足りないものがあるなら…
2002年10月16日昨日は仕事場でこてんぱんにのされてすっかり疲れてしまったので、竜樹さんとの電話が終わったら早々に眠ってしまった。
なのに、どことなく身体はだるい。
朝起きて見上げた空は、秋晴れ。
ただ、暑いんだか涼しいんだかよく判らなくて、着るものに困った。
今日は竜樹さんは病院に行く予定。
術後の経過を診て貰うためのちょっとした検診。
前回のことを思うと、随分早く病院を出ることになってしまったことに手放しで喜んでいいのかどうか判らなかったけれど。
それでも、(身体の中はともかく)以前よりも格段に元気でいてくれてること。
それは間違いなく、嬉しいことだから。
…身体の中にも異常が残ってませんように
そう願いながら、急いで社屋に入る。
このところしんどくて、それに引きずられるようにして気力も落ちてる感じがする。
自分自身にとってはしんどいことの理由が腐るほどあるのは事実でも、それは「ここ」にいてる間通してはならないこと。
来年ここを飛び出すにせよ、留まるにせよ。
もう少し原点に立ち返ってみる必要があるのかもしれないなぁと思う。
気力が死んでる割には、割と粗相なく対応は出来てはいるとしても…
そんな風に思いながら、やってくる仕事の対応に追われていた。
ばたばたした午前中が終わり、ぼんやりと昼休みを過ごす。
ふと竜樹さんのことが気になって、メールをひとつ飛ばす。
「お昼食べた?今日は竜樹さんの予想は当たりそうな感じです(*^_^*)
…はずれの方が当たったら嫌だけど(-_-;)」
そんなメールを飛ばし終えると、友達からメールがぽかぽかと飛んでくる。
その度に「机の上でウシガエルが唸ってるぞーщ( ̄∀ ̄)ш」とボスが叫ぶ。
小さくなりながらメールを打ち返してるうちに、昼休みが終わってしまった。
昼からはのんびりした仕事の流れで少しぼんやり気味に仕事をしていた。
突然、鞄が揺れてびっくり。
そっと鞄を覗くと、竜樹さんから「無事に病院から戻ったよ」というメールだった。
…その文章がまた面白くて、笑いを堪えるのが大変だったけれど
それから暫くして、また鞄が揺れる。
そっと覗き込むと、竜樹さんからのメール。
今度は普通の文体で今日の診察の報告をしてくれていた。
「天気に恵まれて、病院までの小旅行になったわ。」
書き出しの部分で、今日の診察結果が喜べるものだろうなぁという気はした。
術後の身体の中の状態は、最初の手術した直後の状態と変わりなかったそう。
執刀医の先生は「また痛くなったのか?」と思ったみたいで、表情が強張っていたらしいけれど、診察してみて異常が見られないと判って安心された模様。
診察室での様子がとてもよく判る文章で、私も安心した。
…あとは少しずつリハビリして、もっと元気になれるように頑張っていくだけだね
そう思うと、また私の中で気力が息を吹き返したようで、仕事に対して意識を静めていった。
いつもよりは少ない仕事を片付け一息つくと、また鞄が揺れた。
見ると、またコミカルなメール。
「密書でござる!定時に帰れそうならば、連絡せよ!
帰れるならば、お迎えに上がる」
…これに乗らない訳がない。
今度は社員さんの目を盗んで、こちこちとメールを打つ。。
「定時に出ます(*^-^*)」
そっとメールを飛ばし、またちょろちょろやってくる仕事を片付けていく。
「仕事の後は、もれなく竜樹さん♪」
それは私には一番のご褒美だから…
定時に会社を飛び出して、竜樹さんがいつも待っててくれる場所に向かう。
暫く待ったけれど、竜樹さんは迎えにきてくれた。
「お疲れ〜♪(*^-^*)」
「竜樹さんもお疲れ〜♪(o^−^o)」
楽しい放課後デートが始まる。
竜樹邸に着いて、ご飯を食べようということになって、簡単に済ませるためにレトルトカレーを探す竜樹さん。
「在庫、切れてる(>へ<)」
急遽、冷蔵庫に残ってたものを集めて他人丼を作り、二人でキリンカップを見ながら過ごす。
ハーフに入った頃、竜樹さんはお風呂に入った。
私はひとりでキリンカップを見続ける。
「霄も風呂に入ったら?」
上がってきた竜樹さんの勧めに従って私もお風呂に入る。
ゆっくり浸かって上がってきて、二人であまあまな時間を過ごして…
気がつくと、帰らないとならない時間だった。
本当は帰りたくないなぁと思いながらも、今はまだその時ではなくて。
その時はいつかではなく、かなり近いうちにやってくると判ってはいるけれど…
仕事場での疲れを他所にやってくれる、愛しい時間と別れるのはやっぱり寂しいものがある。
…ふと、竜樹さんの背中に触れた。
「どしたんや?」
「…や、なんでもないです」
「ここなぁ、まだ感覚がないねん」
どうやらまだ神経の一部が繋がってないところがあるらしい。
その関係で身体の一部分が血行が悪くてひどく冷たくなっている。
暫く冷えきってる部分に触れつづける。
そんなもので冷え切った部分に熱が戻るのかどうかすらも判らないけれど、竜樹さんに声をかけられるまでずっとずっと冷え切った部分を抱き締めるように暖めつづけた。
こんな風に二人で過ごす時間が特別なものでなくなる日が来たとしても、二人でいる時間が大切なものだと思い続けていられたらいいなと思う。
その時間がずっと大切だと思うように、竜樹さんのことをずっと大切に想って生きていけたらと思う。
足りないものがあるなら、補えばいい。
困ることがあるなら、可能な限り補い合って生きていければいい。
いつまでも竜樹さんと小さな暖かさを守りながら、歩きたいなぁと願いつづける。
なのに、どことなく身体はだるい。
朝起きて見上げた空は、秋晴れ。
ただ、暑いんだか涼しいんだかよく判らなくて、着るものに困った。
今日は竜樹さんは病院に行く予定。
術後の経過を診て貰うためのちょっとした検診。
前回のことを思うと、随分早く病院を出ることになってしまったことに手放しで喜んでいいのかどうか判らなかったけれど。
それでも、(身体の中はともかく)以前よりも格段に元気でいてくれてること。
それは間違いなく、嬉しいことだから。
…身体の中にも異常が残ってませんように
そう願いながら、急いで社屋に入る。
このところしんどくて、それに引きずられるようにして気力も落ちてる感じがする。
自分自身にとってはしんどいことの理由が腐るほどあるのは事実でも、それは「ここ」にいてる間通してはならないこと。
来年ここを飛び出すにせよ、留まるにせよ。
もう少し原点に立ち返ってみる必要があるのかもしれないなぁと思う。
気力が死んでる割には、割と粗相なく対応は出来てはいるとしても…
そんな風に思いながら、やってくる仕事の対応に追われていた。
ばたばたした午前中が終わり、ぼんやりと昼休みを過ごす。
ふと竜樹さんのことが気になって、メールをひとつ飛ばす。
「お昼食べた?今日は竜樹さんの予想は当たりそうな感じです(*^_^*)
…はずれの方が当たったら嫌だけど(-_-;)」
そんなメールを飛ばし終えると、友達からメールがぽかぽかと飛んでくる。
その度に「机の上でウシガエルが唸ってるぞーщ( ̄∀ ̄)ш」とボスが叫ぶ。
小さくなりながらメールを打ち返してるうちに、昼休みが終わってしまった。
昼からはのんびりした仕事の流れで少しぼんやり気味に仕事をしていた。
突然、鞄が揺れてびっくり。
そっと鞄を覗くと、竜樹さんから「無事に病院から戻ったよ」というメールだった。
…その文章がまた面白くて、笑いを堪えるのが大変だったけれど
それから暫くして、また鞄が揺れる。
そっと覗き込むと、竜樹さんからのメール。
今度は普通の文体で今日の診察の報告をしてくれていた。
「天気に恵まれて、病院までの小旅行になったわ。」
書き出しの部分で、今日の診察結果が喜べるものだろうなぁという気はした。
術後の身体の中の状態は、最初の手術した直後の状態と変わりなかったそう。
執刀医の先生は「また痛くなったのか?」と思ったみたいで、表情が強張っていたらしいけれど、診察してみて異常が見られないと判って安心された模様。
診察室での様子がとてもよく判る文章で、私も安心した。
…あとは少しずつリハビリして、もっと元気になれるように頑張っていくだけだね
そう思うと、また私の中で気力が息を吹き返したようで、仕事に対して意識を静めていった。
いつもよりは少ない仕事を片付け一息つくと、また鞄が揺れた。
見ると、またコミカルなメール。
「密書でござる!定時に帰れそうならば、連絡せよ!
帰れるならば、お迎えに上がる」
…これに乗らない訳がない。
今度は社員さんの目を盗んで、こちこちとメールを打つ。。
「定時に出ます(*^-^*)」
そっとメールを飛ばし、またちょろちょろやってくる仕事を片付けていく。
「仕事の後は、もれなく竜樹さん♪」
それは私には一番のご褒美だから…
定時に会社を飛び出して、竜樹さんがいつも待っててくれる場所に向かう。
暫く待ったけれど、竜樹さんは迎えにきてくれた。
「お疲れ〜♪(*^-^*)」
「竜樹さんもお疲れ〜♪(o^−^o)」
楽しい放課後デートが始まる。
竜樹邸に着いて、ご飯を食べようということになって、簡単に済ませるためにレトルトカレーを探す竜樹さん。
「在庫、切れてる(>へ<)」
急遽、冷蔵庫に残ってたものを集めて他人丼を作り、二人でキリンカップを見ながら過ごす。
ハーフに入った頃、竜樹さんはお風呂に入った。
私はひとりでキリンカップを見続ける。
「霄も風呂に入ったら?」
上がってきた竜樹さんの勧めに従って私もお風呂に入る。
ゆっくり浸かって上がってきて、二人であまあまな時間を過ごして…
気がつくと、帰らないとならない時間だった。
本当は帰りたくないなぁと思いながらも、今はまだその時ではなくて。
その時はいつかではなく、かなり近いうちにやってくると判ってはいるけれど…
仕事場での疲れを他所にやってくれる、愛しい時間と別れるのはやっぱり寂しいものがある。
…ふと、竜樹さんの背中に触れた。
「どしたんや?」
「…や、なんでもないです」
「ここなぁ、まだ感覚がないねん」
どうやらまだ神経の一部が繋がってないところがあるらしい。
その関係で身体の一部分が血行が悪くてひどく冷たくなっている。
暫く冷えきってる部分に触れつづける。
そんなもので冷え切った部分に熱が戻るのかどうかすらも判らないけれど、竜樹さんに声をかけられるまでずっとずっと冷え切った部分を抱き締めるように暖めつづけた。
こんな風に二人で過ごす時間が特別なものでなくなる日が来たとしても、二人でいる時間が大切なものだと思い続けていられたらいいなと思う。
その時間がずっと大切だと思うように、竜樹さんのことをずっと大切に想って生きていけたらと思う。
足りないものがあるなら、補えばいい。
困ることがあるなら、可能な限り補い合って生きていければいい。
いつまでも竜樹さんと小さな暖かさを守りながら、歩きたいなぁと願いつづける。
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心を拠り所にして…
2002年10月15日不思議なことに、竜樹邸から戻ってくるとまた寝つきが悪くなった。
あまり薬には頼りたくないけれど、昨日は竜樹さんに分けて貰った薬で無理矢理眠った。
だから今朝はまだすっきりしているけれど。
…もしかすると私は竜樹さんと離れずにいてる方が体にはいいのかも知れない。
決して、この家に戻ってきてからの時間が不愉快だった訳じゃないんだけど。
奇妙な感覚を覚えたまま、家を出た。
身体はそれほどだるくはないけれど、気力がついてこない感じ。
今日は同僚さんがお休みなので、無駄に忙しくなることは請け合い。
それが余計に気力を削いでいく気がする。
たらりたらりと移動してるところに、メールがひとつ飛び込む。
…竜樹さんからだった。
「おっはよー(’v’)/ (^^)/」
コミカルな出だしのメールに吹き出しそうになる。
竜樹さんがちゃんと眠れて気持ちよく起きられたことが判るだけでも嬉しいのに、気持ちが沈まないように配慮がなされてるんだということが文面から良く判る。
「おはようございます。今日は同僚さんがお休みなので、多分忙しくなると思います(T^T)
適当に気分転換しながら、やり過ごします。
竜樹さんの1日が素敵なものでありますように。」
ほどなくして返ってきたお返事に思わず顔を赤らめてしまったけれど。
朝から気分よく社屋に入った。
案の定、事務所は人外魔境な状態。
何が忙しいというわけでなく、ひとつひとつ検証すれば無駄に忙しいとしか言い様がない。
ひとつの作業が片付かないままどんどん上乗せされる仕事に午前中からこてんぱんにやられた。
物理的な仕事量だけなら乗り切りようはあるけれど、それに付随してさらに気を滅入らせていくような要素が沢山おまけでついてくる。
それが高じてくると噛み付くように鳴り響く電話も取りたくないし、決められた会社の書類フォームなんて二度と見たくないような状態に陥る。
こんな日に限って、なかなか時間は進まない。
無駄な作業ばかりが増えていく。
いい加減投げてしまいたくなる度に、鞄の中で携帯が揺れつづけた。
毎朝やりとりしてる友達からのメールもあったけれど、その殆どが竜樹さんからのものだった。
いつもよりも3割増くらいかわいらしいメールが届く。
内容は他愛のないものだったりするけれど、竜樹さんから届くメールがただただ嬉しかった。
他の社員さんの目を盗んで携帯を眺めては、また仕事を片付ける気力を取り戻していった。
それでも、すべての仕事が終わる頃には体力気力共に尽きてしまっていた。
…おまけに、外に出ると雷付きの雨。
仕事でこてんぱんにのされたのに、さらに疲れを助長するような状態でよろよろと帰路につく。
仕事中竜樹さんから貰ったメールに一切お返事が出来なかったので、移動の傍らこちこちとお返事を飛ばす。
うっかり教え損ねたことがあって、それを見つけてしまった竜樹さん。
どういう訳かそれを嬉しそうに教えてくれた。
極力明るいメールをくれる竜樹さんに明るい話を提供できない。
作れば作れないことはないのかもしれないけれど、気力を起こすのが辛い。
会社から開放されればしんどいのが吹っ飛ぶのがお約束なのに、疲れだけが累積して気力をあげるのの足を引っ張ってる感じ。
…どやって、お返事しよう?
言葉が頭の奥で引っかかって出てこない。
上手に文字に置き換えて送信することが出来ない。
笑えるような要素を混ぜてみた結果、何だかずれたメールを飛ばすことになってしまった。
その文面を見てただ笑ってもらえたらいいなと思った。
今の自分の状態を慮ってくれなくてもいい。
ただ言葉だけを拾ってくれたらと思った。
暫くすると、鞄の中の携帯が揺れる。
竜樹さんからまた明るいメールが届く。
いろんな言葉がそこには詰まっていたけれど、メールの結びが心に触れる。
「俺はそらちゃんの味方だぁい(’v’)/!」
そう言われたところで根本的に何が変わる訳でないと知りながら。
誰がどうやったってあの環境が変わることがないと知りながら。
それでもそう言ってくれることが嬉しかった。
竜樹さんが私の心の傍にいてくれることが、私の心の拠り所になるのだから…
心が僅かに息を吹き返したような気がして、またお返事をこちこちと打ち始める。
「2タテでこてぱきにされることは滅多にないので、明日はきっといい日だよ。
だって、竜樹さんががついてるんだもん♪
ありがとね。
めげずに頑張るよ(^.^)」
明日また今日と同じくらい会社で消耗し尽くしても。
竜樹さんがそこにいてくれれば、最後にはきっと元気な自分を取り戻せると思うから。
竜樹さんから貰ったメールに保護をかけて、鞄にしまいこんだ。
竜樹さんの言葉に元気を取り戻して、また移動を繰り返した。
自宅に辿り着いて、夕飯を食べて暫くすると自室でうつらうつらしてしまう。
頭の奥の方で、メールの着信音が聞こえる。
「電話、できる?」
慌てて部屋電から、竜樹さんに電話する。
迎えてくれた竜樹さんの声は陽だまりのようだった。
暫く話して、やっぱり来年には会社を変わった方がいいだろうなと今更なことを強く感じたけれど。
竜樹さんから元気を貰って、その日1日を機嫌よく終えられてるうちは、もう少しだけ頑張ろうかと思う。
この先、私から竜樹さんに沢山の元気を送り出さなきゃならなくなった時、間違いなく今の環境下では私自身がもたなくなることは判っているけれど。
竜樹さんが元気でいられるうちは、竜樹さんと一緒にまだ頑張れると思えるうちは。
よろよろとでも1日を乗り切ってくしかないんだろうなぁと思う。
それはきっと何処へ身を置いても変わらないこと。
竜樹さんの心を拠り所にして、明日もまた頑張ろう。
その繰り返しでいつか2人で幸せになるべき場所を手に入れるために。
しんどくても、も少しだけ頑張ろうかなと思う。
あまり薬には頼りたくないけれど、昨日は竜樹さんに分けて貰った薬で無理矢理眠った。
だから今朝はまだすっきりしているけれど。
…もしかすると私は竜樹さんと離れずにいてる方が体にはいいのかも知れない。
決して、この家に戻ってきてからの時間が不愉快だった訳じゃないんだけど。
奇妙な感覚を覚えたまま、家を出た。
身体はそれほどだるくはないけれど、気力がついてこない感じ。
今日は同僚さんがお休みなので、無駄に忙しくなることは請け合い。
それが余計に気力を削いでいく気がする。
たらりたらりと移動してるところに、メールがひとつ飛び込む。
…竜樹さんからだった。
「おっはよー(’v’)/ (^^)/」
コミカルな出だしのメールに吹き出しそうになる。
竜樹さんがちゃんと眠れて気持ちよく起きられたことが判るだけでも嬉しいのに、気持ちが沈まないように配慮がなされてるんだということが文面から良く判る。
「おはようございます。今日は同僚さんがお休みなので、多分忙しくなると思います(T^T)
適当に気分転換しながら、やり過ごします。
竜樹さんの1日が素敵なものでありますように。」
ほどなくして返ってきたお返事に思わず顔を赤らめてしまったけれど。
朝から気分よく社屋に入った。
案の定、事務所は人外魔境な状態。
何が忙しいというわけでなく、ひとつひとつ検証すれば無駄に忙しいとしか言い様がない。
ひとつの作業が片付かないままどんどん上乗せされる仕事に午前中からこてんぱんにやられた。
物理的な仕事量だけなら乗り切りようはあるけれど、それに付随してさらに気を滅入らせていくような要素が沢山おまけでついてくる。
それが高じてくると噛み付くように鳴り響く電話も取りたくないし、決められた会社の書類フォームなんて二度と見たくないような状態に陥る。
こんな日に限って、なかなか時間は進まない。
無駄な作業ばかりが増えていく。
いい加減投げてしまいたくなる度に、鞄の中で携帯が揺れつづけた。
毎朝やりとりしてる友達からのメールもあったけれど、その殆どが竜樹さんからのものだった。
いつもよりも3割増くらいかわいらしいメールが届く。
内容は他愛のないものだったりするけれど、竜樹さんから届くメールがただただ嬉しかった。
他の社員さんの目を盗んで携帯を眺めては、また仕事を片付ける気力を取り戻していった。
それでも、すべての仕事が終わる頃には体力気力共に尽きてしまっていた。
…おまけに、外に出ると雷付きの雨。
仕事でこてんぱんにのされたのに、さらに疲れを助長するような状態でよろよろと帰路につく。
仕事中竜樹さんから貰ったメールに一切お返事が出来なかったので、移動の傍らこちこちとお返事を飛ばす。
うっかり教え損ねたことがあって、それを見つけてしまった竜樹さん。
どういう訳かそれを嬉しそうに教えてくれた。
極力明るいメールをくれる竜樹さんに明るい話を提供できない。
作れば作れないことはないのかもしれないけれど、気力を起こすのが辛い。
会社から開放されればしんどいのが吹っ飛ぶのがお約束なのに、疲れだけが累積して気力をあげるのの足を引っ張ってる感じ。
…どやって、お返事しよう?
言葉が頭の奥で引っかかって出てこない。
上手に文字に置き換えて送信することが出来ない。
笑えるような要素を混ぜてみた結果、何だかずれたメールを飛ばすことになってしまった。
その文面を見てただ笑ってもらえたらいいなと思った。
今の自分の状態を慮ってくれなくてもいい。
ただ言葉だけを拾ってくれたらと思った。
暫くすると、鞄の中の携帯が揺れる。
竜樹さんからまた明るいメールが届く。
いろんな言葉がそこには詰まっていたけれど、メールの結びが心に触れる。
「俺はそらちゃんの味方だぁい(’v’)/!」
そう言われたところで根本的に何が変わる訳でないと知りながら。
誰がどうやったってあの環境が変わることがないと知りながら。
それでもそう言ってくれることが嬉しかった。
竜樹さんが私の心の傍にいてくれることが、私の心の拠り所になるのだから…
心が僅かに息を吹き返したような気がして、またお返事をこちこちと打ち始める。
「2タテでこてぱきにされることは滅多にないので、明日はきっといい日だよ。
だって、竜樹さんががついてるんだもん♪
ありがとね。
めげずに頑張るよ(^.^)」
明日また今日と同じくらい会社で消耗し尽くしても。
竜樹さんがそこにいてくれれば、最後にはきっと元気な自分を取り戻せると思うから。
竜樹さんから貰ったメールに保護をかけて、鞄にしまいこんだ。
竜樹さんの言葉に元気を取り戻して、また移動を繰り返した。
自宅に辿り着いて、夕飯を食べて暫くすると自室でうつらうつらしてしまう。
頭の奥の方で、メールの着信音が聞こえる。
「電話、できる?」
慌てて部屋電から、竜樹さんに電話する。
迎えてくれた竜樹さんの声は陽だまりのようだった。
暫く話して、やっぱり来年には会社を変わった方がいいだろうなと今更なことを強く感じたけれど。
竜樹さんから元気を貰って、その日1日を機嫌よく終えられてるうちは、もう少しだけ頑張ろうかと思う。
この先、私から竜樹さんに沢山の元気を送り出さなきゃならなくなった時、間違いなく今の環境下では私自身がもたなくなることは判っているけれど。
竜樹さんが元気でいられるうちは、竜樹さんと一緒にまだ頑張れると思えるうちは。
よろよろとでも1日を乗り切ってくしかないんだろうなぁと思う。
それはきっと何処へ身を置いても変わらないこと。
竜樹さんの心を拠り所にして、明日もまた頑張ろう。
その繰り返しでいつか2人で幸せになるべき場所を手に入れるために。
しんどくても、も少しだけ頑張ろうかなと思う。
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持てるものを分け合って
2002年10月14日竜樹さんとこで癖付けたことが功を奏したのか、朝早く目が覚めた。
しかも身体は妙にすっきりしている。
けれど、右側に感じられた温みがなくて実感する。
…あ、竜樹さんいないんだ。
当たり前のことがひどく寂しくて、布団の中でぐずぐずしてる。
暫くすると、携帯にメールがひとつ。
「起きとるかぁ?歯、磨いたかぁ[^。^]V?」
タイミングよく竜樹さんからメールが届いたのが嬉しくてお返事。
「30分前からぼんにゃりしてました。
昼まで寝飛ばすことはなかったです。
ありがとうね(*^_^*)」
またすかさず返事が届くのが嬉しかったけれど、やっぱり隣にいないことが寂しくてつい本音が出てしまう。
「朝、起きてお前さんがいなかったので、寂しかったよー(ノ_;)」
また着信。
「タハハ(~~)/ 」
心が近くにあればそれでいい。
今はそれでいい。
そんな風に思えたから、携帯を身につけてまた階下に降りる。
出発の時間まで海衣や姪御と話して、お見送り。
海衣一家が来ると一気に賑やかになるこの家も、彼らが去ると一気に静かになる。
ここ数日、金岡家?1の座を奪われていたプードルさんはよっぽど疲れたようで、お昼ご飯の用意をしても起きてくる様子もない。
金岡父と二人で簡単な昼ごはんを食べる。
後片付けをして暫く金岡父と話をしてると、金岡母が戻ってきたのでまた簡単なご飯を出して暫く話して自室に戻る。
一人になると、また寂しくなって他愛もないメールを送ってみる。
「妹一家が帰京し、備蓄してたもので昼食にしました。
お前さんはお昼ごはん食べたの?」
「お前さん」なんて、何時の時代の人だよと笑いながら明るい空にメールを飛ばすと、程なくしてまたお返事。
「食べたよ、自家製牛すき丼(^.^)(+.+)! あんまりうまくネェや。」
…その後に続く言葉があまりにかわいくて、また笑う。
「(T^T)ヽ(^_^*)
土曜にまたご飯作るから、めげないでね(^_-)」
そう送ってから暫くお返事がなかったので、ぼんやり本を読んだり片付けたり転寝したり…
突然そこにまたメールが届く。
「わんこ、元気かぁ?」
嬉しくてまたお返事。
「沢山のお客さんに疲れた模様です。
今まで自分がこの家の王子様やったのに、姪御に一番の座を奪われたことが堪えたようで、今はぐーすか寝ています(笑)」
そしてまた暫くしてからメールがひとつ。
…その返事がどことなくかわいらしくて、またひとり部屋の中で転げ回ってしまったけれど(*^-^*)
実際のメールの感覚としては1時間くらいのラグはあるのだけど、手術前に比べたら格段にメールの数は増えている。
それは元気になったのだという小さな証のひとつ。
メールを打ったりパソコンの前に向かうことがそれほど身体に負担にならなくなってるのかもしれないと思うと、それがただ嬉しい。
…けれど、ふと思い出す。
竜樹邸滞在中、何度か左手で文字を書く練習をしているのを見かけた。
「…右手の調子が悪いの?」
「いや、そんなことはないねんけどさ。
何かあったときのためにどちらでも書けるようにしとこかと思ってさ」
今後何が起こるか判らないことに対して打てる布石はみんな打とうというその姿に、もしかしたら、何一つ終わってないんじゃないかという感じがして、胸の奥が少し痛んだけれど。
何かが起こったとしても、それに対応するべき布石を打とうとする、その前向きな気持ちが以前よりもさらに強くなってること。
それは「生きよう」とする力であることには違いないんだ。
どこにいても、心の傍にいようとしてくれてる竜樹さんに、どう答えるのか。
その隣を歩く私に何が出来るのか、何が必要なのか。
考えてしまうこともまた多いけれど。
…私も頑張るから。
竜樹さんの隣を歩くべきものがしなきゃならないことは、すべてするよ?
竜樹さんが私に与えてくれるものが私の中で力に変わるように。
私が竜樹さんにすることが竜樹さんの中で力に変わるように。
互いが持てるものを分け合って、歩いていきたいと思う。
これからも、ずっと…
しかも身体は妙にすっきりしている。
けれど、右側に感じられた温みがなくて実感する。
…あ、竜樹さんいないんだ。
当たり前のことがひどく寂しくて、布団の中でぐずぐずしてる。
暫くすると、携帯にメールがひとつ。
「起きとるかぁ?歯、磨いたかぁ[^。^]V?」
タイミングよく竜樹さんからメールが届いたのが嬉しくてお返事。
「30分前からぼんにゃりしてました。
昼まで寝飛ばすことはなかったです。
ありがとうね(*^_^*)」
またすかさず返事が届くのが嬉しかったけれど、やっぱり隣にいないことが寂しくてつい本音が出てしまう。
「朝、起きてお前さんがいなかったので、寂しかったよー(ノ_;)」
また着信。
「タハハ(~~)/ 」
心が近くにあればそれでいい。
今はそれでいい。
そんな風に思えたから、携帯を身につけてまた階下に降りる。
出発の時間まで海衣や姪御と話して、お見送り。
海衣一家が来ると一気に賑やかになるこの家も、彼らが去ると一気に静かになる。
ここ数日、金岡家?1の座を奪われていたプードルさんはよっぽど疲れたようで、お昼ご飯の用意をしても起きてくる様子もない。
金岡父と二人で簡単な昼ごはんを食べる。
後片付けをして暫く金岡父と話をしてると、金岡母が戻ってきたのでまた簡単なご飯を出して暫く話して自室に戻る。
一人になると、また寂しくなって他愛もないメールを送ってみる。
「妹一家が帰京し、備蓄してたもので昼食にしました。
お前さんはお昼ごはん食べたの?」
「お前さん」なんて、何時の時代の人だよと笑いながら明るい空にメールを飛ばすと、程なくしてまたお返事。
「食べたよ、自家製牛すき丼(^.^)(+.+)! あんまりうまくネェや。」
…その後に続く言葉があまりにかわいくて、また笑う。
「(T^T)ヽ(^_^*)
土曜にまたご飯作るから、めげないでね(^_-)」
そう送ってから暫くお返事がなかったので、ぼんやり本を読んだり片付けたり転寝したり…
突然そこにまたメールが届く。
「わんこ、元気かぁ?」
嬉しくてまたお返事。
「沢山のお客さんに疲れた模様です。
今まで自分がこの家の王子様やったのに、姪御に一番の座を奪われたことが堪えたようで、今はぐーすか寝ています(笑)」
そしてまた暫くしてからメールがひとつ。
…その返事がどことなくかわいらしくて、またひとり部屋の中で転げ回ってしまったけれど(*^-^*)
実際のメールの感覚としては1時間くらいのラグはあるのだけど、手術前に比べたら格段にメールの数は増えている。
それは元気になったのだという小さな証のひとつ。
メールを打ったりパソコンの前に向かうことがそれほど身体に負担にならなくなってるのかもしれないと思うと、それがただ嬉しい。
…けれど、ふと思い出す。
竜樹邸滞在中、何度か左手で文字を書く練習をしているのを見かけた。
「…右手の調子が悪いの?」
「いや、そんなことはないねんけどさ。
何かあったときのためにどちらでも書けるようにしとこかと思ってさ」
今後何が起こるか判らないことに対して打てる布石はみんな打とうというその姿に、もしかしたら、何一つ終わってないんじゃないかという感じがして、胸の奥が少し痛んだけれど。
何かが起こったとしても、それに対応するべき布石を打とうとする、その前向きな気持ちが以前よりもさらに強くなってること。
それは「生きよう」とする力であることには違いないんだ。
どこにいても、心の傍にいようとしてくれてる竜樹さんに、どう答えるのか。
その隣を歩く私に何が出来るのか、何が必要なのか。
考えてしまうこともまた多いけれど。
…私も頑張るから。
竜樹さんの隣を歩くべきものがしなきゃならないことは、すべてするよ?
