペースで歩いていく。
「以前に比べたらさほど苦でもない距離のような気がするわ」
竜樹さんの言葉と足取りから、徐々にでも元気を取り戻してきてはいるんだなと嬉しくなる。
手を繋ぎながら、楽しく話しながら、ハーバーランドに着いた。
最初に部屋で飲むワインを調達し、アジアンバイキングに行くことになった。
去年、ダッカルビを食べて竜樹さんが体調を崩したことが頭をよぎり、ちょっとばかり不安にはなったけれど。
竜樹さんは竜樹さんで、体調を崩さないで済むような食べ物を選んで食べてはった。
そこそこおいしかったのと、軽く飲んだことでちょっとはしゃいでしまったのか。
二人とも、お腹が重くて立ち上がるのに苦労するほど(笑)、食べてしまった。
来た道を二人で手を繋ぎながら戻り、車に買ったワインを置き、ルミナリエの会場に向かう。
吹き付ける風は強くて冷たい。
でも、竜樹さんの手は暖かくて、それが風の冷たさを少し和らげてくれてる気がする。
デジカメの充電がきちんと出来てなかったからコンビニへ電池を買いに入り、そこで暫く暖を取る。
買い物を済ませ、二人並んで「寒いぞー」とぼやきながら、毎年通る道を歩いていくと…
…例年にない、厳戒態勢(゜o゜)
ガレリアに辿り着くまでに、何度あちこちくねくねと無意味に歩かされたか。
「ねぇ、これは2日目だから、こんなんなん?(-_-;)」
「…明石の花火のこととかあるから、警備を強化してるんやろ?」
ぶつくさといいながら、仕切られた道をうねうねと歩き、ようやっとガレリアに向かう1本道に入る。
今年のルミナリエはフロントーネ(ガレリアに入る前にあるゲートのようなもの)が去年に比べるとさほど大きくもなく、ちょっと拍子抜け。
ガレリア自体も去年の方が豪華だったような…
「今年は青をたくさん使ってるって話やで?」
「何で、そんなん知ってるん?」
「…え?昨日のニュースで言ってたからさ」
「えーーーっ。ニュースで見たのぉ!?」
「でも、霄んちと違って俺んちのテレビはちっさいから、これほど臨場感もなかったで」
…そういう問題じゃないんだってば(T_T)
例年、会期の終わりの方に予定を組むので、行くまでの間に否が応でもルミナリエの話題も映像も見えてしまうから、つい先にメディアを見てしまうのだけど。
今回は2日目だからと思って、敢えて新聞もテレビも見ないでおいたのに…
ちょっとむくれてしまうけれど。
「せっかくデジカメ持ってきてんし、撮ってみ?」
そう言われて、コートのポケットからデジカメを取り出し、フロントーネのすぐ近くから写真を撮る。
(今更だけど)デジカメは撮ったその場で確認できるのがいい。
調子に乗って二人で、あぁだこうだ言いもって写真を撮ってたらすぐに電池が切れてしまった。
電池を換えてもすぐに写真が取れなくなるのにムッとする私の手を、竜樹さんはそっと握り締める。
写真はあまり撮れないけれど、繋いだ手から流れてきたものはとても暖かだった。
…ここにこれてよかった。
*****************************************************
長文が過ぎたようなので、続きは翌日にまわしますm(__)m
…確か雨は今日の夕方から降ると聞いていたのに。
竜樹さんは雨と寒さに弱い。
この状態で中止を言い渡されても仕方がない。
私自身の身体もだるかったけれど、とりあえず起き上がり、荷造りを始める。
家を出る前、ちょっとひやっとすることがあったんだけど。
振り切るように日記帳や宙にご挨拶だけ書いて、母に駅まで送ってもらう。
竜樹さんと逢う前に、美容院に行く。
予定が立て込むのは好きではなくても、竜樹さんと小旅行に出るのだから、少しでもキレイにしておきたかった。
昼過ぎには出なければならない旨を伝えていたので、急いでやってくれた。
出来上がりがよくて、機嫌よくなったけれど。
…外は横殴りの雨(>_<)
傘を差して駅まで歩き、竜樹さんに電話すると、先に昼食を食べておいてとのこと。
雨はまだやむ様子がない。
…大丈夫なんだろうか?
今年でルミナリエを見に行くのは5回目になるけれど。
雨に降られたのはこれで2度目。
初めて雨に降られたのは、確か一昨年。
と言っても、小雨がぱらつく程度で横殴りの雨なんてのは経験したことがない。
漏電防止のために中止になることだってあり得ないとも言えない。
…一体、誰の行いが悪いねんヽ(`⌒´)ノ
移動しながら友達に電話をしてそんな話をすると、すかさず「竜樹さん!」と答が返ってきた(笑)
…直前に一悶着あったもんなぁ(-"-;)
竜樹さんには悪いけれど笑ってしまった。
友達との電話を終え、電車に乗り込む。
待ち合せの場所の最寄り駅に着く頃には、雨は小降りになっていた。
待ち合せの場所に程近いレストランで昼食をとる旨をメールで飛ばして、店に入る。
ご飯がやってくるまで、「いってらっしゃいメール」をくれたお友達にメールのお返事を飛ばす。
「さぁ、食べるぞ!」の段になって、竜樹さんがやってきた。
店に向かってくる竜樹さんの様子を窓から眺めてると、空には太陽が顔をのぞかせていた。
「昨日はいろいろせんなんことがあって、大変やってん」
竜樹さんは元気そうに話してくれる。
昨日竜樹さんがどんな風に過ごしたかを聞きながら昼食を食べ終え、車に乗り込む。
ナビの目的地を今日泊まるホテルに設定して、出発。
車の中は、日差しが強くなってきたせいか、暑いくらいだった。
道路は予想してたより空いていて楽に目的地に着いた。
早めにチェックインをして、部屋に入るととても見晴らしがいい。
去年よりも高層階で私が好きな景色が見える側の部屋(*^_^*)
竜樹さんと二人でご機嫌になる。
ただ、少し運転疲れが出たらしく、竜樹さんは楽な服装に着替えるとすこしばかり眠ってしまった。
寝たり起きたりを繰り返してるうちに夕方になってしまう。
「…竜樹さん。点灯式と夕食、どちらにするの?」
東遊園地側から見ると、スパッリエーラとガレリアの点灯が同時に見れると、美容師さんに教えてもらってたから、二人で試してみようかと移動中に話していたけれど。
天気予報を聞いていると、「冷え込みがきつくなる」とのことで、竜樹さんは怯んでしまった(笑)
丁度よくふたりともお腹もすいてきたので、夕食を取りに出かける。
…外に出ると、本当に吹く風が冷たく、寒かった (O.O;)
ハーバーランドまでの道を二人で歩いていく。
竜樹さんの手が伸びたと思ったら…
そのまま私の手を握り締める。
最近では外で手を繋いで歩くなんてことは殆どなかったから、ただただびっくり。
でも、なんだか嬉しくて。
普段は早足気味の私も、竜樹さんの手から流れる温みにほだされ、ゆっくりなペースで歩いていく。
「以前に比べたらさほど苦でもない距離のような気がするわ」
竜樹さんの言葉と足取りから、徐々にでも元気を取り戻してきてはいるんだなと嬉しくなる。
手を繋ぎながら、楽しく話しながら、ハーバーランドに着いた。
最初に部屋で飲むワインを調達し、アジアンバイキングに行くことになった。
去年、ダッカルビを食べて竜樹さんが体調を崩したことが頭をよぎり、ちょっとばかり不安にはなったけれど。
竜樹さんは竜樹さんで、体調を崩さないで済むような食べ物を選んで食べてはった。
そこそこおいしかったのと、軽く飲んだことでちょっとはしゃいでしまったのか。
二人とも、お腹が重くて立ち上がるのに苦労するほど(笑)、食べてしまった。
来た道を二人で手を繋ぎながら戻り、車に買ったワインを置き、ルミナリエの会場に向かう。
吹き付ける風は強くて冷たい。
でも、竜樹さんの手は暖かくて、それが風の冷たさを少し和らげてくれてる気がする。
デジカメの充電がきちんと出来てなかったからコンビニへ電池を買いに入り、そこで暫く暖を取る。
買い物を済ませ、二人並んで「寒いぞー」とぼやきながら、毎年通る道を歩いていくと…
…例年にない、厳戒態勢(゜o゜)
ガレリアに辿り着くまでに、何度あちこちくねくねと無意味に歩かされたか。
「ねぇ、これは2日目だから、こんなんなん?(-_-;)」
「…明石の花火のこととかあるから、警備を強化してるんやろ?」
ぶつくさといいながら、仕切られた道をうねうねと歩き、ようやっとガレリアに向かう1本道に入る。
今年のルミナリエはフロントーネ(ガレリアに入る前にあるゲートのようなもの)が去年に比べるとさほど大きくもなく、ちょっと拍子抜け。
ガレリア自体も去年の方が豪華だったような…
「今年は青をたくさん使ってるって話やで?」
「何で、そんなん知ってるん?」
「…え?昨日のニュースで言ってたからさ」
「えーーーっ。ニュースで見たのぉ!?」
「でも、霄んちと違って俺んちのテレビはちっさいから、これほど臨場感もなかったで」
…そういう問題じゃないんだってば(T_T)
例年、会期の終わりの方に予定を組むので、行くまでの間に否が応でもルミナリエの話題も映像も見えてしまうから、つい先にメディアを見てしまうのだけど。
今回は2日目だからと思って、敢えて新聞もテレビも見ないでおいたのに…
ちょっとむくれてしまうけれど。
「せっかくデジカメ持ってきてんし、撮ってみ?」
そう言われて、コートのポケットからデジカメを取り出し、フロントーネのすぐ近くから写真を撮る。
