幸せだと感じられること
2003年4月12日昨夜戻ってから、思ったよりも疲れていたらしく殆ど何もせずに眠ってしまった。
聞きなれた携帯のアラームの音で目を覚ます。
休みの日にしては極めて珍しく早く目を覚ましたというのに、身体は不思議と重くはない。
竜樹さんと一緒にいる時間があるだけで、これほど違うものなのかと思うとびっくりする。
少しだけ横になったまま窓の外を見ていた。
外はまたしても雨。
今年はやたら雨の日が多い気がする。
降らなきゃ降らないで具合が悪いんだろうけど、雨は癒えきってない竜樹さんの身体にも私の身体にもあまりいい影響は与えないので歓迎する気にはなれない。
…雨が降ろうが雪が降ろうが、竜樹さんとこには行くけどね。
湿気た空気を掃うように勢いつけて起き上がり、出かける前にしなければならないことをいくつか片付けてから家を出る。
目が覚めた時は雨音がしていたのに、家を出る頃にはスプレーのような柔らかな雨に変わっていた。
ついこないだ降ったスプレーのような雨の日は肌寒さすら覚えたけれど、今日はなんだか蒸し暑い。
確実に暖かくなってきていて、それは竜樹さんの身体にはやさしいものであること。
そう思えば、少しは雨でも機嫌はよくなるかと思いながら電車に乗って移動を繰り返す。
ふと竜樹さんが大好きなミニたい焼きを買おうと思い立って途中下車。
ミニたい焼きと少しばかりの食材をまた移動を繰り返す。
ふと「これから行きます」コールをし忘れてたことに気づいて、バスの待ち時間の間にこそっとメール。
何分のバスに乗るのかと、ミニたい焼きを仕入れたことを伝える簡素なメールをそっと飛ばす。
バスがやってきて乗り込んだ途端、鞄が揺れる。
「ミニたい焼きいずこで?(’’)?
とにかく、待ってるね」
「待たせてしまって申し訳ない」と思う反面、竜樹さんが待っててくれるということが嬉しくてならない。
早くバスが最寄の停留所に着かないかと思いながら、車窓を流れる見慣れた景色を眺める。
バスを降りたら足早に竜樹邸へ。
「お疲れ。ミニたい焼き何処で仕入れたん?」
「や、急に思い立って寄り道してみたんです。
昨日無理をさせてしまったお詫びです。
「そんなん気にせんでええのにーヾ(*^-^*)」
…いや、またミニたい焼き食べながら眠ってる竜樹さんを拝めたら儲けものだから(^^ゞ
9回目の春の日に竜樹さんがかわいらしく寝ぼけていたことを思い返して一人で笑ってると、「何笑ってるん?」と怪訝そうな竜樹さん。
きっと話せば、二度とそんな寝ぼけは見せてくれなさそうだからと教えないでおいた。
「そらちゃんが来るまで、2階でビデオ見ててん。
そらちゃんも見るか?」
「何見てはったんですか?」
「『ブラックジャックによろしく』ってドラマ」
「あぁ、マンガが原作のやつですね」
竜樹さんはコーヒーを温め、冷蔵庫からケーキを取り出す。
それを2階に運び上げて、ビデオの続きを眺めている。
竜樹さんの件があってからという訳ではないけれど、医療関係のドラマはなるべく見ないことにしていた。
見るとあれやこれやその場に転がってない問題までずるずる引きずり上げて考えてしまいそうだから、そういう芽になるものはなるだけ目にしないようにしてたんだけど、竜樹さんが平気な顔して見ていられるなら、私も見たらいいかなとその時は思ったから。
竜樹さんと言葉を交わしながら、じっとテレビを見ていた。
「…あー、なにをぐちぐち言うてんのよ。
執刀しなきゃ死ぬの目に見えてるやん、さっさと執刀しぃやぁヽ(`⌒´)ノ」
「……そらちゃん、口悪いで(-_-;)」
「夕食に何を食べようか迷うのとは次元が違うんですよ?
