会えない間も…

2002年12月8日
今日は金岡本家にて法事の日。
今回は親レベルでこじんまりとやるので、私は留守番組。
ただ、姉さまに貰ったセールの招待状を無駄にしたくなくて、昼過ぎには戻ることを条件に行くことにした。


外は鈍色の空。
小雨が降ってきてたので、邪魔になるだろうと思いながらも傘を持って出かける。

休みの日の午前中なのに、電車はどことなく込み合っている。
そこそこ混んだ電車に揺られては乗り換え、また揺られては乗り換え…
何度も何度も移動の旅を繰り返してセール会場に向かう。
会場に着くまでに携帯から移動時間を調べ、何時に会場を出たらいいかの計算をする。


会場にいられるのは1時間半。


結構広い会場だから、本当に1時間半で必要なものを見つけて会場を出れるかどうかは判らないけれど。
迷い出したらキリがない私には、短期決戦型の買い方はちょうどいい。
長い長い移動の旅でへろへろになりながらも、会場に着くと俄かに戦闘モードにシフトしていく自分がいるから不思議。
まず人の波に押されるようにエレベーターに乗り、ところてんのように押し出される。


レディースのフロア。
姉さまが「アルマーニが出てたよ」と言うので、ひとまずアルマーニのコーナーに行く。
予算とサイズとデザインに折り合いのつくものを一生懸命探してみたけれど。
予算とデザインがいいなぁと思うと、サイズがない。
サイズがいいとデザインがもひとつか予算のはるか上を行く価格。
いつかのセールの時はアルマーニのスーツを上手に破格値で手に入れたけれど、今回はサイズと予算に折り合いがつかずに断念。
お隣のrenomaで物色してると、サイズとデザインと予算に折り合いがつくパンツとスプリングコートにもなりそうなジャケットが出てくる。


…決定!(o^−^o)


会場を出る時間の40分ほど前には自分の買い物は終わっていた。
後は会計のフロアに行くだけなんだけれど…


レディースの階を降りてメンズのフロアに行く。
竜樹さんのプレゼントを探そうと思ったから。


…どうせ、服を贈っても喜ばないんだけどなぁ、竜樹さん。


今までに何度か服を贈ったことはあるけれど、服というアイテムそのものは自分で選びたい人なのであまり喜んでもらえた試しはない。
そのくせ、贈ったものはちゃんと着てはくれてるし、長く着れるよう手入れもしてくれてるようなので、その点は喜べるのだけれど…


さて、どうしたものか?


仕立てのいいジャケットやパンツは沢山ある。
ところが、ちゃんとしたサイズが判らない(>_<)
再手術前のサイズは判るけれど、手術後痩せたとか何とか仰ってて正確なサイズは把握していない。
電話して聞いてみてもいいけれど、それでは何を贈ろうとしてるかバレてしまう。


「プレゼントはいいから、貯金しときやぁ」


決まってそう仰るので、聞くに聞けない。
あまり迷ってる時間はないので、多少曖昧でも大丈夫なセーターを探すことに。


またしても、サイズとデザインと予算に折り合うものを探す。
本当はカシミア100%のセーターを贈りたかったけれど、デザインが乏しかったのと予算に折り合いがつかずに断念。
軽くて暖かそうで色味もいいセーターをいくつか手に取り、考える。
竜樹さんが着る姿を頭に思い描いて考える。


贈るなら本当に喜ばれるものがいいなって思うけれど、本当に喜ぶものが判らない。
別にここで買わなくてもまたいずれでもいいかもしれない。
でも神戸小旅行の時にそっと渡せたらって思う。
毎年竜樹さんが小旅行の時にそっとプレゼントを渡してくれるように、私もそっと渡したいなぁって思うから…

自分の服を買うより迷って迷って。
結局、渋めの赤っぽい臙脂のセーターを手にして、会計フロアに下りる。


小雨の中、紙袋を提げて家に戻るためにまた移動大会。
紙袋から見える竜樹さんのセーターを眺めてぶつぶつ考える。
どうせ渡したら、言うのだ。彼は。
「俺のん買わんと、自分の買えばよかったのに」って。