(今更だけど)デジカメは撮ったその場で確認できるのがいい。
調子に乗って二人で、あぁだこうだ言いもって写真を撮ってたらすぐに電池が切れてしまった。
電池を換えてもすぐに写真が取れなくなるのにムッとする私の手を、竜樹さんはそっと握り締める。
写真はあまり撮れないけれど、繋いだ手から流れてきたものはとても暖かだった。
…ここにこれてよかった。
*****************************************************
長文が過ぎたようなので、続きは翌日にまわしますm(__)m
コメントをみる |

想いを綴り始めてから…
2001年12月1日1年前の今日、ここで日記を綴り始めた。
竜樹さんに対する想いや日々の出来事を綴ってきた。
途中、パソコンが壊れたり、精神的に書けなくなってしまって、ぼこっと穴が空いてしまった時期もあるのだけれど…
それでも、あれから1年経った。
去年の11月の初めに竜樹さんから「これからもずっと一緒に歩いていこう」と言われた。
それから微妙に竜樹さんの態度が厳しくなり、二人の関係に対して迷いが生じる中、ある人の日記に惹かれてここに辿り着いた。
辿り着いてからもいろんなことがあった。
喧嘩もしたし、甘えもしたし、別れ話も飛び出したし、仲直りもした。
紹介文の言葉じゃないけど、いいことも悪いこともいろいろあった。
この日記を始めた頃、まさか1年後、これほどまでに手詰まりになるとは思っていなかった。
あの当時は紆余曲折いろいろあれど、幸せ一杯な二人でいられるだろうと思っていた。
竜樹さんの体調はよくなり、二人で頑張りながら手を携えながら、生きていく。
二人は一緒の場所で生きていける。
そう思っていた。
けれど。
1年経った今もまだ、それは叶っていない。
それどころか、いつそこに辿り着けるのかすら判らない。
もしかしたら、もう辿り着くことすらないのかもしれない。
いい意味で何か変わったと言えるとしたら、せいぜい迷いはあっても一緒に生きていく覚悟が出来たってことくらいだろう。
それでも、悪いことばっかりではなかったんだ。
ここでこうして想いを綴りながら、大切な人にたくさん出逢えたこと。
いろんな出来事があってなお、竜樹と霄は共に同じ時間を生きようとしてること。
それが私にとっては1年かけて手に入れた宝物のようなものだから。
また新しい気持ちで、次の1年を歩けたらいいなと思っている。
来年の今日までこの日記を続けていられるかどうかは判らないけれど。
それでも、来年の今日がやってきた時。
日記を綴ってきてよかったと思えたなら。
竜樹さんと二人で歩いて来れたことを誇りに思えたなら。
きっとそれだけで、私の1年はよいものであったのだと思えると思うから。
また、1年、ゆっくりでも歩いていければと思う。
自分だけの大切な場所を目指して、また歩いていきたいと思う。
竜樹さんに対する想いや日々の出来事を綴ってきた。
途中、パソコンが壊れたり、精神的に書けなくなってしまって、ぼこっと穴が空いてしまった時期もあるのだけれど…
それでも、あれから1年経った。
去年の11月の初めに竜樹さんから「これからもずっと一緒に歩いていこう」と言われた。
それから微妙に竜樹さんの態度が厳しくなり、二人の関係に対して迷いが生じる中、ある人の日記に惹かれてここに辿り着いた。
辿り着いてからもいろんなことがあった。
喧嘩もしたし、甘えもしたし、別れ話も飛び出したし、仲直りもした。
紹介文の言葉じゃないけど、いいことも悪いこともいろいろあった。
この日記を始めた頃、まさか1年後、これほどまでに手詰まりになるとは思っていなかった。
あの当時は紆余曲折いろいろあれど、幸せ一杯な二人でいられるだろうと思っていた。
竜樹さんの体調はよくなり、二人で頑張りながら手を携えながら、生きていく。
二人は一緒の場所で生きていける。
そう思っていた。
けれど。
1年経った今もまだ、それは叶っていない。
それどころか、いつそこに辿り着けるのかすら判らない。
もしかしたら、もう辿り着くことすらないのかもしれない。
いい意味で何か変わったと言えるとしたら、せいぜい迷いはあっても一緒に生きていく覚悟が出来たってことくらいだろう。
それでも、悪いことばっかりではなかったんだ。
ここでこうして想いを綴りながら、大切な人にたくさん出逢えたこと。
いろんな出来事があってなお、竜樹と霄は共に同じ時間を生きようとしてること。
それが私にとっては1年かけて手に入れた宝物のようなものだから。
また新しい気持ちで、次の1年を歩けたらいいなと思っている。
来年の今日までこの日記を続けていられるかどうかは判らないけれど。
それでも、来年の今日がやってきた時。
日記を綴ってきてよかったと思えたなら。
竜樹さんと二人で歩いて来れたことを誇りに思えたなら。
きっとそれだけで、私の1年はよいものであったのだと思えると思うから。
また、1年、ゆっくりでも歩いていければと思う。
自分だけの大切な場所を目指して、また歩いていきたいと思う。
コメントをみる |

優しさの溢れる場所
2001年11月23日結局、昨晩金岡家に辿り着いたのは、1時半頃だった。
なるべく靴音を立てないように歩き、そっと門を開け玄関の鍵をこそっと開ける。
いつも私が帰るまで金岡母は起きているので、心配になって金岡母の寝室に行くと…
金岡母は既に眠っていた。
起こすのはかわいそうだったので、そのまま自室に戻り少しばかり宙レスをして眠りについた。
翌朝、割と早い時間に目が覚めたけれど、頭が痛くてまた少しだけ眠ってしまった。
友達からのメールで目を覚ます。
頭痛は相変わらずだったので小康状態になるのを待っていたら、夕方になっていた(゜o゜)
行くのをやめようかとも思ったけれど、とりあえず出かけることにする。
出かける時、「また出かけるの?」と金岡母が呆れたように聞いてきたけれど、昨日の晩のことは何もお咎めがない。
戸惑いながらも、家を出た。
電車に乗る直前に、携帯にメールが飛び込む。
丁度、お返事をしないとと思っていたので、相性いいなぁと思いながらメールを飛ばす。
メールを交わしてるうちに、竜樹さんちの最寄の駅につく。
例のごとく駅前のスーパーで少々買い物をし、竜樹さんに電話をした。
…すると、竜樹さんは外出中だった(>_<)
私が着くまでに戻っていなかったら、竜樹さんのお母さんから鍵を貰って家に入っておいてと言われる。
重い荷物を提げて竜樹邸によろよろと辿り着いたけれど、竜樹さんは戻っていなくて。
竜樹さんのご両親も留守だったようなので、物置に食材を入れて近くを散歩する。
…あ、今日はうちの両親の結婚記念日だった
例年、祭日といえばうちには殆どいなかったから、結婚記念日に何かをすることって少なかった。
クリスマス前に慌てて遅れすぎのプレゼントを渡すのが精一杯。
…何かリアルタイムでできないかな?
友達にメールを打ちながら、以前竜樹さんに連れて行ってもらったことのあるケーキ屋まで歩くことにした。
おいしそうなチョコレートケーキがあったので、それを買ってまた竜樹邸に歩いて戻る。
戻ってもまだ、竜樹さんは戻っていなかったので、竜樹さんのお母さんに鍵を開けてもらい、お話しながら買ってきた食材を片付けたり、後片付けをしたり、夕飯の準備に取り掛かったりする。
そうこうするうちに、やっと竜樹さんが戻ってきた。
「今日、来るのが遅かったから、もう来ぇへんねやと思った」
( ̄○ ̄;)!
…そりゃ、遅く出てきた私が悪いんだけどさ (>へ<)
ちょっと自分を恨んでみたりしたけれど(笑)、お風呂の準備をし、竜樹さんをお風呂に入れて料理の続きをする。
今日の料理は、白菜とベーコンの炒め煮と水菜のサラダと昨日持って来た豚の角煮の残り。
それと明日食べるための鶏大根と鶏ハム(いずれもby遊上炯さん)の仕込をした。
竜樹さんが戻るまでにしていたのは、鶏ハム(by遊上炯さん)の仕込み。
鶏の胸肉に塩、コショウしてよく揉みこみ、ラップで包んでジップロックに入れて2日ほど寝かせ、熱湯で15分ほど茹でると、ハムみたいな食感になる。
ちなみに、今回は岩塩にハーブの混ざったものを使って仕込んだ。
また、茹でるのを1日早めるために、少々強めに味付けしておいた。
その後は鶏大根(by遊上炯さん)の仕込み。
昆布でだしを取り、その後カツオを入れて、あわせだしにし、そこへ一口大に切った鶏モモ肉を投入、煮立って来たら輪切りにした大根を投入し、柔らかくなるまで煮る。
一晩置くと味がしみてなおおいしいということで、今日は食卓にのぼらず。
鶏大根を仕込んでる途中で、お風呂からあがってきた竜樹さんがちょっかいを出してくる(-_-;)
「ご飯を作ってる途中やねんけど…」
「少しくらい遅れてもいいから、…なぁ」
…お願いだから、そういう表情で見るのはやめて下さいよぉ(-_-;)
結局、ご飯作りは中断。
竜樹さんの少し情けなげな表情に負けて、抱っこする。
背中が痛む時の辛そうな表情や、どこかこ憎たらしい表情ばかりだから、珍しい表情で抱き締められると弱い。
…もしかして、思いっきり私の弱いところ、読んでる?竜樹さん?
