てるてるが連れてきた青空
2003年4月15日今日は朝から小雨がぱらついている。
今年に入ってから、しょっちゅう雨が降ってるような気がする。
雨がまったく降らなくなったら降らなくなったで問題があることは判ってはいても、私にとっても竜樹さんにとっても雨は心身ともに面白くない状態を連れてくるので歓迎する気にはなれない。
どことなく鬱々感を引きずった感じのまま、仕事を始める。
相変わらずこの人外魔境に機嫌のいい話なんてあるはずもなく、胃も気持ちも締め上げられていく気がするけれど、昨日ほどに訳の判らない日本語を話す人には出会ってないので、その点では幾分マシだと思える。
落ち着き払うにはフロアの中ががさがさしてるけれど、これが本来のこのフロアの雰囲気なのだろうと思うと、さほど癇に障ることなく仕事を進めてはいける。
時折、意識をずらして小さな窓を覗くと、鈍色の空が薄らぼんやり見える。
そして窓を叩いていく雨の音から降りの強さを感じ取れる。
…竜樹さんのお加減はやっぱり悪いのかなぁ?
「雨が降ってても元気だよ」ということの方が極めて稀だというのもまた今に始まったことじゃないのだけれど、雨が降ると気にかかるのは竜樹さんの体調のこと。
私自身も雨が降ると頭が痛くなったり鬱っ気がさらにひどくなったりとろくなことがないのだけれど、自分に降りかかるろくでもないことよりも竜樹さんの中に継続的にある痛みが更にひどくなることの方がずっと辛いから。
…早く雨なんてあがればいいのに。
そう思いながら仕事をしているうちに、昼休みになった。
フロアにいる社員さんたちがご飯を食べてる間、こそっと携帯を取り出しメールをひとつ。
「雨です。
竜樹さんのお加減が悪くないか心配です。
早くやむといいなぁ。
てるてるぼうず作ろうかな?
(∵)ハハウエサマ…
(■)
そら」
「これではどう見ても、てるてるぼうずじゃなくて、雪だるまじゃないかぁ」と自分に突っ込みを入れてみたりするけれど、思考能力が雨でずたぼろになってる状態ではこれが精一杯だった。
お返事はなくてもいい。
つまらないメールの最後にあるてるてるぼうずを見て「これ、雪だるまやん」って笑ってくれてたらそれでいい。
それで竜樹さんの痛みが和らぐなんて思いはしないけれど、ただ少しの間でも気持ちが痛み以外の方向に向けばそれでいいって思って、そっと鈍色の空にメールを飛ばし、慌てて昼ごはんを食べる。
雨は降り止まない。
それは気持ちを塞いでいくけれど、なるべく早く雨がやむことを願って。
竜樹さんの身体から痛みが少しでも抜けてくれることを願って、また仕事を始める。
昼からのフローをだかだかこなし、15時休憩のお茶を配り歩き、最後の大仕事に臨む頃、鞄が隣でことこと揺れる。
「晴れたぁー(’v’)/ (^^)/。
おみごと!見事雨があがりましたっ!
今、楽になりました。
効果、あったみたいだね。
残り時間ものらりくらりと、ねっ!」
今からの時間は決してのらりくらり過ごすことは出来ないのだけど、きりきりしすぎてない、ぼんやりした私がいいと仰る竜樹さんにはきちんとお応えしたい気がする。
席を離れて、踊場の小さい窓から帰ってきたお日様を眺めて深呼吸。
残りの時間はやってくるものに対して、きりきりいらいら向き合わないように気をつけながら、たったか仕事を片していく。
残り1時間を切ったところで、またもや鞄がことことこと。
「あと50分。のらりくら〜り、ぽよよ〜んっと(~~)/」
かわいらしい調子で続くメールを読み、またほにゃんとなる。
いつもなら電話の着信音を聞くだけでげんなりしてたけれど、竜樹さんのメールを見返し見返し乗り切る。
事務所を出る頃には、少し赤みがかった青空が広がっていた。
身体に疲労感があるのは否めないけれど、それでもちいさな竜樹さんの言葉があったから比較的問題なく事務所を出られたんだと思う。
竜樹さんの気持ちを少しでも明るく出来たらと思って送り出したお粗末なてるてるぼうずは太陽を呼び戻し、竜樹さんに少しばかりの元気を呼び戻す。
それが偶発的な物事が重なったに過ぎなかったとしても、その連鎖は間違いなく自分自身に返ってきた時、少しばかりの安心と沢山の喜びを連れてくるには違いないから。
ちいさな願いが幸せを連れてきた。
その幸せを育てて、いつかもっともっと暖かくてまぁるい自分になれるように。
その自分ごと竜樹さんにささやかでも幸せ届けられたらって思う。
てるてるが連れてきた青空に思う。
今年に入ってから、しょっちゅう雨が降ってるような気がする。
雨がまったく降らなくなったら降らなくなったで問題があることは判ってはいても、私にとっても竜樹さんにとっても雨は心身ともに面白くない状態を連れてくるので歓迎する気にはなれない。
どことなく鬱々感を引きずった感じのまま、仕事を始める。
相変わらずこの人外魔境に機嫌のいい話なんてあるはずもなく、胃も気持ちも締め上げられていく気がするけれど、昨日ほどに訳の判らない日本語を話す人には出会ってないので、その点では幾分マシだと思える。
落ち着き払うにはフロアの中ががさがさしてるけれど、これが本来のこのフロアの雰囲気なのだろうと思うと、さほど癇に障ることなく仕事を進めてはいける。
時折、意識をずらして小さな窓を覗くと、鈍色の空が薄らぼんやり見える。
そして窓を叩いていく雨の音から降りの強さを感じ取れる。
…竜樹さんのお加減はやっぱり悪いのかなぁ?