竜樹さんが私に与えてくれるものが私の中で力に変わるように。
私が竜樹さんにすることが竜樹さんの中で力に変わるように。
互いが持てるものを分け合って、歩いていきたいと思う。
これからも、ずっと…
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安らぎを抱き締めて
2002年10月13日竜樹邸で迎える2回目の朝。
今日は昨日異常に早く目覚める。
左隣には竜樹さん。
その寝顔を眺めながら、また寝なおしてしまった。
…次に目が覚めた時、竜樹さんに抱き締められていた (/-\*)
朝一番を竜樹さんと分け合うのが愛しい。
竜樹さんの熱にだんだん意識が覚めていく。
抱き締めあって少し眠って、また目が覚めてもいつもよりも早い時間。
「今日は外に出よ(*^-^*)」
昨日いい天気だったのに1日家にいてしまったことがどうやら不満だったらしい。
朝ご飯に昨日の夜作った牛肉の巻物と卵焼き、納豆とご飯とトマトのスライスを並べて朝ご飯。
普段朝ご飯は食べないから、竜樹さんといるとどんどん健康的な生活に近づいていく気がする。
…それでも、この生活は一旦今日で終わるのだけど
それを寂しく思うと鼻の奥が痛くなりそうな感じがするけれど。
いつかそれは特別だけどごく普通の生活の1コマになる日が来るのだから。
今は楽しいことを楽しめるだけ楽しんだらいい。
そんな風に思いながら、後片付けをする。
後片付けが落ち着いた頃、外に出かけることにした。
買出しのために家を出たけれど、あまりに天気がいいので近くの公園に散歩に以降ということに。
車を停めて公園まで手を繋ぎながら歩いていく。
週末の公園は人で賑わっている。
入り口の近くにある池で鯉に餌をやってる親子連れがいたり、釣りをしてる人がいたり。
水際のブロックのところにごつごつと石が並んでるように見えたので、何かなぁと目を凝らしてみると、亀が甲干しをしていた。
みんな一斉に同じ方向を向き、等間隔に並んでいる。
中にはどんくさい子もいて、伸び上がった途端、ぼちゃんと池に落ちる子も(^-^;
それを眺めながら公園の中に入ると、今度は鳥がいっぱい。
アヒルだの白鳥だの、カルガモだの。
子供に追われてがあがあ逃げまわる姿が何だか気の毒だったけれど、普段見ることの出来ない風景に暫し見入っていた。
それからも2人で園内を歩き回り、あまりに暖かくなりすぎて撤収。
また車に乗って、今度は買出しに出かける。
量販店に着き、竜樹さんが最初に買い求めたのは電気たこ焼き器。
前にたこ焼きパーティをした時にセットについてた小さなたこ焼きプレートが竜樹邸のカセットコンロと相性が悪く、焼きにくくてしょうがなかった。
そのリベンジ用として、電気たこ焼き器を調達することにしたのだとか。
…あの時は背中が痛くてそれどころじゃなかったのになぁ
もう一度あの面倒なパーティをしようと思ってくれることが何だか嬉しかった。
その後食材も買い込み、竜樹邸へ戻る。
戻って第一声が「お腹がすいた(>へ<)」
またしてもご飯が残っていたので、私が自宅で食べるために買ったちょっと変わったカレーを食べることに。
その名も「海軍さんのカレー」(笑)
少々高めだったけれど、1箱に2人前入っている。
ちょっと野菜が足りなそうだったので、巻物にしてもまだ余ったえのきとインゲンを入れ少し火を入れる。
それに卵を落として簡単な昼ご飯。
楽しい昼食を終え、後片付けをしてじゃれあって。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
本当はもっと遅くまで竜樹邸に留まっていたかったけれど、姪御ちゃんの七五三のために帰ってきてる海衣たちは明日の昼までにはお江戸に戻るだろう。
殆ど顔を合わせなかったとなると、それはそれで具合が悪いから仕方がない。
「…いかがでしたか?リラックスルームでの時間はお楽しみ頂けましたでしょうか?」
竜樹さんがほにゃっと笑う。
「はい。楽しめましたし、よく休めました(*^-^*)」
「やろ?霄ちゃん、目の下のクマがきれいに消えたもんなぁ」
竜樹さんに言われてはじめて気がついた。
慢性的に目の下に出来てたクマはきれいに消えていた。
「ちゃんと睡眠とって、もっともっと元気になろうなぁ(*^-^*)」
そんな言葉を交わしながら、リラックスルームを後にする。
連休中日の道路は混んではいるけれど、あっという間に金岡家に着いてしまった。
「本当にありがとう」
「霄がきちんと休めたなら、それでええねん。
楽しかった、ありがとうなぁ」
そう言って竜樹さんと別れた。
家に帰ると、金岡両親がご馳走を作っていた。
今日の午前中にお参りに行って写真を撮って、今晩はお祝いの食事らしい。
食卓に徐々に並び始めてるお皿を見てびっくり。
いろんな種類のお造りに鯛の尾頭付きの塩焼き、オードブルにサラダ…
…一体、誰がこんなに食べるのよ?(;^_^A
姪御と海衣の旦那さんがやたら良く食べるので、それですらあっという間になくなってしまったけれど…
海衣の旦那さんの実家でよく出てきたという、無花果のサラダが美味しかった。
食事の後は姪御ちゃんが眠るまで遊び相手になり、姪御ちゃんが休んだ後は海衣と暫く話し、それぞれの部屋に戻って休む。
…今ここに集う家族に対しては不誠実な連休だったと思うけれど
この連休中は間違いなくここにいるよりもずっとよく休めた気がする。
作業量は間違いなくここにいるよりも多かったはずだけれど、心底リラックスして過ごせたんだと思う。
…私は竜樹さんの傍で癒されたけど、竜樹さんはどだったんだろ?
ほにゃっとした笑顔が心の底から生まれてきてたものなら、言うことないんだけどな。
時計を見ると、竜樹さんの隣で眠りについた時間が迫っている。
竜樹さんから貰った錠剤を飲んでまた眠りにつく。
竜樹さんから貰ったものをずっと維持できますように。
竜樹さんから貰った元気をずっと維持できますように。
竜樹さんから貰った安らぎを抱き締めて、1日を終えた。
今日は昨日異常に早く目覚める。
左隣には竜樹さん。
その寝顔を眺めながら、また寝なおしてしまった。
…次に目が覚めた時、竜樹さんに抱き締められていた (/-\*)
朝一番を竜樹さんと分け合うのが愛しい。
竜樹さんの熱にだんだん意識が覚めていく。
抱き締めあって少し眠って、また目が覚めてもいつもよりも早い時間。
「今日は外に出よ(*^-^*)」
昨日いい天気だったのに1日家にいてしまったことがどうやら不満だったらしい。
朝ご飯に昨日の夜作った牛肉の巻物と卵焼き、納豆とご飯とトマトのスライスを並べて朝ご飯。
普段朝ご飯は食べないから、竜樹さんといるとどんどん健康的な生活に近づいていく気がする。
…それでも、この生活は一旦今日で終わるのだけど
それを寂しく思うと鼻の奥が痛くなりそうな感じがするけれど。
いつかそれは特別だけどごく普通の生活の1コマになる日が来るのだから。
今は楽しいことを楽しめるだけ楽しんだらいい。
そんな風に思いながら、後片付けをする。
後片付けが落ち着いた頃、外に出かけることにした。
買出しのために家を出たけれど、あまりに天気がいいので近くの公園に散歩に以降ということに。
車を停めて公園まで手を繋ぎながら歩いていく。
週末の公園は人で賑わっている。
入り口の近くにある池で鯉に餌をやってる親子連れがいたり、釣りをしてる人がいたり。
水際のブロックのところにごつごつと石が並んでるように見えたので、何かなぁと目を凝らしてみると、亀が甲干しをしていた。
みんな一斉に同じ方向を向き、等間隔に並んでいる。
中にはどんくさい子もいて、伸び上がった途端、ぼちゃんと池に落ちる子も(^-^;
それを眺めながら公園の中に入ると、今度は鳥がいっぱい。
アヒルだの白鳥だの、カルガモだの。
子供に追われてがあがあ逃げまわる姿が何だか気の毒だったけれど、普段見ることの出来ない風景に暫し見入っていた。
それからも2人で園内を歩き回り、あまりに暖かくなりすぎて撤収。
また車に乗って、今度は買出しに出かける。
量販店に着き、竜樹さんが最初に買い求めたのは電気たこ焼き器。
前にたこ焼きパーティをした時にセットについてた小さなたこ焼きプレートが竜樹邸のカセットコンロと相性が悪く、焼きにくくてしょうがなかった。
そのリベンジ用として、電気たこ焼き器を調達することにしたのだとか。
…あの時は背中が痛くてそれどころじゃなかったのになぁ
もう一度あの面倒なパーティをしようと思ってくれることが何だか嬉しかった。
その後食材も買い込み、竜樹邸へ戻る。
戻って第一声が「お腹がすいた(>へ<)」
またしてもご飯が残っていたので、私が自宅で食べるために買ったちょっと変わったカレーを食べることに。
その名も「海軍さんのカレー」(笑)
少々高めだったけれど、1箱に2人前入っている。
ちょっと野菜が足りなそうだったので、巻物にしてもまだ余ったえのきとインゲンを入れ少し火を入れる。
それに卵を落として簡単な昼ご飯。
楽しい昼食を終え、後片付けをしてじゃれあって。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
本当はもっと遅くまで竜樹邸に留まっていたかったけれど、姪御ちゃんの七五三のために帰ってきてる海衣たちは明日の昼までにはお江戸に戻るだろう。
殆ど顔を合わせなかったとなると、それはそれで具合が悪いから仕方がない。
「…いかがでしたか?リラックスルームでの時間はお楽しみ頂けましたでしょうか?」
竜樹さんがほにゃっと笑う。
「はい。楽しめましたし、よく休めました(*^-^*)」
「やろ?霄ちゃん、目の下のクマがきれいに消えたもんなぁ」
竜樹さんに言われてはじめて気がついた。
慢性的に目の下に出来てたクマはきれいに消えていた。
「ちゃんと睡眠とって、もっともっと元気になろうなぁ(*^-^*)」
そんな言葉を交わしながら、リラックスルームを後にする。
連休中日の道路は混んではいるけれど、あっという間に金岡家に着いてしまった。
「本当にありがとう」
「霄がきちんと休めたなら、それでええねん。
楽しかった、ありがとうなぁ」
そう言って竜樹さんと別れた。
家に帰ると、金岡両親がご馳走を作っていた。
今日の午前中にお参りに行って写真を撮って、今晩はお祝いの食事らしい。
食卓に徐々に並び始めてるお皿を見てびっくり。
いろんな種類のお造りに鯛の尾頭付きの塩焼き、オードブルにサラダ…
…一体、誰がこんなに食べるのよ?(;^_^A
姪御と海衣の旦那さんがやたら良く食べるので、それですらあっという間になくなってしまったけれど…
海衣の旦那さんの実家でよく出てきたという、無花果のサラダが美味しかった。
食事の後は姪御ちゃんが眠るまで遊び相手になり、姪御ちゃんが休んだ後は海衣と暫く話し、それぞれの部屋に戻って休む。
…今ここに集う家族に対しては不誠実な連休だったと思うけれど
この連休中は間違いなくここにいるよりもずっとよく休めた気がする。
作業量は間違いなくここにいるよりも多かったはずだけれど、心底リラックスして過ごせたんだと思う。
…私は竜樹さんの傍で癒されたけど、竜樹さんはどだったんだろ?
ほにゃっとした笑顔が心の底から生まれてきてたものなら、言うことないんだけどな。
時計を見ると、竜樹さんの隣で眠りについた時間が迫っている。
竜樹さんから貰った錠剤を飲んでまた眠りにつく。
竜樹さんから貰ったものをずっと維持できますように。
竜樹さんから貰った元気をずっと維持できますように。
竜樹さんから貰った安らぎを抱き締めて、1日を終えた。
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2人でなら…
2002年10月12日意識がすーっと落ちてから1度も夢を見なかった。
引っかかりなくすっと目覚め、時計を見ると仕事のある日と殆ど変わりのない時間。
違うのは周りの風景と竜樹さんがすぐ傍にいること。
「おはよう(*^-^*)」
竜樹さんは隣の部屋からお水を持ってこちらにやってくる。
横になったままコップを受け取り水を飲んでぼんにゃりしてると、竜樹さんが抱き締める。
「珍しく早く起きたなぁ」
「…夢も見ませんでしたよ」
「よう眠れたんや」
「だと思いますよ。身体もだるくないし…」
それを聞いて安心したのだろうか。
竜樹さんの抱き締め方がちょっと熱を帯びてくる。
…お伺いをする時の、どこか子犬のような表情に負けてしまった。
またおやすみ街道逆戻り路線だなぁと思いながら、竜樹さんを受け止める。
こんな1日の始まりもたまにはいいのかもしれないなぁと思いながら、ただ竜樹さんを抱きしめつづけた。
ひとしきり熱を受け渡し、また少しうつらうつら。
窓の外の光が意識をまたこちら側に連れ戻す。
少しだるさの残るような、でもいつもよりもうんと軽い気持ちで起き上がる。
竜樹さんもお腹が空いたらしく、ご飯を作りに階下に降りる。
炊飯器を見るとご飯が沢山余っていたので、オムライスを作ることにした。
玉ねぎとニンジンと冷蔵庫に余っていた豚肉を刻んで炒め、そこへご飯を投入。
味付けは買い置きのドミグラスソースとトマトピューレで整え、器に移す。
卵を焼こうとしたら、卵の柔らかさに拘る竜樹さんが自ら卵にミルクを入れて調節していたけれど…
………竜樹さん、ちょっとミルク多いんですけど(^-^;
柔らかすぎる卵はなかなか成形するのが難しい上に、私自身オムライスを作るのは何年ぶりか判らないくらい久しぶり。
何ともぶっさいくなオムライスが出来上がった。
あまりにぶっさいくなのが我ながら呆れるほど面白くて、思わずデジカメで撮影。
味はよかったらしく、余ったドミグラスライスを今度は適正な硬さの卵で包んでご実家に差し入れした。
食事を終え、後片付けをしてからまた2階へ上がる。
2階は日当たりが良いので、そこにいるだけで気分が良くなる。
暫くテレビを見ながら竜樹さんと話し、時折携帯からメールを打つ。
いきなり手の中の携帯に着信が入る。
…海衣からだった
「お姉ちゃん、お母さん達知らない?」
よくよく聞いてみると、海衣たちが金岡家に着くまでにまだ時間があると踏んだのか、外出してしまった模様。
新幹線に乗り、その後電車を乗り継いで帰ってきたのに、締め出し。
しかも、金岡母携帯を家に置き忘れて出てるらしい。
電話の向こうから、姪御の声と家の中にいるだろうプードルさんが吼える声が響く。
長旅に疲れてるだろう、海衣と姪御ちゃんが気の毒だ。
(海衣の旦那さんは気の毒じゃないのか?)
暫く話してみたものの、埒があかないので一旦切って暫く公園で金岡両親が帰るまで末とのこと。
…ちょっとだけ、竜樹邸にいることを後ろめたく思った。
それから連絡がないので、両親たちに出会えたかどうかは判らないけれど。
また何かあれば連絡があるだろうと思い、携帯を身体から離さないようにしてた。
竜樹さんは昨日の疲れが出たのか、何時の間にか横になってた。
時折うつらうつらしてるので、横で話しつづけるのも何だか気の毒で暫くじっと竜樹さんの顔を眺めていたけれど。
ふと思い立って階下に降りて、部屋の掃除を始めた。
竜樹さんは片付け好きなのでそれほど部屋は汚れてないけれど、ちゃんとしておけば次に竜樹さんが掃除する時楽なので、結構きちきちと掃除をした。
階段まで掃除したけれど、さすがに竜樹さんが寝てる横で掃除機をぶんぶんかける訳にもいかず、そこで掃除は終了。
まだ竜樹さんが眠っておられるので、一足先に晩御飯の下拵えに入る。
お米を磨いで、炊飯器にセット。
今日はひとまず養老蒸しと何か思いついたものを1,2品足すことに。
養老蒸し。
しめじは石突を切り小房に分けて洗う。
えのきは半分の長さに切り、ニンジンは短冊切り、なめたけは袋から出しておく。
それらをダシと醤油とみりんと酒と少量の砂糖・塩で味付けしたものの中に入れ暫く煮る。
ひと煮立ちしたら器に入れ、摩り下ろした長いもをかけて蒸し器で20分ほど蒸す。
蒸す手前まで出来上がった頃に竜樹さんがことりことりと階下に降りてきた。
「そら、掃除が終わってから休まなかったんか?」
「うん、何となくね」
「少し休み。後は俺もやるから」
それでも養老蒸しを蒸し上げながらテレビを見ながら話し、1、2時間が過ぎた後、おもむろに竜樹さんが台所へ行く。
「何をするのかな?」と思ってみてると、冷凍庫から上げる手前まで下拵えが完了してるエビフライを取り出し、フライパンに油を入れて揚げ始める。
「エビフライくらい、私揚げるよ?」
「いや休んだし、動ける時は動かなアカンねや」
そう言って、黙々とエビフライを揚げている。
「休んどき」という竜樹さんのお言葉に甘えて、テレビを見ながらぼっとしていた。
エビフライが揚げあがる頃を見計らって、冷蔵庫からトマトを取り出してスライス。
お皿に並べて食事の準備を始める。
揚げあがったエビフライを並べて食卓へ運んだ後、竜樹さんはまだ台所でごそごそしておられる。
見に行ってみると、エビフライのソースを作っていた。
マヨネーズに七味、ウスターソースに七味を混ぜたものの2種類。
竜樹さん辛いものダメじゃなかったっけ?と思ったけれど、よくよくソースの器を見ると七味は極めて微量。
「足りなかったら、自分のところで足しや」
いかにも竜樹さんらしいお答えだ。
テレビを見ながら、2人がそれぞれに作ったものを食べ始める。
竜樹さんはエビフライにご機嫌。
養老蒸しのあっさりさ加減もまた竜樹さんをご機嫌にした模様。
これまた余ってしまって余分に蒸した小さな養老蒸しの鉢をご実家に差し入れして、後片付け。
竜樹さんはご機嫌なまま、お風呂に。
私は暫くテレビを見ながら休んでいた。
竜樹さんがお風呂から上がった後、暫くお話しして先に竜樹さんだけ2階へ。
私はお風呂に入る前に余った食材で夜食を作った。
短冊切りにして余ったにんじんを細く切り、茹でたインゲンを半分の大きさに切り余った榎と一緒に牛肉で巻いて焼き、余っただし汁で溶いた八丁味噌と醤油をあわせたもので味付け。
それをさらに盛って冷やしてから、ラップして冷蔵庫へ。
ひと仕事終わってから、お風呂に入った。
今日はオレンジの香りのお湯。
またのぼせる手前までお湯に浸かってリラックス。
上がろうかなと思ったら、食卓の上に冷たい水と錠剤が置いてあった。
…自分が眠ってしまう前に、きちんと用意しに戻ってきてくれたんだ
汗がひくまでゆっくり休んで、お水を飲んで錠剤を飲んで。
私もまた竜樹さんの隣へ。
お布団に入ると、意識があったのか無意識なのかは判らなかったけれど、竜樹さんがそっと左手を差し出してくれた。
竜樹さんの腕を抱き締めるようにして、私も眠りについた。
1日家にいることですら、2人でなら暖かい時間。
それは私の気持ちをゆっくりとほぐしていく。
引っかかりなくすっと目覚め、時計を見ると仕事のある日と殆ど変わりのない時間。
違うのは周りの風景と竜樹さんがすぐ傍にいること。
「おはよう(*^-^*)」
竜樹さんは隣の部屋からお水を持ってこちらにやってくる。
横になったままコップを受け取り水を飲んでぼんにゃりしてると、竜樹さんが抱き締める。
「珍しく早く起きたなぁ」
「…夢も見ませんでしたよ」
「よう眠れたんや」
「だと思いますよ。身体もだるくないし…」
それを聞いて安心したのだろうか。
竜樹さんの抱き締め方がちょっと熱を帯びてくる。
…お伺いをする時の、どこか子犬のような表情に負けてしまった。
またおやすみ街道逆戻り路線だなぁと思いながら、竜樹さんを受け止める。
こんな1日の始まりもたまにはいいのかもしれないなぁと思いながら、ただ竜樹さんを抱きしめつづけた。
ひとしきり熱を受け渡し、また少しうつらうつら。
窓の外の光が意識をまたこちら側に連れ戻す。
少しだるさの残るような、でもいつもよりもうんと軽い気持ちで起き上がる。
竜樹さんもお腹が空いたらしく、ご飯を作りに階下に降りる。
炊飯器を見るとご飯が沢山余っていたので、オムライスを作ることにした。
玉ねぎとニンジンと冷蔵庫に余っていた豚肉を刻んで炒め、そこへご飯を投入。
味付けは買い置きのドミグラスソースとトマトピューレで整え、器に移す。
卵を焼こうとしたら、卵の柔らかさに拘る竜樹さんが自ら卵にミルクを入れて調節していたけれど…
………竜樹さん、ちょっとミルク多いんですけど(^-^;
柔らかすぎる卵はなかなか成形するのが難しい上に、私自身オムライスを作るのは何年ぶりか判らないくらい久しぶり。
何ともぶっさいくなオムライスが出来上がった。
あまりにぶっさいくなのが我ながら呆れるほど面白くて、思わずデジカメで撮影。
味はよかったらしく、余ったドミグラスライスを今度は適正な硬さの卵で包んでご実家に差し入れした。
食事を終え、後片付けをしてからまた2階へ上がる。
2階は日当たりが良いので、そこにいるだけで気分が良くなる。
暫くテレビを見ながら竜樹さんと話し、時折携帯からメールを打つ。
いきなり手の中の携帯に着信が入る。
…海衣からだった
「お姉ちゃん、お母さん達知らない?」
よくよく聞いてみると、海衣たちが金岡家に着くまでにまだ時間があると踏んだのか、外出してしまった模様。
新幹線に乗り、その後電車を乗り継いで帰ってきたのに、締め出し。
しかも、金岡母携帯を家に置き忘れて出てるらしい。
電話の向こうから、姪御の声と家の中にいるだろうプードルさんが吼える声が響く。
長旅に疲れてるだろう、海衣と姪御ちゃんが気の毒だ。
(海衣の旦那さんは気の毒じゃないのか?)