そんな風にも思うけれど、私のそんな想いをよそにどんどん熱を帯びてくる。
逢うたびに抱き締めるけれど、毎度どきりとする部分があって、毎度戸惑う。
戸惑いの中に小さな安堵が広がり、それが暖かさに変わる気がする。
昨日とはまた少し違う受け渡しが終わり、少しだけ竜樹さんの暖かさに甘える。
けれど、暫くすると竜樹さん、お腹をすかせた模様(爆)
慌ててご飯を作りに戻る。
よって(?)、今日のメニューは至って簡単(爆)
白菜とベーコンの炒め煮は8月13日に作った中華風野菜シチューと作り方は殆ど同じ。
白菜とタマネギ、ベーコンを塩コショウで軽く炒め、むきエビを投入、少しの水と鶏ガラスープの素で煮る。
水菜のサラダは、昨日出したものから豆腐を抜いたもの(爆)
手抜き過ぎて申し訳ない気もしたけれど、おなかをすかせた竜樹さんをこれ以上待たすわけにもいかないので、今日はこれで容赦してもらった。
「いただきます♪(*^人^*)」
二人で仲良くご飯を食べる。
「うまいわ!今日のも(*^_^*)」
そう言って、笑顔で一生懸命ご飯を食べる竜樹さんが愛しい。
「竜樹さんが喜んでくれる料理が作れてよかったよ」
「そやなぁ、出てきた飯がうまくなかったら、辛いもんなぁ」
取り留めない会話をしながら、食事の時間は続く。
ゆっくりした食事を終え、食器を片付けた後、再びお布団を引いて横になるけれど。
油断するとまたしても午前様ペースになりそうだと感じたのか、眠りそうになる前に竜樹さんに起こされる。
「霄ぁ、眠ったらアカンでぇ?」
「そだねぇ…(_ _)zzz...」
「…こら、連日午前様やったらアカンやろ!?」
攻防戦の末、11時半頃竜樹邸を後にする。
さすがに連日、夜遅く送っていく羽目になると、竜樹さんも疲れてきたみたいで。
「明日、早く来れないんやったら、休養日にしようなぁ」
そう言われてしまって、少し悲しかったけれど。
本当なら自力で帰らないといけないのに、竜樹さんの好意に甘えっぱなしなんだから、そう言われてしまっても仕方がない。
「うん。明日は早く来て早く帰るね?」
自分に言い聞かせるように、そう答えた。
それでも、寒い中夜遅くにちゃんと家まで送り届けてくれる竜樹さんの気持ちが嬉しい。
出来るだけ、竜樹さんの負担にならないような形で逢いに行くようにしよう。
竜樹さんが私に精一杯の優しさをくれるのだから、私も同じように竜樹さんに精一杯の優しさを返そう。
そして、いつか二人で。
優しさの溢れる場所に辿り着けますように。
私が竜樹さんにとって、暖かな場所になれますように。
なるべく靴音を立てないように歩き、そっと門を開け玄関の鍵をこそっと開ける。
いつも私が帰るまで金岡母は起きているので、心配になって金岡母の寝室に行くと…
金岡母は既に眠っていた。
起こすのはかわいそうだったので、そのまま自室に戻り少しばかり宙レスをして眠りについた。
翌朝、割と早い時間に目が覚めたけれど、頭が痛くてまた少しだけ眠ってしまった。
友達からのメールで目を覚ます。
頭痛は相変わらずだったので小康状態になるのを待っていたら、夕方になっていた(゜o゜)
行くのをやめようかとも思ったけれど、とりあえず出かけることにする。
出かける時、「また出かけるの?」と金岡母が呆れたように聞いてきたけれど、昨日の晩のことは何もお咎めがない。
戸惑いながらも、家を出た。
電車に乗る直前に、携帯にメールが飛び込む。
丁度、お返事をしないとと思っていたので、相性いいなぁと思いながらメールを飛ばす。
メールを交わしてるうちに、竜樹さんちの最寄の駅につく。
例のごとく駅前のスーパーで少々買い物をし、竜樹さんに電話をした。
…すると、竜樹さんは外出中だった(>_<)
私が着くまでに戻っていなかったら、竜樹さんのお母さんから鍵を貰って家に入っておいてと言われる。
重い荷物を提げて竜樹邸によろよろと辿り着いたけれど、竜樹さんは戻っていなくて。
竜樹さんのご両親も留守だったようなので、物置に食材を入れて近くを散歩する。
…あ、今日はうちの両親の結婚記念日だった
例年、祭日といえばうちには殆どいなかったから、結婚記念日に何かをすることって少なかった。
クリスマス前に慌てて遅れすぎのプレゼントを渡すのが精一杯。
…何かリアルタイムでできないかな?
友達にメールを打ちながら、以前竜樹さんに連れて行ってもらったことのあるケーキ屋まで歩くことにした。
おいしそうなチョコレートケーキがあったので、それを買ってまた竜樹邸に歩いて戻る。
戻ってもまだ、竜樹さんは戻っていなかったので、竜樹さんのお母さんに鍵を開けてもらい、お話しながら買ってきた食材を片付けたり、後片付けをしたり、夕飯の準備に取り掛かったりする。
そうこうするうちに、やっと竜樹さんが戻ってきた。
「今日、来るのが遅かったから、もう来ぇへんねやと思った」
( ̄○ ̄;)!
…そりゃ、遅く出てきた私が悪いんだけどさ (>へ<)
ちょっと自分を恨んでみたりしたけれど(笑)、お風呂の準備をし、竜樹さんをお風呂に入れて料理の続きをする。
今日の料理は、白菜とベーコンの炒め煮と水菜のサラダと昨日持って来た豚の角煮の残り。
それと明日食べるための鶏大根と鶏ハム(いずれもby遊上炯さん)の仕込をした。
竜樹さんが戻るまでにしていたのは、鶏ハム(by遊上炯さん)の仕込み。
鶏の胸肉に塩、コショウしてよく揉みこみ、ラップで包んでジップロックに入れて2日ほど寝かせ、熱湯で15分ほど茹でると、ハムみたいな食感になる。
ちなみに、今回は岩塩にハーブの混ざったものを使って仕込んだ。
また、茹でるのを1日早めるために、少々強めに味付けしておいた。
その後は鶏大根(by遊上炯さん)の仕込み。
昆布でだしを取り、その後カツオを入れて、あわせだしにし、そこへ一口大に切った鶏モモ肉を投入、煮立って来たら輪切りにした大根を投入し、柔らかくなるまで煮る。
一晩置くと味がしみてなおおいしいということで、今日は食卓にのぼらず。
鶏大根を仕込んでる途中で、お風呂からあがってきた竜樹さんがちょっかいを出してくる(-_-;)
「ご飯を作ってる途中やねんけど…」
「少しくらい遅れてもいいから、…なぁ」
…お願いだから、そういう表情で見るのはやめて下さいよぉ(-_-;)
結局、ご飯作りは中断。
竜樹さんの少し情けなげな表情に負けて、抱っこする。
背中が痛む時の辛そうな表情や、どこかこ憎たらしい表情ばかりだから、珍しい表情で抱き締められると弱い。
…もしかして、思いっきり私の弱いところ、読んでる?竜樹さん?
そんな風にも思うけれど、私のそんな想いをよそにどんどん熱を帯びてくる。
逢うたびに抱き締めるけれど、毎度どきりとする部分があって、毎度戸惑う。
戸惑いの中に小さな安堵が広がり、それが暖かさに変わる気がする。
昨日とはまた少し違う受け渡しが終わり、少しだけ竜樹さんの暖かさに甘える。
けれど、暫くすると竜樹さん、お腹をすかせた模様(爆)
慌ててご飯を作りに戻る。
よって(?)、今日のメニューは至って簡単(爆)
白菜とベーコンの炒め煮は8月13日に作った中華風野菜シチューと作り方は殆ど同じ。
白菜とタマネギ、ベーコンを塩コショウで軽く炒め、むきエビを投入、少しの水と鶏ガラスープの素で煮る。
水菜のサラダは、昨日出したものから豆腐を抜いたもの(爆)
手抜き過ぎて申し訳ない気もしたけれど、おなかをすかせた竜樹さんをこれ以上待たすわけにもいかないので、今日はこれで容赦してもらった。
「いただきます♪(*^人^*)」
二人で仲良くご飯を食べる。
「うまいわ!今日のも(*^_^*)」
そう言って、笑顔で一生懸命ご飯を食べる竜樹さんが愛しい。
「竜樹さんが喜んでくれる料理が作れてよかったよ」
「そやなぁ、出てきた飯がうまくなかったら、辛いもんなぁ」
取り留めない会話をしながら、食事の時間は続く。
ゆっくりした食事を終え、食器を片付けた後、再びお布団を引いて横になるけれど。
油断するとまたしても午前様ペースになりそうだと感じたのか、眠りそうになる前に竜樹さんに起こされる。
「霄ぁ、眠ったらアカンでぇ?」
「そだねぇ…(_ _)zzz...」
「…こら、連日午前様やったらアカンやろ!?」
攻防戦の末、11時半頃竜樹邸を後にする。
さすがに連日、夜遅く送っていく羽目になると、竜樹さんも疲れてきたみたいで。
「明日、早く来れないんやったら、休養日にしようなぁ」
そう言われてしまって、少し悲しかったけれど。
本当なら自力で帰らないといけないのに、竜樹さんの好意に甘えっぱなしなんだから、そう言われてしまっても仕方がない。
「うん。明日は早く来て早く帰るね?」
自分に言い聞かせるように、そう答えた。
それでも、寒い中夜遅くにちゃんと家まで送り届けてくれる竜樹さんの気持ちが嬉しい。
出来るだけ、竜樹さんの負担にならないような形で逢いに行くようにしよう。
竜樹さんが私に精一杯の優しさをくれるのだから、私も同じように竜樹さんに精一杯の優しさを返そう。
そして、いつか二人で。
優しさの溢れる場所に辿り着けますように。
私が竜樹さんにとって、暖かな場所になれますように。
コメントをみる |

週末のご褒美
2001年11月22日今週は3連休のため、一日早く週末がやってくる。
竜樹さんに頼まれていたものを土曜日までに渡したかったので、仕事の後に竜樹邸に行くことにした。
先週持っていった豚の角煮がとても好評だったので、昨日会社の帰りにスーパーに寄って豚バラ肉を調達し、家に帰ってから金岡家の分とあわせて仕込んでおいた。
大根も安かったのであわせて調達し、金岡家用に鶏大根も作った。
最近は竜樹邸に持っていく差し入れを作っていると金岡母が拗ねるので(笑)、お土産とあわせて家の分のおかずも少しばかり作ることにしてる。
簡単な料理でも喜んで貰えれば御の字なので作るんだけど、いつもよりも仕込む量が多かったので少々疲れてしまった。
朝、いつもよりも少し早く起きて、豚の角煮を詰め込み、出かける。
慌てて出たために、竜樹さんに頼まれていたものを家に置き忘れてしまったことに気が付いたのは、電車に乗ってからだった。
竜樹さんが必要としてるものを忘れてしまったことで、何となく逢いに行きたくないような気持ちになってしまったけれど、竜樹さんに逢いたい気持ちが強くて、飛んでくる仕事をきりきり片付ける。
会社を飛び出し、友達とメールを交わしながら、電車に乗って移動する。
荷物の重さには辟易したけれど、めげずに(?)頑張って乗換えを繰り返しながら、竜樹さん地の最寄り駅まで何とか辿り着いた。
駅前のスーパーで少し食材を買い足して、バスに乗る。
竜樹邸に辿り着く頃にはふらふらになっていた。
「よく来てくれたなぁ(*^_^*)」
門を開ける音で気付いたのか、ドアを開けて出てきてくれた竜樹さん。
家の中に入り、冷蔵庫に食材を詰めたあと、リビングに移動して話をする。
頼まれていたものを持ってくるのを忘れたことを謝ると、別に不機嫌になることもなく、流してくれた。
竜樹さんの飼ってる魚が産んだ卵が孵り、ちっさな魚をがちょろちょろしてる水槽を眺めていると、背中から竜樹さんが抱き締めてくる。
「…ご飯、先に食べなくていいの?」
「迷うとこやねんけどなぁ……でもしたいねん」
いつもと違う展開にちょっとびっくりしたけれど、ちょっと困ったような顔をしてる竜樹さんがかわいらしくて、そのまま向きなおして抱き締める。
そうして、ゆっくりと互いを受け止め、預け始める。
