暖かいけれど、空は雨降り前の色。
空を見上げても気分が沈まないのは、気にかかってたことがひとつ取れたからだろうか。
家を出る前に家族で話し合ったことが特別大きな進展に繋がるものかどうかは判らなくても、早く竜樹さんに伝えたい気がした。

竜樹邸に入ってみると、思ったより元気そうでひと安心。
家を出る前に両親と話したことや今後のことを語り合った。

「ご両親は霄の幸せを第一に考えてはるから俺には相当キツい言葉も飛んでくると思うけど、ブチ切れせんとちゃんとご両親の言葉は聞くんやで」

力業を使ってでも思い通りにする機会がなかった訳じゃない。
互いの想いを極力踏み蹂りたくなかったからこそ、今まで私も両親も我慢に我慢を重ねてきたんだ。
力業をぶつけ合わなくても済むように話し合いの席についてくれるのだから、その気持ちを踏み蹂るような真似はしてはならない。

もっとも、一回の話し合いで折り合いなんてつく筈はない。
判って貰おうと何度も努力すること、それを拒まずにいて貰えるうちは頑張ろうということで意見は一致。

ひとまず今後の話はここで終え、ふたりで映画を観ることにした。

1本目はマイノリティレポート、2本目はマトリックス。

近未来ものが2本続いてちょっとしんどかったけれど、ふたりで言葉を交わしながら映画を観るなんて久しぶり。

「昔はよく一緒に観に行ったのになぁ」

「でも、こういう見方もいいんじゃないですか。
映画館じゃ話しながら見られへんでしょ?」
「そやなぁ」

懐かしく思える光景は今も互いの間に息づく風景。
散在する大切なものを繋ぎ合わせて暖かな時間や風景が息づく。

大切なものを抱きしめ続けていられる明日を手にするために、ひとつひとつ乗り越えたい。

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