昨晩、何となく寝付けなくて、この日先輩から貰ったちっさいプラモデルを作ってみた。
ずっと以前からあるプラモデルを作ってみたかったのだけど、先に作ってしまってた先輩が「生半可じゃ出来ないから」と言って、練習用に簡単なものをくれたものをニッパー片手に黙々と組む。

本当なら日記の追っかけ更新を進めるはずだったのだけど、あまりに集中してしまい作り終えたらすっかり追っかけ更新をする気力がなくなっていた。


プラモデルを組むのは面白い。


自他共に認める三次元音痴の私がこんなものに手をつけるとは夢にも思わなかったけれど、先輩からプラモデルを貰う前から関心はあった。


このところ竜樹さんの体調が不安定で、横になって何時の間にか眠ってしまわれることが増えた。
その間竜樹邸の掃除をしたり、料理の下拵えを始めたりとすることはあったのだけど、竜樹さんがしんどい時に竜樹邸でできるものを見つけておくといいとは前から言われていた。


「プラモデル作るのなんてどうなん?そらは絵を描いたり物を作ったりするのは好きやろ?」


「パソコンで遊ぶのもいいけど、ディスプレイから離れて何かすることも見つけておくといいよ」と時々竜樹さんは仰ってたのだけど、具体的に何をするといいなんていう例をあげること自体は珍しくて、「なんでかな?」とは思ったけれど。
ちょうど自分自身に固着してる「三次元音痴」という名の苦手意識が何気ないことで払拭できるならそれはそれでいいと思ったから、先輩と話す機会があった時何気なく話したのだけど…


…面白いのはいいけれど。


ただでさえ遅れがちな日記はますます遅れるだろうし,会社にでは再び先輩の足止め攻撃が激化するのも目に見えている。
まぁ、足止め食らっても短くまとめて後は全力で仕事を片付ければいいだけの話なんだろう。
先輩云々がプラモデルを組むという作業より自分の中で重くのしかかってこないのは、プラモデル組むことを勧めてくれたのが他ならぬ竜樹さんだったから。

竜樹邸でパソコンを使うと確実に竜樹さんの見えないところで作業する羽目になるけれど、プラモデルなら竜樹さんが眠る姿を目に入れられる範囲の場所で作ることだってできる。


作り終えたちっさなプラモデルを机に置いて、少しだけパソコンで作業してから寝ようと作業してあと少しでおしまいというところで、データがすべて壊れてしまった。
意地にならずに眠ればいいものを意地になって復旧して、終わったら4時前。
時計の針に終われるように横になった。


数時間後の空は薄曇、けれど日差しは暖かい。
よろよろと起き出していつものようにばたばたと家を出る。

身体にどこか鈍さを感じながら事務所に入って仕事を始める。
暫くして階下に書類を取りに降りると、案の定先輩に呼び止められる。


「どやったどやったどやった?o(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o 」
「…や、案外面白いですね。2時間ほどぎちっと集中して取り組めましたよ」
「今まで全く作ったことなくて2時間で終わったんやったら、早い方やでぇ」


予想してたより面白がって取り組めたことが判って気をよくされたのか、あんなのもあるでこんなものもあるでといろいろ教えてくれる。
それをふむふむと聞き、キリのいいところで事務所に戻った。


午前中の仕事はそれほど多くはなく、割と余裕を持って片付けることが出来た。
比較的穏やかなペースで仕事を片付け、お昼休みを迎える。
ゆっくらことごはんを食べ、のんびりボスティーと後片付けを済ませ、少しお昼寝。


ぼんやりと顔を上げ、昼からの仕事を立ち上げようとすると。


「ねぇやん、ねぇやん。買ってきたでぇ」


…………………(゜o゜)


先輩は、昨日作ったものよりもはるかに大きな箱を持ってやってきた。
どうやらこれがまともに作れたなら、私が作りたいけど出来そうにないだろうと諦めたものは作れるらしい。
昨日貰ったものよりもはるかに値がはったので、代金を納めておっきな箱を受け取った。
ぼんやりと箱を見てると、「こうすんねんで、あぁすんねんで、判らなかったらちゃんと聞きや」と先輩のアドバイスが飛んでくる。
そのポイントだけを抑えて箱を片付け、仕事を始める。


昼からは午前中とはうって変わって、妙に忙しい。
次から次へとやってくる仕事を投げ飛ばすように片付けながら、ふと思う。


…早く帰って組みたいなぁ


子供じみた心の動き方が随分久しぶりのような気がして、我に返ると笑えたけれど。
ひとまずなるべく早く家に帰れるようにと、意識を切り替えてやってくる仕事を片付けていった。

事務所を飛び出して、大きな箱を抱えて家路を急ぐ。
その急ぎ方が竜樹邸に行く時のような感じがして、何だかおかしな感じ。
ただ単に自分で見つけてきた新しい楽しみなら、よっぽどのものじゃなければ心は躍らない。

絵を描くことに匹敵するくらいの楽しみなんて、そんなにあるもんじゃないから。


楽しいと感じたのは他ならぬ自分だけど、そのきっかけをくれたのは間違いなく竜樹さんだから。
新しい楽しみを竜樹さんと2人で手に入れたような感じが嬉しかった。


「お加減いかがですか?
こんばんわ。
今日は奇妙に忙しかったです。
昨日の夜、簡単なプラモデルを作って遊びにました。
2時間かちっと集中して楽しめました。
今度はもちっとおっきいのに挑戦しようかな?(*^_^*)」


そう夜空に飛ばして、またおっきな箱を抱えて移動の旅を続けた。


家に帰ってから、購入したプラモデルの箱を開ける。
昨日作ったものと比べたら、格段にパーツの数が多い。
ちょっとやそっとじゃ出来上がらないだろうのは目に見えていたけれど。

そのパーツの多さにどきどきわくわくしてる自分がいるのが、何だかおかしくて。


…まぁた暫く日記は止まるなぁ


それはそれでもいいかもしれない。
竜樹さんがくれた種を人の手を借りはしたけれど自分で育てて実を成したことが、今はとても嬉しいから。



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