どういう訳かいつもの時間より目が覚めるのが遅かった。
のんびりしてると遅刻は免れないので、慌てて用意をして家を飛び出す。


駅に着いて、青くなった。
家に財布と定期入れを入れた小さな鞄を一式忘れてきてしまった。
朝からまるで放映遅れのサザエさんのようだ。

幸い、お弁当を入れてる鞄に入れてた通帳ケースに1000円札の小さな束が入ってたので、そこからお金を出して出勤。
定期を持っていても「行きたくないなぁ」と思うのに、なけなしのお金を払ってまで会社に行きたいかと言われたら、もっと行きたくないって思う。
一昨日は鍵を忘れて、竜樹さんと金岡両親を巻き込んでの大騒動を引き起こし、今度は財布と定期入れまで忘れる体たらく。


「忘れ物をしないように気をつけよう」なんて、まるで小学生の月間目標みたい。
慌てると何かを忘れるというのだけは直しておきたいと思いながら、ホームに滑り込んできた電車に乗る。


ただ財布と定期入れを同時に忘れることなんてまずないから、報告と自戒を込めて姉さまに報告した。

すると姉さま、体調不良で会社を休んでおられるとのこと。

姉さまに報告したら、姉さま不調で休み。
姉さまもストレス過多な仕事をしてるので、ダウンしても無理はない気がする。
「ゆっくり休むんだよー」とメールを飛ばし、電車を降りる。

胃が重くて吐きそうだけど、取り敢えず頑張ろう。


会社に入ると、なけなしの気力がどんどん吸い取られる感じがする。


…この会社、なんかおるんちゃうか?(-_-;)


どうせいるなら座敷童子だったらいいのに。
そしたら少なくともいてくれてる間は会社は儲かるのに…なんてばかみたいなことを考えながら、何とか仕事を続けはするけれど。

身体がしんどいから憂鬱なのか、もともと憂鬱な気分だから身体がしんどいのか。
よく判らないまま仕事を捌かすだけで1日が終わってしまった。


ぐったりと疲れてしまった状態で、よろよろと電車を乗り継ぎ家を目指す。
電車の窓に映る自分の表情がどこか疲れてっぽくて、我ながら嫌になる。

本当に早く辞めないと、胃か精神潰しそう。
…って、5年もあの会社にいて胃はともかく精神はまだ潰してないから、あと何年いたって精神的にぶっ潰れることはありえないとは思うけど…

でも、常に機嫌悪く過ごせる環境っていうのにいつまでも身を置いてていいことはないから。
辞めるタイミングを見計らい、辞表を出す勇気を奮うことを本腰入れてやってかなきゃならないなぁと、毎度のことながら思う。


自宅に戻ってから、竜樹さんと少し電話で話したけれど。
今日もよく冷えたから、体調が悪かったみたいで言葉が尖っていらっしゃる。

器用に人に自分の想いを伝えられない人だから、ある程度のことは仕方ないって思ってる。
ましてや、体調が悪い時は半端じゃない状態だから、本当に辛いのだってことも承知してる。
尖る言葉が常に出るわけでないことも、それを発動させてしまったことをとても後悔する人だということも。
元気な時に懸命に傷つけたことのフォローをしようとすることも。


判ってる、判ってるんだよ。


だけど、自分のことばっかり言われるのが辛い時だってあるんだよ。
それは私自身にも言えたことかも知れないから、強くは言わないけれど。
少しだけでいい、少しだけでいいんだ。
自分がしんどい状態の中にあって、ほんの少しだけでも自分以外の人のことも片隅には置いてて欲しいって思う。
それすら我儘なのかもしれないけれど…


今日1日頭の中で無限ループのようにぐるぐるぐるぐる結論出ぬまま巡りつづけたこと。
自分の意志や状態だけを慮れば簡単に済むことが、視野を広げていく度に身動きが取れなくなるような状況の中で、身動きが取れなくて自分的には辛くても現状を守らなきゃならないと思うことの根幹にあるのは、いつでも大切な人の存在。