暫く話してみたものの、埒があかないので一旦切って暫く公園で金岡両親が帰るまで末とのこと。
…ちょっとだけ、竜樹邸にいることを後ろめたく思った。
それから連絡がないので、両親たちに出会えたかどうかは判らないけれど。
また何かあれば連絡があるだろうと思い、携帯を身体から離さないようにしてた。
竜樹さんは昨日の疲れが出たのか、何時の間にか横になってた。
時折うつらうつらしてるので、横で話しつづけるのも何だか気の毒で暫くじっと竜樹さんの顔を眺めていたけれど。
ふと思い立って階下に降りて、部屋の掃除を始めた。
竜樹さんは片付け好きなのでそれほど部屋は汚れてないけれど、ちゃんとしておけば次に竜樹さんが掃除する時楽なので、結構きちきちと掃除をした。
階段まで掃除したけれど、さすがに竜樹さんが寝てる横で掃除機をぶんぶんかける訳にもいかず、そこで掃除は終了。
まだ竜樹さんが眠っておられるので、一足先に晩御飯の下拵えに入る。
お米を磨いで、炊飯器にセット。
今日はひとまず養老蒸しと何か思いついたものを1,2品足すことに。
養老蒸し。
しめじは石突を切り小房に分けて洗う。
えのきは半分の長さに切り、ニンジンは短冊切り、なめたけは袋から出しておく。
それらをダシと醤油とみりんと酒と少量の砂糖・塩で味付けしたものの中に入れ暫く煮る。
ひと煮立ちしたら器に入れ、摩り下ろした長いもをかけて蒸し器で20分ほど蒸す。
蒸す手前まで出来上がった頃に竜樹さんがことりことりと階下に降りてきた。
「そら、掃除が終わってから休まなかったんか?」
「うん、何となくね」
「少し休み。後は俺もやるから」
それでも養老蒸しを蒸し上げながらテレビを見ながら話し、1、2時間が過ぎた後、おもむろに竜樹さんが台所へ行く。
「何をするのかな?」と思ってみてると、冷凍庫から上げる手前まで下拵えが完了してるエビフライを取り出し、フライパンに油を入れて揚げ始める。
「エビフライくらい、私揚げるよ?」
「いや休んだし、動ける時は動かなアカンねや」
そう言って、黙々とエビフライを揚げている。
「休んどき」という竜樹さんのお言葉に甘えて、テレビを見ながらぼっとしていた。
エビフライが揚げあがる頃を見計らって、冷蔵庫からトマトを取り出してスライス。
お皿に並べて食事の準備を始める。
揚げあがったエビフライを並べて食卓へ運んだ後、竜樹さんはまだ台所でごそごそしておられる。
見に行ってみると、エビフライのソースを作っていた。
マヨネーズに七味、ウスターソースに七味を混ぜたものの2種類。
竜樹さん辛いものダメじゃなかったっけ?と思ったけれど、よくよくソースの器を見ると七味は極めて微量。
「足りなかったら、自分のところで足しや」
いかにも竜樹さんらしいお答えだ。
テレビを見ながら、2人がそれぞれに作ったものを食べ始める。
竜樹さんはエビフライにご機嫌。
養老蒸しのあっさりさ加減もまた竜樹さんをご機嫌にした模様。
これまた余ってしまって余分に蒸した小さな養老蒸しの鉢をご実家に差し入れして、後片付け。
竜樹さんはご機嫌なまま、お風呂に。
私は暫くテレビを見ながら休んでいた。
竜樹さんがお風呂から上がった後、暫くお話しして先に竜樹さんだけ2階へ。
私はお風呂に入る前に余った食材で夜食を作った。
短冊切りにして余ったにんじんを細く切り、茹でたインゲンを半分の大きさに切り余った榎と一緒に牛肉で巻いて焼き、余っただし汁で溶いた八丁味噌と醤油をあわせたもので味付け。
それをさらに盛って冷やしてから、ラップして冷蔵庫へ。
ひと仕事終わってから、お風呂に入った。
今日はオレンジの香りのお湯。
またのぼせる手前までお湯に浸かってリラックス。
上がろうかなと思ったら、食卓の上に冷たい水と錠剤が置いてあった。
…自分が眠ってしまう前に、きちんと用意しに戻ってきてくれたんだ
汗がひくまでゆっくり休んで、お水を飲んで錠剤を飲んで。
私もまた竜樹さんの隣へ。
お布団に入ると、意識があったのか無意識なのかは判らなかったけれど、竜樹さんがそっと左手を差し出してくれた。
竜樹さんの腕を抱き締めるようにして、私も眠りについた。
1日家にいることですら、2人でなら暖かい時間。
それは私の気持ちをゆっくりとほぐしていく。
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リラックスルームへようこそ
2002年10月11日竜樹さんとの甘やかな電話の後、携帯にメールがひとつ飛び込んだ。
友達からの救難信号だったので、少しばかり電話で話した。
元気そうに振舞うのに相当無理してるんだろうなぁと思いつつ、その元気を引き出すための言葉を捜しつづけた。
ひとしきり話して電話を切り、暫し眠りにつく。
翌日から竜樹邸に滞在するにもかかわらず、その準備をするのを忘れたまままで…
…朝、いつもより少しばかり早く目が覚めたのは救いだった
慌てて大きめの鞄に2日分の荷物を詰め込んで、部屋を出る。
金岡母に家を3日ばかり空けることをまたしても直前になって話したために、ご機嫌斜めにさせてしまった。
よりによって、この連休中に海衣一家が金岡家に戻ってくるとのこと。
姪御ちゃんの七五三のためらしい。
「海衣たちが戻ってくる時によりにもよって家を空ける〜?」
白い目で見られたけれど、予定を覆す気にはならず謝り倒して家を出る。
…あ。
どたばた続きで家を出たために、携帯を置き忘れてしまった。
会社が終わった後、竜樹さんが迎えに来てくれることにはなってるけれど、連絡が取れないことを知らせておかないと何かあった時大変。
朝にやりとりする友達には最近微妙なことを話していたので、あらぬ心配もかけるかもしれない。
金岡家で緊急事態が発生しても対処できない。
そう思うともっと慌ててもいいはずなのに、どこかちょっとばかり「ま、いいか」な自分が頭を擡げている。
いつも移動は言葉を紡いでは飛ばし紡いでは飛ばししてるけれど、何をするでもなく暫くうつらうつらしていた。
そのせいか、会社に入っても暫くぼっとした状態が長く続いてしまったのは問題だけど…
仕事の方は不機嫌モードに差し掛かりそうな立ち上がりだけど、ひとまず8時間半我慢すれば暖かい時間が待っている。
何かのアクシデントで足元を掬われそうになると、「ご褒美は竜樹さん」と心の中でぼそぼそと呟きつづけた。
お昼は相変わらず「ボスショー」を堪能し、ちょっと退席して竜樹さんに電話。
携帯を持ってないことを伝えると、待ち合わせ場所を決めてくれた。
…あとは迷いなく仕事を片付けるだけ
降って湧いてくる仕事を片付けて、とっとと事務所を後にした。
消耗が激しくてふらふらしてるけれど、待ち合わせの場所へ急ぐべく自転車をかっ飛ばす。
待ち合わせの場所でぼんやりと待っていると、目の前に滑り込んでくる竜樹カー。
「お疲れ〜♪(*^-^*)」
いよいよゆったりした連休が始まる。
竜樹邸へ向かう道路はちょうど帰宅時間にあたるからか結構な渋滞。
ともするといらいらしがちな時間帯だけれど、竜樹さんが隣にいる時間は優しい。
…小腹が空いたので、竜樹さんお気に入りのめざしを貰ってぼそぼそと食べる。
色気もへたくれもない自分が何だか悲しいけれど。
ひとしきりすると渋滞から逃れられ、竜樹さんもほっとしたような表情になる。
そして、竜樹邸へ。
「ようこそ、リラックスルームへ」
今回のお泊まり会は、ちょっとした目的がある。
いつも熟睡しきれずに身体にだるさを覚えたり頭痛に悩まされたりしてる私がゆったりと睡眠がとれるような状態にするための環境を作ること。
そこでゆっくりペースを作って、金岡家にそのペースを持ち帰ること。
平たく言えば、睡眠強化合宿。
「この3日間は、ゆったり過ごそうなぁ(*^-^*)」
ほにゃっとした笑顔は私の気持ちを和らげる。
そこへ竜樹さんのご実家から内線。
今日は久しぶりにみんなで食事に出かけることになる。
竜樹さんは焼肉が食べたかったらしいけれど、紆余曲折あって和食のレストランへ。
段差が多いところなので、竜樹母さんが転ばないように少し支えながら歩く。
週末の和食レストランの座敷席は異様なる盛り上がり。
「こんな時期に何の会なんだろうねぇ?」と首を傾げながら、メニューを眺める。
竜樹父さんと竜樹さんは早々に決まる。
私は周りのご様子を伺いながら、さりげなく食べるものを決める。
竜樹母さんはなかなか決まらない。
4人4様のメニュー選びを展開、注文。
その後は、暫し歓談。
いつもは竜樹母さんが話し始め、竜樹父さんと私とでフォローし、竜樹さんが要所要所で言葉を挟むのだけど、今日は竜樹母さん相当お疲れのようで食事が来るまでの間、うつらうつらしておられる。
竜樹父さんが気にして竜樹母さんに話をふるけれど、竜樹母さんはうつらうつら。
あまりにお疲れのようなので、私は話し掛けずに時折竜樹父さんと竜樹さんの話に参加し、時々ぼけっとしていた。
料理が運ばれてきてからも、竜樹母さんはのつのつしておられる。
竜樹父さんが何かと世話を焼かれているのが、何だかほほえましいなぁと思いながら、私もまた黙々とご飯を食べていた。
ご飯を食べ終え、竜樹母さんの意識がしゃんとするまでお茶を飲み飲み歓談し、店を後にする。
竜樹さんのご実家までご両親をお送りした後、2人でドライブ。
…目的地は金岡家。
21時をまわっていたので、今更家に携帯を取りに戻るのはどうかと思ったけれど、竜樹さんも留守中に何かあっても困るだろうとわざわざ車を出してくれた。
家に帰るためではなく、忘れ物をを取ったらまた出かける。
戻る先が竜樹邸だということが、何だか不思議な感じがする。
携帯を取りに家に入ると、真っ先にプードルさんが出迎えてくれる。
竜樹さんを外で待たせているのであまり長いこと遊んでいられない。
金岡両親はテレビに夢中で私が戻ってもあまり反応がない。
戻ってきたことの理由をあまり突っ込まれたくない状態だったからこれはこれでよかったんだけど、あまり無関心でいられると複雑な思いになるのは勝手者の性なのか。
携帯を握り締め、プードルさんに挨拶して、また竜樹さんの許へ向かう。
夜のドライブは大好き。
竜樹さんは完全朝方生活に戻ったため夜の運転は辛そうだけれど、夜の闇にヘッドライトとテールライトが泳ぐ様を見るのが好き。
暫し夜のドライブを楽しんだ後、竜樹邸へ。
「これからリラックスタイムやで♪」
竜樹さんのほにゃっとした笑顔にやっとひと心地ついた感じ。
お風呂を沸かしてる間、コーヒーを飲んだりテレビを見たり話したり。
穏やかな時間が流れる。
暫くすると、竜樹さんはお風呂の火を止めに行った。
なかなか戻ってこられないので「何をしてはるんやろ?」と思ってると…
「霄ぁ。お風呂入ってみ?」
竜樹さんに勧められるままお風呂に入ると、いい香りがする。
先週のオレンジオイルの香りとはまた違った香り。
「こないだはオレンジやってんけど、今日はラベンダーにしてみてん(*^-^*)」
いい香りのお湯の温度も丁度よく、すぐにのぼせる私にしては珍しく長い間入っていた。
お風呂から出ると、冷たい水をくれた。
「ひと息ついたら、これ飲んどきや」
そう言って錠剤をひとつ。
先に竜樹さんはおねむさんになったらしく、2階に上がっていった。
汗が引いた頃、私も錠剤をひとつ飲んでぼけっとする。
珍しく心地よい眠さがやってきた。
私も2階へあがって、竜樹さんの隣で横になる。
竜樹邸はリラックスルーム。
久しぶりに穏やかで心地よい眠りについた。
友達からの救難信号だったので、少しばかり電話で話した。
元気そうに振舞うのに相当無理してるんだろうなぁと思いつつ、その元気を引き出すための言葉を捜しつづけた。
ひとしきり話して電話を切り、暫し眠りにつく。
翌日から竜樹邸に滞在するにもかかわらず、その準備をするのを忘れたまままで…
…朝、いつもより少しばかり早く目が覚めたのは救いだった
慌てて大きめの鞄に2日分の荷物を詰め込んで、部屋を出る。
金岡母に家を3日ばかり空けることをまたしても直前になって話したために、ご機嫌斜めにさせてしまった。
よりによって、この連休中に海衣一家が金岡家に戻ってくるとのこと。
姪御ちゃんの七五三のためらしい。
「海衣たちが戻ってくる時によりにもよって家を空ける〜?」
白い目で見られたけれど、予定を覆す気にはならず謝り倒して家を出る。
…あ。
どたばた続きで家を出たために、携帯を置き忘れてしまった。
会社が終わった後、竜樹さんが迎えに来てくれることにはなってるけれど、連絡が取れないことを知らせておかないと何かあった時大変。
朝にやりとりする友達には最近微妙なことを話していたので、あらぬ心配もかけるかもしれない。
金岡家で緊急事態が発生しても対処できない。
そう思うともっと慌ててもいいはずなのに、どこかちょっとばかり「ま、いいか」な自分が頭を擡げている。
いつも移動は言葉を紡いでは飛ばし紡いでは飛ばししてるけれど、何をするでもなく暫くうつらうつらしていた。
そのせいか、会社に入っても暫くぼっとした状態が長く続いてしまったのは問題だけど…
仕事の方は不機嫌モードに差し掛かりそうな立ち上がりだけど、ひとまず8時間半我慢すれば暖かい時間が待っている。
何かのアクシデントで足元を掬われそうになると、「ご褒美は竜樹さん」と心の中でぼそぼそと呟きつづけた。
お昼は相変わらず「ボスショー」を堪能し、ちょっと退席して竜樹さんに電話。
携帯を持ってないことを伝えると、待ち合わせ場所を決めてくれた。
…あとは迷いなく仕事を片付けるだけ
降って湧いてくる仕事を片付けて、とっとと事務所を後にした。
消耗が激しくてふらふらしてるけれど、待ち合わせの場所へ急ぐべく自転車をかっ飛ばす。
待ち合わせの場所でぼんやりと待っていると、目の前に滑り込んでくる竜樹カー。
「お疲れ〜♪(*^-^*)」
いよいよゆったりした連休が始まる。
竜樹邸へ向かう道路はちょうど帰宅時間にあたるからか結構な渋滞。
ともするといらいらしがちな時間帯だけれど、竜樹さんが隣にいる時間は優しい。
…小腹が空いたので、竜樹さんお気に入りのめざしを貰ってぼそぼそと食べる。
色気もへたくれもない自分が何だか悲しいけれど。
ひとしきりすると渋滞から逃れられ、竜樹さんもほっとしたような表情になる。
そして、竜樹邸へ。
「ようこそ、リラックスルームへ」
今回のお泊まり会は、ちょっとした目的がある。
いつも熟睡しきれずに身体にだるさを覚えたり頭痛に悩まされたりしてる私がゆったりと睡眠がとれるような状態にするための環境を作ること。
そこでゆっくりペースを作って、金岡家にそのペースを持ち帰ること。
平たく言えば、睡眠強化合宿。
「この3日間は、ゆったり過ごそうなぁ(*^-^*)」
ほにゃっとした笑顔は私の気持ちを和らげる。
そこへ竜樹さんのご実家から内線。
今日は久しぶりにみんなで食事に出かけることになる。
竜樹さんは焼肉が食べたかったらしいけれど、紆余曲折あって和食のレストランへ。
段差が多いところなので、竜樹母さんが転ばないように少し支えながら歩く。
週末の和食レストランの座敷席は異様なる盛り上がり。
「こんな時期に何の会なんだろうねぇ?」と首を傾げながら、メニューを眺める。
竜樹父さんと竜樹さんは早々に決まる。
私は周りのご様子を伺いながら、さりげなく食べるものを決める。
竜樹母さんはなかなか決まらない。
4人4様のメニュー選びを展開、注文。
その後は、暫し歓談。
いつもは竜樹母さんが話し始め、竜樹父さんと私とでフォローし、竜樹さんが要所要所で言葉を挟むのだけど、今日は竜樹母さん相当お疲れのようで食事が来るまでの間、うつらうつらしておられる。
竜樹父さんが気にして竜樹母さんに話をふるけれど、竜樹母さんはうつらうつら。
あまりにお疲れのようなので、私は話し掛けずに時折竜樹父さんと竜樹さんの話に参加し、時々ぼけっとしていた。
料理が運ばれてきてからも、竜樹母さんはのつのつしておられる。
竜樹父さんが何かと世話を焼かれているのが、何だかほほえましいなぁと思いながら、私もまた黙々とご飯を食べていた。
ご飯を食べ終え、竜樹母さんの意識がしゃんとするまでお茶を飲み飲み歓談し、店を後にする。
竜樹さんのご実家までご両親をお送りした後、2人でドライブ。
…目的地は金岡家。
21時をまわっていたので、今更家に携帯を取りに戻るのはどうかと思ったけれど、竜樹さんも留守中に何かあっても困るだろうとわざわざ車を出してくれた。
家に帰るためではなく、忘れ物をを取ったらまた出かける。
戻る先が竜樹邸だということが、何だか不思議な感じがする。
携帯を取りに家に入ると、真っ先にプードルさんが出迎えてくれる。
竜樹さんを外で待たせているのであまり長いこと遊んでいられない。
金岡両親はテレビに夢中で私が戻ってもあまり反応がない。
戻ってきたことの理由をあまり突っ込まれたくない状態だったからこれはこれでよかったんだけど、あまり無関心でいられると複雑な思いになるのは勝手者の性なのか。
携帯を握り締め、プードルさんに挨拶して、また竜樹さんの許へ向かう。
夜のドライブは大好き。
竜樹さんは完全朝方生活に戻ったため夜の運転は辛そうだけれど、夜の闇にヘッドライトとテールライトが泳ぐ様を見るのが好き。
暫し夜のドライブを楽しんだ後、竜樹邸へ。
「これからリラックスタイムやで♪」
竜樹さんのほにゃっとした笑顔にやっとひと心地ついた感じ。
お風呂を沸かしてる間、コーヒーを飲んだりテレビを見たり話したり。
穏やかな時間が流れる。
暫くすると、竜樹さんはお風呂の火を止めに行った。
なかなか戻ってこられないので「何をしてはるんやろ?」と思ってると…
「霄ぁ。お風呂入ってみ?」
竜樹さんに勧められるままお風呂に入ると、いい香りがする。
先週のオレンジオイルの香りとはまた違った香り。
「こないだはオレンジやってんけど、今日はラベンダーにしてみてん(*^-^*)」
いい香りのお湯の温度も丁度よく、すぐにのぼせる私にしては珍しく長い間入っていた。
お風呂から出ると、冷たい水をくれた。
「ひと息ついたら、これ飲んどきや」
そう言って錠剤をひとつ。
先に竜樹さんはおねむさんになったらしく、2階に上がっていった。
汗が引いた頃、私も錠剤をひとつ飲んでぼけっとする。
珍しく心地よい眠さがやってきた。
私も2階へあがって、竜樹さんの隣で横になる。
竜樹邸はリラックスルーム。
久しぶりに穏やかで心地よい眠りについた。
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癒しの森
2002年10月10日昨日は竜樹さんとの電話の後、すぐに眠った。
一度目が覚めたけれどそのまま何もせず眠りつづけたのに、少しも疲れがとれていないまま家を出た。
日差しは暖かいのに、気温が低くてびっくり。
慌ててジャケットを取りに家に戻り、また慌てて家を出る。
最近は家にいてても、どことなく落ち着かない。
それはボスのプレスがひと段落してきた代わりに、別の部分からくるプレスがきつくなってきてるからだろう。
いろんなことは考えるし、立てる波風は極力小さく抑えられるならそれに越したことはないけれど、間違いなく一度この場を離れてみなければ始められもせず、また終わらせることすらできないことがある。
…予定を少し早めた方がいいかもしれない
現状の何処を切り取ってみても不機嫌な要素は多いけれど、その煩わしさに耐え兼ねて自分の大切なものをみすみす捨てていく気はない。
そろそろ飛び出すための準備に取り掛かった方がいいなという予感だけが胸の中で渦巻く感じがする。
…どこまでいっても交差することのない想いに何も感じずにいとう訳ではないけれど。
近くにいるが故に手詰まりになる物事がある。
その解決方法のかけらは当事者のみが握り締めてるものであって、きっと正解を導き出せるのも当事者でしかなくて。
何が正解なのか、どこが折り合う点なのかをすぐには見つけられないこともまた、今に始まったことでなし。
波風を立てることに依ってどの程度周りに余波がいくのか、ずっとそれを考えつづけたけれど、その答は見つからぬまま。
…逃げ続けるためではなく、一度離れて互いの住む森の姿を眺めてみたいと思う。
これから何が必要で、何を求めるのかを考えているうちに、「その日」はやってきてしまうのだろう。
奇妙に腹が括れてしまってる状態で、会社に入る。
今日は朝から非常にのんびりした立ち上がり。
きりきり仕事を片すと、あっという間に仕事がなくなる。
さりとてのたのた仕事をするのは性に合わず、だかだか仕事を片して翌日分の仕事まで着手し始める。
そんな状態の中、事務所は仕事とはかけ離れたことで賑やかだ。
最近、社長はチョコボールにはまっておられる。
チョコボールもお好きなようだけど、おもちゃの缶詰を手に入れたいらしく、毎週10箱近く買ってこられては食べきれない分を社員に配られる。
私も貰うことがある。
今日は部代が貰うことになった。
「天使さん出たら、俺に返せよー」
もしゃもしゃとセロハンのシーリング開けてる部代の横で社長が叫んでおられ。
部代が箱を開けたら、銀のマークが出た。
「社長、出ましたよ♪」
「おー、出た出たーー♪o(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o」
今まで出たエンゼルマークは全て社長から貰った社員の誰かが見つけて、社長にお返ししている。
切り取ったエンゼルマークをしまいこんで嬉々としておられたかと思うと、
「俺はまだ一度も自分の箱から見たことねぇ(;ヘ;)」
とお嘆きの社長。
なんてお気楽なトップ。
これでいいのかどうか判らないけれど…
そんな空気の中できりきり仕事をしていると、鞄が揺れる。
…竜樹さんから労いのメールが届いていた
お昼休みになり、お弁当を食べる前に急いで携帯をこちこち。
「こんにちは。
昨日はすぐに寝て、一度3時頃に目が覚めたんだけど、起きて作業をすることなくそのまま寝てしまいました。いつもよりかは眠さはないです(*^_^*)」
昼食を食べて洗い物をしてると、机の上で携帯が唸っていた。
ボスが「ウシガエルが唸ってるぞーщ( ̄∀ ̄)ш」と叫ぶ前に慌てて、メールを受信。
「判った!そらちゃんのしんどい理由が。
寝不足というより熟睡できてないねや!だから、身体がだるくて一日中頭がボーっとしてるんやわ。夕方ぐらいから、気分よくなるやろ?
熟睡できたら偏頭痛もなおるでぇー。」
………………(・-・)!
素で感心してしまった。
今まで単にストレスから来る偏頭痛だったと思っていたのに、眠り方に問題があるなんて考えもしなかった。
竜樹さんが導き出した答にも驚いたけれど、私の生活習慣や何気ないこともよく見てくれてるんだと思うと、そのこと自体がとても嬉しかった。
俄然機嫌がよくなって、昼からもやってくる仕事に挑む。
結局、午前中と殆ど変わらぬペースのまま終始穏やかな中で仕事を終えた。
あと1日頑張れば週末。
今週末は竜樹邸でお泊りだから、別れ際の寂しさに心を引っ張られることもない。
気持ちにゆとりを持った状態で週末を過ごせることが嬉しい。
自室でゆっくりしてると、携帯にメールが飛び込む。
「電話できる?(~~)/」なんて聞かれるのは、本当に久しぶりのこと。
些細なメールが嬉しくて、こちらから電話をする。
竜樹さんの声を聞いていると、あと1日がとてももどかしいもののような気がしてくる。
電話で話すのもいいけれど、その距離がもどかしいのだと思う。
それでも、明後日からのプランを2人で話してる時間は間違いなく愛しいもの。
「…どうせなら、明日の晩から来るか?」
急に竜樹さんがそう言いだした。
「霄の都合がよければ」という結びの文句がくっついていたけれど…
旅行以外で一度に2泊以上したことがないから、外泊の許可を取るのは大変だというのは判っていたけれど、それでも滅多にないことだからふたつ返事でOKした。
「明日から3日間、うちでゆっくりしたらええよ」
その言葉自体もその底にあるものも、すべてが暖かな気がした。
1日早く逢えること。
一緒にいられる時間が1日長くなったこと。
それはいつでも嬉しいけれど。
閉塞感を覚えてる現状では嬉しい以上の効果がある。
…ちょっと休んで、木々の羅列ではなく森を見つめるために落ち着ける場所が欲しい
竜樹さんは癒しの森。
癒しの森から今自分がいてる森の全体像を眺める糸口を掴めたらと思う。
一度目が覚めたけれどそのまま何もせず眠りつづけたのに、少しも疲れがとれていないまま家を出た。
日差しは暖かいのに、気温が低くてびっくり。
慌ててジャケットを取りに家に戻り、また慌てて家を出る。
最近は家にいてても、どことなく落ち着かない。
それはボスのプレスがひと段落してきた代わりに、別の部分からくるプレスがきつくなってきてるからだろう。
いろんなことは考えるし、立てる波風は極力小さく抑えられるならそれに越したことはないけれど、間違いなく一度この場を離れてみなければ始められもせず、また終わらせることすらできないことがある。
…予定を少し早めた方がいいかもしれない
現状の何処を切り取ってみても不機嫌な要素は多いけれど、その煩わしさに耐え兼ねて自分の大切なものをみすみす捨てていく気はない。
そろそろ飛び出すための準備に取り掛かった方がいいなという予感だけが胸の中で渦巻く感じがする。
…どこまでいっても交差することのない想いに何も感じずにいとう訳ではないけれど。
近くにいるが故に手詰まりになる物事がある。
その解決方法のかけらは当事者のみが握り締めてるものであって、きっと正解を導き出せるのも当事者でしかなくて。
何が正解なのか、どこが折り合う点なのかをすぐには見つけられないこともまた、今に始まったことでなし。
波風を立てることに依ってどの程度周りに余波がいくのか、ずっとそれを考えつづけたけれど、その答は見つからぬまま。
…逃げ続けるためではなく、一度離れて互いの住む森の姿を眺めてみたいと思う。
これから何が必要で、何を求めるのかを考えているうちに、「その日」はやってきてしまうのだろう。
奇妙に腹が括れてしまってる状態で、会社に入る。
今日は朝から非常にのんびりした立ち上がり。
きりきり仕事を片すと、あっという間に仕事がなくなる。
さりとてのたのた仕事をするのは性に合わず、だかだか仕事を片して翌日分の仕事まで着手し始める。
そんな状態の中、事務所は仕事とはかけ離れたことで賑やかだ。
最近、社長はチョコボールにはまっておられる。
チョコボールもお好きなようだけど、おもちゃの缶詰を手に入れたいらしく、毎週10箱近く買ってこられては食べきれない分を社員に配られる。
私も貰うことがある。
今日は部代が貰うことになった。
「天使さん出たら、俺に返せよー」
もしゃもしゃとセロハンのシーリング開けてる部代の横で社長が叫んでおられ。
部代が箱を開けたら、銀のマークが出た。
「社長、出ましたよ♪」
「おー、出た出たーー♪o(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o」
今まで出たエンゼルマークは全て社長から貰った社員の誰かが見つけて、社長にお返ししている。
切り取ったエンゼルマークをしまいこんで嬉々としておられたかと思うと、
「俺はまだ一度も自分の箱から見たことねぇ(;ヘ;)」
とお嘆きの社長。
なんてお気楽なトップ。
これでいいのかどうか判らないけれど…
そんな空気の中できりきり仕事をしていると、鞄が揺れる。
…竜樹さんから労いのメールが届いていた
お昼休みになり、お弁当を食べる前に急いで携帯をこちこち。
「こんにちは。
昨日はすぐに寝て、一度3時頃に目が覚めたんだけど、起きて作業をすることなくそのまま寝てしまいました。いつもよりかは眠さはないです(*^_^*)」
昼食を食べて洗い物をしてると、机の上で携帯が唸っていた。
ボスが「ウシガエルが唸ってるぞーщ( ̄∀ ̄)ш」と叫ぶ前に慌てて、メールを受信。
「判った!そらちゃんのしんどい理由が。
寝不足というより熟睡できてないねや!だから、身体がだるくて一日中頭がボーっとしてるんやわ。夕方ぐらいから、気分よくなるやろ?
熟睡できたら偏頭痛もなおるでぇー。」
………………(・-・)!
素で感心してしまった。
今まで単にストレスから来る偏頭痛だったと思っていたのに、眠り方に問題があるなんて考えもしなかった。
竜樹さんが導き出した答にも驚いたけれど、私の生活習慣や何気ないこともよく見てくれてるんだと思うと、そのこと自体がとても嬉しかった。
俄然機嫌がよくなって、昼からもやってくる仕事に挑む。
結局、午前中と殆ど変わらぬペースのまま終始穏やかな中で仕事を終えた。
あと1日頑張れば週末。
今週末は竜樹邸でお泊りだから、別れ際の寂しさに心を引っ張られることもない。
気持ちにゆとりを持った状態で週末を過ごせることが嬉しい。
自室でゆっくりしてると、携帯にメールが飛び込む。
「電話できる?(~~)/」なんて聞かれるのは、本当に久しぶりのこと。
些細なメールが嬉しくて、こちらから電話をする。
竜樹さんの声を聞いていると、あと1日がとてももどかしいもののような気がしてくる。
電話で話すのもいいけれど、その距離がもどかしいのだと思う。
それでも、明後日からのプランを2人で話してる時間は間違いなく愛しいもの。
「…どうせなら、明日の晩から来るか?」
急に竜樹さんがそう言いだした。
「霄の都合がよければ」という結びの文句がくっついていたけれど…
旅行以外で一度に2泊以上したことがないから、外泊の許可を取るのは大変だというのは判っていたけれど、それでも滅多にないことだからふたつ返事でOKした。
「明日から3日間、うちでゆっくりしたらええよ」
その言葉自体もその底にあるものも、すべてが暖かな気がした。
1日早く逢えること。
一緒にいられる時間が1日長くなったこと。
それはいつでも嬉しいけれど。
閉塞感を覚えてる現状では嬉しい以上の効果がある。
…ちょっと休んで、木々の羅列ではなく森を見つめるために落ち着ける場所が欲しい
竜樹さんは癒しの森。
癒しの森から今自分がいてる森の全体像を眺める糸口を掴めたらと思う。
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心にそっと触れた時…
2002年10月9日昨晩、薬局で貰ったお薬の説明書を睨みながらネットのお薬サイトで、自分が飲んだ薬の詳しい成分を調べてみた。
以前に薬疹が出た薬の主成分と今回処方された薬の成分が一致したので、手帳にその旨を記しておいた。
かゆさをこらえながらぼんやりしてると、竜樹さんから電話。
竜樹さんから質問を受けて、ゾンビちゃん開いて二人でお話。
竜樹さんの声に癒されて、すっと休んだ。
起きて窓越しに見上げた空は、微妙な色合い。
出かける前に昨日できなかった作業分の資料を纏めていると、ゾンビちゃんのFDドライブが不調(>_<)
FDに作っていたファイルもろとも、いきなり壊れた。
どこへも持って行くことの出来ない憤りが不機嫌モードをつれてくる。
いらいらした気分を抱えたまま、家を出た。
昨日は呆れるほど暇だった人外魔境は奇妙に忙しい。
その殆どがアクシデントの火消し作業に近いものだったので、ひとつ終わると微妙に疲れが累積していく感は否めなかった。
いつもながら疲れる会社だけど、ボスと社長の明るさがその疲労感を幾分緩和してる感じ。
会社のトップがムードメーカーやってること自体に問題がある気はするけれど、今はそれに救われてる状態。
辞めるまでにはご恩返しを…とらしくないことを心の中で呟きながら仕事を進め、事務所を後にする。
事務所を離れたら元気が出るのかと思うけれど、なかなか元気を取り戻すことは出来ずに、どんどろりと家に戻る。
うつらうつらしながら移動を繰り返してると、膝の上の鞄が揺れる。
…竜樹さんからだった(*^-^*)
昨日質問を受けたことについてアドバイスしたことが的中したらしくて、ご機嫌さんみたい。
以前なら絶対にしなかったような、遊びの要素が入ったメールに電車の中なのに少し笑ってしまった。
電車を乗り換える時、それに呼応した形でお返事を飛ばす。
何気ないやり取りが、家に帰る気力を繋いでいく。
バスを待っている間、今度は姉さまにメール。
次回の食事会の場所が私の勤務先からは遠い場所なので、移動時間をネット調べて報告。
うまく会社を出られたら、有給を取らずともそこへいけることが判ったので、それが嬉しかった。
暫くすると、姉さまからお返事。
前回の食事会の時にフラれたアランジのぬいぐるみキット、手に入ったら作ったげようと申し出てくれた
…実は、金岡。裁縫がすこぶる苦手なのである。
さすがにボタン付けや裾上げくらいならできるけれど、異常なる3次元音痴なので家庭科の授業の時に形になるものを作らされるのが苦痛でならなかった。
そんな話をしながらアランジアロンゾの本店をうろちょろしたことを、姉さまは覚えてくれてたらしい。
…アランジのパンダだのわるものだのが、未知との遭遇状態の形をなすのは見るに忍びない。
「キットを見つけたら作ってやってくださいませ♪」と返事を返して、こちらもまたご機嫌さんで自宅に戻る。
食事の前に自室に戻って、今朝不調炸裂状態だったゾンビっちのFDドライブがちゃんと動作するかどうか確認する。
幸い、今朝見られたような異常は見受けられなかった。
多分、ゾンビっちを過剰に働かせると熱暴走しかかるのか、ドライブを認識しにくくなるみたい。
今度いつFDごと破壊してくれるかわからないので、なるべくFDを使った作業は避けるべきなんだろうなぁと、ひとりでふむふむと頷いていた。
夕飯を食べて自室でぼけっとしてると、携帯にメールが飛び込む。
確認してびっくり。
沙希ちゃんからだった。
どうやら、沙希ちゃんは今週末に引っ越す模様。
「ひと段楽したら連絡するね」と結ぶメールに、どことなく疲労の色が見え隠れしてる気がして、慌ててお返事を返す。
「私も大変ご無沙汰ですm(__)m
先月半ばに竜樹さんが再手術したり、私自身を取り巻く環境が不穏だったりして、全然落ち着きなかったんですが、何とかやってます。
沙希ちゃがも少し落ち着いたら、お話し聞きます。
…てか、私はいつでも大丈夫です。
周りがごちゃごちゃしとうだけで、自分がどないするかは見えとうから。
手が要る時は、いつでもどうぞ(*^_^*)」
沙希ちゃんがメールを送ってくる時は、あまり本人的に調子がいい時でないということは何となく判る気がする。
私が「私も今アカンねーん」といえば、自らの口を閉ざしてしまう人だから。
沙希ちゃんからメールが来る時は極力その返事には気をつけようと、これまでのことを思い返しながら改めて思う。
…自ら誰かに助けを求められる人じゃないことは、よくよく判っているから
「そらさんは私には自分のことを預けてはくれない」と沙希ちゃんは言うけれど。
それは「そらさん」の部分を「沙希ちゃん」に置き換えても同じなんだ。
私はもたなくなればちょろんとボロが出るけど、沙希ちゃんは潰れるとこまで一人で片付けようとするから、早い目に受け皿を用意しておく必要がある。
そう思ってると、部屋電が鳴る。
沙希ちゃんかと思って慌てて出ると、竜樹さんからだった。
竜樹さんの声はどこか柔らかくて、いろんな物思いを一瞬忘れさせてくれる気がする。
本当は横に置いといてはいけないことも一瞬横に置いてしまってるのかもしれないけれど。
暫し、ほにゃんとした気持ちで話してると、携帯に封筒マークが飛び込む。
…沙希ちゃんからだった。
「よかった そらさんが元気にしてて。この数年つらいこと多かったよ。それも引越し終えたら落ち着くと思う。会ってゆっくり話そうね」
連絡がとれずにいた間、沙希ちゃんは辛い思いをしてたんだ。
「もしかして…」とは思っていた。
ただその疑いを確認するために動き出すにはいろんな絡みがあって、叶わなかった。
その垣根を少しだけ飛び越せば、沙希ちゃんはもう少ししんどさを感じずにいられたのかな?
