想いが交差した夜
2005年4月6日今日は親会社からかかりちょ様が督促受けてる仕事の資料作りに追われた。
親会社が資料作るのに必要な書類をなかなか送ってよこさない癖に、早く早くと親会社のお偉いさんにせっつかれるかかりちょ様を見てると特別親しい訳でなくても早く資料を作って託したいと思う。
チョコウェハースかじりながら資料を作り起こし、かかりちょ様とボスに託して魔境を後にする。
少し疲労が溜まっているから早く帰りたかったけれど、定例コールを入れるために取り出した携帯を見ると、竜樹さんからヘルプメール。
体調が悪くなったのかと心配したけれど、ひとりで出来ないことを手伝って欲しいと言われれば身体の底から元気を掻き集めて向かうだけ。
竜樹邸に入ると、もう少し待っててくれたらと頭を抱えるような状態になっていたけれど、小休止取って貰うべく夕飯を作り、残りの作業を手伝う。
魔境での作業で疲れていても竜樹邸に来てからが大変でも、竜樹さんと過ごせる時間は明日の私の力になる気がする。
それでもあまり長居する訳にもいかず、ある程度片付いたところで帰り支度。
竜樹さんは「車に乗って帰り?」と言ってくれたけど、今日はまだバスや電車を乗り継いで帰れそうだったので後片付けして、竜樹邸を後にした。
今日は夜になっても暖かく、バス停に向かって歩いていても心地よい。
「…あー、金岡さーん?」
顔を上げると、数年前ある企画で一緒した友達がいた。
「あれ、この辺に住んでたん?」
「うん、すぐ近く…って、金岡さんもこの辺やった?」
「や、まだこっちには住んでないけど、よくちょろちょろしてるよ」
ある企画で一緒したのが何年前だったのか正確には思い出せないけど、当時のことや他に一緒したメンバーの話で少し盛り上がる。
「あの当時はよかったよね。時間をかけて大がかりなことができたし」
「だね?今、もいっぺんやってって言われたらもう無理やと思うわ」
「…や、金岡さん、あの当時と殆ど変わってへんよ?
やろうと思ったらやれんちゃう?」
「そかな?でも年々忙しくなってきてるから、時間合わすの難しいよね?」
「ねー」
私が乗るべきバスが来てしまったから「またいつか」の約束もしないまま別れた。
…変わってないって何処が?
そう彼女に聞いてみたかった気もしたけれど、今日の私が「げーんきはーつらつー♪」な表情してたとは思えないし、「いや、何となく疲れてっぽいとこ」と言われてもへこむだろうなと思ったから敢えて言及はしなかった。
…憶せず聞いてみてもよかったかな。
そんな風に彼女と交した言葉をああでもないこうでもないと考えながら帰宅し、部屋に残してある企画の産物に触れる。
その企画に参加する前日に親知らず抜いたから、痛み止め飲んで臨んだんだったとか、どんな想いを抱えてそこにいたのか、少しずつ蘇る。
何年前かは判らないけれど、当時の自分の眼差しが強かったこと。
その日何を話したのか覚えていなくても、抱いていた想いの強さだけは今でも感じとれる。
…強さと激しさを拠り所にしなくても、辿り着きたい場所には辿り着けたんだよ?