寒くなってくると、体温が心地よくて、そのまま離したくなってくる。
やりとりが熱を増してきて、意識がぐちゃぐちゃになってきても、竜樹さんの温度が心地よくて。
ただ彼を預かり、ただ抱き締めることで何かを返す行為を繰り返す。
すべてのやりとりが終わってからも、竜樹さんの体温から離れがたくてそのままずっとくっついていたけれど。
ついていたテレビの音声が変わることで時間が遅くなってきてることがわかって、泣く泣く布団を抜け出す。
安心したような表情の竜樹さんを残して、着替えて台所に立つ。
我に返って、冷蔵庫を眺めると結構すぐに使わないといけない食材が多いことに気がつき、一人で慌てふためいている(笑)
それを煙草を吸いながら、どこか落ち着いたような表情で眺める竜樹さん。
どことなく、暖かいような空気の中で夕飯作りを始める。
今日の夕飯は、昨晩作って持ってきた豚の角煮と大根と鰻の柳川風、水菜と豆腐のサラダ。
大根と鰻の柳川風。
これは冷蔵庫掃除料理(笑)
先週鶏大根を作るつもりで買った大根が少しやらかくなり始めていたので、冷凍庫で眠り続けてた鰻とあわせて作った料理。
昆布でだしをとり、その中に輪切りにしてから縦方向にスライスし、更に半分くらいの細さに揃えた大根を投入、薄口醤油、酒、塩で味を調え、中火で煮る。
大根が透き通ってきたら、細く切った鰻(蒲焼にして1尾ごとに売られてるやつ)を鍋の真ん中に入れ、溶いた卵を回しいれ、火を止めて完成。
そのまま鍋ごと食卓へ。
水菜と豆腐のサラダ。
豆腐1/4丁を器に盛り、洗って食べやすい長さに切った水菜を乗せ、くし型に切ったトマトで飾り付けをし、和風ドレッシングをかけて食べる。
ちょっと遅い夕飯が完成し、竜樹さんがセッティングしてくれた食卓にご飯を運ぶ。
「いただきます!(*^人^*)」
金岡家では鰻を使った柳川風で使う食材は牛蒡だったりするので、大根と鰻と卵という取り合わせは初めて。
正直、自信はなかったけれど…
「うまいわ、これ(*^_^*)」
そういって、ぱくぱくと竜樹さんは鍋をさらえていく。
そのうち別の器に取り、「ちょっと持って行ってくるわなぁ」と言って、柳川風大根を竜樹さんの実家へ持って行ってしまった(゜o゜)
かなり、ご両親の反応が怖い気はしたけれど…
上機嫌な竜樹さんの表情を見てると、大丈夫なのかな?という気がしてきたので、引き止めるのはやめたけれど。
豚の角煮も相変わらず好評で嬉しい。
こんなに好評だと、調子に乗って毎週作ってしまいそう(*^_^*)
水菜を生で食べるのも竜樹さんのお気に召したようで、残さずに食べてくれた。
竜樹さんの食べっぷりを見てると、しんどかったことも辛かったこともみんな吹っ飛んでしまいそう。
会社帰りに竜樹邸に寄るのはちょっとばかししんどいのだけど、来てよかったって思える。
「…あ〜、よぉ食ったわぁ。おいしかったぁ(*^_^*)」
そう言って、笑顔を向けてくれる竜樹さん。
「ちょっとしんどそうやで?横になり?」
言われるまま、お布団を引いて横になる。
そうすると隣にやってきて、一緒に横になる竜樹さん。
「…あ〜、幸せやなぁ」
「そだねぇ(*^_^*)」
竜樹さんに腕枕してもらってくっつきながら、話す。
そのうち、竜樹さんも私も眠ってしまった。
それまで賑やかだったテレビの音が急に静かになる。
うつろな頭でテレビを見ると、深夜の洋画番組が始まってる。
慌てて時計を見ると、1時をまわっていた(゜o゜)
竜樹さんも異変に気付いたらしく、慌てて時計を見る。
「…霄、起きて。もう帰らんと」
「なんか帰るの、めんどくさい。竜樹さんにも悪いし」
「明日も来るんやろ?そしたら、今日は遅くなってもちゃんと帰らんとアカンやろ?」
「そだねぇ…」
身体がしんどい人に諭されながら、帰る用意をする。
洗い物を流しに持って行って整理して、荷物を纏める。
外はとても寒かった。
竜樹さんの背中が痛まないか心配だったけれど。
「ちゃんと送るから」という言葉に甘えてしまった。
車の中も寒かったけれど、二人の空気はどことなく暖かい。
帰る時間も何も気にせずにいられるようになれたらいいとずっと願っているけれど、お互いに越えないといけないことがあるから。
それを越えるまでは、いろんなことに折り合いつけながら頑張ろう。
週末を向かえる前の日に、二人でご飯を囲む。
そんなささやかな、だけど暖かくて愛しい週末のご褒美を糧にして、これからも頑張ろう。
竜樹さんの心の傍にいられるように、頑張ろう。
竜樹さんに頼まれていたものを土曜日までに渡したかったので、仕事の後に竜樹邸に行くことにした。
先週持っていった豚の角煮がとても好評だったので、昨日会社の帰りにスーパーに寄って豚バラ肉を調達し、家に帰ってから金岡家の分とあわせて仕込んでおいた。
大根も安かったのであわせて調達し、金岡家用に鶏大根も作った。
最近は竜樹邸に持っていく差し入れを作っていると金岡母が拗ねるので(笑)、お土産とあわせて家の分のおかずも少しばかり作ることにしてる。
簡単な料理でも喜んで貰えれば御の字なので作るんだけど、いつもよりも仕込む量が多かったので少々疲れてしまった。
朝、いつもよりも少し早く起きて、豚の角煮を詰め込み、出かける。
慌てて出たために、竜樹さんに頼まれていたものを家に置き忘れてしまったことに気が付いたのは、電車に乗ってからだった。
竜樹さんが必要としてるものを忘れてしまったことで、何となく逢いに行きたくないような気持ちになってしまったけれど、竜樹さんに逢いたい気持ちが強くて、飛んでくる仕事をきりきり片付ける。
会社を飛び出し、友達とメールを交わしながら、電車に乗って移動する。
荷物の重さには辟易したけれど、めげずに(?)頑張って乗換えを繰り返しながら、竜樹さん地の最寄り駅まで何とか辿り着いた。
駅前のスーパーで少し食材を買い足して、バスに乗る。
竜樹邸に辿り着く頃にはふらふらになっていた。
「よく来てくれたなぁ(*^_^*)」
門を開ける音で気付いたのか、ドアを開けて出てきてくれた竜樹さん。
家の中に入り、冷蔵庫に食材を詰めたあと、リビングに移動して話をする。
頼まれていたものを持ってくるのを忘れたことを謝ると、別に不機嫌になることもなく、流してくれた。
竜樹さんの飼ってる魚が産んだ卵が孵り、ちっさな魚をがちょろちょろしてる水槽を眺めていると、背中から竜樹さんが抱き締めてくる。
「…ご飯、先に食べなくていいの?」
「迷うとこやねんけどなぁ……でもしたいねん」
いつもと違う展開にちょっとびっくりしたけれど、ちょっと困ったような顔をしてる竜樹さんがかわいらしくて、そのまま向きなおして抱き締める。
そうして、ゆっくりと互いを受け止め、預け始める。
寒くなってくると、体温が心地よくて、そのまま離したくなってくる。
やりとりが熱を増してきて、意識がぐちゃぐちゃになってきても、竜樹さんの温度が心地よくて。
ただ彼を預かり、ただ抱き締めることで何かを返す行為を繰り返す。
すべてのやりとりが終わってからも、竜樹さんの体温から離れがたくてそのままずっとくっついていたけれど。
ついていたテレビの音声が変わることで時間が遅くなってきてることがわかって、泣く泣く布団を抜け出す。
安心したような表情の竜樹さんを残して、着替えて台所に立つ。
我に返って、冷蔵庫を眺めると結構すぐに使わないといけない食材が多いことに気がつき、一人で慌てふためいている(笑)
それを煙草を吸いながら、どこか落ち着いたような表情で眺める竜樹さん。
どことなく、暖かいような空気の中で夕飯作りを始める。
今日の夕飯は、昨晩作って持ってきた豚の角煮と大根と鰻の柳川風、水菜と豆腐のサラダ。
大根と鰻の柳川風。
これは冷蔵庫掃除料理(笑)
先週鶏大根を作るつもりで買った大根が少しやらかくなり始めていたので、冷凍庫で眠り続けてた鰻とあわせて作った料理。
昆布でだしをとり、その中に輪切りにしてから縦方向にスライスし、更に半分くらいの細さに揃えた大根を投入、薄口醤油、酒、塩で味を調え、中火で煮る。
大根が透き通ってきたら、細く切った鰻(蒲焼にして1尾ごとに売られてるやつ)を鍋の真ん中に入れ、溶いた卵を回しいれ、火を止めて完成。
そのまま鍋ごと食卓へ。
水菜と豆腐のサラダ。
豆腐1/4丁を器に盛り、洗って食べやすい長さに切った水菜を乗せ、くし型に切ったトマトで飾り付けをし、和風ドレッシングをかけて食べる。
ちょっと遅い夕飯が完成し、竜樹さんがセッティングしてくれた食卓にご飯を運ぶ。
「いただきます!(*^人^*)」
金岡家では鰻を使った柳川風で使う食材は牛蒡だったりするので、大根と鰻と卵という取り合わせは初めて。
正直、自信はなかったけれど…
「うまいわ、これ(*^_^*)」
そういって、ぱくぱくと竜樹さんは鍋をさらえていく。
そのうち別の器に取り、「ちょっと持って行ってくるわなぁ」と言って、柳川風大根を竜樹さんの実家へ持って行ってしまった(゜o゜)
かなり、ご両親の反応が怖い気はしたけれど…
上機嫌な竜樹さんの表情を見てると、大丈夫なのかな?という気がしてきたので、引き止めるのはやめたけれど。
豚の角煮も相変わらず好評で嬉しい。
こんなに好評だと、調子に乗って毎週作ってしまいそう(*^_^*)
水菜を生で食べるのも竜樹さんのお気に召したようで、残さずに食べてくれた。
竜樹さんの食べっぷりを見てると、しんどかったことも辛かったこともみんな吹っ飛んでしまいそう。
会社帰りに竜樹邸に寄るのはちょっとばかししんどいのだけど、来てよかったって思える。
「…あ〜、よぉ食ったわぁ。おいしかったぁ(*^_^*)」
そう言って、笑顔を向けてくれる竜樹さん。
「ちょっとしんどそうやで?横になり?」
言われるまま、お布団を引いて横になる。
そうすると隣にやってきて、一緒に横になる竜樹さん。
「…あ〜、幸せやなぁ」
「そだねぇ(*^_^*)」
竜樹さんに腕枕してもらってくっつきながら、話す。
そのうち、竜樹さんも私も眠ってしまった。
それまで賑やかだったテレビの音が急に静かになる。
うつろな頭でテレビを見ると、深夜の洋画番組が始まってる。
慌てて時計を見ると、1時をまわっていた(゜o゜)
竜樹さんも異変に気付いたらしく、慌てて時計を見る。
「…霄、起きて。もう帰らんと」
「なんか帰るの、めんどくさい。竜樹さんにも悪いし」
「明日も来るんやろ?そしたら、今日は遅くなってもちゃんと帰らんとアカンやろ?」
「そだねぇ…」
身体がしんどい人に諭されながら、帰る用意をする。
洗い物を流しに持って行って整理して、荷物を纏める。
外はとても寒かった。
竜樹さんの背中が痛まないか心配だったけれど。
「ちゃんと送るから」という言葉に甘えてしまった。
車の中も寒かったけれど、二人の空気はどことなく暖かい。
帰る時間も何も気にせずにいられるようになれたらいいとずっと願っているけれど、お互いに越えないといけないことがあるから。
それを越えるまでは、いろんなことに折り合いつけながら頑張ろう。
週末を向かえる前の日に、二人でご飯を囲む。
そんなささやかな、だけど暖かくて愛しい週末のご褒美を糧にして、これからも頑張ろう。
竜樹さんの心の傍にいられるように、頑張ろう。
コメントをみる |

思い巡らせた果てに…
2001年11月21日竜樹さんに貰った目覚し時計のアラームの音で、割とすっきり目を覚ました。
昨日、へっぽこVAIOくんが金岡家に帰還したからだろうか?