それとも、私が動こうが動くまいがそれは変わることはなかったのかな?
メールを眺めて考え込んでしまって、少々竜樹さんとの会話が留守になった。
何かの片手間に人と話すなんていうのは失礼以外の何物でもないから、すんごい自己嫌悪。
ちょっとぼっとしてしまったことを謝ると、竜樹さんは少しむくれたように、でも穏やかな様子でそれを受け入れてくれた。
それでも、受話器のこちら側で何があったかを話すことは出来なかったけれど…
お互いに気を取り直して話をし、最後は機嫌よく受話器を置く。
少し息を吐いて、携帯からメールを飛ばす。
「美味しくご飯食べられそうなとこを探しながら、その日が来るのを楽しみにしてるね。
ゆっくり休んで、あと2日頑張ろo(^-^)o」
それを沙希ちゃんがどう受け留めるかは、今の私には判らないけれど。
沙希ちゃんへの送信した後、今度は竜樹さんにメール。
話が途中散漫になったことのお詫びとお休みのご挨拶。
竜樹さんにメールを飛ばしたらすかさず飛んできたお返事は、行き詰まってる感の抜けない心には優しいものだった。
…ありがとう。
それがただのおやすみの挨拶でも、私の声に応えてくれたことが嬉しかった。
何かにぶつかるたびに景気よくすっころんでは人の手を借りてしまうけれど。
いつかはもっと間口の広い自分になりたい。
何かと声を掛けてくれる姉さまにも。
私のことを慮るが故に自分自身の辛さをを口に出せないでいた沙希ちゃんにも。
「そらは今日も元気で1日過ごせたのかな?」と何らかしらの手段で連絡を取りつづけてくれる竜樹さんにも。
私が大切に想う人の心に触れた時、そっと笑顔を渡せる自分でありたい。
以前に薬疹が出た薬の主成分と今回処方された薬の成分が一致したので、手帳にその旨を記しておいた。
かゆさをこらえながらぼんやりしてると、竜樹さんから電話。
竜樹さんから質問を受けて、ゾンビちゃん開いて二人でお話。
竜樹さんの声に癒されて、すっと休んだ。
起きて窓越しに見上げた空は、微妙な色合い。
出かける前に昨日できなかった作業分の資料を纏めていると、ゾンビちゃんのFDドライブが不調(>_<)
FDに作っていたファイルもろとも、いきなり壊れた。
どこへも持って行くことの出来ない憤りが不機嫌モードをつれてくる。
いらいらした気分を抱えたまま、家を出た。
昨日は呆れるほど暇だった人外魔境は奇妙に忙しい。
その殆どがアクシデントの火消し作業に近いものだったので、ひとつ終わると微妙に疲れが累積していく感は否めなかった。
いつもながら疲れる会社だけど、ボスと社長の明るさがその疲労感を幾分緩和してる感じ。
会社のトップがムードメーカーやってること自体に問題がある気はするけれど、今はそれに救われてる状態。
辞めるまでにはご恩返しを…とらしくないことを心の中で呟きながら仕事を進め、事務所を後にする。
事務所を離れたら元気が出るのかと思うけれど、なかなか元気を取り戻すことは出来ずに、どんどろりと家に戻る。
うつらうつらしながら移動を繰り返してると、膝の上の鞄が揺れる。
…竜樹さんからだった(*^-^*)
昨日質問を受けたことについてアドバイスしたことが的中したらしくて、ご機嫌さんみたい。
以前なら絶対にしなかったような、遊びの要素が入ったメールに電車の中なのに少し笑ってしまった。
電車を乗り換える時、それに呼応した形でお返事を飛ばす。
何気ないやり取りが、家に帰る気力を繋いでいく。
バスを待っている間、今度は姉さまにメール。
次回の食事会の場所が私の勤務先からは遠い場所なので、移動時間をネット調べて報告。
うまく会社を出られたら、有給を取らずともそこへいけることが判ったので、それが嬉しかった。
暫くすると、姉さまからお返事。
前回の食事会の時にフラれたアランジのぬいぐるみキット、手に入ったら作ったげようと申し出てくれた
…実は、金岡。裁縫がすこぶる苦手なのである。
さすがにボタン付けや裾上げくらいならできるけれど、異常なる3次元音痴なので家庭科の授業の時に形になるものを作らされるのが苦痛でならなかった。
そんな話をしながらアランジアロンゾの本店をうろちょろしたことを、姉さまは覚えてくれてたらしい。
…アランジのパンダだのわるものだのが、未知との遭遇状態の形をなすのは見るに忍びない。
「キットを見つけたら作ってやってくださいませ♪」と返事を返して、こちらもまたご機嫌さんで自宅に戻る。
食事の前に自室に戻って、今朝不調炸裂状態だったゾンビっちのFDドライブがちゃんと動作するかどうか確認する。
幸い、今朝見られたような異常は見受けられなかった。
多分、ゾンビっちを過剰に働かせると熱暴走しかかるのか、ドライブを認識しにくくなるみたい。
今度いつFDごと破壊してくれるかわからないので、なるべくFDを使った作業は避けるべきなんだろうなぁと、ひとりでふむふむと頷いていた。
夕飯を食べて自室でぼけっとしてると、携帯にメールが飛び込む。
確認してびっくり。
沙希ちゃんからだった。
どうやら、沙希ちゃんは今週末に引っ越す模様。
「ひと段楽したら連絡するね」と結ぶメールに、どことなく疲労の色が見え隠れしてる気がして、慌ててお返事を返す。
「私も大変ご無沙汰ですm(__)m
先月半ばに竜樹さんが再手術したり、私自身を取り巻く環境が不穏だったりして、全然落ち着きなかったんですが、何とかやってます。
沙希ちゃがも少し落ち着いたら、お話し聞きます。
…てか、私はいつでも大丈夫です。
周りがごちゃごちゃしとうだけで、自分がどないするかは見えとうから。
手が要る時は、いつでもどうぞ(*^_^*)」
沙希ちゃんがメールを送ってくる時は、あまり本人的に調子がいい時でないということは何となく判る気がする。
私が「私も今アカンねーん」といえば、自らの口を閉ざしてしまう人だから。
沙希ちゃんからメールが来る時は極力その返事には気をつけようと、これまでのことを思い返しながら改めて思う。
…自ら誰かに助けを求められる人じゃないことは、よくよく判っているから
「そらさんは私には自分のことを預けてはくれない」と沙希ちゃんは言うけれど。
それは「そらさん」の部分を「沙希ちゃん」に置き換えても同じなんだ。
私はもたなくなればちょろんとボロが出るけど、沙希ちゃんは潰れるとこまで一人で片付けようとするから、早い目に受け皿を用意しておく必要がある。
そう思ってると、部屋電が鳴る。
沙希ちゃんかと思って慌てて出ると、竜樹さんからだった。
竜樹さんの声はどこか柔らかくて、いろんな物思いを一瞬忘れさせてくれる気がする。
本当は横に置いといてはいけないことも一瞬横に置いてしまってるのかもしれないけれど。
暫し、ほにゃんとした気持ちで話してると、携帯に封筒マークが飛び込む。
…沙希ちゃんからだった。
「よかった そらさんが元気にしてて。この数年つらいこと多かったよ。それも引越し終えたら落ち着くと思う。会ってゆっくり話そうね」
連絡がとれずにいた間、沙希ちゃんは辛い思いをしてたんだ。
「もしかして…」とは思っていた。
ただその疑いを確認するために動き出すにはいろんな絡みがあって、叶わなかった。
その垣根を少しだけ飛び越せば、沙希ちゃんはもう少ししんどさを感じずにいられたのかな?
それとも、私が動こうが動くまいがそれは変わることはなかったのかな?
メールを眺めて考え込んでしまって、少々竜樹さんとの会話が留守になった。
何かの片手間に人と話すなんていうのは失礼以外の何物でもないから、すんごい自己嫌悪。
ちょっとぼっとしてしまったことを謝ると、竜樹さんは少しむくれたように、でも穏やかな様子でそれを受け入れてくれた。
それでも、受話器のこちら側で何があったかを話すことは出来なかったけれど…
お互いに気を取り直して話をし、最後は機嫌よく受話器を置く。
少し息を吐いて、携帯からメールを飛ばす。
「美味しくご飯食べられそうなとこを探しながら、その日が来るのを楽しみにしてるね。
ゆっくり休んで、あと2日頑張ろo(^-^)o」
それを沙希ちゃんがどう受け留めるかは、今の私には判らないけれど。
沙希ちゃんへの送信した後、今度は竜樹さんにメール。
話が途中散漫になったことのお詫びとお休みのご挨拶。
竜樹さんにメールを飛ばしたらすかさず飛んできたお返事は、行き詰まってる感の抜けない心には優しいものだった。
…ありがとう。
それがただのおやすみの挨拶でも、私の声に応えてくれたことが嬉しかった。
何かにぶつかるたびに景気よくすっころんでは人の手を借りてしまうけれど。
いつかはもっと間口の広い自分になりたい。
何かと声を掛けてくれる姉さまにも。
私のことを慮るが故に自分自身の辛さをを口に出せないでいた沙希ちゃんにも。
「そらは今日も元気で1日過ごせたのかな?」と何らかしらの手段で連絡を取りつづけてくれる竜樹さんにも。
私が大切に想う人の心に触れた時、そっと笑顔を渡せる自分でありたい。
「I want to see you everyday.」
2002年10月8日以前から左目の下の方の淵にできてた小さなできものが、昨夜になって急に痛み出した。
朝になっても痛みが引かないので、半休を貰って眼科に行った。
外は小雨がぱらついている。
いつもなら超満員の眼科はたまたま患者さんが少なかったようでとっとと診断してもらえる。
「これ、いつから出来てました?」
「…だいぶ前からなんですが」
「これ、ものもらいのなりかけの状態ですよ。
よかったね。早めに気がついて。
今なら、薬で治せるから」
…薬で治せないということは、まさか切られるの?(゜o゜)
「あなた寝不足でしょ?
寝不足と疲れはものもらいを進行させるから、睡眠は十分にとりなさいよ」
「…いや、寝たいんですけど、眠れないんです」とは言えないまま診察は終わり、処方箋を貰って薬局へ。
薬局で薬を貰い、薬の説明書を読みながら、人外魔境に移動した。
「お薬を貰ったら、すぐにその場で飲みなさい」と言われていたのに慌てて薬局を飛び出したので、売店でミネラルウォーターを買い、電車の中で薬を飲んで出勤。
2時間遅れで会社に入り、溜まっている作業に取り掛かる。
思ってたよりも仕事の立ち上がりは緩やかだったので、それほど手間取ることなく昼休みを迎える。
身体に違和感を覚えて、ふと鏡を見てびっくり。
…薬疹が出ていた(>へ<)
薬局に行った時「もしかしたら飲み薬のうちのひとつで薬疹が出るかもしれません」と言われたものがあった。
どの薬で出たかは見当はつくのだけれど。
ひとまず次は14時に薬を飲むように言われてたので、薬疹の原因と見られる方の薬は飲まないでおこう。
のつのつとご飯を食べていると、お弁当鞄が揺れた。
そっと見ると、竜樹さんからだった。
………………(o^−^o)〜♪
竜樹さんのパソコンから送信されたメールは全篇英語で書かれていた。
日本語だと間接表現に置き換えられがちなものは、英語だとストレートなものになる。
普段の竜樹さんからなら到底聞くことの出来ないような表現満載のメール。
それが気まぐれから生まれたものであったとしても嬉しかった。
暫くすると、ふと、携帯を見ると「確認メール」というタイトルのメールがひとつ。
届いてるかどうか、気になってるみたい。
慌ててお返事を返す。
「お昼休みに受け取りました。
嬉しかったです、ありがとう(*^_^*)
私は午前中、眼科に行きました。軽いものもらいのようです。
薬をのんだら治る程度なんで、大丈夫です。
仕事は今のところ、順調です」
薬疹が出たことは敢えて伏せておいた。
ちょっとやそっとで薬疹が治まるはずはないけれど、定時まで乗り切る気力はもらえた感じ。
ぶつぶつの不快感と戦いながら、昼からの仕事を始める。
薬疹の痒さに気を取られると、集中力が落ちるのでなるべく仕事に意識を集中していたら、14時に飲むべき薬を飲み忘れた。
15時のお茶の時間に気がついて慌てて薬袋から薬を取り出し飲んだのが悪かった。
…間違えて、薬疹が出る方の薬だけを飲んでしまったo(;-_-;)o
少しだけ形を潜めたかと思った薬疹は再び勢いを増してくる。
かゆさに負けて仕事を投げてしまいそうになるのを、竜樹さんから貰った甘いメールを見返しながら気力を繋いだ。
幸い、仕事はそれほど立てこむことなく、ほぼいつも通の時間に事務所を出る事が出来た。
かゆさだけが治まらないまま、よろよろと家に向かう。
かゆさを我慢しながら電車を乗り継いで移動してると、鞄が揺れる。
見ると、竜樹さん。
「今、そらちゃん、帰宅中?」
いつもなら帰りの電車の中では携帯は触らないようにしてるけれど、もしかして会えるかもしれないなんて期待が胸を走ったので慌ててお返事を返す。
「もしかして、お呼び出しやったん?(T^T)」
ほどなくして手の中で携帯が震える。
「いやいや、残業して遅くなってんねやったら、車でびゅんと送ってあげようかと(*^-^*)
残念でしたねぇー」
………………・゜・(ノД`;)・゜・
最近物理的な仕事量もそう多くはないし、「残業禁止令」が出てるので、なるべく業務時間中にすべてのフローを終えようと必死に仕事に挑む。
その結果、提示過ぎにはあっさりと事務所を後にする形になる。
竜樹さんが声を掛けてくれた頃にはあと1,2回の乗換えで自宅に辿り着いてしまうところまで帰ってきてしまってた。
「ものもらい騒動があったのに、定時に終わってもたー(T^T)
会いたかったよーo(>_<)o」
あと1回の移動で自宅というところで、また鞄が揺れる。
「( ̄ー+ ̄)」
………………ヽ(`⌒´)ノ
短いメールのやり取りを繰り返して、自宅に辿り着く。
薬疹が治まらないまま、金岡母と話し、夕飯を食べて家の仕事をして。
自室で一人になって、そっと携帯を取り出す。
竜樹さんお得意の英文メールを眺めて思う。
…パソコンに向かって何かをしても、それほど身体に影響が出ないほどに回復したんだなぁ
身体の痛さがいろんなことをしようとする気力も体力も削いでいたかつてのことを思い返すと、彼が滅多に遣わないあまあまな表現のメールはもっと深い意味を持ってくるんだ。
「I want to see you everyday.」
…うん、私もおんなじだよ。
英文メールの結びにあった言葉は、いつも私が望むこと。
物理的な仕事量の減少と仕事の取り組み方の変化に依って、別のタイミングの悪さみたいなものは生まれてしまったけれど。
もしも、私がずっと望んでいることを竜樹さんもまた望んでいてくれるなら。
それが一番嬉しいんだ。
竜樹さんが元気で生きていてくれることと同じくらい嬉しいことなんだ。
「I want to see you everyday,too.」
そんな風にひとり、部屋で呟いてみた。
近いうちに伝えるだろう、その言葉を。
朝になっても痛みが引かないので、半休を貰って眼科に行った。
外は小雨がぱらついている。
いつもなら超満員の眼科はたまたま患者さんが少なかったようでとっとと診断してもらえる。
「これ、いつから出来てました?」
「…だいぶ前からなんですが」
「これ、ものもらいのなりかけの状態ですよ。
よかったね。早めに気がついて。
今なら、薬で治せるから」
…薬で治せないということは、まさか切られるの?(゜o゜)
「あなた寝不足でしょ?
寝不足と疲れはものもらいを進行させるから、睡眠は十分にとりなさいよ」
「…いや、寝たいんですけど、眠れないんです」とは言えないまま診察は終わり、処方箋を貰って薬局へ。
薬局で薬を貰い、薬の説明書を読みながら、人外魔境に移動した。
「お薬を貰ったら、すぐにその場で飲みなさい」と言われていたのに慌てて薬局を飛び出したので、売店でミネラルウォーターを買い、電車の中で薬を飲んで出勤。
2時間遅れで会社に入り、溜まっている作業に取り掛かる。
思ってたよりも仕事の立ち上がりは緩やかだったので、それほど手間取ることなく昼休みを迎える。
身体に違和感を覚えて、ふと鏡を見てびっくり。
…薬疹が出ていた(>へ<)
薬局に行った時「もしかしたら飲み薬のうちのひとつで薬疹が出るかもしれません」と言われたものがあった。
どの薬で出たかは見当はつくのだけれど。
ひとまず次は14時に薬を飲むように言われてたので、薬疹の原因と見られる方の薬は飲まないでおこう。
のつのつとご飯を食べていると、お弁当鞄が揺れた。
そっと見ると、竜樹さんからだった。
………………(o^−^o)〜♪
竜樹さんのパソコンから送信されたメールは全篇英語で書かれていた。
日本語だと間接表現に置き換えられがちなものは、英語だとストレートなものになる。
普段の竜樹さんからなら到底聞くことの出来ないような表現満載のメール。
それが気まぐれから生まれたものであったとしても嬉しかった。
暫くすると、ふと、携帯を見ると「確認メール」というタイトルのメールがひとつ。
届いてるかどうか、気になってるみたい。
慌ててお返事を返す。
「お昼休みに受け取りました。
嬉しかったです、ありがとう(*^_^*)
私は午前中、眼科に行きました。軽いものもらいのようです。
薬をのんだら治る程度なんで、大丈夫です。
仕事は今のところ、順調です」
薬疹が出たことは敢えて伏せておいた。
ちょっとやそっとで薬疹が治まるはずはないけれど、定時まで乗り切る気力はもらえた感じ。
ぶつぶつの不快感と戦いながら、昼からの仕事を始める。
薬疹の痒さに気を取られると、集中力が落ちるのでなるべく仕事に意識を集中していたら、14時に飲むべき薬を飲み忘れた。
15時のお茶の時間に気がついて慌てて薬袋から薬を取り出し飲んだのが悪かった。
…間違えて、薬疹が出る方の薬だけを飲んでしまったo(;-_-;)o
少しだけ形を潜めたかと思った薬疹は再び勢いを増してくる。
かゆさに負けて仕事を投げてしまいそうになるのを、竜樹さんから貰った甘いメールを見返しながら気力を繋いだ。
幸い、仕事はそれほど立てこむことなく、ほぼいつも通の時間に事務所を出る事が出来た。
かゆさだけが治まらないまま、よろよろと家に向かう。
かゆさを我慢しながら電車を乗り継いで移動してると、鞄が揺れる。
見ると、竜樹さん。
「今、そらちゃん、帰宅中?」
いつもなら帰りの電車の中では携帯は触らないようにしてるけれど、もしかして会えるかもしれないなんて期待が胸を走ったので慌ててお返事を返す。
「もしかして、お呼び出しやったん?(T^T)」
ほどなくして手の中で携帯が震える。
「いやいや、残業して遅くなってんねやったら、車でびゅんと送ってあげようかと(*^-^*)
残念でしたねぇー」
………………・゜・(ノД`;)・゜・
最近物理的な仕事量もそう多くはないし、「残業禁止令」が出てるので、なるべく業務時間中にすべてのフローを終えようと必死に仕事に挑む。
その結果、提示過ぎにはあっさりと事務所を後にする形になる。
竜樹さんが声を掛けてくれた頃にはあと1,2回の乗換えで自宅に辿り着いてしまうところまで帰ってきてしまってた。
「ものもらい騒動があったのに、定時に終わってもたー(T^T)
会いたかったよーo(>_<)o」
あと1回の移動で自宅というところで、また鞄が揺れる。
「( ̄ー+ ̄)」
………………ヽ(`⌒´)ノ
短いメールのやり取りを繰り返して、自宅に辿り着く。
薬疹が治まらないまま、金岡母と話し、夕飯を食べて家の仕事をして。
自室で一人になって、そっと携帯を取り出す。
竜樹さんお得意の英文メールを眺めて思う。
…パソコンに向かって何かをしても、それほど身体に影響が出ないほどに回復したんだなぁ
身体の痛さがいろんなことをしようとする気力も体力も削いでいたかつてのことを思い返すと、彼が滅多に遣わないあまあまな表現のメールはもっと深い意味を持ってくるんだ。
「I want to see you everyday.」
…うん、私もおんなじだよ。
英文メールの結びにあった言葉は、いつも私が望むこと。
物理的な仕事量の減少と仕事の取り組み方の変化に依って、別のタイミングの悪さみたいなものは生まれてしまったけれど。
もしも、私がずっと望んでいることを竜樹さんもまた望んでいてくれるなら。
それが一番嬉しいんだ。
竜樹さんが元気で生きていてくれることと同じくらい嬉しいことなんだ。
「I want to see you everyday,too.」
そんな風にひとり、部屋で呟いてみた。
近いうちに伝えるだろう、その言葉を。
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小さなオアシス
2002年10月7日昨日は殆ど寝たくれていた。
雨降り前なのか頭痛が抜けなかったから。
竜樹さんは友達と釣りに出た模様。
昨日楽しそうに話をしてる竜樹さんを見てつくづく「元気にならはったなぁ」と感心しきり。
海釣りの時は、夏なのにタコやひらめを釣ったと聞いた。
今日は川釣り。
何を釣るか楽しみなのもあるけれど、楽しめたかどうか知りたかった。
夕方から雨が降ってきた。
竜樹さんのことが気になって仕方なくて、取り敢えずメールを飛ばしてみる。
「釣りは楽しかった?
昨日は楽しかったです。
お疲れ出ませんでした?
私は雨降り前の頭痛に悩まされました(-_-;)
お出かけ、楽しかった?」
お返事が返ってきた。
「坊主、ぼうーず
おれは、ぼうずーっ・。釣れたのは、はっぱ・。魚、おなかすいてなかったのーっ!・うーぅ!」
……………ヨシヨシ( ^^)/(・・、)
「そんな日もあるから、めげずにいてね。
夕飯のおかずになる魚が届くの、楽しみにしてるからね♪・
釣りに行けて、よかった♪」
そう返してまた横になる。
1日横になってたせいか眠れない上に日記の追っかけ更新の作業ににつまったので、深夜に放送してたブンデスリーガの試合を観てた。
カーン様のチームの試合だったから(*^_^*)
試合終了後慌てて短い睡眠を取る。
昨夕方から降っていた雨は朝にはやんでいた。
眠い目をこすりながら、用意をして家を出る。
週明けは仕事が立て込むのが半ばお約束のようだけれど、今日は随分穏やかな立ち上がり。
些細なことはいろいろあるけれど、流れとしては随分穏やかな気がする。
ボスの喋りがやたら快調なのが印象に残るような形で午前中、昼休みと過ぎていく。
昼休みが終わる頃、携帯にメールが飛び込む。
「歯医者に行ったら、歯肉炎おこしててメスで切られた。術後なのに(T_T)
頭痛は、大丈夫なの?」
…………………。。゛(ノ><)ノ ヒィ
ついこないだ切られたとこなのに、(切られる場所が違うとはいえ)また切られたのか。
麻酔がかかってるうちはよしとして、きれたらやってくるだろう痛さを思うと、どういう訳だかこちらまでお腹のあたりが痛くなってくる。
…いろんな意味で早く痛みとはお別れできるといいのにな
そんな風に思いながら仕事を始める前にメールを飛ばす。
「今は大丈夫です。
頭痛はどうにかおさまっています。
歯医者に行ってひどい目に遭ったのね。
かわいそうに(T^T)
週末、よしよししたげるから、ね(^_- )」
いつもならちょっと口にするのを憚られるようなこころもち甘めの言葉をそっと飛ばし、仕事に戻る。
昼からもそれほど仕事は立てこむことはなかった。
ただ、瑣末なトラブルは相変わらずやってくるので、事務所を出るとどっと疲れを覚えたのだけれど…
よろよろと移動を繰り返してると、携帯にメールが飛び込む。
「しんどいのは、土曜日に頑張りすぎたんかな?そらちゃんが。休んだらなおるんやったら、ええけど」
気遣ってもらえることが嬉しいと思いながらも、どこか申し訳ない気はする。
しんどくても、それが
「今日も1日おわりました。
大して仕事してへんはずやのに、つっかれたー(>_<)
カルシウム不足な気がするので、サプリメント買ってみました。
効果があるといいな♪」
よろよろと移動してると、またメール。
「しんどいのは、ストレスからやと思うねんけど。
俺がシカリすぎなんかなぁ(-_-;)」
その後には去年の終わり頃に金岡母から譲られた車の話が続いてる。
年始に何者かに破壊されたドアミラーもきちっと直してもらってご機嫌さんらしい。
いろいろありはするけれど、金岡の家と竜樹さんが繋がっているもののひとつには違いないから、それを気に入って大切にしてくれてるなら、それは何より嬉しいこと。
「怒りすぎやないよ。
私は少々へこたれさんなので、これくらいが丁度いいのかも知れません。
…最近は飴を沢山もらってるしね♪(*^_^*)
車はぴかぴかですか。嬉しいです♪
そんなに喜んで貰えたら、私も嬉しいです♪
やっちゅー♪(*^-^*)」
再手術後俄かに増えたメールは確実に帰宅途中の道程のオアシスになっている。
携帯に突如として現れる小さなオアシスは、小さくても確かに元気をくれる。
そこへまたひとつメールが届く。
…今度は姉さまからだった(*^-^*)
朝も昼も夜も、携帯には小さなオアシスが生まれる。
竜樹さんからも大好きな人たちからも元気を貰って、今日もまた無事に一日を終える。
雨降り前なのか頭痛が抜けなかったから。
竜樹さんは友達と釣りに出た模様。
昨日楽しそうに話をしてる竜樹さんを見てつくづく「元気にならはったなぁ」と感心しきり。
海釣りの時は、夏なのにタコやひらめを釣ったと聞いた。
今日は川釣り。
何を釣るか楽しみなのもあるけれど、楽しめたかどうか知りたかった。
夕方から雨が降ってきた。
竜樹さんのことが気になって仕方なくて、取り敢えずメールを飛ばしてみる。
「釣りは楽しかった?