…いーんだもんねー。本人が気に食わなきゃ、私が着るんだもんねー( ̄ー+ ̄)


根拠レスな居直りの口上ひとつ心の内に吐いて、ようやく家に戻る。
すっかりしょげ返ったプードルさんがよたよたと出迎えてくれた。
買った物を片付けて、リビングでプードルさんとくっついて金岡父のパソコンを叩いていると、携帯にメールがひとつ。


沙希ちゃんからだった。
クリスマス用のイルミネーションがついてるのを見て、ルミナリエのことを思い出してメールをくれたそう。


「寒くなると、傷が痛むでしょ? 竜樹せんせは出かけられそうなの?」


竜樹さんのことまで気遣ってくれるのが、とても嬉しい。
きっとそう言えば、沙希ちゃんは以前と変わらずに「竜樹せんせが元気なら、霄さんも元気でしょ?」って笑うんだろうけど。


「一進一退です。
メールありがとう(*^_^*)
ホントにもうすぐ今年も終わるんよね。
やっぱりこのところの冷え込みで竜樹さんの具合は思わしくないみたいです。
一応来週の後半にルミナリエに行く予定なのだけど、どうなることやら、です。
先月末頃に父方の祖母が亡くなって、少し落ち着きなかったのですが、今はだいぶマシです。
沙希ちゃんはいかがですか?」


そのお返事がなかったので、多分あまりよい状態じゃないんだろうなぁって思う。

一度、ちゃんと連絡しなきゃならない。

ただまだ沙希ちゃんちに彼がいるなら、迂闊に電話も出来ない。
彼氏と同居してる友達に連絡するのは、彼が縛らない人でも気を遣う。
よりにもよって、沙希ちゃんの彼は異常に縛りのきつい人だから、連絡することによっていらない諍いの元は作りたくない。
そう思うとずるずると、ちゃんと話すことも出来ないのだけれど…


そんなことをぼんやりと考えてるうちに、ふと眠くなってきたので自室から布団を下ろしてきてリビングで少し横になる。
カーペットが引いてあるとはいえ、フローリングの上で寝るのは身体が冷えてよろしくない。
何時間かはストーブつけて睡魔に任せて眠ったけれど、底冷えに我慢できずに体を起こす。
夕飯を作ろうと思ったけれど、ふと金岡母がピザが食べたいと話していたことを思い出し、金岡両親が戻ってから注文することにして、ぼんやりしながらプードルさんと遊びまわって過ごした。

金岡両親も戻り、金岡母のご意向通りピザを注文。
以前から食べたいものがあったらしく、届いたピザに満足そう。
外食系の食事が嫌いな金岡父のブーイングが飛ぶかと思ったけれど、金岡父の口にも合ったらしく楽しい食事の時間になった。


今日の法事の話を聞き、そこからまた他愛もない話をして自室に戻る。
ふと、竜樹さんにメールを飛ばしてみたくなった。
会えなかったのは仕方なかったとはいえ、休み中一度も連絡をしないのもどうかなって思ったから。


「いかがお過ごしですか?
寒い1日でしたね。
お加減、いかがですか?」


それほど時間をおかずにお返事が届く。


「寒く、辛い日でした(T T)」


なかなか体を起こせなかった辛さは後に続くちょっと面白い表現を交えてても見て取れる。


「辛かったね。
竜樹さんいじめる寒さは嫌いです。
私は朝早くから出かけ、昼過ぎからはずっとお留守番でした。
リビングで布団かぶって寝たらまぁ、寒いこと寒いこと(>_<)
今日はね、竜樹さんを思って過ごしました(^^ゞ

…なんで?って?

今は内緒です(笑)」


まさか「セーター贈って喜ばれるかどうか、1日考えてました」とは書けないから、私らしくないかわいらしげな言い方をしてみたけれど…


竜樹さんに会えなかった週末が終わる。
どこにいてても何をしてても、結局は竜樹さんのことを考えていた。
会えない間も竜樹さんは自分の中には確かにいたんだと。
臙脂色のセーターを見て、そう思った。


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