それとも、左側の放つ居直りモードが効いてるのか?
心持ち調子がいい。
いつもよりも少しだけ早い時間に家をでて、駅に向かう。
駅に着いて、いつものように朝メールを飛ばす。
へっぽこVAIOくんがいなかった間に携帯から飛ばしたメールを読み返しながら、
それまでのことを少し振り返ったりした。
「ずっと、こんな日が続くんだと思ってたよ」
確か、以前やったゲームか何かで出てきたような台詞なんだけれど。
竜樹さんと一緒にい始めた頃からいろいろあったから、穏やかな日々が永遠に続くみたいに思ったことはなかったけれど。
たまにやってくる凪のような時間が訪れた時、それが永遠に続けばいいと、それが永遠に続くだろうと思っていた。
けれど、それが望めなくなった。
それは竜樹さんの生き死にが絡んできたから。
生き死にに直面しなかったら、もっと我儘が言えたかも知れない。
普通のカップルが当たり前のように出来ることが私たちにとっても当たり前のものであって、それが特別なものであることを考えることなくいられたかもしれない。
「霄さんのこと、仏様みたいな人だと思ってました」
メッセやメールで毎日のようにやり取りしたり、電話で話したり逢ったりした人に時々そんなことを言われる。
竜樹さんの生き死にに直面しなかったら、多分誰もそんな風には言わなかったと思う。
生来はかなりの激情家で、はじめの頃(今もほんの時々)は竜樹さんがびっくりしてしまうようなこともやらかしてた。
怒りもすれば泣きもする。
落ち込めば人を見て羨むし、僻みもする。
些細なことで笑いもすれば、すっころぶもある、どこにでもいるような人。
竜樹さんの病気の件がなければ、そんな面ばかりが前面に出てるような人のままだったかもしれない。
多分、ここでこうして綴ってるようなことを考えもしないまま、一生を過ごしたかもしれない。
その方がよかったかもしれない。
けれど。
竜樹さんの生き死に直面して初めて芽生えた想いがある。
言い訳でも負け惜しみでもなんでもなくて。
心にあるいろんな澱を除けていって最後に残った想い。
「いろんなことはあるけれど、もしかしたら夢は叶わないかもしれないけれど。
それでも、竜樹さんが生きていてくれてよかった。
生きて私の隣にいてくれることが嬉しい」
竜樹さんの痛みや辛さや負ってしまった傷を、私自身の存在を以ってチャラにするなんてことは出来ないと思ってる。
そんなこと、考えるほうが傲慢ってもんだろう?って私自身については思ってる。
痛みや辛さや傷なんてものは本人にしか越えることはできない。
誰もそれを代わってやることは出来ない。
鈍色した切なさややるせなさの中で自分が出来ることの精一杯を尽くすしかない。
無力な私にはそれしか出来ないのだから。
竜樹さんファミリーと旅行に出る手前からずっと考えていたことがある。
追々書けていない日の出来事を綴る過程で似たような話は出てくるだろうけれど。
竜樹さんの隣にいるということはどういうことなのか?
竜樹さんの命を預かるということはどんなことなのか?
冷静に聞いていたら、鼻を吹くようなことを大まじめに考えていたんだ。
普通の状態で大切だと想う人の隣にいることに対して、「命を預かる」なんてなフレーズは使わないだろうと思う。
それまでなら絶対に使わない、考えないような事柄だった。私にとっても。
けれど。
竜樹さんが病に倒れてから、彼の生き死にってところまで話が及びそうになった時から。
竜樹と共にあることは、その隣に立ちつづけることは、その命を預かることのような気がずっとしてた。
命を預かるというのは生半可じゃ出来ないんだと思う。
そもそも、そんな言葉を使うこと自体がとてつもなく竜樹さんにとって不遜な物言いなのかもしれない。
もしも、この闘病生活がこのまま終焉を迎えてくれるなら、別に考える必要などないのかもしれない。
もう少し甘やかな、もう少しだけ我儘の言える状態になるのかもしれない。
けれど、終焉どころかもう一度手術する羽目になるのなら。
前回と同じ規模の手術に同じだけの闘病期間を要するとなれば、話は微妙に変わってくる。
あの苦しさを竜樹さんはもう一度越えなければならない。
それもあくまで手術が上手くいけばの話であって。
失敗すれば、今よりも更に悪くなることだって想定できる。
それこそ前回以上の、生き死にに直面するのかもしれない。
そう考えを進めていけば、最後にぶつかるのは「命を預かる」という命題。
医療関係者のように、直接彼に何かが出来るわけでない。
ましてや、本人の痛みや苦しみをそっくり受け取って代わってあげることも出来ない。
できることは、何かが起こったときに、自分の出来る最善で対処すること。
必要以上に嘆くでなく、必要以上に大騒ぎするでなく。
ただ、彼が生きてるということを喜び、その傍を歩くこと。
大それた言い方の割に、中身が伴わない気がしないでもないけれど、
私にとって竜樹の命を預かるというのはそういうことなんだろうということに、やっと辿りつけたんだ。
自分の心の全てを竜樹さんに預けられたら、どれほどよかっただろう。
彼の健康状態を気にすることなく、いろんなものを受け渡していけるならどれほどよかっただろう。
けれど、それですら自分が選んだことなんだろうから。
答に辿り着くまでにいろんな人の手を借りた、そんなかけらを眺めながら。
どん底まで思考が落っこちた時に、それでも心の傍にいてくれた大切な人たちに感謝しながら、竜樹さんと歩くだろう道程をただあるがまま眺める。
…けれど、あるがまま流される気はないんだよ?
きっと二人が辿り着ける最も暖かで心地よい場所を目指して、
精一杯抗うんだろうね、私は。
明日を乗り切れば3連休。
明日会社が終わったら、竜樹さんのお気に入りのご飯を持って、
竜樹さんに逢いに行こう。
とびっきりの笑顔を持って逢いに行こう。
腹の決まった私が、竜樹さんの役に少しでも立てますように。
彼の命を預かるに足りるだけの人間になれますように。
昨日、へっぽこVAIOくんが金岡家に帰還したからだろうか?
それとも、左側の放つ居直りモードが効いてるのか?
心持ち調子がいい。
いつもよりも少しだけ早い時間に家をでて、駅に向かう。
駅に着いて、いつものように朝メールを飛ばす。
へっぽこVAIOくんがいなかった間に携帯から飛ばしたメールを読み返しながら、
それまでのことを少し振り返ったりした。
「ずっと、こんな日が続くんだと思ってたよ」
確か、以前やったゲームか何かで出てきたような台詞なんだけれど。
竜樹さんと一緒にい始めた頃からいろいろあったから、穏やかな日々が永遠に続くみたいに思ったことはなかったけれど。
たまにやってくる凪のような時間が訪れた時、それが永遠に続けばいいと、それが永遠に続くだろうと思っていた。
けれど、それが望めなくなった。
それは竜樹さんの生き死にが絡んできたから。
生き死にに直面しなかったら、もっと我儘が言えたかも知れない。
普通のカップルが当たり前のように出来ることが私たちにとっても当たり前のものであって、それが特別なものであることを考えることなくいられたかもしれない。
「霄さんのこと、仏様みたいな人だと思ってました」
メッセやメールで毎日のようにやり取りしたり、電話で話したり逢ったりした人に時々そんなことを言われる。
竜樹さんの生き死にに直面しなかったら、多分誰もそんな風には言わなかったと思う。
生来はかなりの激情家で、はじめの頃(今もほんの時々)は竜樹さんがびっくりしてしまうようなこともやらかしてた。
怒りもすれば泣きもする。
落ち込めば人を見て羨むし、僻みもする。
些細なことで笑いもすれば、すっころぶもある、どこにでもいるような人。
竜樹さんの病気の件がなければ、そんな面ばかりが前面に出てるような人のままだったかもしれない。
多分、ここでこうして綴ってるようなことを考えもしないまま、一生を過ごしたかもしれない。
その方がよかったかもしれない。
けれど。
竜樹さんの生き死に直面して初めて芽生えた想いがある。
言い訳でも負け惜しみでもなんでもなくて。
心にあるいろんな澱を除けていって最後に残った想い。
「いろんなことはあるけれど、もしかしたら夢は叶わないかもしれないけれど。
それでも、竜樹さんが生きていてくれてよかった。
生きて私の隣にいてくれることが嬉しい」
竜樹さんの痛みや辛さや負ってしまった傷を、私自身の存在を以ってチャラにするなんてことは出来ないと思ってる。
そんなこと、考えるほうが傲慢ってもんだろう?って私自身については思ってる。
痛みや辛さや傷なんてものは本人にしか越えることはできない。
誰もそれを代わってやることは出来ない。
鈍色した切なさややるせなさの中で自分が出来ることの精一杯を尽くすしかない。
無力な私にはそれしか出来ないのだから。
竜樹さんファミリーと旅行に出る手前からずっと考えていたことがある。
追々書けていない日の出来事を綴る過程で似たような話は出てくるだろうけれど。
竜樹さんの隣にいるということはどういうことなのか?