昨日は楽しかったです。
お疲れ出ませんでした?
私は雨降り前の頭痛に悩まされました(-_-;)
お出かけ、楽しかった?」
お返事が返ってきた。
「坊主、ぼうーず
おれは、ぼうずーっ・。釣れたのは、はっぱ・。魚、おなかすいてなかったのーっ!・うーぅ!」
……………ヨシヨシ( ^^)/(・・、)
「そんな日もあるから、めげずにいてね。
夕飯のおかずになる魚が届くの、楽しみにしてるからね♪・
釣りに行けて、よかった♪」
そう返してまた横になる。
1日横になってたせいか眠れない上に日記の追っかけ更新の作業ににつまったので、深夜に放送してたブンデスリーガの試合を観てた。
カーン様のチームの試合だったから(*^_^*)
試合終了後慌てて短い睡眠を取る。
昨夕方から降っていた雨は朝にはやんでいた。
眠い目をこすりながら、用意をして家を出る。
週明けは仕事が立て込むのが半ばお約束のようだけれど、今日は随分穏やかな立ち上がり。
些細なことはいろいろあるけれど、流れとしては随分穏やかな気がする。
ボスの喋りがやたら快調なのが印象に残るような形で午前中、昼休みと過ぎていく。
昼休みが終わる頃、携帯にメールが飛び込む。
「歯医者に行ったら、歯肉炎おこしててメスで切られた。術後なのに(T_T)
頭痛は、大丈夫なの?」
…………………。。゛(ノ><)ノ ヒィ
ついこないだ切られたとこなのに、(切られる場所が違うとはいえ)また切られたのか。
麻酔がかかってるうちはよしとして、きれたらやってくるだろう痛さを思うと、どういう訳だかこちらまでお腹のあたりが痛くなってくる。
…いろんな意味で早く痛みとはお別れできるといいのにな
そんな風に思いながら仕事を始める前にメールを飛ばす。
「今は大丈夫です。
頭痛はどうにかおさまっています。
歯医者に行ってひどい目に遭ったのね。
かわいそうに(T^T)
週末、よしよししたげるから、ね(^_- )」
いつもならちょっと口にするのを憚られるようなこころもち甘めの言葉をそっと飛ばし、仕事に戻る。
昼からもそれほど仕事は立てこむことはなかった。
ただ、瑣末なトラブルは相変わらずやってくるので、事務所を出るとどっと疲れを覚えたのだけれど…
よろよろと移動を繰り返してると、携帯にメールが飛び込む。
「しんどいのは、土曜日に頑張りすぎたんかな?そらちゃんが。休んだらなおるんやったら、ええけど」
気遣ってもらえることが嬉しいと思いながらも、どこか申し訳ない気はする。
しんどくても、それが
「今日も1日おわりました。
大して仕事してへんはずやのに、つっかれたー(>_<)
カルシウム不足な気がするので、サプリメント買ってみました。
効果があるといいな♪」
よろよろと移動してると、またメール。
「しんどいのは、ストレスからやと思うねんけど。
俺がシカリすぎなんかなぁ(-_-;)」
その後には去年の終わり頃に金岡母から譲られた車の話が続いてる。
年始に何者かに破壊されたドアミラーもきちっと直してもらってご機嫌さんらしい。
いろいろありはするけれど、金岡の家と竜樹さんが繋がっているもののひとつには違いないから、それを気に入って大切にしてくれてるなら、それは何より嬉しいこと。
「怒りすぎやないよ。
私は少々へこたれさんなので、これくらいが丁度いいのかも知れません。
…最近は飴を沢山もらってるしね♪(*^_^*)
車はぴかぴかですか。嬉しいです♪
そんなに喜んで貰えたら、私も嬉しいです♪
やっちゅー♪(*^-^*)」
再手術後俄かに増えたメールは確実に帰宅途中の道程のオアシスになっている。
携帯に突如として現れる小さなオアシスは、小さくても確かに元気をくれる。
そこへまたひとつメールが届く。
…今度は姉さまからだった(*^-^*)
朝も昼も夜も、携帯には小さなオアシスが生まれる。
竜樹さんからも大好きな人たちからも元気を貰って、今日もまた無事に一日を終える。
嬉しいびっくり
2002年10月6日連休明けたら、代打日記があがってました。
びっくりです。
以下の話は10月5日のものです。
平日よりもゆっくりめの時間に目が覚めると、窓の外には青空が広がっていた。
暫く部屋を片付けたり、作業をしたりしてると、メールが飛び込む。
「起きてるかぁー。迎えに行くから、何時頃出れる?」
お返事をして慌てて用意をする。
家まで迎えに来てもらうなんて、本当に久しぶり。
竜樹邸から私の家まで直線距離ではそう遠くないけれど、交通機関を使うとかなり遠回りになるため移動時間がだいぶかかる。
それでも車の運転が辛い時期が長かったから、よろよろ移動を繰り返していたけれど。
妙にどきどきしながら竜樹さんが来るのを待っている。
約束の時間になって家を出ると、竜樹さんの車が待っている。
竜樹さんの車に乗り込み、出かける。
竜樹さんの表情は今日のお天気のように明るくて元気な感じ。
「今日はどこへ行くんですか?」
「真人が面白い場所があるって教えてくれたとこがあるねん。
ご飯を食べたら、そこへ行こうかと思って」
外デートした頃によく行ったうどん屋さんへ行く。
うどん屋さんの今月のお奨めはカレー定食(笑)
以前、「蕎麦屋のカレー」を作ってみようとして何が足りないのか判らずに困ったので、ひとまず今後のために注文。
何故か竜樹さんもつられて同じ物を頼まれた。
「…なんか、給食に出てくるカレーみたいな色してるなぁ」
「でも、ダシが効いてる感じしません?」
食べながら給食の話になったり、学生時代の話になったりして盛り上がったけれど、お昼時のうどん屋さんは待ち人が多くて落ち着かず、外に出る。
そこから真人さんが教えてくれたという場所に行く。
駐車場に辿り着くまでが何だかややこしくて、同じような場所をぐるぐる回ってしまう。
ショッピングモールの警備員と思しき人に案内されてやっと駐車場に到着。
車を停めて入っていくと…
…週末のショッピングモールはすごい人だった
人酔いしそうになりながら、あちらこちらを見て歩き、時々ジューススタンドで休憩を取りながら、またあちらこちらを見て歩く。
そのうち、竜樹さんが吸い込まれるように一軒のお店に入っていく。
一緒になってついていくと、天然石を売ってるお店だった。
いろんな色の石を眺めていると、癒される感じ。
「俺は何の加工もされてない原石っぽいのがいいねん」
ちょっとがっかりしてる竜樹さん。
また2人で並んでお店を見て歩く。
途中で煙草を吸いたくなった竜樹さんと別れて、私は本屋で待つことにした。
本屋さんは憩いの場(笑)
一度入ると、待ち合わせしてることを忘れるくらい。
もし竜樹さんが見つけられなかったとしても、携帯にさえ気をつけていればはぐれることはないから。
時折携帯を睨みながら、本を探し回る。
「…霄。行くで」
「本屋にいる」とは言ったけれど、どのコーナーにいるとまでは言わなかった。
時間つぶしの癖に判りやすい場所には留まらず結構ちょろちょろしまわったのに…
竜樹さんは人ごみの中にあっても、私を見つけてくれる。
携帯を使うこともあるけど、ルミナリエのような人人人なイベントの時でも、殆ど携帯を使うことなく私を見つけ出してくれる。
「…何、笑ってるん?」
「や、なんでもないですよ」
…何処にいても自分を見つけ出してくれることがただ嬉しくて、にこにこしてしまう。
「……………( ̄ー+ ̄)」
「……………(/-\*)…」
にこにこ顔は竜樹さんの囁きかけで赤くなって下向く結果になったけれど…
竜樹さんと並んでちょこちょこ買い物して疲れたので、竜樹邸に戻ることに。
もっといろんなところへ行ってみたい気はしたけれど、竜樹さんの身体に痛みが走りだしたので中止。
以前より格段に元気になったとはいえ、まだまだ無理させないように気をつけないとと思いながら、それでもこんな風に過ごせるようになったことがとてもありがたいなぁと思う。
渋滞をかいくぐり竜樹邸に戻る頃には、2人ともちょっとぐったりしていた。
コーヒーを煎れてひと息つくと、竜樹さんは甘えたモード。
互いに触れ合う時間にもつれこんでいく。
触れ合う時間はいろんな表情を見せるから、その度に心にいろんなものが走る。
それが切ない痛みでも甘やかで暖かい何かであっても。
竜樹さんと私がそこにいること。
2人が一緒にいるということをはっきりと感じ取れる瞬間。
それだけを抱き締めていた。
…うっかり眠ってしまって、目を覚ましてびっくり
ご飯を作り始めないとならない時間だった。
起き上がって出かける用意をしてると、「もうあるもので済ませたらええやん?」とは竜樹さん。
冷凍庫を物色してると、しゃぶしゃぶ用の豚肉が見つかった。
けれど野菜はまったくない。
結局野菜だけを買出しに出かけた。
戻ってきて、お米を磨いで炊飯器にセット。
本当は炊き込みご飯を作りたかったけれど、白いご飯が食べたいと竜樹さん。
まずは竜樹邸の主のご意向に沿う形にしとくことに。
それからお湯を沸かし、解凍した豚肉を茹でて野菜の上に盛り、竜樹さんに分けようと思って持って来てた八丁味噌でお味噌汁を作る。
中身はサツマイモと豆腐。
おかずは出来たものの、ご飯が炊き上がらない。
ちょっと焦れ気味竜樹さんは、冷蔵庫から納豆を取り出してちょこちょこっと細工して食べ始める。
…その半分は私にも回ってきたのだけど
そうして暫くお話したり、テレビを見たりして、炊き上がったお茶碗にご飯をついで、料理を並べて「いただきます♪」
「美味いわ♪」
病院食の簡素さに慣れた竜樹さんにはこれくらいの簡素なご飯が丁度よかったらしい。
私は簡素すぎて申し訳ないなぁと思っていたのだけど…
ご飯を食べて暫くゆっくりして、竜樹さんはお風呂に入っていった。
その間に後片付けをして、ぼけっとしてるとお風呂場から竜樹さんが呼ぶので行ってみると…
…一緒にお風呂に入ることになった
お風呂場はオレンジのいい匂いがする。
「前に買ったオレンジのオイルを入れてみてん。いい匂いやろ?」
バスダブも浴室自身も狭いので、交代で身体を洗ったりお湯に浸かったり。
お風呂付部屋では当たり前のように一緒に入ってたお風呂も、竜樹邸では別々に入るのが当たり前になっていたから、こんな風に過ごすことがあるなんてびっくり。
でも、それは嬉しいびっくり。
オレンジのいい香りと暖かい時間に包まれていた。
お風呂に上がってからゆっくりしすぎたからか、またしても午前様コースになりそうな時間。
こないだ金岡両親と帰りが遅いことでもめたとこなのに、懲りないなぁとは思うけれど。
何となく帰りたくなくて、自らここにいつづけたってのが正しいのかもしれない。
それでも、竜樹さんの方が気にしたみたいで、いつもよりも早く帰り支度を始められる。
「本当に大丈夫なんですか?」
「うん、お風呂に入ったら楽になったから大丈夫やで。
はよ、用意しいやぁ」
そう言われて慌てて用意をして竜樹邸を後にする。
外は少し寒かったけれど、竜樹邸から連れてきた暖かな空気は車の中でもずっと保たれていて、何だか気持ちよかった。
退院後初の外デート。
思っていたよりも長く外デートを楽しめたこと。
互いの想いを伝え合えたこと。
簡素なご飯を喜ばれたこと。
一緒にお風呂に入ったこと。
いつでもあるような、でも間違いなくいつもと違う。
嬉しいびっくりに沢山出逢えたことが、一番嬉しかったこと。
びっくりです。
以下の話は10月5日のものです。
平日よりもゆっくりめの時間に目が覚めると、窓の外には青空が広がっていた。
暫く部屋を片付けたり、作業をしたりしてると、メールが飛び込む。
「起きてるかぁー。迎えに行くから、何時頃出れる?」
お返事をして慌てて用意をする。
家まで迎えに来てもらうなんて、本当に久しぶり。
竜樹邸から私の家まで直線距離ではそう遠くないけれど、交通機関を使うとかなり遠回りになるため移動時間がだいぶかかる。
それでも車の運転が辛い時期が長かったから、よろよろ移動を繰り返していたけれど。
妙にどきどきしながら竜樹さんが来るのを待っている。
約束の時間になって家を出ると、竜樹さんの車が待っている。
竜樹さんの車に乗り込み、出かける。
竜樹さんの表情は今日のお天気のように明るくて元気な感じ。
「今日はどこへ行くんですか?」
「真人が面白い場所があるって教えてくれたとこがあるねん。
ご飯を食べたら、そこへ行こうかと思って」
外デートした頃によく行ったうどん屋さんへ行く。
うどん屋さんの今月のお奨めはカレー定食(笑)
以前、「蕎麦屋のカレー」を作ってみようとして何が足りないのか判らずに困ったので、ひとまず今後のために注文。
何故か竜樹さんもつられて同じ物を頼まれた。
「…なんか、給食に出てくるカレーみたいな色してるなぁ」
「でも、ダシが効いてる感じしません?」
食べながら給食の話になったり、学生時代の話になったりして盛り上がったけれど、お昼時のうどん屋さんは待ち人が多くて落ち着かず、外に出る。
そこから真人さんが教えてくれたという場所に行く。
駐車場に辿り着くまでが何だかややこしくて、同じような場所をぐるぐる回ってしまう。
ショッピングモールの警備員と思しき人に案内されてやっと駐車場に到着。
車を停めて入っていくと…
…週末のショッピングモールはすごい人だった
人酔いしそうになりながら、あちらこちらを見て歩き、時々ジューススタンドで休憩を取りながら、またあちらこちらを見て歩く。
そのうち、竜樹さんが吸い込まれるように一軒のお店に入っていく。
一緒になってついていくと、天然石を売ってるお店だった。
いろんな色の石を眺めていると、癒される感じ。
「俺は何の加工もされてない原石っぽいのがいいねん」
ちょっとがっかりしてる竜樹さん。
また2人で並んでお店を見て歩く。
途中で煙草を吸いたくなった竜樹さんと別れて、私は本屋で待つことにした。
本屋さんは憩いの場(笑)
一度入ると、待ち合わせしてることを忘れるくらい。
もし竜樹さんが見つけられなかったとしても、携帯にさえ気をつけていればはぐれることはないから。
時折携帯を睨みながら、本を探し回る。
「…霄。行くで」
「本屋にいる」とは言ったけれど、どのコーナーにいるとまでは言わなかった。
時間つぶしの癖に判りやすい場所には留まらず結構ちょろちょろしまわったのに…
竜樹さんは人ごみの中にあっても、私を見つけてくれる。
携帯を使うこともあるけど、ルミナリエのような人人人なイベントの時でも、殆ど携帯を使うことなく私を見つけ出してくれる。
「…何、笑ってるん?」
「や、なんでもないですよ」
…何処にいても自分を見つけ出してくれることがただ嬉しくて、にこにこしてしまう。
「……………( ̄ー+ ̄)」
「……………(/-\*)…」
にこにこ顔は竜樹さんの囁きかけで赤くなって下向く結果になったけれど…
竜樹さんと並んでちょこちょこ買い物して疲れたので、竜樹邸に戻ることに。
もっといろんなところへ行ってみたい気はしたけれど、竜樹さんの身体に痛みが走りだしたので中止。
以前より格段に元気になったとはいえ、まだまだ無理させないように気をつけないとと思いながら、それでもこんな風に過ごせるようになったことがとてもありがたいなぁと思う。
渋滞をかいくぐり竜樹邸に戻る頃には、2人ともちょっとぐったりしていた。
コーヒーを煎れてひと息つくと、竜樹さんは甘えたモード。
互いに触れ合う時間にもつれこんでいく。
触れ合う時間はいろんな表情を見せるから、その度に心にいろんなものが走る。
それが切ない痛みでも甘やかで暖かい何かであっても。
竜樹さんと私がそこにいること。
2人が一緒にいるということをはっきりと感じ取れる瞬間。
それだけを抱き締めていた。
…うっかり眠ってしまって、目を覚ましてびっくり
ご飯を作り始めないとならない時間だった。
起き上がって出かける用意をしてると、「もうあるもので済ませたらええやん?」とは竜樹さん。
冷凍庫を物色してると、しゃぶしゃぶ用の豚肉が見つかった。
けれど野菜はまったくない。
結局野菜だけを買出しに出かけた。
戻ってきて、お米を磨いで炊飯器にセット。
本当は炊き込みご飯を作りたかったけれど、白いご飯が食べたいと竜樹さん。
まずは竜樹邸の主のご意向に沿う形にしとくことに。
それからお湯を沸かし、解凍した豚肉を茹でて野菜の上に盛り、竜樹さんに分けようと思って持って来てた八丁味噌でお味噌汁を作る。
中身はサツマイモと豆腐。
おかずは出来たものの、ご飯が炊き上がらない。
ちょっと焦れ気味竜樹さんは、冷蔵庫から納豆を取り出してちょこちょこっと細工して食べ始める。
…その半分は私にも回ってきたのだけど
そうして暫くお話したり、テレビを見たりして、炊き上がったお茶碗にご飯をついで、料理を並べて「いただきます♪」
「美味いわ♪」
病院食の簡素さに慣れた竜樹さんにはこれくらいの簡素なご飯が丁度よかったらしい。
私は簡素すぎて申し訳ないなぁと思っていたのだけど…
ご飯を食べて暫くゆっくりして、竜樹さんはお風呂に入っていった。
その間に後片付けをして、ぼけっとしてるとお風呂場から竜樹さんが呼ぶので行ってみると…
…一緒にお風呂に入ることになった
お風呂場はオレンジのいい匂いがする。
「前に買ったオレンジのオイルを入れてみてん。いい匂いやろ?」
バスダブも浴室自身も狭いので、交代で身体を洗ったりお湯に浸かったり。
お風呂付部屋では当たり前のように一緒に入ってたお風呂も、竜樹邸では別々に入るのが当たり前になっていたから、こんな風に過ごすことがあるなんてびっくり。
でも、それは嬉しいびっくり。
オレンジのいい香りと暖かい時間に包まれていた。
お風呂に上がってからゆっくりしすぎたからか、またしても午前様コースになりそうな時間。
こないだ金岡両親と帰りが遅いことでもめたとこなのに、懲りないなぁとは思うけれど。
何となく帰りたくなくて、自らここにいつづけたってのが正しいのかもしれない。
それでも、竜樹さんの方が気にしたみたいで、いつもよりも早く帰り支度を始められる。
「本当に大丈夫なんですか?」
「うん、お風呂に入ったら楽になったから大丈夫やで。
はよ、用意しいやぁ」
そう言われて慌てて用意をして竜樹邸を後にする。
外は少し寒かったけれど、竜樹邸から連れてきた暖かな空気は車の中でもずっと保たれていて、何だか気持ちよかった。
退院後初の外デート。
思っていたよりも長く外デートを楽しめたこと。
互いの想いを伝え合えたこと。
簡素なご飯を喜ばれたこと。
一緒にお風呂に入ったこと。
いつでもあるような、でも間違いなくいつもと違う。
嬉しいびっくりに沢山出逢えたことが、一番嬉しかったこと。
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日記の外にも日常がある。
と、いうよりも日記の外にこそ日常がある。
唐突に始まりましたがこんばんは。
金岡氏の美しい文章を期待されていた諸兄には心底申し訳ない。
しかし心底申し訳ないと思いつつ、
最近憂鬱の帷に垂れ込めつつある金岡氏の
しばしの心の慰めになれば幸いと
折った筈の筆をセロテープでグルグル巻きにして
本日の代打日記をお送りしたい。
日記の外にこそ、日常がある。
それは誰にとっても当たり前の認識だろうが、
webという場所に慣れると
その意識の境界が薄くなるように感じる。
この場所でつがいの雄鷺を労りながら
己も弱々しく翼を畳んでじっとしているような
そんな日々を送っているように見える金岡氏を、
諸兄はどんな風にご覧になっておられるのか。
目に涙を溜め、
目の前を幾度も通り過ぎる危難に心を痛めつつ、
ただ打ち萎れている人に見える方もおられよう。
その姿は雨に濡れる鷺草の如く。
とんでもない。
じっと耐えているのは、
爆発前の火山に例えられよう。
獲物が動くまで機会を窺い、
草むらから決して動かぬ肉食獣にも例えられよう。
日記には書かないだけで、
たまにとんでもないことをしでかすのも金岡氏である。
打ち萎れているだけのかわいこちゃんと舐めたらアカン。
ヒーローが懸命に戦ってるっちゅーに
ただキャーキャー騒いで更に敵に連れ去れるような
頭弱いヒロインとは違うんである。
先ほども書いたが、web日記は所詮、web日記。
諸兄のおられるモニタの外にこそ、生活がある。
この場所にいる金岡氏が金岡氏であるのは、
間違いのないことは無論であるが、
この場所の外にも彼女の生活があることを
肝に据に命じて行動したいと思う。
憂鬱の帷に垂れ込めようと、金岡氏は金岡氏なんである。
気を付けよう、暗い夜道と金岡 霄。
いつかその牙にやられるかもしれない。
いやマジで。
この人怒ると怖いんだって。
これで彼女が憂鬱の帷から飛び出してきたらと思うと、
背中に嫌な汗をかいてきたのでそろそろ筆を置きたい。
今日は生肉を用意して寝たいと思う。
再会の日まで、諸兄が壮健であるよう祈る。
一瞬の陽だまり
2002年10月4日昨夜、竜樹さんとの会話を終えて暫く作業をしていたら、激しい雨音が聞こえてきた。
術後、竜樹さんから「身体が痛くて眠れない」という話は聞かないけれど、身体に痛みを齎す雨でなければいいなと思う。
祈るような気持ちで眠りにつき、朝起きると窓の外は良く晴れていた。
外は蒸し暑いのか涼しいのか、よく判らない。
10月に入ったというのに、蒸し暑いなんて感じるのは私の体調が思わしくないのか、それとも気候がちょっとばかりおかしいのか。
よく判らないことに思いを廻らしながら、会社に向かって移動の旅を始める。
10月に入ってから引いた風邪は薬でようよう抑えられ、ようやっと食事の度に薬を飲むことからは開放された。
「あぁ、よかった」と思ってると、鼻の皮がめくれてしまってる(T^T)
鼻水攻撃の後は、鼻の頭ぼろぼろ攻撃。
週末までに鼻の頭が元通りになることを願い、風邪の勢力がぶり返さないように気を遣いながら過ごそうと心に決めて社屋に入る。
今日も割と穏やかな立ち上がり。
フローをこなす傍ら、ボスのちゃちゃ入れに受け答えしながら、時折できる空白の時間に考えたのは、連日思い煩ったことではなく週末のご飯のことだった。
本当はもう少し自分自身の心の底を眺めてどう動くか考える必要があるんだと思う。
けれどこれ以上考えまわしたところで、竜樹さんと話を詰めて出した結論を提示して動かしてみる以外に当面するべきことなど見当たるはずもない。
いろんな意味で弱ってたり壁にぶつかってる時の思考など建設的であるはずもなく、そんな中から出る結論は決まってするべきことの本筋からどんどこずれていくに過ぎないものだったりしてきたから。
暫く思い煩いから離れたことに意識を置いてみたかった。
そうすることで身体なり心なりが落ち着いた状態に戻ったら、また思考の中に身を置いてみよう。
そう思ったから、ひとまず今週末の夕飯のことを考えようと思った。
少なくともそうすれば、一日の終わりに交わす会話で竜樹さんに安心は与えられるから。
弱ってようが明るかろうが私であるには違いないけれど、どうせなら笑顔で1日を終えたいと思うから。
竜樹さんが気分よく眠ってくれるのが、嬉しいから…
週末に竜樹邸で何をするのかを考えた。
竜樹さんからの話では、竜樹邸にニューフェイスがやってきたとのこと。
私はこの子が来るのをずっと待ってたんだ。
…やってきたのは、炊飯器。
竜樹さんはあまり沢山食べる人じゃないので、今まではご実家で炊いたご飯を食べる分だけ分けてもらってたらしいのだけれど、いつまでもそれを続けてるのはどだろうということで買ってこられたらしい。
これで、炊き込みご飯もおこわもできる。
今までご飯以外のおかずであれこれ変化つけるしかなかったけれど、ご飯そのものに手を入れられるなら夕飯もさらに幅が広がるというもの。
…いいねぇ、いいねぇo(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o
自分がご飯をしないとならないのには違いはないのだけど、竜樹さんと食べるためのご飯を作るのは苦にならないから。
機嫌のよい頭の中では、いろんなご飯が飛び交う。
…それだけでお腹がすいてきそうだった
お昼ものんべんだらりとご飯を食べたり雑用をしたりして過ごす。
昼からも仕事そのものがどこかのんべんだらりとしてる状態だったので、気持ち悪いくらいくらい作業は進む。
そうして、ぽかんとできた空白の時間に、ご飯のメニューを考える。
極めて穏やか過ぎる状態で今週の仕事は終わった。
ぼんやりと家に帰り、夕飯を食べた後はリビングでもぼんやり、自室でもぼんやり。
そのうち、転寝してしまったらしい。
ぼんやりする頭の奥の方で、携帯の着信音が聞こえる。
ごそごそと起き出してディスプレイを見ると、メールがひとつ。
…竜樹さんからだった。
「何してる?
ひさびさに痛いのよ、動かしすぎで」
「お夜寝してました。
飛ばしすぎたのね?