あの当時持ち合わせていた強さと同じものを今はもう持ってはいなかったとしても、その強さだけが私に必要なものでもなければ私のすべてでもない。
手放したものほど見た目に判りやすいものでなくても、今の私は必要なものをちゃんと手に出来てる。
そしてまたこの先必要とするものを得るために歩いてく。
振り返りの作業ばかりじゃ未来に進展などないのかも知れないけれど、今日はこれでいいのかも知れない。
…私が思うほど、私は何も手にしてない訳でもないのかも知れない。
かつての自分の想いと今の自分の想いが交差した夜。
ただ一瞬だけ交差した場所に立ち止まりかつての想いと向き合った後、再び今日と明日を歩いてく。
親会社が資料作るのに必要な書類をなかなか送ってよこさない癖に、早く早くと親会社のお偉いさんにせっつかれるかかりちょ様を見てると特別親しい訳でなくても早く資料を作って託したいと思う。
チョコウェハースかじりながら資料を作り起こし、かかりちょ様とボスに託して魔境を後にする。
少し疲労が溜まっているから早く帰りたかったけれど、定例コールを入れるために取り出した携帯を見ると、竜樹さんからヘルプメール。
体調が悪くなったのかと心配したけれど、ひとりで出来ないことを手伝って欲しいと言われれば身体の底から元気を掻き集めて向かうだけ。
竜樹邸に入ると、もう少し待っててくれたらと頭を抱えるような状態になっていたけれど、小休止取って貰うべく夕飯を作り、残りの作業を手伝う。
魔境での作業で疲れていても竜樹邸に来てからが大変でも、竜樹さんと過ごせる時間は明日の私の力になる気がする。
それでもあまり長居する訳にもいかず、ある程度片付いたところで帰り支度。
竜樹さんは「車に乗って帰り?」と言ってくれたけど、今日はまだバスや電車を乗り継いで帰れそうだったので後片付けして、竜樹邸を後にした。
今日は夜になっても暖かく、バス停に向かって歩いていても心地よい。
「…あー、金岡さーん?」
顔を上げると、数年前ある企画で一緒した友達がいた。
「あれ、この辺に住んでたん?」
「うん、すぐ近く…って、金岡さんもこの辺やった?」
「や、まだこっちには住んでないけど、よくちょろちょろしてるよ」
ある企画で一緒したのが何年前だったのか正確には思い出せないけど、当時のことや他に一緒したメンバーの話で少し盛り上がる。
「あの当時はよかったよね。時間をかけて大がかりなことができたし」
「だね?今、もいっぺんやってって言われたらもう無理やと思うわ」
「…や、金岡さん、あの当時と殆ど変わってへんよ?
やろうと思ったらやれんちゃう?」
「そかな?でも年々忙しくなってきてるから、時間合わすの難しいよね?」
「ねー」
私が乗るべきバスが来てしまったから「またいつか」の約束もしないまま別れた。
…変わってないって何処が?
そう彼女に聞いてみたかった気もしたけれど、今日の私が「げーんきはーつらつー♪」な表情してたとは思えないし、「いや、何となく疲れてっぽいとこ」と言われてもへこむだろうなと思ったから敢えて言及はしなかった。
…憶せず聞いてみてもよかったかな。
そんな風に彼女と交した言葉をああでもないこうでもないと考えながら帰宅し、部屋に残してある企画の産物に触れる。
その企画に参加する前日に親知らず抜いたから、痛み止め飲んで臨んだんだったとか、どんな想いを抱えてそこにいたのか、少しずつ蘇る。
何年前かは判らないけれど、当時の自分の眼差しが強かったこと。
その日何を話したのか覚えていなくても、抱いていた想いの強さだけは今でも感じとれる。
…強さと激しさを拠り所にしなくても、辿り着きたい場所には辿り着けたんだよ?
あの当時持ち合わせていた強さと同じものを今はもう持ってはいなかったとしても、その強さだけが私に必要なものでもなければ私のすべてでもない。
手放したものほど見た目に判りやすいものでなくても、今の私は必要なものをちゃんと手に出来てる。
そしてまたこの先必要とするものを得るために歩いてく。
振り返りの作業ばかりじゃ未来に進展などないのかも知れないけれど、今日はこれでいいのかも知れない。
…私が思うほど、私は何も手にしてない訳でもないのかも知れない。
かつての自分の想いと今の自分の想いが交差した夜。
ただ一瞬だけ交差した場所に立ち止まりかつての想いと向き合った後、再び今日と明日を歩いてく。
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