あー、もう鈴木京香ももっと叱れよーヽ(`⌒´)ノ」
「…や、俺は甘やかされたいなぁ(^-^*)」
「……ん?(-"-#)」
テレビドラマの人物に対してぶつぶつ文句を言う私に、話とは関係ないあさって向いたコメントをつける竜樹さん。
互いにぶつぶつ文句を言ったりあさって向いたコメントをつけたりしてはいるけれど、ドラマの内容が内容なだけに、こちんとした姿勢で見つづける。
…結果、ドラマが終わった瞬間、思いっきり肩を凝らしたものが2名。
特に竜樹さんは重症の模様。
「そらちゃーん、肩凝ったー(>へ<)」
「そしたら、体育会時代のマッサージをひとつ…」
竜樹さんにうつ伏せになってもらって、背中から肩にかけてゆっくりとマッサージをする。
「そらちゃん、上手やなぁ」
「滅多にやらないんですけどね。昔取った杵柄ってやつでしょうか…」
少しすると、「マッサージしてもらって楽になるなら、湿布で大丈夫や」と言って、階下に降りていかれた。
その後からちょこちょこついて降りて、湿布を貼るのを手伝う。
痛み止めを飲まずにやり過ごせるなら、かなりマシな方なんだろうと思うと暖かくなってきたことにただただ感謝。
そうして少しばかりのじゃれっこと少しばかりの居眠りの後、ご飯の支度を始める。
ミニたい焼きを買うときに一緒に食材を買ったとはいえ、帯に短し襷に長しという感じであまり品数が作れそうにない。
取り敢えず、お米を磨いで炊飯器にセットし、当初からの予定の辛くないエビチリを作る。
それもすぐに終わってしまい、食卓に置いてみるととても寂しいことに気づく。
買い足しに出かけてもよかったけれど、店に辿り着く頃には閉店してそうな時間だったので断念。
苦肉の策で、冷蔵庫の中にあった卵を使って非常にシンプルなオムレツを作って置いてみる。
それでもまだ貧相な気がして、考え込んでいると横になっていた竜樹さんが起き上がる。
「そらちゃん、俺はこれで十分だから食べよう?」
せめてあともう1品と思っていたけれど、「おなか空いた」と言う竜樹さんをこれ以上待たせるのもどうかと思ったので断念。
…最近、竜樹邸できちっと料理をする機会が激減してたから、復帰第1回目はこれくらいで勘弁してもらおうか。
そんな風に思いながら、作ったものを食べ始める。
「そらちゃん、卵焼くのうまいなぁ(o^−^o)
これくらい柔らかくてふわふわの卵が好きやねん」
メインのエビチリよりも苦肉の策のシンプル極まりないオムレツが誉められたことを喜んでいいのか悪いのか。
辛くないエビチリは辛いものが苦手な竜樹さんでも量が食べれるので、それもまた喜んでおられる。
その笑顔を眺めていると、粗食でも喜んでもらえたら儲けものだと思う。
間違いなく竜樹さんの笑顔があれば、私は幸せ気分でいられるから…
簡素な食事を済ませ、後片付けをしてリビングでごろごろ。
最近は竜樹さんの傍でくっついてテレビを見るのが殆ど定番。
くっついていると甘えたモードになる竜樹さん。
これまでずっと甘えたな竜樹さんには滅多にお目にかかれなかったから、甘えたな部分が見れることもまた嬉しかったり。
そうしてるうちに帰る時間が迫ってくる。
毎度のことながら、帰宅の時間が迫ってくると胸の奥が痛くなってくる。
「こんな時間がずっと続けばいい」と思うのもまた毎度のことだけれど、その日が来るのはきっとそう遠くはないはずだからと言い聞かせて、帰り支度を始める。
些細なことでも幸せだと感じられること。
竜樹さんと一緒にいて幸せだと感じられること。
小さな幸せを重ねて、いつかよりよい場所に辿り着けたら…
竜樹さんと帰る家が同じになってもそんな幸せをずっと幸せだと思いつづけられたら…