今夜はゆっくり休んでね(^_-)
明日はお手伝いに行くから、ね」
そんなメールを飛ばしたら、部屋電が鳴る。
竜樹さんの声はしんどそうだけど、どこかやさしい。
今日1日の話をしたり、明日のご飯の話をしたり。
別に数時間後には会えるのだから、しんどい時まで電話したりしなくてもよさそうなものだけど、最近の竜樹さんはよく連絡をくれる。
…それは陽だまりのような時間
メールひとつ、電話ひとつ貰えるだけで、そこにぱっと陽だまりができる感じ。
いろんな問題を抱える中ではその陽だまりは刹那のものかもしれないけれど、その一瞬の陽だまりの中で一日を終えられることが幸せなんだと思う。
「ありがとう」って気持ちで眠れることが、嬉しい今日この頃。
術後、竜樹さんから「身体が痛くて眠れない」という話は聞かないけれど、身体に痛みを齎す雨でなければいいなと思う。
祈るような気持ちで眠りにつき、朝起きると窓の外は良く晴れていた。
外は蒸し暑いのか涼しいのか、よく判らない。
10月に入ったというのに、蒸し暑いなんて感じるのは私の体調が思わしくないのか、それとも気候がちょっとばかりおかしいのか。
よく判らないことに思いを廻らしながら、会社に向かって移動の旅を始める。
10月に入ってから引いた風邪は薬でようよう抑えられ、ようやっと食事の度に薬を飲むことからは開放された。
「あぁ、よかった」と思ってると、鼻の皮がめくれてしまってる(T^T)
鼻水攻撃の後は、鼻の頭ぼろぼろ攻撃。
週末までに鼻の頭が元通りになることを願い、風邪の勢力がぶり返さないように気を遣いながら過ごそうと心に決めて社屋に入る。
今日も割と穏やかな立ち上がり。
フローをこなす傍ら、ボスのちゃちゃ入れに受け答えしながら、時折できる空白の時間に考えたのは、連日思い煩ったことではなく週末のご飯のことだった。
本当はもう少し自分自身の心の底を眺めてどう動くか考える必要があるんだと思う。
けれどこれ以上考えまわしたところで、竜樹さんと話を詰めて出した結論を提示して動かしてみる以外に当面するべきことなど見当たるはずもない。
いろんな意味で弱ってたり壁にぶつかってる時の思考など建設的であるはずもなく、そんな中から出る結論は決まってするべきことの本筋からどんどこずれていくに過ぎないものだったりしてきたから。
暫く思い煩いから離れたことに意識を置いてみたかった。
そうすることで身体なり心なりが落ち着いた状態に戻ったら、また思考の中に身を置いてみよう。
そう思ったから、ひとまず今週末の夕飯のことを考えようと思った。
少なくともそうすれば、一日の終わりに交わす会話で竜樹さんに安心は与えられるから。
弱ってようが明るかろうが私であるには違いないけれど、どうせなら笑顔で1日を終えたいと思うから。
竜樹さんが気分よく眠ってくれるのが、嬉しいから…
週末に竜樹邸で何をするのかを考えた。
竜樹さんからの話では、竜樹邸にニューフェイスがやってきたとのこと。
私はこの子が来るのをずっと待ってたんだ。
…やってきたのは、炊飯器。
竜樹さんはあまり沢山食べる人じゃないので、今まではご実家で炊いたご飯を食べる分だけ分けてもらってたらしいのだけれど、いつまでもそれを続けてるのはどだろうということで買ってこられたらしい。
これで、炊き込みご飯もおこわもできる。
今までご飯以外のおかずであれこれ変化つけるしかなかったけれど、ご飯そのものに手を入れられるなら夕飯もさらに幅が広がるというもの。
…いいねぇ、いいねぇo(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o
自分がご飯をしないとならないのには違いはないのだけど、竜樹さんと食べるためのご飯を作るのは苦にならないから。
機嫌のよい頭の中では、いろんなご飯が飛び交う。
…それだけでお腹がすいてきそうだった
お昼ものんべんだらりとご飯を食べたり雑用をしたりして過ごす。
昼からも仕事そのものがどこかのんべんだらりとしてる状態だったので、気持ち悪いくらいくらい作業は進む。
そうして、ぽかんとできた空白の時間に、ご飯のメニューを考える。
極めて穏やか過ぎる状態で今週の仕事は終わった。
ぼんやりと家に帰り、夕飯を食べた後はリビングでもぼんやり、自室でもぼんやり。
そのうち、転寝してしまったらしい。
ぼんやりする頭の奥の方で、携帯の着信音が聞こえる。
ごそごそと起き出してディスプレイを見ると、メールがひとつ。
…竜樹さんからだった。
「何してる?
ひさびさに痛いのよ、動かしすぎで」
「お夜寝してました。
飛ばしすぎたのね?
今夜はゆっくり休んでね(^_-)
明日はお手伝いに行くから、ね」
そんなメールを飛ばしたら、部屋電が鳴る。
竜樹さんの声はしんどそうだけど、どこかやさしい。
今日1日の話をしたり、明日のご飯の話をしたり。
別に数時間後には会えるのだから、しんどい時まで電話したりしなくてもよさそうなものだけど、最近の竜樹さんはよく連絡をくれる。
…それは陽だまりのような時間
メールひとつ、電話ひとつ貰えるだけで、そこにぱっと陽だまりができる感じ。
いろんな問題を抱える中ではその陽だまりは刹那のものかもしれないけれど、その一瞬の陽だまりの中で一日を終えられることが幸せなんだと思う。
「ありがとう」って気持ちで眠れることが、嬉しい今日この頃。
どんな結末が待っていても…
2002年10月3日昨晩は竜樹さんと話した後、ごとりと眠ってしまった。
目が覚めたら夜中の1時。
そこからごそごそと起き上がって溜め込んでいたお返事を書いて、もう一度眠った。
二度寝したからかいつもよりもまして身体はだるい気がする。
気持ちは身体異常に複雑な感じ。
竜樹さんが悲しい想いを抱えてたと知った言葉は痛みと共に暖かな気持ちを連れてくる。
竜樹さんと一緒にいられることが嬉しいのは間違いないけれど、私を置いてどんどん物事が進んでいきそうな感じに戸惑いがない訳でもなくて。
この事態を喜んでいいのかどうか判らない自分が煮え切らなくて嫌な感じがするのだけは確からしい。
思考はまとまるどころかますます迷走していくような感じのまま、家を出る。
空はすっかり秋の色。
運動会日和ってこんな感じの空なんだろうなぁ。
竜樹さんと一緒にいようと思う気持ちは今見上げてる空のような感じなのに。
それを通すためにしなければならないことに目をやると、途端にいろんな物事がにごってくるような気がする。
竜樹さんとの話が纏まって金岡両親と四者会談になった時。
現状のカードだけでは恐らく結果は見えている。
だとしたら、あまりその日が早く来るのもどうだろうと迷うあたりがだらしなくてとても嫌。
…そうならないために、竜樹さんが出向くと言ったんだ。
たとえ私が思うような結果にしかならなかったとしても、竜樹さんを失うことがないのなら、もうそれでいいじゃないか。
だからと言って、そこへ辿り着くまでの過程をすべて放棄する気はないんだ。
ぎりぎりまで粘ろう。
ぐずぐずとでもここまではこぎつけたんだ。
…て、殆ど強情一本で押し切った形に過ぎないかもしれないけれど(-_-;)
堂々巡りな思考を引きずりながら、事務所に入る。
今日は洗濯当番。
いつもならフローがぐちゃぐちゃになるこの雑用が煩わしくてならないのだけど、今日みたいにちょっと気持ちがぐつぐつしてる時にはちょうどいい気分転換。
僅かなスペースから見える秋色の空を眺めながら洗濯機を回し、細切れの時間に仕事を詰め込みながら洗濯を進める。
洗濯槽に水を入れて洗剤を入れて、ぐるぐる。
取り出して脱水掛けてまた洗濯槽に入れて、ぐるぐる。
水と少しばかりの洗剤を入れると、やがて洗濯物はきれいになる。
そこへ柔軟剤を放り込んで洗い上げたタオルは性能の悪い洗濯機ででもキレイになってる。
そんな風に物事を動かしつづけてさえいれば、物事はキレイに片付かなくても思考だけはすっきりするのだろうか?
自分自身と性能の悪い洗濯機を一緒くたにして考えるあたりが立派に思考疲れを起こしてるんだろうなぁとは思うけれど。
行動すること自体は無駄でないと考えていられてるだけマシなのかもしれない。
無理やりにでも前向きな気持ちを捻り出す。
竜樹さんとのことを思うだけで前向きな気持ちが生まれてるうちは大丈夫なんだろう。
竜樹さんと一緒にいたいと願う気持ちから何かを生み出せるうちは、決して負けではない。
自分に負けてさえなければ道は開けるのだと、少しばかり手垢のついたような文句をたれながら、本腰入れてやってくる仕事を片付け出す。
洗濯当番がある日は殆ど8時間近く仕事と格闘状態で少しの余裕もないのに、今日は奇妙に暇だった。
ここであまり疲労感を蓄積されなかったことがとてもありがたいと思いながら、社屋を出た。
家に帰るための移動の連続に一段楽して、ふと竜樹さんが進めてくれていたことに対する報告をし忘れてたことを思い出す。
入院する前から、肌にいい食品や疲労回復に役立つ食品についていろいろ教えてくれてた。
竜樹さんの食事には気を遣うのに自分自身が口にするものはかなり無頓着なので、竜樹さんは心配していた模様。
竜樹さんの手術が終わるまでは気が気でなくて余計に自分が口にするものに無頓着だったけれど、一段楽して竜樹さんが勧めていてくれたものを食べることにしてみた。
それが即効果のあるもののようには思えないけれど、続けていて効果のあるものなら儲けものだ。
少なくとも、身体には悪くないのだろうから…
「こんばんは。今日はいかがですか?
奇妙に仕事が暇だったので、比較的消耗が少ないです。
帰ったら勧められてたものを食べとこうと思います。
いつもと違う調理法をネットで探そうかな?
キレイになるからね♪(*^_^*)」
暫くすると、お返事ひとつ。
「少し無理したみたい。右肩が痛い(T^T)今は大丈夫だけど」
動けるようになったから、いろいろしたいことを実行してたらまた無理が出たのかなと心配になったので、ゆっくり休むようにメールを飛ばすと、またお返事。
…竜樹さん、パソコンを調整してたらしい。
手術前もパソコンに長く向かってると調子が悪くなると話してたけど、今もまだパソコンとは相性が悪いらしい。
私で判る範囲のことをいくつか打ってまたメール。
いつもなら眠いだけの移動の連続は楽しい時間に変わる。
帰宅して夕飯を食べ終わって自室に戻った頃、竜樹さんから連絡が入る。
メールで補足しきれなかったパソコンの設定の話になり、ゾンビっち開けて一緒の画面を開けながら話をする。
離れた場所にいるのに、同じことをしてるのが嬉しい。
それは竜樹さんが入院してた時、惺さんと3人でネットをしてた時も思ったことだけど…
暖かく穏やかな時間は以前に比べるとはるかに長く続く。
それが竜樹さんの体の具合がよくなってきてる証しのひとつのように思えるから、さらに嬉しさは増す。
多分、私が予測してる結論と実際の結末は殆ど違わないだろう。
よほどいいカードが揃わない限り、知恵と努力だけでは覆らないこともある。
8年間眠らせていた力技をいずれ使わなきゃならない日も来るかもしれない。
力技を使うのを躊躇ったのは、竜樹さんとの未来を不安に思ったからじゃない。
今よりつましい生活をするのが嫌だから躊躇うのかなとも思ったけれど、どうもそうでもないらしい。
竜樹さんと一緒にいたいと思うのと同じくらい、決裂して捨て置きたくない人がいるのだということ。
ぎりぎりまでは粘るけれど、どうしようもなくなった時の結論など、一緒にい始めたときから決まってる。
その力技を使わないで済めばいいなと思いつつ、自分の行く道はもう確定してる。
…事態はぐちゃぐちゃでも、指針だけはひどくシンプルなんだよね
事態と指針がばちんと一致する時など、ほんの一瞬なのかもしれない。
そんな瞬間を見ることがないまま、指針ひとつを守るために飛び出さなきゃならない日もくるかもしれない。
取り巻く情況と自分の気持ちのバランスを見据えながら歩こう。
どんな結末が待っていても、自分の出方だけは決まっているのだから…
目が覚めたら夜中の1時。
そこからごそごそと起き上がって溜め込んでいたお返事を書いて、もう一度眠った。
二度寝したからかいつもよりもまして身体はだるい気がする。
気持ちは身体異常に複雑な感じ。
竜樹さんが悲しい想いを抱えてたと知った言葉は痛みと共に暖かな気持ちを連れてくる。
竜樹さんと一緒にいられることが嬉しいのは間違いないけれど、私を置いてどんどん物事が進んでいきそうな感じに戸惑いがない訳でもなくて。
この事態を喜んでいいのかどうか判らない自分が煮え切らなくて嫌な感じがするのだけは確からしい。
思考はまとまるどころかますます迷走していくような感じのまま、家を出る。
空はすっかり秋の色。
運動会日和ってこんな感じの空なんだろうなぁ。
竜樹さんと一緒にいようと思う気持ちは今見上げてる空のような感じなのに。
それを通すためにしなければならないことに目をやると、途端にいろんな物事がにごってくるような気がする。
竜樹さんとの話が纏まって金岡両親と四者会談になった時。
現状のカードだけでは恐らく結果は見えている。
だとしたら、あまりその日が早く来るのもどうだろうと迷うあたりがだらしなくてとても嫌。
…そうならないために、竜樹さんが出向くと言ったんだ。
たとえ私が思うような結果にしかならなかったとしても、竜樹さんを失うことがないのなら、もうそれでいいじゃないか。
だからと言って、そこへ辿り着くまでの過程をすべて放棄する気はないんだ。
ぎりぎりまで粘ろう。
ぐずぐずとでもここまではこぎつけたんだ。
…て、殆ど強情一本で押し切った形に過ぎないかもしれないけれど(-_-;)
堂々巡りな思考を引きずりながら、事務所に入る。
今日は洗濯当番。
いつもならフローがぐちゃぐちゃになるこの雑用が煩わしくてならないのだけど、今日みたいにちょっと気持ちがぐつぐつしてる時にはちょうどいい気分転換。
僅かなスペースから見える秋色の空を眺めながら洗濯機を回し、細切れの時間に仕事を詰め込みながら洗濯を進める。
洗濯槽に水を入れて洗剤を入れて、ぐるぐる。
取り出して脱水掛けてまた洗濯槽に入れて、ぐるぐる。
水と少しばかりの洗剤を入れると、やがて洗濯物はきれいになる。
そこへ柔軟剤を放り込んで洗い上げたタオルは性能の悪い洗濯機ででもキレイになってる。
そんな風に物事を動かしつづけてさえいれば、物事はキレイに片付かなくても思考だけはすっきりするのだろうか?
自分自身と性能の悪い洗濯機を一緒くたにして考えるあたりが立派に思考疲れを起こしてるんだろうなぁとは思うけれど。
行動すること自体は無駄でないと考えていられてるだけマシなのかもしれない。
無理やりにでも前向きな気持ちを捻り出す。
竜樹さんとのことを思うだけで前向きな気持ちが生まれてるうちは大丈夫なんだろう。
竜樹さんと一緒にいたいと願う気持ちから何かを生み出せるうちは、決して負けではない。
自分に負けてさえなければ道は開けるのだと、少しばかり手垢のついたような文句をたれながら、本腰入れてやってくる仕事を片付け出す。
洗濯当番がある日は殆ど8時間近く仕事と格闘状態で少しの余裕もないのに、今日は奇妙に暇だった。
ここであまり疲労感を蓄積されなかったことがとてもありがたいと思いながら、社屋を出た。
家に帰るための移動の連続に一段楽して、ふと竜樹さんが進めてくれていたことに対する報告をし忘れてたことを思い出す。
入院する前から、肌にいい食品や疲労回復に役立つ食品についていろいろ教えてくれてた。
竜樹さんの食事には気を遣うのに自分自身が口にするものはかなり無頓着なので、竜樹さんは心配していた模様。
竜樹さんの手術が終わるまでは気が気でなくて余計に自分が口にするものに無頓着だったけれど、一段楽して竜樹さんが勧めていてくれたものを食べることにしてみた。
それが即効果のあるもののようには思えないけれど、続けていて効果のあるものなら儲けものだ。
少なくとも、身体には悪くないのだろうから…
「こんばんは。今日はいかがですか?
奇妙に仕事が暇だったので、比較的消耗が少ないです。
帰ったら勧められてたものを食べとこうと思います。
いつもと違う調理法をネットで探そうかな?
キレイになるからね♪(*^_^*)」
暫くすると、お返事ひとつ。
「少し無理したみたい。右肩が痛い(T^T)今は大丈夫だけど」
動けるようになったから、いろいろしたいことを実行してたらまた無理が出たのかなと心配になったので、ゆっくり休むようにメールを飛ばすと、またお返事。
…竜樹さん、パソコンを調整してたらしい。
手術前もパソコンに長く向かってると調子が悪くなると話してたけど、今もまだパソコンとは相性が悪いらしい。
私で判る範囲のことをいくつか打ってまたメール。
いつもなら眠いだけの移動の連続は楽しい時間に変わる。
帰宅して夕飯を食べ終わって自室に戻った頃、竜樹さんから連絡が入る。
メールで補足しきれなかったパソコンの設定の話になり、ゾンビっち開けて一緒の画面を開けながら話をする。
離れた場所にいるのに、同じことをしてるのが嬉しい。
それは竜樹さんが入院してた時、惺さんと3人でネットをしてた時も思ったことだけど…
暖かく穏やかな時間は以前に比べるとはるかに長く続く。
それが竜樹さんの体の具合がよくなってきてる証しのひとつのように思えるから、さらに嬉しさは増す。
多分、私が予測してる結論と実際の結末は殆ど違わないだろう。
よほどいいカードが揃わない限り、知恵と努力だけでは覆らないこともある。
8年間眠らせていた力技をいずれ使わなきゃならない日も来るかもしれない。
力技を使うのを躊躇ったのは、竜樹さんとの未来を不安に思ったからじゃない。
今よりつましい生活をするのが嫌だから躊躇うのかなとも思ったけれど、どうもそうでもないらしい。
竜樹さんと一緒にいたいと思うのと同じくらい、決裂して捨て置きたくない人がいるのだということ。
ぎりぎりまでは粘るけれど、どうしようもなくなった時の結論など、一緒にい始めたときから決まってる。
その力技を使わないで済めばいいなと思いつつ、自分の行く道はもう確定してる。
…事態はぐちゃぐちゃでも、指針だけはひどくシンプルなんだよね
事態と指針がばちんと一致する時など、ほんの一瞬なのかもしれない。
そんな瞬間を見ることがないまま、指針ひとつを守るために飛び出さなきゃならない日もくるかもしれない。
取り巻く情況と自分の気持ちのバランスを見据えながら歩こう。
どんな結末が待っていても、自分の出方だけは決まっているのだから…
「俺を信じて」
2002年10月2日竜樹邸から戻った後、両親との会話もそこそこに自室に戻る。
風邪薬を飲んでぼーっとしてる時に友達とお話することになったのはいいけれど、どうにもこうにも眠くて仕方なくて…
…起きて真っ青になった。
生まれてこのかた一度もやったことのない「寝落ち」をやってしまった。
海衣がまだこの家にいてた頃、旦那であれ友達であれ毛布に包まって受話器片手に寝落ちしてるのを度々目にしたけれど、まさか自分がやるとは思わなかった。
お詫びメールをこちこち打って、朝の空に飛ばす。
昨日竜樹さんから貰った鞄に持っていくものを詰め替えて家を出る。
台風一過、外は快晴。
…今日からボスがお江戸に行くので、台風逃げたかな?
昨日ボス自らが「わしが行く先は台風が逃げる」と仰ってたのは当たってたみたい。
しょうもないことに少しだけ笑ってしまった。
昨日ひどかった風邪の症状は、喉の痛いの以外は殆ど薬で抑えられている。
鼻がやたらひどかったので鼻に効く風邪薬とやらを試してみたら、眠気がひどい。
昨日寝落ちしたのも風邪薬飲んだのが悪かったのかもしれない。
薬に頼るのもよし悪しだ。
風邪の症状も眠気も仕事に触らない程度であってくれよと願いながら、仕事を始める。
仕事のどたばたは昨日に比べたらまだマシな方。
フロアに人がいないと厄介な問題が降って湧くか何もないかのどちらか。
今日はどちらかといえば後者に近い状態。
昨日の今日なのであまりしんどくないのはありがたかった。
ほぼ一日のフローの大部分を片付けて、昼を迎えた。
お弁当を取り出す時、竜樹さんから貰った鞄が目に入る。
「昨日貰ったの、早速使ってます。
あの重たいエピを入れても負担にならないのがいいです(*^_^*)
素敵なプレゼントをありがとうm(__)m
引き続き頑張ります。
お疲れ出てませんか?」
お弁当を食べる前にこちこちと携帯からメールを飛ばす。
ほどなくして、机の上で携帯が踊る。
「快調です。こんな天気になるんやったら、今日、退院したらよかったぁー!プラダ、いいやろ(^○^)v」
後片付けの後、またお返事。
「とてもいいです(*^_^*)
本当に今日みたいな天気の日に退院したかったね。
でも、今日だとお散歩リハビリができそうじゃない?」
そうしてまたメールを飛ばして、昼からの仕事に入る。
午前中よりも昼からの方が忙しかったけれど、やっぱり昨日のことを思えばマシ。
定時に事務所を飛び出して、ぼんやりとしながら自宅へ戻った。
自宅へ戻ると、会社にいる時とはまた別のことで頭が痛くなる。
自分の腹は決まっててどう動くかも見えてても、やっぱりそれが完全な形の最善の策かと言われればそうだとは思えないから、気持ちは嫌でも重くなる。
不完全ではあってもそう動くしかないだろうなと考えてること。
それを成すことですら、足りないものが多すぎる。
あと1年で、どれだけその不足を補えるのか。
どこまで溝を埋めて行けるのか。
冷静に足りないものとそれを得るための方法を考え合わせて動くしかないのだと思いながら、ひとつひとつを整理する作業に入る。
ひとしきり考えがまとまった頃、部屋電が鳴った。
…竜樹さんからだった。
暖かみのある大好きな声は、強張った心を柔らかくしてくれる。
お互いが今日1日どんな風に過ごしたのかを話し、改めて竜樹さんが元気になったのだと思うとそれだけで元気になれる気がする。
互いの今日の行動についての話から、どういう訳か今後の話に移行していく。
ふと、ここ数日の間にあったことが心の中をすっと通り抜ける。
退院して2日しか経ってない人に伝えるべきことだったかどうかは判らないけれど、伝えなきゃならない気がした。
「…あのね、私、来年の何時になるかは判らないけど、うちを出ようと思うんだ」
事の詳細については明らかにできない。
いくらなんでもそれは今するべきことじゃない。
そう思ったから両親と話したことの大まかな概要に留めておいたけれど…
「…なぁ、それやったら俺んち来たらええやん?
2人で暮らしてお金貯めたらええ。
会社かって嫌やったら来年末まで待たんと辞めたらええ。
俺かってこのままではいぃへんし、ゆっくり次の仕事を探したらええやん?」
ただただびっくりしてしまった。
きちんと籍を入れない限りは一緒に暮らすことはないだろうと思ってたから。
竜樹さん自身、同居を急いでた訳でもなかったみたいだし…
暫くぽかんとしてる私に竜樹さんは言葉を続ける。
「年内中にでも2人で話をつめて、ご両親と交えて話し合ってもええやん。
あれから2年間個別に動いてきたけど、それでは物事は進まへんかったやん。
霄の判断が間違ってるとは思わへんけど、もう俺のことを信じてくれてもええんちゃう?」
2年前、竜樹さんが申し出てくれた時、何となく物事を大きく揺らすことができないような気がして、そのままずっと保留をかけることになった。
後々に起こったことを振り返ればその判断が間違ってたとも思わないけれど、保留を掛けたから事態が進展したかといわれたらそうでもない。
竜樹さんの読みを信じなかったわけじゃない。
だけど、すぐには動けなかった。
それが「俺を信じて」と言わせるほどに信用されてないと思われてたのだとしたら、心が痛む。
私が「これから」を手に入れるために自分なりに格闘したこと。
なるべく竜樹さんの手を煩わせない範囲で片付けられることは全部片付けたいと思ってた。
それを傍で見つめながら、どんな想いで待ち続けていてくれたんだろう?
私がどんな想いで歩いてきたのか、竜樹さんがどんな想いで歩いてきたのか。
そのことの一番深い部分も含めて、これから2人で話し合っていくんだろう。
「…竜樹さんは本当にそれでいいんですよね?」
「当たり前や。2年前からずっと待ってたんやから」
まだ片付いてないこと、しなければならないこと。
それは沢山あって、そのすべてをあと1年で片付けることができる自信はないけれど。
1人で手詰まりだったことを預かってくれるという竜樹さん。
竜樹さんの手を煩わせたくなくて何とか一人で片付けようとしたけれど、そうしなくてもいいと言ってくれる。
2人でひとつのものを手に入れるために自らの時間と心をくれるということ。
それに応えるために必要なのは、自分の心だけなのかもしれない。
そんな風に思いながら、熱を帯びた竜樹さんの声に耳を傾けつづけた。
互いが伏せていた2年に少し触れあって、長い長い電話を終える。
水面に投げ入れられた小石はとんでもない波動を連れてきたような気がしてならない。
それが決して機嫌がいいばかりの明日を連れてくる訳でなかったとしても。
一番大事に想うものは、もう手から落ちたりはしないのだろう。
目指す場所が同じであるうちは…
不安にさせたりしなきゃならないと自らを奮い立たせすぎたりさせたくなかったからこそ一人で片付けようとしたことが結果的に「信じてもらえてない」という気持ちを呼び起こすなら、本末転倒なんだ。
強い風が吹いた。
もうすべてのバランスを取りながらは歩けないかもしれない。
それでも互いが互いを想い合って生きていけるのなら。
その風に乗るのもまた悪くはないのかもしれない。
…もう二度と「俺を信じて」なんて言わせないから
この場所を維持できなくなることへの戸惑い以上に、そんな想いだけが強くなった気がした。
風邪薬を飲んでぼーっとしてる時に友達とお話することになったのはいいけれど、どうにもこうにも眠くて仕方なくて…
…起きて真っ青になった。
生まれてこのかた一度もやったことのない「寝落ち」をやってしまった。
海衣がまだこの家にいてた頃、旦那であれ友達であれ毛布に包まって受話器片手に寝落ちしてるのを度々目にしたけれど、まさか自分がやるとは思わなかった。
お詫びメールをこちこち打って、朝の空に飛ばす。
昨日竜樹さんから貰った鞄に持っていくものを詰め替えて家を出る。
台風一過、外は快晴。
…今日からボスがお江戸に行くので、台風逃げたかな?
昨日ボス自らが「わしが行く先は台風が逃げる」と仰ってたのは当たってたみたい。
しょうもないことに少しだけ笑ってしまった。
昨日ひどかった風邪の症状は、喉の痛いの以外は殆ど薬で抑えられている。
鼻がやたらひどかったので鼻に効く風邪薬とやらを試してみたら、眠気がひどい。
昨日寝落ちしたのも風邪薬飲んだのが悪かったのかもしれない。
薬に頼るのもよし悪しだ。
風邪の症状も眠気も仕事に触らない程度であってくれよと願いながら、仕事を始める。
仕事のどたばたは昨日に比べたらまだマシな方。
フロアに人がいないと厄介な問題が降って湧くか何もないかのどちらか。
今日はどちらかといえば後者に近い状態。
昨日の今日なのであまりしんどくないのはありがたかった。
ほぼ一日のフローの大部分を片付けて、昼を迎えた。
お弁当を取り出す時、竜樹さんから貰った鞄が目に入る。
「昨日貰ったの、早速使ってます。
あの重たいエピを入れても負担にならないのがいいです(*^_^*)
素敵なプレゼントをありがとうm(__)m
引き続き頑張ります。
お疲れ出てませんか?」
お弁当を食べる前にこちこちと携帯からメールを飛ばす。
ほどなくして、机の上で携帯が踊る。
「快調です。こんな天気になるんやったら、今日、退院したらよかったぁー!プラダ、いいやろ(^○^)v」
後片付けの後、またお返事。
「とてもいいです(*^_^*)
本当に今日みたいな天気の日に退院したかったね。
でも、今日だとお散歩リハビリができそうじゃない?」
そうしてまたメールを飛ばして、昼からの仕事に入る。
午前中よりも昼からの方が忙しかったけれど、やっぱり昨日のことを思えばマシ。
定時に事務所を飛び出して、ぼんやりとしながら自宅へ戻った。
自宅へ戻ると、会社にいる時とはまた別のことで頭が痛くなる。
自分の腹は決まっててどう動くかも見えてても、やっぱりそれが完全な形の最善の策かと言われればそうだとは思えないから、気持ちは嫌でも重くなる。
不完全ではあってもそう動くしかないだろうなと考えてること。
それを成すことですら、足りないものが多すぎる。
あと1年で、どれだけその不足を補えるのか。
どこまで溝を埋めて行けるのか。
冷静に足りないものとそれを得るための方法を考え合わせて動くしかないのだと思いながら、ひとつひとつを整理する作業に入る。
ひとしきり考えがまとまった頃、部屋電が鳴った。
…竜樹さんからだった。
暖かみのある大好きな声は、強張った心を柔らかくしてくれる。
お互いが今日1日どんな風に過ごしたのかを話し、改めて竜樹さんが元気になったのだと思うとそれだけで元気になれる気がする。
互いの今日の行動についての話から、どういう訳か今後の話に移行していく。
ふと、ここ数日の間にあったことが心の中をすっと通り抜ける。
退院して2日しか経ってない人に伝えるべきことだったかどうかは判らないけれど、伝えなきゃならない気がした。
「…あのね、私、来年の何時になるかは判らないけど、うちを出ようと思うんだ」
事の詳細については明らかにできない。
いくらなんでもそれは今するべきことじゃない。
そう思ったから両親と話したことの大まかな概要に留めておいたけれど…
「…なぁ、それやったら俺んち来たらええやん?