竜樹さんの命を預かるということはどんなことなのか?
冷静に聞いていたら、鼻を吹くようなことを大まじめに考えていたんだ。
普通の状態で大切だと想う人の隣にいることに対して、「命を預かる」なんてなフレーズは使わないだろうと思う。
それまでなら絶対に使わない、考えないような事柄だった。私にとっても。
けれど。
竜樹さんが病に倒れてから、彼の生き死にってところまで話が及びそうになった時から。
竜樹と共にあることは、その隣に立ちつづけることは、その命を預かることのような気がずっとしてた。
命を預かるというのは生半可じゃ出来ないんだと思う。
そもそも、そんな言葉を使うこと自体がとてつもなく竜樹さんにとって不遜な物言いなのかもしれない。
もしも、この闘病生活がこのまま終焉を迎えてくれるなら、別に考える必要などないのかもしれない。
もう少し甘やかな、もう少しだけ我儘の言える状態になるのかもしれない。
けれど、終焉どころかもう一度手術する羽目になるのなら。
前回と同じ規模の手術に同じだけの闘病期間を要するとなれば、話は微妙に変わってくる。
あの苦しさを竜樹さんはもう一度越えなければならない。
それもあくまで手術が上手くいけばの話であって。
失敗すれば、今よりも更に悪くなることだって想定できる。
それこそ前回以上の、生き死にに直面するのかもしれない。
そう考えを進めていけば、最後にぶつかるのは「命を預かる」という命題。
医療関係者のように、直接彼に何かが出来るわけでない。
ましてや、本人の痛みや苦しみをそっくり受け取って代わってあげることも出来ない。
できることは、何かが起こったときに、自分の出来る最善で対処すること。
必要以上に嘆くでなく、必要以上に大騒ぎするでなく。
ただ、彼が生きてるということを喜び、その傍を歩くこと。
大それた言い方の割に、中身が伴わない気がしないでもないけれど、
私にとって竜樹の命を預かるというのはそういうことなんだろうということに、やっと辿りつけたんだ。
自分の心の全てを竜樹さんに預けられたら、どれほどよかっただろう。
彼の健康状態を気にすることなく、いろんなものを受け渡していけるならどれほどよかっただろう。
けれど、それですら自分が選んだことなんだろうから。
答に辿り着くまでにいろんな人の手を借りた、そんなかけらを眺めながら。
どん底まで思考が落っこちた時に、それでも心の傍にいてくれた大切な人たちに感謝しながら、竜樹さんと歩くだろう道程をただあるがまま眺める。
…けれど、あるがまま流される気はないんだよ?
きっと二人が辿り着ける最も暖かで心地よい場所を目指して、
精一杯抗うんだろうね、私は。
明日を乗り切れば3連休。
明日会社が終わったら、竜樹さんのお気に入りのご飯を持って、
竜樹さんに逢いに行こう。
とびっきりの笑顔を持って逢いに行こう。
腹の決まった私が、竜樹さんの役に少しでも立てますように。
彼の命を預かるに足りるだけの人間になれますように。
ただいま。(暫定版ご挨拶)
2001年11月20日大変ご無沙汰しております。
金岡霄です。
実は暫く金岡家からパソコンがなくなり、ネットにあがって日記を書ける状態ではありませんでした。
8月に落雷を受けてパソコンのモデムが壊れ、暫くはカードH〃でよろよろネットをしたり、竜樹さんからノートパソコンを借りて日記を書いたりしてる時期がありました。
けれど、竜樹さんのパソコンを返却する時期と私のパソコンが修理から戻らない時期が重なってしまったために物理的にあがれない期間が少しばかりありました。
11月に入ってからは、竜樹さんのパソコンは手元にあったけれど、個人的に日記帳に上がれないという時期もありました。
体調不良もありましたし、精神的にあがれないだけの事情もありました。
それはこれから穴埋めするだろう日記もしくは、これから書き綴っていく中で取り上げることになると思いますので、今は詳しく書かないでおきます。
暫くは、散文帳に書く方が楽だったために、そちらにばかり書いてしまってた時期もあります。
だから、日記休業と言ってもほとんど休業してたイメージのない方もいらっしゃったかもしれません。
元々、この日記に取り上げられることのない刹那の思考を書き留めるつもりで始めた散文帳でしたが、こちらの正式版日記を止めた状態で散文帳ばかり書いていたために、散文帳の感情が私のその時のメインの感情だと受け止められてしまった部分があったのだということに、最近気が付きました。
そのために、私側の立場から見ると非常に不本意な誤解を受けた部分もあったようです。
それについてここで詳細について言及するつもりはありません。
もしかしたら、こちらの日記もしくは散文帳に思ったことの記録として残すことはあるかもしれませんが、それを以って個人攻撃に代える気はありません。
それは、私の日記帳の扱い方に問題があったのかもしれないと思う部分もあるから。
そういう意味でも反省材料が見つかった休業期間でした。
いろいろ考える中で、私の中に残った想いや、時分の中で息づいてるもの、変わってしまったものは自分が書きたいと思ったときに都度あげていこうと思います。
黙ってふらっと消えてしまった感のある期間でしたので、ちゃんと連絡が取れずにいたお友達にはご迷惑をおかけしたかもしれません。
ごめんなさい。
物理的にも精神的にも、日記を書けそうかもという状態まで回復しました。
もしも、まだ付き合ってやるわという人がいらっしゃったら。
引き続き宜しくお願いします。
ひとまず、今日はこの辺で。
金岡霄です。
実は暫く金岡家からパソコンがなくなり、ネットにあがって日記を書ける状態ではありませんでした。
8月に落雷を受けてパソコンのモデムが壊れ、暫くはカードH〃でよろよろネットをしたり、竜樹さんからノートパソコンを借りて日記を書いたりしてる時期がありました。
けれど、竜樹さんのパソコンを返却する時期と私のパソコンが修理から戻らない時期が重なってしまったために物理的にあがれない期間が少しばかりありました。
11月に入ってからは、竜樹さんのパソコンは手元にあったけれど、個人的に日記帳に上がれないという時期もありました。
体調不良もありましたし、精神的にあがれないだけの事情もありました。
それはこれから穴埋めするだろう日記もしくは、これから書き綴っていく中で取り上げることになると思いますので、今は詳しく書かないでおきます。
暫くは、散文帳に書く方が楽だったために、そちらにばかり書いてしまってた時期もあります。
だから、日記休業と言ってもほとんど休業してたイメージのない方もいらっしゃったかもしれません。
元々、この日記に取り上げられることのない刹那の思考を書き留めるつもりで始めた散文帳でしたが、こちらの正式版日記を止めた状態で散文帳ばかり書いていたために、散文帳の感情が私のその時のメインの感情だと受け止められてしまった部分があったのだということに、最近気が付きました。
そのために、私側の立場から見ると非常に不本意な誤解を受けた部分もあったようです。
それについてここで詳細について言及するつもりはありません。
もしかしたら、こちらの日記もしくは散文帳に思ったことの記録として残すことはあるかもしれませんが、それを以って個人攻撃に代える気はありません。
それは、私の日記帳の扱い方に問題があったのかもしれないと思う部分もあるから。
そういう意味でも反省材料が見つかった休業期間でした。
いろいろ考える中で、私の中に残った想いや、時分の中で息づいてるもの、変わってしまったものは自分が書きたいと思ったときに都度あげていこうと思います。
黙ってふらっと消えてしまった感のある期間でしたので、ちゃんと連絡が取れずにいたお友達にはご迷惑をおかけしたかもしれません。
ごめんなさい。
物理的にも精神的にも、日記を書けそうかもという状態まで回復しました。
もしも、まだ付き合ってやるわという人がいらっしゃったら。
引き続き宜しくお願いします。
ひとまず、今日はこの辺で。
コメントをみる |

1年前の今日(覚え書き)
2001年11月1日去年の今日、大切な言葉を貰った。
大雨の降る中、青空色した大切な想いを。
あの時はただびっくりして、「はい」としか答えなかったけれど。
とてもとても嬉しかったんだ。
あれから、いろんなことがあって。
あなたの中で気持ちは移ろったのかな?
そのことについて、ちゃんと聞いてないけれど。
この1週間。
些細なことからいろいろ考えたけれど、
最後に残ったのはやっぱりたった一つの想いでした。
「あなたの傍にずっといたい」
気持ちは6年前から変わってはいなかったのです。
明日逢うとき、ちゃんと伝えたいと思います。
痛さや辛さで、鈍色の雲が垂れ込めてるあなたの心に、
青空のかけらを届けられるかな?
1年前、あなたがなけなしの想いを届けてくれたように。
1年後、私もまたなけなしの想いを贈ろう。
1年前の今日のことを思い出して、
二人で歩き続けられますように。
1年前の今日きちんと話せなかったことを、
1年後の明日、きちんと伝えられますように。
大雨の降る中、青空色した大切な想いを。
あの時はただびっくりして、「はい」としか答えなかったけれど。
とてもとても嬉しかったんだ。
あれから、いろんなことがあって。
あなたの中で気持ちは移ろったのかな?