状況がどうあれ、私はきっと幸せなんだと思う。
小さな幸せも大きな幸せも間違いなく私と竜樹さんの間に存在するのだから、ずっとずっと大切に想いたいって思う。
聞きなれた携帯のアラームの音で目を覚ます。
休みの日にしては極めて珍しく早く目を覚ましたというのに、身体は不思議と重くはない。
竜樹さんと一緒にいる時間があるだけで、これほど違うものなのかと思うとびっくりする。
少しだけ横になったまま窓の外を見ていた。
外はまたしても雨。
今年はやたら雨の日が多い気がする。
降らなきゃ降らないで具合が悪いんだろうけど、雨は癒えきってない竜樹さんの身体にも私の身体にもあまりいい影響は与えないので歓迎する気にはなれない。
…雨が降ろうが雪が降ろうが、竜樹さんとこには行くけどね。
湿気た空気を掃うように勢いつけて起き上がり、出かける前にしなければならないことをいくつか片付けてから家を出る。
目が覚めた時は雨音がしていたのに、家を出る頃にはスプレーのような柔らかな雨に変わっていた。
ついこないだ降ったスプレーのような雨の日は肌寒さすら覚えたけれど、今日はなんだか蒸し暑い。
確実に暖かくなってきていて、それは竜樹さんの身体にはやさしいものであること。
そう思えば、少しは雨でも機嫌はよくなるかと思いながら電車に乗って移動を繰り返す。
ふと竜樹さんが大好きなミニたい焼きを買おうと思い立って途中下車。
ミニたい焼きと少しばかりの食材をまた移動を繰り返す。
ふと「これから行きます」コールをし忘れてたことに気づいて、バスの待ち時間の間にこそっとメール。
何分のバスに乗るのかと、ミニたい焼きを仕入れたことを伝える簡素なメールをそっと飛ばす。
バスがやってきて乗り込んだ途端、鞄が揺れる。
「ミニたい焼きいずこで?(’’)?
とにかく、待ってるね」
「待たせてしまって申し訳ない」と思う反面、竜樹さんが待っててくれるということが嬉しくてならない。
早くバスが最寄の停留所に着かないかと思いながら、車窓を流れる見慣れた景色を眺める。
バスを降りたら足早に竜樹邸へ。
「お疲れ。ミニたい焼き何処で仕入れたん?」
「や、急に思い立って寄り道してみたんです。
昨日無理をさせてしまったお詫びです。
「そんなん気にせんでええのにーヾ(*^-^*)」
…いや、またミニたい焼き食べながら眠ってる竜樹さんを拝めたら儲けものだから(^^ゞ
9回目の春の日に竜樹さんがかわいらしく寝ぼけていたことを思い返して一人で笑ってると、「何笑ってるん?」と怪訝そうな竜樹さん。
きっと話せば、二度とそんな寝ぼけは見せてくれなさそうだからと教えないでおいた。
「そらちゃんが来るまで、2階でビデオ見ててん。
そらちゃんも見るか?」
「何見てはったんですか?」
「『ブラックジャックによろしく』ってドラマ」
「あぁ、マンガが原作のやつですね」
竜樹さんはコーヒーを温め、冷蔵庫からケーキを取り出す。
それを2階に運び上げて、ビデオの続きを眺めている。
竜樹さんの件があってからという訳ではないけれど、医療関係のドラマはなるべく見ないことにしていた。
見るとあれやこれやその場に転がってない問題までずるずる引きずり上げて考えてしまいそうだから、そういう芽になるものはなるだけ目にしないようにしてたんだけど、竜樹さんが平気な顔して見ていられるなら、私も見たらいいかなとその時は思ったから。
竜樹さんと言葉を交わしながら、じっとテレビを見ていた。
「…あー、なにをぐちぐち言うてんのよ。
執刀しなきゃ死ぬの目に見えてるやん、さっさと執刀しぃやぁヽ(`⌒´)ノ」
「……そらちゃん、口悪いで(-_-;)」
「夕食に何を食べようか迷うのとは次元が違うんですよ?