2人で暮らしてお金貯めたらええ。
会社かって嫌やったら来年末まで待たんと辞めたらええ。
俺かってこのままではいぃへんし、ゆっくり次の仕事を探したらええやん?」
ただただびっくりしてしまった。
きちんと籍を入れない限りは一緒に暮らすことはないだろうと思ってたから。
竜樹さん自身、同居を急いでた訳でもなかったみたいだし…
暫くぽかんとしてる私に竜樹さんは言葉を続ける。
「年内中にでも2人で話をつめて、ご両親と交えて話し合ってもええやん。
あれから2年間個別に動いてきたけど、それでは物事は進まへんかったやん。
霄の判断が間違ってるとは思わへんけど、もう俺のことを信じてくれてもええんちゃう?」
2年前、竜樹さんが申し出てくれた時、何となく物事を大きく揺らすことができないような気がして、そのままずっと保留をかけることになった。
後々に起こったことを振り返ればその判断が間違ってたとも思わないけれど、保留を掛けたから事態が進展したかといわれたらそうでもない。
竜樹さんの読みを信じなかったわけじゃない。
だけど、すぐには動けなかった。
それが「俺を信じて」と言わせるほどに信用されてないと思われてたのだとしたら、心が痛む。
私が「これから」を手に入れるために自分なりに格闘したこと。
なるべく竜樹さんの手を煩わせない範囲で片付けられることは全部片付けたいと思ってた。
それを傍で見つめながら、どんな想いで待ち続けていてくれたんだろう?
私がどんな想いで歩いてきたのか、竜樹さんがどんな想いで歩いてきたのか。
そのことの一番深い部分も含めて、これから2人で話し合っていくんだろう。
「…竜樹さんは本当にそれでいいんですよね?」
「当たり前や。2年前からずっと待ってたんやから」
まだ片付いてないこと、しなければならないこと。
それは沢山あって、そのすべてをあと1年で片付けることができる自信はないけれど。
1人で手詰まりだったことを預かってくれるという竜樹さん。
竜樹さんの手を煩わせたくなくて何とか一人で片付けようとしたけれど、そうしなくてもいいと言ってくれる。
2人でひとつのものを手に入れるために自らの時間と心をくれるということ。
それに応えるために必要なのは、自分の心だけなのかもしれない。
そんな風に思いながら、熱を帯びた竜樹さんの声に耳を傾けつづけた。
互いが伏せていた2年に少し触れあって、長い長い電話を終える。
水面に投げ入れられた小石はとんでもない波動を連れてきたような気がしてならない。
それが決して機嫌がいいばかりの明日を連れてくる訳でなかったとしても。
一番大事に想うものは、もう手から落ちたりはしないのだろう。
目指す場所が同じであるうちは…
不安にさせたりしなきゃならないと自らを奮い立たせすぎたりさせたくなかったからこそ一人で片付けようとしたことが結果的に「信じてもらえてない」という気持ちを呼び起こすなら、本末転倒なんだ。
強い風が吹いた。
もうすべてのバランスを取りながらは歩けないかもしれない。
それでも互いが互いを想い合って生きていけるのなら。
その風に乗るのもまた悪くはないのかもしれない。
…もう二度と「俺を信じて」なんて言わせないから
この場所を維持できなくなることへの戸惑い以上に、そんな想いだけが強くなった気がした。
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始まりの日
2002年10月1日今日は竜樹さんが退院する日。
なのに、朝からざざ降り。
…竜樹さん、大丈夫かなぁ?
雨が降ると竜樹さんの具合が悪くなるという思考の流れは相変わらずで。
それが術後も引き継がれているものなのかどうかすら判らないのに、思考は従来通りに流れていく。
また一から気温や天候によって竜樹さんの体調がどう変化するのか、自分の意識の中に叩き込んでかなきゃならないなぁと思いながら、ぼんやりと出かける。
ぼんやりしすぎたからか、レインジャケットを家に置き忘れてしまった。
会社のある方角に向かえば向かうほど、雨脚は強くなる。
ずぶぬれで会社に入らなきゃならないのも憂鬱だけど、昨日の夕方から身体のあちこちに出てるぶつぶつは未だに消えずに残っている。
昨日も一昨日も薬は飲んでいないから、ストレス性の蕁麻疹なんだろうと思う。
今までこんなに長時間ぶつぶつが引かなかったことはなかったのに…
竜樹さん以外のことにおいては、もう限界なのかもしれない。
寝てるとかゆみは感じないので休みたいなぁと思ったけれど、あらゆる部署を巻き込んだ親会社の棚卸し明けに休むのは自殺行為に近いから、なくなく出勤。
いつも持ち歩いている、竜樹さんのちいさな笑顔に元気を貰って仕事を始める。
いろいろ複雑なことが絡まりあう場に身を置いてることは間違いないけれど、自分の中にある結論はシンプルなまでに鮮明。
その鮮明さを加速させたのは竜樹さんの元気。
竜樹さんと一緒にいられるうちは頑張ろうと思えるから不思議だ。
そんな決意と裏腹に、何だか体調が上向きにならない。
…風邪を引いたのか、鼻がずるずる(>へ<)
会社に置き薬はないし、自分自身が薬を持ち歩いていないから、具合はどんどん悪くなる。
「…何か、この辺で鼻をずるずる言わせてるでぇ、かなちゃんが。
今年はかなちゃんから風邪が始まるのかぁ?」
ボスの茶化しは洒落になってない。
電話をとってもずるずる、パソコンのキーボードを叩いててもずるずる。
書類かいててもずるずる、お茶飲んでてもずるずる。
鼻のかみすぎで鼻は真っ赤になるし、頭はボーっとするし、ひどい有り様。
…こんな日にやらかした失敗は、後日とんでもないトラブルを巻き起こすんだ(-_-;)
その後始末の大変さは身をもって知ってるから、極力注意しながら書類を片していく。
幸いややこしい仕事はなく、通常フロー通りの流れで済みそう。
ぐったりよれよれの状態で会社を出た。
朝は何時やむんだろうと思うほどの雨だったのに、外に出るとすっかりあがって夕闇の空が広がっている。
信号待ちの時間に携帯を取り出し、メールをひとつ。
「退院祝いは何がいですか?リクエスト募集中!」
短い言葉を夜空に飛ばし、自転車をかっ飛ばす。
最寄駅に着くちょっと前にお返事がひとつ。
…………………(/-\*)……
これからすぐに行きたいのはやまやまだけど、身体の調子は今ひとつ。
お伺いを立ててみた。
「しんどくなかったら、今日。しんどかったら、明日。いいもん、あんねんけどなぁー」
…………………o(;-_-;)o
「いいもん、あんねんけどなー」は殆ど「できたら今日おいで」ってことなんだろう。
「おいで」と言われて「やめます」なんて言える訳もない。
風邪薬で抑えれば何とかなりそうだったので、自宅にに連絡をいれ、風邪薬を買ってホームに上がり電車が車での間に風邪薬を飲み、竜樹邸に向かう。
車窓を流れる景色を見つめながら、時間の流れの速さに驚く。
ついこないだまではこれくらいの時間だとまだ明るかったし、肌に当たる風はどこか熱を帯びていた。
やれ竜樹さんの再入院、再手術と大騒ぎしてたと思っていたら、もう退院。
…それはあくまで区切りであって、終わりではないのだけど
いつやってくるか判らず、半ば絶望的な気持ちで眺めていた竜樹さんの体調が思って退場によくなってること。
今はそれがただただありがたいなぁと思う。
それが今まで隠してた問題を掘り起こすことになっても、竜樹さんの元気が私の元気の素だから、それを糧にやれることをやろう。
そんな風に思いながら、竜樹邸に向かった。
「お疲れ、よぉ来てくれたなぁ♪(*^-^*)」
そう声をかける竜樹さんは元気そう。
幸い電車待ちの時間に飲んだ風邪薬が効いてきてるのか、あまりしんどくはない。
暫くテレビを見ながら話し、竜樹さんは台所から小さな箱を持ってきた。
「夕方真人とピザを取って食べた時に頼んだら美味しかったから、また頼んでおいてん♪」
箱を開けると2種類のチキンが出てきた。
「いただきます♪(*^人^*)」
ピザ屋さんのサイドメニューで美味しいと思うものはそうそうないのだけれど、このチキンは美味しかった。
一生懸命食べてる横から手が伸びてくる。
…竜樹さん、夕方食べただけでは食べたりなかったらしい(^-^;
2人で一生懸命チキンを食べ、コーヒー飲んで一息つく。
「そぉや、これを霄にあげよう(*^-^*)」
そう言って、小さな紙袋を貰う。
…開けてみると、アクセサリーポーチのような、小さな鞄が入っていた。
「こんなんもうて、いいんですか?本当なら私が退院祝いせんなんのに…」
「霄はよう頑張ってくれたから、ええねん♪
長いこと、ありがとうなぁ(*^-^*)」
そう言ってほにゃと笑う竜樹さん。
その笑顔に触れるのはもっと先だと思っていたから、ただそれだけが嬉しかった。
どちらからともなく抱き締めあって、ゆっくりと熱と想いを分け合って…
「ずっと傍におりや…」
「…うん」
何度となく交わした想いはより深くなる。
すべてが終わったわけじゃない。
まだ山は幾つも目の前に聳えている。
長い旅はまだまだ続いていくのだろう。
…それでも。
ただ自分の目の前にいてくれてること。
元気な笑顔と暖かな想いを向けてくれること。
それがただ嬉しかった。
元気な竜樹さんに触れたせいなのか、昨日の夕方から消えることなく身体に残りつづけていたぶつぶつはきれいに消えていた。
竜樹さんが元気で戻ってきた日。
その元気に触れられさえすれば、いろんなことはあっても私も元気でいられるのだと、改めて判った日。
互いの想いが深いことを確認した日。
…今日は幾度目かの始まりの日。
なのに、朝からざざ降り。
…竜樹さん、大丈夫かなぁ?
雨が降ると竜樹さんの具合が悪くなるという思考の流れは相変わらずで。
それが術後も引き継がれているものなのかどうかすら判らないのに、思考は従来通りに流れていく。
また一から気温や天候によって竜樹さんの体調がどう変化するのか、自分の意識の中に叩き込んでかなきゃならないなぁと思いながら、ぼんやりと出かける。
ぼんやりしすぎたからか、レインジャケットを家に置き忘れてしまった。
会社のある方角に向かえば向かうほど、雨脚は強くなる。
ずぶぬれで会社に入らなきゃならないのも憂鬱だけど、昨日の夕方から身体のあちこちに出てるぶつぶつは未だに消えずに残っている。
昨日も一昨日も薬は飲んでいないから、ストレス性の蕁麻疹なんだろうと思う。
今までこんなに長時間ぶつぶつが引かなかったことはなかったのに…
竜樹さん以外のことにおいては、もう限界なのかもしれない。
寝てるとかゆみは感じないので休みたいなぁと思ったけれど、あらゆる部署を巻き込んだ親会社の棚卸し明けに休むのは自殺行為に近いから、なくなく出勤。
いつも持ち歩いている、竜樹さんのちいさな笑顔に元気を貰って仕事を始める。
いろいろ複雑なことが絡まりあう場に身を置いてることは間違いないけれど、自分の中にある結論はシンプルなまでに鮮明。
その鮮明さを加速させたのは竜樹さんの元気。
竜樹さんと一緒にいられるうちは頑張ろうと思えるから不思議だ。
そんな決意と裏腹に、何だか体調が上向きにならない。
…風邪を引いたのか、鼻がずるずる(>へ<)
会社に置き薬はないし、自分自身が薬を持ち歩いていないから、具合はどんどん悪くなる。
「…何か、この辺で鼻をずるずる言わせてるでぇ、かなちゃんが。
今年はかなちゃんから風邪が始まるのかぁ?」
ボスの茶化しは洒落になってない。
電話をとってもずるずる、パソコンのキーボードを叩いててもずるずる。
書類かいててもずるずる、お茶飲んでてもずるずる。
鼻のかみすぎで鼻は真っ赤になるし、頭はボーっとするし、ひどい有り様。
…こんな日にやらかした失敗は、後日とんでもないトラブルを巻き起こすんだ(-_-;)
その後始末の大変さは身をもって知ってるから、極力注意しながら書類を片していく。
幸いややこしい仕事はなく、通常フロー通りの流れで済みそう。
ぐったりよれよれの状態で会社を出た。
朝は何時やむんだろうと思うほどの雨だったのに、外に出るとすっかりあがって夕闇の空が広がっている。
信号待ちの時間に携帯を取り出し、メールをひとつ。
「退院祝いは何がいですか?リクエスト募集中!」
短い言葉を夜空に飛ばし、自転車をかっ飛ばす。
最寄駅に着くちょっと前にお返事がひとつ。
…………………(/-\*)……
これからすぐに行きたいのはやまやまだけど、身体の調子は今ひとつ。
お伺いを立ててみた。
「しんどくなかったら、今日。しんどかったら、明日。いいもん、あんねんけどなぁー」
…………………o(;-_-;)o
「いいもん、あんねんけどなー」は殆ど「できたら今日おいで」ってことなんだろう。
「おいで」と言われて「やめます」なんて言える訳もない。
風邪薬で抑えれば何とかなりそうだったので、自宅にに連絡をいれ、風邪薬を買ってホームに上がり電車が車での間に風邪薬を飲み、竜樹邸に向かう。
車窓を流れる景色を見つめながら、時間の流れの速さに驚く。
ついこないだまではこれくらいの時間だとまだ明るかったし、肌に当たる風はどこか熱を帯びていた。
やれ竜樹さんの再入院、再手術と大騒ぎしてたと思っていたら、もう退院。
…それはあくまで区切りであって、終わりではないのだけど
いつやってくるか判らず、半ば絶望的な気持ちで眺めていた竜樹さんの体調が思って退場によくなってること。
今はそれがただただありがたいなぁと思う。
それが今まで隠してた問題を掘り起こすことになっても、竜樹さんの元気が私の元気の素だから、それを糧にやれることをやろう。
そんな風に思いながら、竜樹邸に向かった。
「お疲れ、よぉ来てくれたなぁ♪(*^-^*)」
そう声をかける竜樹さんは元気そう。
幸い電車待ちの時間に飲んだ風邪薬が効いてきてるのか、あまりしんどくはない。
暫くテレビを見ながら話し、竜樹さんは台所から小さな箱を持ってきた。
「夕方真人とピザを取って食べた時に頼んだら美味しかったから、また頼んでおいてん♪」
箱を開けると2種類のチキンが出てきた。
「いただきます♪(*^人^*)」
ピザ屋さんのサイドメニューで美味しいと思うものはそうそうないのだけれど、このチキンは美味しかった。
一生懸命食べてる横から手が伸びてくる。
…竜樹さん、夕方食べただけでは食べたりなかったらしい(^-^;
2人で一生懸命チキンを食べ、コーヒー飲んで一息つく。
「そぉや、これを霄にあげよう(*^-^*)」
そう言って、小さな紙袋を貰う。
…開けてみると、アクセサリーポーチのような、小さな鞄が入っていた。
「こんなんもうて、いいんですか?本当なら私が退院祝いせんなんのに…」
「霄はよう頑張ってくれたから、ええねん♪
長いこと、ありがとうなぁ(*^-^*)」
そう言ってほにゃと笑う竜樹さん。
その笑顔に触れるのはもっと先だと思っていたから、ただそれだけが嬉しかった。
どちらからともなく抱き締めあって、ゆっくりと熱と想いを分け合って…
「ずっと傍におりや…」
「…うん」
何度となく交わした想いはより深くなる。
すべてが終わったわけじゃない。
まだ山は幾つも目の前に聳えている。
長い旅はまだまだ続いていくのだろう。
…それでも。
ただ自分の目の前にいてくれてること。
元気な笑顔と暖かな想いを向けてくれること。
それがただ嬉しかった。
元気な竜樹さんに触れたせいなのか、昨日の夕方から消えることなく身体に残りつづけていたぶつぶつはきれいに消えていた。
竜樹さんが元気で戻ってきた日。
その元気に触れられさえすれば、いろんなことはあっても私も元気でいられるのだと、改めて判った日。
互いの想いが深いことを確認した日。
…今日は幾度目かの始まりの日。
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機嫌のいい明日を手に入れるために…
2002年9月30日相変わらず寝つきは悪く、起きた時にうんと身体が重いなぁと感じる。
窓の外に目をやると、今にも雨が降り出しそうな嫌な感じの朝。
憂鬱さは鈍色の空を見るなり加速する。
いくら自分の中の気持ちが決まっていて、それに基づいた歩き方も決まってるとはいえ、すっきりしないことは確かにある。
煩わしいものすべてを一刀両断できるほどの勇気のない自分がちょっと恨めしい。
さりとて、一刀両断すれば問題が片付くわけでもないんだけれど…
そんな風に考え出すと、ただでさえ週明けが来ると人外魔境への足取りは重いけれど、今日はもっと重い。
先週累積された疲れは、ひとつたりとも解消できてないまま今週に繰越。
その上、気持ちは鬱々としたまま。
…精神的にも肉体的にも疲れきってて、こんな状態で会社になど行きたくもないけど、家にいるよりはきっとマシなんだろう。
そう自分に言い聞かせて、気の進まないまま社屋に入る。
週明けは噛み付くように鳴り響く電話の応対でスタート。
疲れを余計に増幅させる電話の着信音は聞くだけでげんなりだけど、思考の渦にはまり込まなくて済むだけマシなんだろうか?
電話の応対と通常フローをこなしながら、ボスのちゃちゃを受け返し、午前中はばたばたのまま終わる。
物を食べるのすら煩わしいけれど、食べないで済まそうとするとボスから「昼飯食わんかーい」とお声が飛ぶので、ぼそぼそと食べ始める。
ご飯の後2度目のお茶煎れも後片付けもきちんとすると容赦なく昼休みがなくなるので非常に煩わしいのだけど、煩わしい反面余計なことは考えなくて済むからこれまた雑用があるだけマシなんだろうか?
…でも、本当は人と接触することなく気持ちが収まるまでどろんしたいんだけどね
鬱々とした気持ちのまま、また昼からの仕事が始まる。
事態はゆっくりでも進んでたと思ってたけど、ひとつも進んでなかったんだという事実。
その事実は自分自身に強い失望感を覚えさせるけれど。
失望感の底の方にある、自分の柱は変わってはいなくて。
それを維持するためにどうするのか、それを維持していく上で何が必要なのか。
最後の最後まで何ができるのかを模索しながら歩くしかないのかもしれない。
考えることに疲れたから、それとももうそういう結論しか導き出しようがないのかすら判らないけれど。
…鬱々と考えてみても、堂々巡りだよな
気持ちがぐらついてるならともかく、骨格の部分はずっと変わっていないんだからいいじゃないか。
ぎりぎりまで粘って、少しでも情況が変えられるような努力を続けてればいい。
それで環境が変わらなくても、本当に大切なものをなくさないならそれでいい。
居直ってみると、自分が思っているよりもずっと目の前にあるものはシンプルなのかもしれない。
想いの基盤に基づいて、残りの時間で何ができるかを検討して実行すればいい。
そんな風に鬱々の渦に一通りの決着を無理やりつけ、きりきりと仕事に意識を集中する。
…そしたら、どういう訳か体中にぶつぶつが出始めた
よりにもよって、かゆみ止めの薬を家に置いてきてしまった。
鬱々が終わったら、今度はぶつぶつ。
「一体どうなってんのさ、自分?」と恨み言を自分に向けてもぶつぶつは収まるどころか次第に勢いを増すばかり。
かゆみに耐えながら仕事を終え、まっすぐ仕事を終えた。
家に帰ってもぶつぶつは収まらない。
薬を塗っては形を潜め、またぶつぶつが復活するという状態が何時間続いただろう?
午前中は鬱々、昼からはぶつぶつ。
昨日からのこともあって、すっかり疲れてぐったりしてるところにメールがひとつ。
…竜樹さんからだった。
「明日退院する。
体調は悪くないけど、なんだかダルくて眠い。明日は午前中には退院するので、迎えに来なくていいよ。これで、ひと区切りがつくわ!でしょ?
頭痛はマシですか?」
土曜日にも「多分10月あたまには退院する」という話は聞いていたけれど、それは本当に現実のものになったんだ。
ぶつぶつは収まらないけれど、ただ嬉しくてお返事を返す。
「早い退院にびっくりです。それ以上に嬉しいです(*^_^*)
今日は頭痛はマシなのよ。
よかったよかったー♪」
暫くすると、電話がかかってきた。
「ホントに早い退院やね?」
「せやろ?俺もびっくりしてるねん。」
「明日、本当に行かなくていいの?半休取るよ?」
「いや、明日真人が手伝いに来てくれるから、大丈夫や」
竜樹さんの声は明るい。
前回の手術の時は術後の経過が思わしくなくてなかなか退院できなくて、それが竜樹さんの心を煩わせたものだけれど。
急激に元気になっていく竜樹さんを見てると「もしかしたら…」という気持ちになる。
…もしかしたら、ひっくり返せるかもしれない
今抱えてる問題のすべてをひっくり返すことは出来ないかもしれない。
竜樹さんが元気になっても、私自身の力が及ばずに問題に対処しきれないまま放り投げないとならなくなるかもしれない。
けれど、「ひっくり返せるかもしれない」と思うなら、やってみるしかないんだ。
すべてを捨てていくのが躊躇われるなら…
竜樹さんは「できるかもしれない」という気持ちを呼び起こしてくれる。
竜樹さんに呼び起こされた前向きな気持ちが何を生み出すのか。
それを自分で確立するべく、残りの時間を過ごしたいと思う。
2人で機嫌のいい明日を手に入れるために…
窓の外に目をやると、今にも雨が降り出しそうな嫌な感じの朝。
憂鬱さは鈍色の空を見るなり加速する。
いくら自分の中の気持ちが決まっていて、それに基づいた歩き方も決まってるとはいえ、すっきりしないことは確かにある。
煩わしいものすべてを一刀両断できるほどの勇気のない自分がちょっと恨めしい。
さりとて、一刀両断すれば問題が片付くわけでもないんだけれど…
そんな風に考え出すと、ただでさえ週明けが来ると人外魔境への足取りは重いけれど、今日はもっと重い。
先週累積された疲れは、ひとつたりとも解消できてないまま今週に繰越。
その上、気持ちは鬱々としたまま。
…精神的にも肉体的にも疲れきってて、こんな状態で会社になど行きたくもないけど、家にいるよりはきっとマシなんだろう。
そう自分に言い聞かせて、気の進まないまま社屋に入る。
週明けは噛み付くように鳴り響く電話の応対でスタート。
疲れを余計に増幅させる電話の着信音は聞くだけでげんなりだけど、思考の渦にはまり込まなくて済むだけマシなんだろうか?
電話の応対と通常フローをこなしながら、ボスのちゃちゃを受け返し、午前中はばたばたのまま終わる。
物を食べるのすら煩わしいけれど、食べないで済まそうとするとボスから「昼飯食わんかーい」とお声が飛ぶので、ぼそぼそと食べ始める。
ご飯の後2度目のお茶煎れも後片付けもきちんとすると容赦なく昼休みがなくなるので非常に煩わしいのだけど、煩わしい反面余計なことは考えなくて済むからこれまた雑用があるだけマシなんだろうか?
…でも、本当は人と接触することなく気持ちが収まるまでどろんしたいんだけどね
鬱々とした気持ちのまま、また昼からの仕事が始まる。
事態はゆっくりでも進んでたと思ってたけど、ひとつも進んでなかったんだという事実。
その事実は自分自身に強い失望感を覚えさせるけれど。
失望感の底の方にある、自分の柱は変わってはいなくて。
それを維持するためにどうするのか、それを維持していく上で何が必要なのか。
最後の最後まで何ができるのかを模索しながら歩くしかないのかもしれない。
考えることに疲れたから、それとももうそういう結論しか導き出しようがないのかすら判らないけれど。
…鬱々と考えてみても、堂々巡りだよな
気持ちがぐらついてるならともかく、骨格の部分はずっと変わっていないんだからいいじゃないか。
ぎりぎりまで粘って、少しでも情況が変えられるような努力を続けてればいい。
それで環境が変わらなくても、本当に大切なものをなくさないならそれでいい。
居直ってみると、自分が思っているよりもずっと目の前にあるものはシンプルなのかもしれない。
想いの基盤に基づいて、残りの時間で何ができるかを検討して実行すればいい。
そんな風に鬱々の渦に一通りの決着を無理やりつけ、きりきりと仕事に意識を集中する。
…そしたら、どういう訳か体中にぶつぶつが出始めた
よりにもよって、かゆみ止めの薬を家に置いてきてしまった。
鬱々が終わったら、今度はぶつぶつ。
「一体どうなってんのさ、自分?」と恨み言を自分に向けてもぶつぶつは収まるどころか次第に勢いを増すばかり。
かゆみに耐えながら仕事を終え、まっすぐ仕事を終えた。
家に帰ってもぶつぶつは収まらない。
薬を塗っては形を潜め、またぶつぶつが復活するという状態が何時間続いただろう?
午前中は鬱々、昼からはぶつぶつ。
昨日からのこともあって、すっかり疲れてぐったりしてるところにメールがひとつ。
…竜樹さんからだった。
「明日退院する。
体調は悪くないけど、なんだかダルくて眠い。明日は午前中には退院するので、迎えに来なくていいよ。これで、ひと区切りがつくわ!でしょ?