「すべてを放棄して楽になりたい」って気持ちと「放り出しちゃだめなんだよ」って気持ちが綱引きしてる。
その状態を抱えてることが何だかひどく薄汚れてる感じがして、自分で自分が嫌になるというのに…


口にしないことを分かれなんて言うのが無茶だから、理解されなくても仕方ないとは思うけれど。
のべつまくなく自分のことばかり言わないでって思う時もたまにはあるんだよ。

本当は、いつでもあなたのしんどさを軽くしたいって思うよ。
自分が多少しんどくても、あなたが言いたいことを言いさえしたら少しでも楽に慣れるなら、その労を厭うような真似はしないよ。


でも、あなたが抱えてるように、私にも抱えてるものがあって。
あなたに抱えてるものの持つ尖った部分が届かないように、自分の心の部分でその刃を寸止めさせてる状態なんだよ。
心が柔らかくてしなやかであればその刃はそこから先にはいかないし、持ち堪えられもする。
けど、あなたがいつも元気でないように、私の心に柔軟性がなくなることだって確かにあるんだよ。


竜樹さんの話を聞きながら、口を突きかけて必死になって飲み込んだ言葉がいくつもある。
けれど、身体が辛くて辛くてならない状態の竜樹さんにそれがどれほどの抑止になるっていうのだろう。
その抑止のために余計に身体が辛くなるなら?


…言える訳がないじゃないか。


「今週末は会うのをやめよう。少し休みたいねん」


「少しの時間でもいいから会おう」よりも「休みたい」が勝つなら、休むことを優先させるのも悪くはないのかもしれない。
竜樹さんも疲れてるように、私も少し疲れてるみたい。
今の2人は自分のことばかり見て欲しいって思いが強いもの。
それがぶつかり続けて、また疲れる。


竜樹邸からの戻りが遅いというだけで金岡両親から過剰なまでに悪し様に言われるのにも疲れてる。
自分のことだけじゃなくて、竜樹さんのことまで悪し様に言うのだから。
その言葉を甘んじて受け流すことにも、許せなくて歯向かうことにも疲労感は付き纏う。

少なくとも私が竜樹邸に行かない日は、彼らの感情が竜樹さんの方に流れることは少ない。
自分のことだけごちゃごちゃ言われるなら、適当にやりすごせるもの。


どちらからも挟まれた時、逆ギレできなくて不完全燃焼な気分を抱え込んでしまうのが癖になってるらしい。
それが疲れの元凶になってるのは間違いないけれど…


どちらも大事な人だから、どちらも大事にしたいだけのにね。
抱え込むだけ抱え込んで、最後に両親も竜樹さんのことも大嫌いになりそうで怖い。


ここんとこの私は愛し方が足りないのかもしれない。
ついでに愛され方も足りないのかもしれない。


そんなお寒い思考回路の癖に、今週末竜樹さんに会えないことを寂しいと思う自分もいる。


…それを友達に話したら「惚れた弱みですね」って言われたけどさ(-_-;)


ひとりの時間を過ごすことで、もう一度見つめ直せたらいいなって思う。

8年目にしてちょこちょこと綻びが出てきてる部分も見受けられるけれど、その綻びを上手に直したり新たなものに仕立て直したりする方法を見つけるのは、必ずしも疲れたもの同士が塞がった思考回路で考えればいいってもんじゃない。

下手をすると、神戸小旅行のあたりまでずっとひとりの時間を過ごすかもしれない。
寂しいのには違いないけど、共に閉塞した思考回路のままでぶつかり合うことが建設的だとは思わないから。


久しぶりにひとりの週末になるのなら。
自分自身とこれからを見つめ直すのも悪くはない。


私と竜樹さんが2人で歩くための道を迷わず進める糸口になるのなら…



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