あー、もう鈴木京香ももっと叱れよーヽ(`⌒´)ノ」
「…や、俺は甘やかされたいなぁ(^-^*)」
「……ん?(-"-#)」
テレビドラマの人物に対してぶつぶつ文句を言う私に、話とは関係ないあさって向いたコメントをつける竜樹さん。
互いにぶつぶつ文句を言ったりあさって向いたコメントをつけたりしてはいるけれど、ドラマの内容が内容なだけに、こちんとした姿勢で見つづける。
…結果、ドラマが終わった瞬間、思いっきり肩を凝らしたものが2名。
特に竜樹さんは重症の模様。
「そらちゃーん、肩凝ったー(>へ<)」
「そしたら、体育会時代のマッサージをひとつ…」
竜樹さんにうつ伏せになってもらって、背中から肩にかけてゆっくりとマッサージをする。
「そらちゃん、上手やなぁ」
「滅多にやらないんですけどね。昔取った杵柄ってやつでしょうか…」
少しすると、「マッサージしてもらって楽になるなら、湿布で大丈夫や」と言って、階下に降りていかれた。
その後からちょこちょこついて降りて、湿布を貼るのを手伝う。
痛み止めを飲まずにやり過ごせるなら、かなりマシな方なんだろうと思うと暖かくなってきたことにただただ感謝。
そうして少しばかりのじゃれっこと少しばかりの居眠りの後、ご飯の支度を始める。
ミニたい焼きを買うときに一緒に食材を買ったとはいえ、帯に短し襷に長しという感じであまり品数が作れそうにない。
取り敢えず、お米を磨いで炊飯器にセットし、当初からの予定の辛くないエビチリを作る。
それもすぐに終わってしまい、食卓に置いてみるととても寂しいことに気づく。
買い足しに出かけてもよかったけれど、店に辿り着く頃には閉店してそうな時間だったので断念。
苦肉の策で、冷蔵庫の中にあった卵を使って非常にシンプルなオムレツを作って置いてみる。
それでもまだ貧相な気がして、考え込んでいると横になっていた竜樹さんが起き上がる。
「そらちゃん、俺はこれで十分だから食べよう?」
せめてあともう1品と思っていたけれど、「おなか空いた」と言う竜樹さんをこれ以上待たせるのもどうかと思ったので断念。
…最近、竜樹邸できちっと料理をする機会が激減してたから、復帰第1回目はこれくらいで勘弁してもらおうか。
そんな風に思いながら、作ったものを食べ始める。
「そらちゃん、卵焼くのうまいなぁ(o^−^o)
これくらい柔らかくてふわふわの卵が好きやねん」
メインのエビチリよりも苦肉の策のシンプル極まりないオムレツが誉められたことを喜んでいいのか悪いのか。
辛くないエビチリは辛いものが苦手な竜樹さんでも量が食べれるので、それもまた喜んでおられる。
その笑顔を眺めていると、粗食でも喜んでもらえたら儲けものだと思う。
間違いなく竜樹さんの笑顔があれば、私は幸せ気分でいられるから…
簡素な食事を済ませ、後片付けをしてリビングでごろごろ。
最近は竜樹さんの傍でくっついてテレビを見るのが殆ど定番。
くっついていると甘えたモードになる竜樹さん。
これまでずっと甘えたな竜樹さんには滅多にお目にかかれなかったから、甘えたな部分が見れることもまた嬉しかったり。
そうしてるうちに帰る時間が迫ってくる。
毎度のことながら、帰宅の時間が迫ってくると胸の奥が痛くなってくる。
「こんな時間がずっと続けばいい」と思うのもまた毎度のことだけれど、その日が来るのはきっとそう遠くはないはずだからと言い聞かせて、帰り支度を始める。
些細なことでも幸せだと感じられること。
竜樹さんと一緒にいて幸せだと感じられること。
小さな幸せを重ねて、いつかよりよい場所に辿り着けたら…
竜樹さんと帰る家が同じになってもそんな幸せをずっと幸せだと思いつづけられたら…
状況がどうあれ、私はきっと幸せなんだと思う。
小さな幸せも大きな幸せも間違いなく私と竜樹さんの間に存在するのだから、ずっとずっと大切に想いたいって思う。
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