そのことについて、ちゃんと聞いてないけれど。
この1週間。
些細なことからいろいろ考えたけれど、
最後に残ったのはやっぱりたった一つの想いでした。
「あなたの傍にずっといたい」
気持ちは6年前から変わってはいなかったのです。
明日逢うとき、ちゃんと伝えたいと思います。
痛さや辛さで、鈍色の雲が垂れ込めてるあなたの心に、
青空のかけらを届けられるかな?
1年前、あなたがなけなしの想いを届けてくれたように。
1年後、私もまたなけなしの想いを贈ろう。
1年前の今日のことを思い出して、
二人で歩き続けられますように。
1年前の今日きちんと話せなかったことを、
1年後の明日、きちんと伝えられますように。
ブレーキかかってしまってます(T_T)
2001年10月31日楽しかった温泉旅行の話を纏めたいと毎日思いながら会社から戻ってくるのですが、どうも体調不良をぶり返してるのか、すぐに眠ってしまっています。
…しかも、休み明け出勤したとき、課長がひいてる凶悪なる風邪を貰ってしまったみたいです。
さすがに課長のように労咳と見紛うほどの咳はでてないのですが(爆)、ただでさえ中耳炎声といわれる低い声が、何もしてなくても人を威嚇してるような声に聞こえるほど、喉にきています。
へっぽこ旅行記を待っていてくれてる数少ないお友達にごめんなさいm(__)m
メールのお返事も止まっています。ごめんなさいm(__)m
…あ、宙レスもだ(爆)
それと、旅行から帰ってきたあと、ちょっとしたことで心が曇ってしまっていて、複雑なる気持ちで日々過ごしております。
それも吐き出してしまいたいとは思うんだけど…
ただ、明日は私にとって特別なる日なので、気持ち的には明日までに旅行記からここまでのことを書いてしまいたいなぁとは思っています。
書けども書けども嘘吐きのような状態で、家に戻ると何も出来ないんですが…
とりあえず、近況報告でした。
今日は元気が残ってるといいなぁ…
旅行から戻ってきてから、暖かなメッセージをたくさんくれた友達に、ありがとう。
今日は月末だけど、早く帰れるといいなぁ。
旅行記も書けるといいなぁ…(遠い目)
…しかも、休み明け出勤したとき、課長がひいてる凶悪なる風邪を貰ってしまったみたいです。
さすがに課長のように労咳と見紛うほどの咳はでてないのですが(爆)、ただでさえ中耳炎声といわれる低い声が、何もしてなくても人を威嚇してるような声に聞こえるほど、喉にきています。
へっぽこ旅行記を待っていてくれてる数少ないお友達にごめんなさいm(__)m
メールのお返事も止まっています。ごめんなさいm(__)m
…あ、宙レスもだ(爆)
それと、旅行から帰ってきたあと、ちょっとしたことで心が曇ってしまっていて、複雑なる気持ちで日々過ごしております。
それも吐き出してしまいたいとは思うんだけど…
ただ、明日は私にとって特別なる日なので、気持ち的には明日までに旅行記からここまでのことを書いてしまいたいなぁとは思っています。
書けども書けども嘘吐きのような状態で、家に戻ると何も出来ないんですが…
とりあえず、近況報告でした。
今日は元気が残ってるといいなぁ…
旅行から戻ってきてから、暖かなメッセージをたくさんくれた友達に、ありがとう。
今日は月末だけど、早く帰れるといいなぁ。
旅行記も書けるといいなぁ…(遠い目)
ちょっとしたお知らせ
2001年10月29日これから温泉旅行記+αの日記をあげる予定ですが、こちらに戻ってきてから羽目を外しすぎまして、まだ完成してない状態です(^^ゞ
散文帳のほうに変な散文をあげてしまっていますが、とても楽しい旅行でした。
4連休後の会社の仕事のたまり具合が恐ろしいですが、頑張って旅行記の方は仕上げたいと思います。
散々心配かけて出発しましたので、ひとまず無事に戻ってきたことと楽しく過ごせたことだけ取り急ぎご報告しておきます。
暖かい言葉をかけてくれた友達にありがとう。
旅行中もいろいろありましたが、少しだけ元気取り戻せた気がします。
それでは今はこの辺で。
金岡 霄 拝
散文帳のほうに変な散文をあげてしまっていますが、とても楽しい旅行でした。
4連休後の会社の仕事のたまり具合が恐ろしいですが、頑張って旅行記の方は仕上げたいと思います。
散々心配かけて出発しましたので、ひとまず無事に戻ってきたことと楽しく過ごせたことだけ取り急ぎご報告しておきます。
暖かい言葉をかけてくれた友達にありがとう。
旅行中もいろいろありましたが、少しだけ元気取り戻せた気がします。
それでは今はこの辺で。
金岡 霄 拝
笑顔取り戻せるかは判らないけど…
2001年10月24日今日から数日、留守にします。
「最近更新が滞ってるから、いつでも留守じゃないか?」と言われたら返す言葉も無いのですが…
ここ数日、いろんな想いに捕まりました。
ただ大切な人の笑顔が見たいと思ってだーっと走ってみたり、
思わぬことに気がついて泣きはらしたり。
久しぶりに大好きな友達に叱られたり、
思わぬところから想いを貰ったり。
自分がいっぱいいっぱいでも、大切な人の笑顔のかけらになりたいと思う気持ちが私の中に残っていたこと。
私の心の傍にいてくれる人がいてたんだと判ったこと。
それは立て直しを図るうえで大切な要素となるのだろうと思います。
留守をして、温泉に入れば笑顔が戻ってくるとは思わないけれど。
仕事という、今頭を抱えてる問題の一つを一時的にはずして、見えてくる景色から次の方向性を探そうと思います。
笑顔を取り戻せるかどうかはわからないけれど。
少しでも元気になって帰って来れたらと思います。
今とは少しだけ違う、私の心を探してきます。
待っていてくれるなら、ありがたいです。
数日のちに、またここでお逢いしましょう。
暖かな気持ちをくれたすべての大切な友達に。
ありがとう。
行ってきます。
「最近更新が滞ってるから、いつでも留守じゃないか?」と言われたら返す言葉も無いのですが…
ここ数日、いろんな想いに捕まりました。
ただ大切な人の笑顔が見たいと思ってだーっと走ってみたり、
思わぬことに気がついて泣きはらしたり。
久しぶりに大好きな友達に叱られたり、
思わぬところから想いを貰ったり。
自分がいっぱいいっぱいでも、大切な人の笑顔のかけらになりたいと思う気持ちが私の中に残っていたこと。
私の心の傍にいてくれる人がいてたんだと判ったこと。
それは立て直しを図るうえで大切な要素となるのだろうと思います。
留守をして、温泉に入れば笑顔が戻ってくるとは思わないけれど。
仕事という、今頭を抱えてる問題の一つを一時的にはずして、見えてくる景色から次の方向性を探そうと思います。
笑顔を取り戻せるかどうかはわからないけれど。
少しでも元気になって帰って来れたらと思います。
今とは少しだけ違う、私の心を探してきます。
待っていてくれるなら、ありがたいです。
数日のちに、またここでお逢いしましょう。
暖かな気持ちをくれたすべての大切な友達に。
ありがとう。
行ってきます。
気がついてしまったこと
2001年10月22日何気なく見つめていたディスプレイ。
暖かな想いに包まれた大切な人たちを眺めてほっとしたのもつかの間。
…とんでもないことに気がついてしまった。
せっかく立ち直れそうだと思っていたのに。
やっと少しだけいつものようになれると思ったのに。
1日かけていろんな想いと触れ合って、やっと元気になれたと思ったのに。
また想いは迷路に迷い込んだ。
本当の不調の原因は、一番近くて一番気がつかないところに眠っていたんだ。
…それは、自分自身の心の中。
「自分の存在は彼の痛みと秤にかけられれば常に負け続けるものなのだ」という一つの事実。
見て見ない振りをしてただけなのか、
それとも最近になって芽生えた感情なのか。
それすら判らないけれど。
いろんなことが重なってしまった現状では、
その事実を越えられるだけの余力が見出せない。
誰かの中にある私の像を壊してしまうことを、
誰かの心に大きな失望を齎してしまうことを、
恐れなかったわけじゃない。
けれど、これが今の私。
誰より何より、こんな自分に一番失望してるのは、他でもない自分自身。
そして、腹を括らなくてはならなくなった。
本当の敵は、他でもない自分自身だということを。
制圧しなければならないのは、他でもない自分自身の強欲だということを。
できるなら、気が付きたくはなかった。
一生知りたくはなかった。
暖かな想いに包まれた大切な人たちを眺めてほっとしたのもつかの間。
…とんでもないことに気がついてしまった。
せっかく立ち直れそうだと思っていたのに。
やっと少しだけいつものようになれると思ったのに。
1日かけていろんな想いと触れ合って、やっと元気になれたと思ったのに。
また想いは迷路に迷い込んだ。
本当の不調の原因は、一番近くて一番気がつかないところに眠っていたんだ。
…それは、自分自身の心の中。
「自分の存在は彼の痛みと秤にかけられれば常に負け続けるものなのだ」という一つの事実。
見て見ない振りをしてただけなのか、
それとも最近になって芽生えた感情なのか。
それすら判らないけれど。
いろんなことが重なってしまった現状では、
その事実を越えられるだけの余力が見出せない。
誰かの中にある私の像を壊してしまうことを、
誰かの心に大きな失望を齎してしまうことを、
恐れなかったわけじゃない。
けれど、これが今の私。
誰より何より、こんな自分に一番失望してるのは、他でもない自分自身。
そして、腹を括らなくてはならなくなった。
本当の敵は、他でもない自分自身だということを。
制圧しなければならないのは、他でもない自分自身の強欲だということを。
できるなら、気が付きたくはなかった。
一生知りたくはなかった。
コメントをみる |

「白い嘘」をつき続けられなくて…
2001年10月17日今書いてるのは、日記でもなければ覚え書きでもありません。
この日あったことは非常に自分にとってはいいことだったから残しておきたい気持ちでいっぱいなんだけれども…。
今は、自分でも訳がわからないほどいろんな意味で不調です。
家に帰ると意識がなくなり、朝起きてはしないといけないことの山を見てストレスを感じる毎日。
きっとこれは誰に何を言われても、私自身がこんな性格だから改善の余地もへったくれもないのですが…
いろんな意味で、少々の無理はいつでも積み残してきてはいます。
咄嗟に「大丈夫。もう戻るわ」って笑って言ってしまうのは、ある時期にいろんなことが重なってしまって以来ついてしまった癖のようなものです。