頭痛はマシですか?」
土曜日にも「多分10月あたまには退院する」という話は聞いていたけれど、それは本当に現実のものになったんだ。
ぶつぶつは収まらないけれど、ただ嬉しくてお返事を返す。
「早い退院にびっくりです。それ以上に嬉しいです(*^_^*)
今日は頭痛はマシなのよ。
よかったよかったー♪」
暫くすると、電話がかかってきた。
「ホントに早い退院やね?」
「せやろ?俺もびっくりしてるねん。」
「明日、本当に行かなくていいの?半休取るよ?」
「いや、明日真人が手伝いに来てくれるから、大丈夫や」
竜樹さんの声は明るい。
前回の手術の時は術後の経過が思わしくなくてなかなか退院できなくて、それが竜樹さんの心を煩わせたものだけれど。
急激に元気になっていく竜樹さんを見てると「もしかしたら…」という気持ちになる。
…もしかしたら、ひっくり返せるかもしれない
今抱えてる問題のすべてをひっくり返すことは出来ないかもしれない。
竜樹さんが元気になっても、私自身の力が及ばずに問題に対処しきれないまま放り投げないとならなくなるかもしれない。
けれど、「ひっくり返せるかもしれない」と思うなら、やってみるしかないんだ。
すべてを捨てていくのが躊躇われるなら…
竜樹さんは「できるかもしれない」という気持ちを呼び起こしてくれる。
竜樹さんに呼び起こされた前向きな気持ちが何を生み出すのか。
それを自分で確立するべく、残りの時間を過ごしたいと思う。
2人で機嫌のいい明日を手に入れるために…
Broken Grass
2002年9月29日一緒にい始めた時からそれ相応に波は被ってきたけれど、
何度となくやってきた大波を二人で乗り越えて辿り着いた場所は、
あの時よりも情況はよくなかったとしても、心休まる暖かな場所に違いはない。
何物にも執着することの出来なかったあなたがひとつずつ諦めずに済むものを手に入れて、辿り着けるだろう心の拠り所となる人間。
それが私ならいいなとずっと思っている。
そして願いつづけたものが疑うことなく完全な形で手に入ったのだと確信が持てる領域に辿り着いた。
2人の繋がりがより強く確かなものとして自分の中で息づいていること。
それが年を重ねるごとに確実に確かになる中で、見落としてしまったことがあった。
黙っていたんじゃ理解などしてもらえないと知っていたから、
理解されたいと願う人にだけはちゃんと話そうと努力してた。
言葉も中身も選びはしたけれど…
沈黙は全ての肯定ではない。
それは何も私にだけ言えたことではないこと。
氷のように冷たい何かは長い年月を掛けてゆっくりとでも溶けたのだと思っていた。
…けれど、
大切なものをすべては連れて行けないという事実は未だ覆ることはなかった。
あなたはそれをまだ知らない。
「元気してる?疲れ出てませんか?」
「少し張り切りすぎた」というあなた。
こちらではひと悶着あったことを知らないあなたの何気ない言葉にどう返したらいいか考えてしまったけれど。
どこまでやりあっても、どこまで決定的な別れを齎すとしても、あなたの手を放す気はさらさらないんだ。
あなたの心の中のあちらこちらに見え隠れする砕けたものの破片の切っ先の一部分でも私が取り除けるというのなら。
どんな情況にあっても、私の心に変わりはないんだ。
「急に沢山動いたから疲れたんだね。
ゆっくり休んで元気を蓄えて、明日も、これからもずっと一緒に歩きましょうね」
とうの昔に腹など決まってるんだ。
…私はあなたの拠り所を奪ったりはしない。
二度と、誰にも奪わせない。
Broken Glass
どんなに傷ついても
どんな哀しみに出会うとしても
あなたの胸を壊した記憶の闇を
いつの日か私に下さい。
(From:「Broken Grass」Mari Hamada)
何度となくやってきた大波を二人で乗り越えて辿り着いた場所は、
あの時よりも情況はよくなかったとしても、心休まる暖かな場所に違いはない。
何物にも執着することの出来なかったあなたがひとつずつ諦めずに済むものを手に入れて、辿り着けるだろう心の拠り所となる人間。
それが私ならいいなとずっと思っている。
そして願いつづけたものが疑うことなく完全な形で手に入ったのだと確信が持てる領域に辿り着いた。
2人の繋がりがより強く確かなものとして自分の中で息づいていること。
それが年を重ねるごとに確実に確かになる中で、見落としてしまったことがあった。
黙っていたんじゃ理解などしてもらえないと知っていたから、
理解されたいと願う人にだけはちゃんと話そうと努力してた。
言葉も中身も選びはしたけれど…
沈黙は全ての肯定ではない。
それは何も私にだけ言えたことではないこと。
氷のように冷たい何かは長い年月を掛けてゆっくりとでも溶けたのだと思っていた。
…けれど、
大切なものをすべては連れて行けないという事実は未だ覆ることはなかった。
あなたはそれをまだ知らない。
「元気してる?疲れ出てませんか?」
「少し張り切りすぎた」というあなた。
こちらではひと悶着あったことを知らないあなたの何気ない言葉にどう返したらいいか考えてしまったけれど。
どこまでやりあっても、どこまで決定的な別れを齎すとしても、あなたの手を放す気はさらさらないんだ。
あなたの心の中のあちらこちらに見え隠れする砕けたものの破片の切っ先の一部分でも私が取り除けるというのなら。
どんな情況にあっても、私の心に変わりはないんだ。
「急に沢山動いたから疲れたんだね。
ゆっくり休んで元気を蓄えて、明日も、これからもずっと一緒に歩きましょうね」
とうの昔に腹など決まってるんだ。
…私はあなたの拠り所を奪ったりはしない。
二度と、誰にも奪わせない。
Broken Glass
どんなに傷ついても
どんな哀しみに出会うとしても
あなたの胸を壊した記憶の闇を
いつの日か私に下さい。
(From:「Broken Grass」Mari Hamada)
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…今度みんなで会えたなら
2002年9月28日平日と変わりのないような時間に目が覚めたものの、相変わらず頭が痛い。
起き上がるとくらりとくるので、暫く横になってうめいてるうちに寝てしまい、出かける予定の30分前に目が覚めた。
慌てて着替え、服に合わせて新しい靴を下ろした。
…それが間違いだった。
やたら足が痛む。
靴を脱いでみると、足中血だらけだった。
このままのゆっくりペースだと間違いなく14時を過ぎてしまう。
電車で移動をやめ、タクシーを使うことにした。
週末の道路は渋滞。
病院に到着する手前で14時をまわってしまった。
…うわぁ、竜樹さん、怒るだろうなぁ(>_<)
怒られるために病院に行くのは気が進まないけれど、そんな私をよそにタクシーに病院まで運ばれ、ぽとりと落とされる。
竜樹さんの部屋に入ると、惺さんと竜樹さん、竜樹さんのお友達2人がいた。
惺さんと竜樹さんのお友達にご挨拶。
挨拶終えてふと見ると、竜樹さん、ちょいとご機嫌斜めな感じ。
「…ごめんなさい、遅れて(>人<)」
「…ホンマ、お前らしいわ(-_-;)」
私と竜樹さん、小声でやり取り。
竜樹さんのお友達2人は昼食も摂らずにこちらへ来られたそうで、サイドボードの前にちょこんと座ってカップヌードルが出来あがるのを待っている。
そのうち竜樹さんが煙草を吸いに行ってる間に竜樹さんがもって出る荷物を纏め、新聞を読んだり時折惺さんとぽつぽつ言葉を交わしたりして竜樹さんが戻るのを待つ。
竜樹さんが戻り、竜樹さんとお友達、私の4人は病室を後にする。
顕さんと真人さんは竜樹さんが病室に運び込んだ大量の荷物を持ってくれる。
病院の前からタクシーを手配して、竜樹邸に移動。
竜樹邸に荷物を運び入れ、取って返しまたタクシーに乗って焼肉屋を目指す。
初めて会う人に緊張していたからなのか、それともただ単に累積されてる疲労が取れていないからなのか。
間違えるはずのない焼肉屋のへ行く道の指示を間違えた。
「おかしいなぁ」と首を捻りながら、開店時間を待つ間近くの店を見て歩くことにしてタクシーを降りた。
人見知りは激しい方ではないし、顕さんや真人さんが嫌な感じの人ではないけれど、どうもアウトゴーイングになれない。
今の自分自身の中の精神状態がブレーキをかけているのもあるだろうけど、彼らと共通する話題がなかったからかもしれない。
竜樹さんも説明を補足してくれるのでなんとか話していられたけれど、ちょっと会話に入るのがしんどいなという感じは否めなかった。
暫く時間を潰して、焼肉屋に移動。
私のせいで必要以上に歩く羽目になったけれど、文句を言わずにいてくれるのが申し訳ない。
顕さんは時折携帯を気にしてらっしゃる。
「…竜樹さん、本当は顕さん、予定があったんじゃないですか?」
「俺も気になって聞いてんけど、『今日はいいんです』って言ってたから…」
ホントにこれでよかったのかなと思いながら歩き続ける。
17時ジャストに入店し、そこから「退院まであともう少しパーティ」が始まる。
なかなかオーダーが決まらないのに業を煮やした竜樹さんが勝手に注文
ひとまずそれを食べてから、次を考えようとのことで決着。
机の上に沢山お肉の皿が並べられ、竜樹さんが七輪奉行(笑)
「ええかぁ。七輪を4分の1に分けて自分の肉は自分の持ち場で焼けよ( ̄∀ ̄)」
みんなを和ませるつもりの冗談だったらしいけれど、みんなきちっと4分の1エリアを守って肉を焼いている。
「…お前らさ、そんなにきちきちせんでもええやん(-"-;)」
「だって、竜樹さん『4分の1を守れ』って言ったやないですか」
「だから、誰か突っ込めよヽ(`⌒´)ノ」
…みんなそんな恐ろしいことようしません(笑)
七輪の話あたりから気分的に楽になったのか。
私に遠慮して話してた彼らも、遠慮がちに黙ってた私も話し始める。
何気なく話した焼肉の話で、顕さんも真人さんも爆笑。
3人はウケまくりながら、肉を焼いては食べ、お茶を飲む。
「…なぁ、さっきまでのだんまりは何処へ行ってん(-"-;)」
ちょうど席を外してた竜樹さんがぼそりと突っ込んでも、みんな同じ話題でウケまくり、げたげたと笑いつづける。
私が状況を説明したけれど、竜樹さんの笑いのツボからはおおよそ遠い話でウケてた模様。
「…なぁ、俺がおらん方がみんな楽しいんちゃん?(-"-;)」
「そんなことないですよ、竜樹さんが和ませてくれたから…(*^-^*)」
げたげた笑い倒しながら言っても説得力のかけらもないのだろうけど。
緊張を解いてくれた竜樹さんに感謝しながら、食べては飲み、笑いつづける。
みんな暫く肉を見たくないというくらい食べ尽くして、店を後にする。
このまま帰るのかと思いきや、顕さんが「カラオケでも行きましょうや」と2次会のご提案。
すっかり打ち解けたみんなはそのまま再びタクシーに乗って移動……のはずが。
…また私は普通だったらするはずのないミスをかまして竜樹さんに怒られた(>_<)
タクシー会社に電話したつもりが焼肉屋に電話して、タクシーの手配を頼んでしまった。
めちゃめちゃ怒られた訳ではないけれど、竜樹さんが怒るのを見慣れてないお2人はびっくりしたようで。
「竜樹さん、あんまり怒っちゃダメですよ」と顕さんが竜樹さんに耳打ちしてらっしゃった(-_-;)
…すみまてん、不注意が過ぎたのですm(__)m
みんなに申し訳ないなと思いながら、改めてタクシーを手配。
今度は真人さんが道案内しながら、カラオケ屋に到着。
2時間歌うことにして部屋に入る。
…顕さんがいない。
竜樹さんが探しに行くと、顕さんは通路でメールを送ってたらしい。
…やっぱり竜樹さんの手伝いにきはったん、具合が悪かったんじゃないのかな?
竜樹さんもそう考えていたみたいで「はよ帰らんでええんか?連絡せんなんのやろ?」と何度も聞いていたけれど、顕さんは「いいんですよ」と笑っておいでだった。
それでも常に携帯を見つめていたのが印象的だったけれど。
竜樹さんは福山雅治、顕さんはB’zやモンゴル800、真人さんはDEEN、私はレボとミスチル。
男4人で歌いに来たのかという感じの選曲(笑)
みんな歌いはしゃぎ、他愛もない話をしては大笑いして2次会も終了。
今度こそお開き。
「また遊びましょうねぇ」と笑い合って別れ、私と竜樹さんは竜樹邸に戻る。
「今日はごめんなさい。遅刻はするはミスかますわでm(__)m」
「…間違い電話にはびっくりしたわ。よっぽど疲れててんなぁ(・・、)ヾ(^^ )」
前の晩中途半端な寝方をしたからだとは言えず、ひたすら赤黒くなっていたけれど。
1日目一杯動いた竜樹さんはお疲れモード。
横になりながら、触れてくる。
そうしていつもの「2人っきり」の時間が始まる。
…とはいえ、竜樹邸の戻りが遅かったので、いつものようにたっぷり甘えあうという感じではなかったけれど
自分の時間を割いてまで竜樹さんのために集まってくれたお友達に感謝。
ずるずると集中力を欠いたことばかりした自分自身に反省。
それと、手術を乗り越えた竜樹さんに沢山の労いを。
会う前にいろいろ思うことはあったけれど、これでよかったんだろうなぁと、竜樹さんの柔らかな表情を見てて思った。
…今度みんなで会えたなら、その時はもっと沢山の笑顔で会えますように
そんな風に思いながら柔らかな表情の竜樹さんを抱き締めつづけた。
起き上がるとくらりとくるので、暫く横になってうめいてるうちに寝てしまい、出かける予定の30分前に目が覚めた。
慌てて着替え、服に合わせて新しい靴を下ろした。
…それが間違いだった。
やたら足が痛む。
靴を脱いでみると、足中血だらけだった。
このままのゆっくりペースだと間違いなく14時を過ぎてしまう。
電車で移動をやめ、タクシーを使うことにした。
週末の道路は渋滞。
病院に到着する手前で14時をまわってしまった。
…うわぁ、竜樹さん、怒るだろうなぁ(>_<)
怒られるために病院に行くのは気が進まないけれど、そんな私をよそにタクシーに病院まで運ばれ、ぽとりと落とされる。
竜樹さんの部屋に入ると、惺さんと竜樹さん、竜樹さんのお友達2人がいた。
惺さんと竜樹さんのお友達にご挨拶。
挨拶終えてふと見ると、竜樹さん、ちょいとご機嫌斜めな感じ。
「…ごめんなさい、遅れて(>人<)」
「…ホンマ、お前らしいわ(-_-;)」
私と竜樹さん、小声でやり取り。
竜樹さんのお友達2人は昼食も摂らずにこちらへ来られたそうで、サイドボードの前にちょこんと座ってカップヌードルが出来あがるのを待っている。
そのうち竜樹さんが煙草を吸いに行ってる間に竜樹さんがもって出る荷物を纏め、新聞を読んだり時折惺さんとぽつぽつ言葉を交わしたりして竜樹さんが戻るのを待つ。
竜樹さんが戻り、竜樹さんとお友達、私の4人は病室を後にする。
顕さんと真人さんは竜樹さんが病室に運び込んだ大量の荷物を持ってくれる。
病院の前からタクシーを手配して、竜樹邸に移動。
竜樹邸に荷物を運び入れ、取って返しまたタクシーに乗って焼肉屋を目指す。
初めて会う人に緊張していたからなのか、それともただ単に累積されてる疲労が取れていないからなのか。
間違えるはずのない焼肉屋のへ行く道の指示を間違えた。
「おかしいなぁ」と首を捻りながら、開店時間を待つ間近くの店を見て歩くことにしてタクシーを降りた。
人見知りは激しい方ではないし、顕さんや真人さんが嫌な感じの人ではないけれど、どうもアウトゴーイングになれない。
今の自分自身の中の精神状態がブレーキをかけているのもあるだろうけど、彼らと共通する話題がなかったからかもしれない。
竜樹さんも説明を補足してくれるのでなんとか話していられたけれど、ちょっと会話に入るのがしんどいなという感じは否めなかった。
暫く時間を潰して、焼肉屋に移動。
私のせいで必要以上に歩く羽目になったけれど、文句を言わずにいてくれるのが申し訳ない。
顕さんは時折携帯を気にしてらっしゃる。
「…竜樹さん、本当は顕さん、予定があったんじゃないですか?」
「俺も気になって聞いてんけど、『今日はいいんです』って言ってたから…」
ホントにこれでよかったのかなと思いながら歩き続ける。
17時ジャストに入店し、そこから「退院まであともう少しパーティ」が始まる。
なかなかオーダーが決まらないのに業を煮やした竜樹さんが勝手に注文
ひとまずそれを食べてから、次を考えようとのことで決着。
机の上に沢山お肉の皿が並べられ、竜樹さんが七輪奉行(笑)
「ええかぁ。七輪を4分の1に分けて自分の肉は自分の持ち場で焼けよ( ̄∀ ̄)」
みんなを和ませるつもりの冗談だったらしいけれど、みんなきちっと4分の1エリアを守って肉を焼いている。
「…お前らさ、そんなにきちきちせんでもええやん(-"-;)」
「だって、竜樹さん『4分の1を守れ』って言ったやないですか」
「だから、誰か突っ込めよヽ(`⌒´)ノ」
…みんなそんな恐ろしいことようしません(笑)
七輪の話あたりから気分的に楽になったのか。
私に遠慮して話してた彼らも、遠慮がちに黙ってた私も話し始める。
何気なく話した焼肉の話で、顕さんも真人さんも爆笑。
3人はウケまくりながら、肉を焼いては食べ、お茶を飲む。
「…なぁ、さっきまでのだんまりは何処へ行ってん(-"-;)」
ちょうど席を外してた竜樹さんがぼそりと突っ込んでも、みんな同じ話題でウケまくり、げたげたと笑いつづける。
私が状況を説明したけれど、竜樹さんの笑いのツボからはおおよそ遠い話でウケてた模様。
「…なぁ、俺がおらん方がみんな楽しいんちゃん?(-"-;)」
「そんなことないですよ、竜樹さんが和ませてくれたから…(*^-^*)」
げたげた笑い倒しながら言っても説得力のかけらもないのだろうけど。
緊張を解いてくれた竜樹さんに感謝しながら、食べては飲み、笑いつづける。
みんな暫く肉を見たくないというくらい食べ尽くして、店を後にする。
このまま帰るのかと思いきや、顕さんが「カラオケでも行きましょうや」と2次会のご提案。
すっかり打ち解けたみんなはそのまま再びタクシーに乗って移動……のはずが。
…また私は普通だったらするはずのないミスをかまして竜樹さんに怒られた(>_<)
タクシー会社に電話したつもりが焼肉屋に電話して、タクシーの手配を頼んでしまった。
めちゃめちゃ怒られた訳ではないけれど、竜樹さんが怒るのを見慣れてないお2人はびっくりしたようで。
「竜樹さん、あんまり怒っちゃダメですよ」と顕さんが竜樹さんに耳打ちしてらっしゃった(-_-;)
…すみまてん、不注意が過ぎたのですm(__)m
みんなに申し訳ないなと思いながら、改めてタクシーを手配。
今度は真人さんが道案内しながら、カラオケ屋に到着。
2時間歌うことにして部屋に入る。
…顕さんがいない。
竜樹さんが探しに行くと、顕さんは通路でメールを送ってたらしい。
…やっぱり竜樹さんの手伝いにきはったん、具合が悪かったんじゃないのかな?
竜樹さんもそう考えていたみたいで「はよ帰らんでええんか?連絡せんなんのやろ?」と何度も聞いていたけれど、顕さんは「いいんですよ」と笑っておいでだった。
それでも常に携帯を見つめていたのが印象的だったけれど。
竜樹さんは福山雅治、顕さんはB’zやモンゴル800、真人さんはDEEN、私はレボとミスチル。
男4人で歌いに来たのかという感じの選曲(笑)
みんな歌いはしゃぎ、他愛もない話をしては大笑いして2次会も終了。
今度こそお開き。
「また遊びましょうねぇ」と笑い合って別れ、私と竜樹さんは竜樹邸に戻る。
「今日はごめんなさい。遅刻はするはミスかますわでm(__)m」
「…間違い電話にはびっくりしたわ。よっぽど疲れててんなぁ(・・、)ヾ(^^ )」
前の晩中途半端な寝方をしたからだとは言えず、ひたすら赤黒くなっていたけれど。
1日目一杯動いた竜樹さんはお疲れモード。
横になりながら、触れてくる。
そうしていつもの「2人っきり」の時間が始まる。
…とはいえ、竜樹邸の戻りが遅かったので、いつものようにたっぷり甘えあうという感じではなかったけれど
自分の時間を割いてまで竜樹さんのために集まってくれたお友達に感謝。
ずるずると集中力を欠いたことばかりした自分自身に反省。
それと、手術を乗り越えた竜樹さんに沢山の労いを。
会う前にいろいろ思うことはあったけれど、これでよかったんだろうなぁと、竜樹さんの柔らかな表情を見てて思った。
…今度みんなで会えたなら、その時はもっと沢山の笑顔で会えますように
そんな風に思いながら柔らかな表情の竜樹さんを抱き締めつづけた。
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明日出逢う風に…
2002年9月27日昨日から降り続いた雨はあがったけれど、窓の外は鈍色の空。
雨が降ってもしんどいけれど、こんな色の空の日は気持ちまで鈍色になるような気がしてならない。
いつものように重たい身体を無理やり起こして用意をして出かける。
今日1日乗り切ったら、明日は週末。
今週もまた病院の外で竜樹さんに会える。
その上、初めて竜樹さんの友達に会う。
竜樹さんに会える嬉しさと、初めて会う人に対する不安とが入り乱れて何だかヘンな感じなんだけれど。
とにかく、今日1日疲れすぎない程度に頑張ろう。
昨日のように仕事でこてんぱんにのされないようにと願いながら、事務所にあがって仕事を始める。
昨日仕事にのされたついでに今日の分の仕事の下準備を済ませていたので、思っているよりは楽に仕事は進む。
立ち上がりがスムースだと、少々厄介なことに出くわしてもどうとでも出来るから不思議なもので、午前中はそう大きな波乱もないまま終わった。
昼休みになって、携帯を見るとメールがひとつ。
「友達が病院まで来てくれるので、霄も14時には病院へきてほしい。このメール、届いてる?」
「判りました」というメールを送ったつもりだったけど、送ってなかった。
慌てて「ごめんなさい、受け取っています」という旨をメールにして飛ばした。
…明日なんだよなぁ
まだ心許ない感じは抜けないけれど、明日はちゃんと楽しめたらいいなぁと思う。
昼からも時々あれこれと考えるけれど、相手のいないところで何かを考えたところで始まらないから考えるのをやめた。
堂々巡りな思考を維持できるほどに仕事は暇でなく、昨日ほどではないにせよ身体に疲労感は蓄積される感じがする。
事務所を出た後、寄り道もする気になれずまっすぐ家に戻った。
食事が終わって家族で何ということもない話をして自室に戻ると、竜樹さんから電話が入る。
「明日、病院からタクシーでうちまで帰って、その足でみんなで食事でもしようと思うねんけどええかなぁ?」
よくよく話を聞いていると、退院に向けて少しずつ持ってきていた荷物を竜樹邸に戻す作業を始めようと思っているみたいで、明日来るお友達は竜樹さんと私が2人がかりでも持ちきれないだろう荷物を運ぶのを手伝うために来てくれるらしい。
取り立てて楽しいわけでもないだろうことのためにわざわざ休日を割いて出向いてくれることがありがたいなぁと思う。
…竜樹さんがお友達を呼んだのは、それだけのためではないんだろうけど
病院を出て外で会う時は決まって私と2人で行動してるから、たまには他の人とも会いたいんだろうなぁとも思う。
私は比較的自由に出歩けるから、都合さえ合えば友達と会うのは難しくはないけれど、入院してると自分から出向く訳にもいかないから、否が応でも会える人間が決まってくる。
竜樹さんと2人だけで話したりしたかったりすることは確かにあるけれど、竜樹さんサイドの人に会う機会なんてそうそうある訳じゃない。
いろいろ思うところはあるけれど、元気な笑顔で竜樹さんの前に立てるように。
お友達にも失礼がないように。
疲れを引きずるような状態では会いたくないと思ったから、早めに休むことにした。
お風呂を済ませ、明日の支度をしてから横になる。
1週間累積されっぱなしの疲れからか、意識は気持ちいいくらいすーっと落ちていく。
意識が殆どなくなりかけの状態になりつつある頃、ぼんやりと聞こえる携帯の着信音で起こされた。
ディスプレイも見ずに、電話を取る。
「………にゃい?(p_-) 」
「あ、霄ちゃん、寝てた?」
相棒からだった。
30日の宝塚月組公演の千秋楽のチケットが取れたかどうかの確認の電話だった。
ここ何回かはちょっとの努力で初日も千秋楽もチケットは入手できていたので、タカをくくってたのが悪かったのか。
それでも、通院や他の作業の傍らチェックは欠かさずにいたのに、相棒と決めていた条件でチケットを手に入れることは出来なかった。
きちんと事情を説明すると、相棒は別に怒る訳でもなく提示してた条件を変える訳でもなくそのまま「もう今回はやめよっか」とあっさり言い出した。
…その代わり、11月にまたお出かけする予定は決まったけれど(*^-^*)
30日の千秋楽が流れたこと、11月のお出かけの予定を確定すること。
その2点に絞れば、ものの10分くらいで済んだはずの電話だったのに、相変わらず相棒とのトークは留まることなく延々と続いていく。
寝ぼけ声だったことに気を留めていたのは最初の10分ほどで、私の声が徐々にしゃんとしてくると私が寝入りかけてたことすら忘れたかのように、だだだだーっと話は飛んでくる。
相棒と話すのは好きなので、意識がはっきりしてくると私自身の受け答えも相棒のペースに限りなく近い状態まで持ち直す。
結局延々と話しつづけ、電話を切ってみてびっくり。
…2時間以上経過していた(-_-;)
ヘンに意識がしゃんとし過ぎてて、もう一度おねむモードに持っていく方法が判らない。
そのまま起き続けて溜まってる作業を片してもよいけれど、そんなことをしようものなら明日はきっとふらふら。
病院に行ってそのまま竜樹邸に戻ったらぐーってな訳にもいかない。
仕方なくもう一度横になり、友達から教えてもらった「願い事を100個あげてみましょう」をやってみることに。
…心に浮かぶ願い事を数えながら、ふと思う。
あれこれ考えて予定を立てても、ちょっとしたことで風向きは変わる。
明日のことは明日考えようというのは何だか無責任な気がして、あまり好きではないけれど。
竜樹さんのお友達と会うことに関してだけは、人と向き合うことに関してだけは、頭の中で考えたままにはいかないから。
明日出逢う風に、心が赴くまま乗ってみよう。
雨が降ってもしんどいけれど、こんな色の空の日は気持ちまで鈍色になるような気がしてならない。
いつものように重たい身体を無理やり起こして用意をして出かける。
今日1日乗り切ったら、明日は週末。
今週もまた病院の外で竜樹さんに会える。
その上、初めて竜樹さんの友達に会う。
竜樹さんに会える嬉しさと、初めて会う人に対する不安とが入り乱れて何だかヘンな感じなんだけれど。
とにかく、今日1日疲れすぎない程度に頑張ろう。
昨日のように仕事でこてんぱんにのされないようにと願いながら、事務所にあがって仕事を始める。
昨日仕事にのされたついでに今日の分の仕事の下準備を済ませていたので、思っているよりは楽に仕事は進む。
立ち上がりがスムースだと、少々厄介なことに出くわしてもどうとでも出来るから不思議なもので、午前中はそう大きな波乱もないまま終わった。
昼休みになって、携帯を見るとメールがひとつ。
「友達が病院まで来てくれるので、霄も14時には病院へきてほしい。このメール、届いてる?」
「判りました」というメールを送ったつもりだったけど、送ってなかった。
慌てて「ごめんなさい、受け取っています」という旨をメールにして飛ばした。
…明日なんだよなぁ
まだ心許ない感じは抜けないけれど、明日はちゃんと楽しめたらいいなぁと思う。
昼からも時々あれこれと考えるけれど、相手のいないところで何かを考えたところで始まらないから考えるのをやめた。
堂々巡りな思考を維持できるほどに仕事は暇でなく、昨日ほどではないにせよ身体に疲労感は蓄積される感じがする。
事務所を出た後、寄り道もする気になれずまっすぐ家に戻った。
食事が終わって家族で何ということもない話をして自室に戻ると、竜樹さんから電話が入る。
「明日、病院からタクシーでうちまで帰って、その足でみんなで食事でもしようと思うねんけどええかなぁ?」
よくよく話を聞いていると、退院に向けて少しずつ持ってきていた荷物を竜樹邸に戻す作業を始めようと思っているみたいで、明日来るお友達は竜樹さんと私が2人がかりでも持ちきれないだろう荷物を運ぶのを手伝うために来てくれるらしい。
取り立てて楽しいわけでもないだろうことのためにわざわざ休日を割いて出向いてくれることがありがたいなぁと思う。
…竜樹さんがお友達を呼んだのは、それだけのためではないんだろうけど
病院を出て外で会う時は決まって私と2人で行動してるから、たまには他の人とも会いたいんだろうなぁとも思う。
私は比較的自由に出歩けるから、都合さえ合えば友達と会うのは難しくはないけれど、入院してると自分から出向く訳にもいかないから、否が応でも会える人間が決まってくる。
竜樹さんと2人だけで話したりしたかったりすることは確かにあるけれど、竜樹さんサイドの人に会う機会なんてそうそうある訳じゃない。
いろいろ思うところはあるけれど、元気な笑顔で竜樹さんの前に立てるように。
お友達にも失礼がないように。
疲れを引きずるような状態では会いたくないと思ったから、早めに休むことにした。
お風呂を済ませ、明日の支度をしてから横になる。
1週間累積されっぱなしの疲れからか、意識は気持ちいいくらいすーっと落ちていく。
意識が殆どなくなりかけの状態になりつつある頃、ぼんやりと聞こえる携帯の着信音で起こされた。
ディスプレイも見ずに、電話を取る。
「………にゃい?(p_-) 」
「あ、霄ちゃん、寝てた?」
相棒からだった。
30日の宝塚月組公演の千秋楽のチケットが取れたかどうかの確認の電話だった。
ここ何回かはちょっとの努力で初日も千秋楽もチケットは入手できていたので、タカをくくってたのが悪かったのか。
それでも、通院や他の作業の傍らチェックは欠かさずにいたのに、相棒と決めていた条件でチケットを手に入れることは出来なかった。
きちんと事情を説明すると、相棒は別に怒る訳でもなく提示してた条件を変える訳でもなくそのまま「もう今回はやめよっか」とあっさり言い出した。
…その代わり、11月にまたお出かけする予定は決まったけれど(*^-^*)
30日の千秋楽が流れたこと、11月のお出かけの予定を確定すること。
その2点に絞れば、ものの10分くらいで済んだはずの電話だったのに、相変わらず相棒とのトークは留まることなく延々と続いていく。
寝ぼけ声だったことに気を留めていたのは最初の10分ほどで、私の声が徐々にしゃんとしてくると私が寝入りかけてたことすら忘れたかのように、だだだだーっと話は飛んでくる。
相棒と話すのは好きなので、意識がはっきりしてくると私自身の受け答えも相棒のペースに限りなく近い状態まで持ち直す。
結局延々と話しつづけ、電話を切ってみてびっくり。
…2時間以上経過していた(-_-;)
ヘンに意識がしゃんとし過ぎてて、もう一度おねむモードに持っていく方法が判らない。
そのまま起き続けて溜まってる作業を片してもよいけれど、そんなことをしようものなら明日はきっとふらふら。
病院に行ってそのまま竜樹邸に戻ったらぐーってな訳にもいかない。
仕方なくもう一度横になり、友達から教えてもらった「願い事を100個あげてみましょう」をやってみることに。
…心に浮かぶ願い事を数えながら、ふと思う。
あれこれ考えて予定を立てても、ちょっとしたことで風向きは変わる。
明日のことは明日考えようというのは何だか無責任な気がして、あまり好きではないけれど。
竜樹さんのお友達と会うことに関してだけは、人と向き合うことに関してだけは、頭の中で考えたままにはいかないから。
明日出逢う風に、心が赴くまま乗ってみよう。