「雨が降ってても元気だよ」ということの方が極めて稀だというのもまた今に始まったことじゃないのだけれど、雨が降ると気にかかるのは竜樹さんの体調のこと。
私自身も雨が降ると頭が痛くなったり鬱っ気がさらにひどくなったりとろくなことがないのだけれど、自分に降りかかるろくでもないことよりも竜樹さんの中に継続的にある痛みが更にひどくなることの方がずっと辛いから。
…早く雨なんてあがればいいのに。
そう思いながら仕事をしているうちに、昼休みになった。
フロアにいる社員さんたちがご飯を食べてる間、こそっと携帯を取り出しメールをひとつ。
「雨です。
竜樹さんのお加減が悪くないか心配です。
早くやむといいなぁ。
てるてるぼうず作ろうかな?
(∵)ハハウエサマ…
(■)
そら」
「これではどう見ても、てるてるぼうずじゃなくて、雪だるまじゃないかぁ」と自分に突っ込みを入れてみたりするけれど、思考能力が雨でずたぼろになってる状態ではこれが精一杯だった。
お返事はなくてもいい。
つまらないメールの最後にあるてるてるぼうずを見て「これ、雪だるまやん」って笑ってくれてたらそれでいい。
それで竜樹さんの痛みが和らぐなんて思いはしないけれど、ただ少しの間でも気持ちが痛み以外の方向に向けばそれでいいって思って、そっと鈍色の空にメールを飛ばし、慌てて昼ごはんを食べる。
雨は降り止まない。
それは気持ちを塞いでいくけれど、なるべく早く雨がやむことを願って。
竜樹さんの身体から痛みが少しでも抜けてくれることを願って、また仕事を始める。
昼からのフローをだかだかこなし、15時休憩のお茶を配り歩き、最後の大仕事に臨む頃、鞄が隣でことこと揺れる。
「晴れたぁー(’v’)/ (^^)/。
おみごと!見事雨があがりましたっ!
今、楽になりました。
効果、あったみたいだね。
残り時間ものらりくらりと、ねっ!」
今からの時間は決してのらりくらり過ごすことは出来ないのだけど、きりきりしすぎてない、ぼんやりした私がいいと仰る竜樹さんにはきちんとお応えしたい気がする。
席を離れて、踊場の小さい窓から帰ってきたお日様を眺めて深呼吸。
残りの時間はやってくるものに対して、きりきりいらいら向き合わないように気をつけながら、たったか仕事を片していく。
残り1時間を切ったところで、またもや鞄がことことこと。
「あと50分。のらりくら〜り、ぽよよ〜んっと(~~)/」
かわいらしい調子で続くメールを読み、またほにゃんとなる。
いつもなら電話の着信音を聞くだけでげんなりしてたけれど、竜樹さんのメールを見返し見返し乗り切る。
事務所を出る頃には、少し赤みがかった青空が広がっていた。
身体に疲労感があるのは否めないけれど、それでもちいさな竜樹さんの言葉があったから比較的問題なく事務所を出られたんだと思う。
竜樹さんの気持ちを少しでも明るく出来たらと思って送り出したお粗末なてるてるぼうずは太陽を呼び戻し、竜樹さんに少しばかりの元気を呼び戻す。
それが偶発的な物事が重なったに過ぎなかったとしても、その連鎖は間違いなく自分自身に返ってきた時、少しばかりの安心と沢山の喜びを連れてくるには違いないから。
ちいさな願いが幸せを連れてきた。
その幸せを育てて、いつかもっともっと暖かくてまぁるい自分になれるように。
その自分ごと竜樹さんにささやかでも幸せ届けられたらって思う。
てるてるが連れてきた青空に思う。
コメント