もちろん本人には、元気になりたい意思も元通りに戻したい意思も腐るほどあるのはあります。
いろんなご意見はあるのでしょうが、大切な人たちに心配をかけたくないという想いから、「大丈夫」と言ってしまうのは、罪のない嘘だと思っています。
だから、この癖を決して悪いもののようには私自身の中で捉えてはいません。
「白い嘘」をつくことは、自分自身にしんどいだけだから。
自分にしんどいのは誰に迷惑をかけてるわけでないから、これでよいのだと思ってずっと生きてきました。
実際、私の顔を見て話すことのできる友達はこれで誤魔化し遂せたから。
それはオフの友達が他人の感情に気づかない人達だだっていう訳ではないと思います。
もしかしたら、私一人が誤魔化し遂せたと思い込んでるに過ぎないのかもしれません。
本当は判っててだまされた振りをしてくれてるだけかな?と感じる人もいます。
けれど、日記を通じて心通わせた友達には、何でか私の「白い嘘」は最初から通りませんでした。
きっと、誤魔化しという部分のないところで話をし続けてるからかもしれません。
何より、実際問題として私自身が「白い嘘」を通せるだけの精神力が今はありません。
「まだ大丈夫」だと思っているけれど、体がその通りには動いてくれません。
ここで今、詳しいことは書きませんが、いろんなことが重なってかなり参ってるのは事実みたいです。
気持ちがなかなか浮上しないというのもありますが、気力で身体を起こしていられないほど疲れてるのがこれほど長く続いてしまうと、「かなり参っているのかな?」と自覚せざるを得ない部分はあるなと思っています。
それをもどかしく思う自分がいます。
それがストレスを加速させてるという指摘もあります。
今、「白い嘘」のない状態で言えることは。
竜樹さんと私は仲良くやっています。
多分、両者の中に別れる意思はないと思います。
けれど、この先もこの関係を維持していけるかどうか、本当に精神力を問われるような事態の中に二人はいてます。
本当に精神力と知恵と体力を含めて、自分の中にある力を出し惜しみしてられなくなるようなところにあります。
会社でめちゃめちゃストレスためてます。
その原因について、詳しく書きたくないので今は割愛です。
ただ、いつだったかに書いた「札束で頬っ面を叩かれたら〜」の一件が形を変えてはいてもまだ続いているのが大きな原因ではあります。
業務上のストレスなんて今に始まったことじゃないから、これまた割愛です(笑)
今回は愚痴を並べに来たわけじゃないから。
今はいろんな意味で、迷いや憤りや物理的困難と格闘中です。
その中で、本当に心が暖かくなるような出来事に遭遇してる毎日で、それをすんごい書き留めておきたいって気持ちはあるのですが。
今は家に帰ってきて夕飯を食べるまで意識を繋いでいられるかどうかも怪しいような状態です。
「白い嘘」をつくなら、もっと徹底してなきゃかえって心配かけることはわかってたことだけど。
それでも、大切な人に心配をかけたおすのは嫌だった。
書きたくないって思うからここに来ないのではなく、物理的に書けないから。
いつ落ち着くのかすら判らないけれど、正式版は体が落ち着くまで休みます。
覚え書きも自分が覚えていたいから、あげます。
手抜きと言われても、居直ります。
いろんなところに配慮できるだけの余裕が今は見繕えないので。
こんなしょうもない挨拶を以って、近況をご報告しておきます。
散文資材倉庫の方でお世話になってるお友達にもごめんなさい。
いろいろ思うところがあって始めたはいいけれど、今はちょっと辛いや。
ちょっとばっか、闘ってきます。
白い嘘をつきとおせないほどの余裕のない自分と、行く手を遮るいろんな壁と。
何か一つでも取り返せたり越えれたりしたら、また覚え書き攻撃以前の私に逢えると思います。
それでも「待っててやるぜ。うるせぇなぁ」とただ私の心の傍にいてくれるなら、嬉しいです。
大好きな私の大切な人たちに。
私の嘘のない部分から、心を込めて。
「愛してるぜ」
この日あったことは非常に自分にとってはいいことだったから残しておきたい気持ちでいっぱいなんだけれども…。
今は、自分でも訳がわからないほどいろんな意味で不調です。
家に帰ると意識がなくなり、朝起きてはしないといけないことの山を見てストレスを感じる毎日。
きっとこれは誰に何を言われても、私自身がこんな性格だから改善の余地もへったくれもないのですが…
いろんな意味で、少々の無理はいつでも積み残してきてはいます。
咄嗟に「大丈夫。もう戻るわ」って笑って言ってしまうのは、ある時期にいろんなことが重なってしまって以来ついてしまった癖のようなものです。
もちろん本人には、元気になりたい意思も元通りに戻したい意思も腐るほどあるのはあります。
いろんなご意見はあるのでしょうが、大切な人たちに心配をかけたくないという想いから、「大丈夫」と言ってしまうのは、罪のない嘘だと思っています。
だから、この癖を決して悪いもののようには私自身の中で捉えてはいません。
「白い嘘」をつくことは、自分自身にしんどいだけだから。
自分にしんどいのは誰に迷惑をかけてるわけでないから、これでよいのだと思ってずっと生きてきました。
実際、私の顔を見て話すことのできる友達はこれで誤魔化し遂せたから。
それはオフの友達が他人の感情に気づかない人達だだっていう訳ではないと思います。
もしかしたら、私一人が誤魔化し遂せたと思い込んでるに過ぎないのかもしれません。
本当は判っててだまされた振りをしてくれてるだけかな?と感じる人もいます。
けれど、日記を通じて心通わせた友達には、何でか私の「白い嘘」は最初から通りませんでした。
きっと、誤魔化しという部分のないところで話をし続けてるからかもしれません。
何より、実際問題として私自身が「白い嘘」を通せるだけの精神力が今はありません。
「まだ大丈夫」だと思っているけれど、体がその通りには動いてくれません。
ここで今、詳しいことは書きませんが、いろんなことが重なってかなり参ってるのは事実みたいです。
気持ちがなかなか浮上しないというのもありますが、気力で身体を起こしていられないほど疲れてるのがこれほど長く続いてしまうと、「かなり参っているのかな?」と自覚せざるを得ない部分はあるなと思っています。
それをもどかしく思う自分がいます。
それがストレスを加速させてるという指摘もあります。
今、「白い嘘」のない状態で言えることは。
竜樹さんと私は仲良くやっています。
多分、両者の中に別れる意思はないと思います。
けれど、この先もこの関係を維持していけるかどうか、本当に精神力を問われるような事態の中に二人はいてます。
本当に精神力と知恵と体力を含めて、自分の中にある力を出し惜しみしてられなくなるようなところにあります。
会社でめちゃめちゃストレスためてます。
その原因について、詳しく書きたくないので今は割愛です。
ただ、いつだったかに書いた「札束で頬っ面を叩かれたら〜」の一件が形を変えてはいてもまだ続いているのが大きな原因ではあります。
業務上のストレスなんて今に始まったことじゃないから、これまた割愛です(笑)
今回は愚痴を並べに来たわけじゃないから。
今はいろんな意味で、迷いや憤りや物理的困難と格闘中です。
その中で、本当に心が暖かくなるような出来事に遭遇してる毎日で、それをすんごい書き留めておきたいって気持ちはあるのですが。
今は家に帰ってきて夕飯を食べるまで意識を繋いでいられるかどうかも怪しいような状態です。
「白い嘘」をつくなら、もっと徹底してなきゃかえって心配かけることはわかってたことだけど。
それでも、大切な人に心配をかけたおすのは嫌だった。
書きたくないって思うからここに来ないのではなく、物理的に書けないから。
いつ落ち着くのかすら判らないけれど、正式版は体が落ち着くまで休みます。
覚え書きも自分が覚えていたいから、あげます。
手抜きと言われても、居直ります。
いろんなところに配慮できるだけの余裕が今は見繕えないので。
こんなしょうもない挨拶を以って、近況をご報告しておきます。
散文資材倉庫の方でお世話になってるお友達にもごめんなさい。
いろいろ思うところがあって始めたはいいけれど、今はちょっと辛いや。
ちょっとばっか、闘ってきます。
白い嘘をつきとおせないほどの余裕のない自分と、行く手を遮るいろんな壁と。
何か一つでも取り返せたり越えれたりしたら、また覚え書き攻撃以前の私に逢えると思います。
それでも「待っててやるぜ。うるせぇなぁ」とただ私の心の傍にいてくれるなら、嬉しいです。
大好きな私の大切な人たちに。
私の嘘のない部分から、心を込めて。
「愛してるぜ」
コメントをみる |

そろそろ…
2001年10月15日相変わらず、月曜日は大嫌い。
働くことが嫌いというより、今はあの会社に行くのが苦痛だから。
私の受け持つ仕事に半ばうんざりしてたのもあるけれど、
今は昼休みですら、気持ちが休まらないことばかりだから。
けれど。
昨日は竜樹さんに逢えた。
帰ってきたら、嬉しいことがいくつもあった。
朝、少し早く目が覚めたら、嬉しいことはもっと増えていた。
だから、もうそろそろ。
いろんなことを元通りに戻そうか?
竜樹さんへの想いや自分自身の想いをランダムに綴る場所に重きを置く以上に、
竜樹さんと話したこと。
竜樹さんと笑いあったこと。
竜樹さんちでご飯を作ったこと。
竜樹さんと暖かな時間をもてたこと。
「何があったんかな?」って思ってもらう以上に、
あったことの記憶を大切な人たちに渡したいと思うから。
そろそろ元通りに戻そう。
働くことが嫌いというより、今はあの会社に行くのが苦痛だから。
私の受け持つ仕事に半ばうんざりしてたのもあるけれど、
今は昼休みですら、気持ちが休まらないことばかりだから。
けれど。
昨日は竜樹さんに逢えた。
帰ってきたら、嬉しいことがいくつもあった。
朝、少し早く目が覚めたら、嬉しいことはもっと増えていた。
だから、もうそろそろ。
いろんなことを元通りに戻そうか?
竜樹さんへの想いや自分自身の想いをランダムに綴る場所に重きを置く以上に、
竜樹さんと話したこと。
竜樹さんと笑いあったこと。
竜樹さんちでご飯を作ったこと。
竜樹さんと暖かな時間をもてたこと。
「何があったんかな?」って思ってもらう以上に、
あったことの記憶を大切な人たちに渡したいと思うから。
そろそろ元通りに戻そう。