まだ大丈夫。
2002年11月28日今朝も寒い。
おまけに今週は洗濯当番。
雨の日に洗濯の仕事をするのも嫌だけれど、寒い日に洗濯の作業をするのも何だかなぁと思う。
身体が縮こまるように心も縮こまっていきそうだけど、無理矢理身体を起こして家を出る。
取り敢えずごきげんような結果にはならなかったけれど、さりとて何かが改善された兆しもない。
強いて言うなら、拒絶の空気よりも親和の空気の方が強かったかなとは思ったけれど、本当にこれで解決したとも思えない部分は間違いなくある。
…それでも、すぐに結論を出す必要もないかもしれない
心の中にある根幹の部分が僅かでも死んでないなら、まだ維持していくことが不可能な訳ではない。
それはあくまで私の中においては、だけど。
社屋に入り、仕事と洗濯機の相手とを並行する作業に入る。
案の定、洗濯機のあるフロアは寒い。
風除けを下ろしてもいいのだけど小さな青空が見えないのは辛いから、風除けを下ろすことなく寒風吹きすさぶ中洗濯の作業を続ける。
幸い、通常業務の方がそれほど立てこまなかったので、幾分いつもよりは楽な立ち上がり。
運がよければ、仕事が立て込みそうな日に巡ってくるだろう仕事の下準備にも取り掛かれそう。
ここで頑張っても何の意味もないと知りながらも、黙々と仕事を続ける。
多少むっとくることはあっても割と穏やかなまま昼休みを迎え、ボスティー、ボスショーと移行してまた昼からの作業に入る。
昼からは立て込むような立て込まないような奇妙な立ち上がりで進行。
終業1時間前に大騒ぎしないで済むように、戦闘モード全開で臨む。
ちょうど魔の1時間前に差し掛かった頃、鞄が小さく揺れた。
そっと覗き込むと、メールがひとつ。
「迎えに行くわ、最寄の駅まで」
竜樹さんからだった。
昨日会ったのに一体何の用なんだろう?と首を捻ってしまったけれど、わざわざ出向いてくれるのに「来なくていいです」なんて言う必要はないから。
こそっと「わかりました」とだけ打ってそっと飛ばし、また戦闘モードに戻す。
終業30分前に状況が一変して、定時からは少し遅れて事務所を出る羽目になってしまった。
ひとまず予定の時間より少し遅れそうですとだけ連絡すると、竜樹さんも渋滞にかかかってしまった模様。
「もし店が近くにあるなら、卵を買ってきて」と言われたので、駅からそれほど遠くないところになる食料品店で卵を買う。
割らないように気をつけながら、自転車に乗って待ち合わせの場所に向かう。
…結局、もっと遅くに事務所を出てもいいくらいの時間に竜樹さんは待ち合わせ場所に来られた。
「ごめんなぁ、待たせて」
「いや、仕事がぼかんとやってきたんで、こっちも出るの遅れたし…」
昨日にもまして穏やかな笑顔の竜樹さんにまた首を捻る。
…一体、どしたのだろう?
運転に集中したい竜樹さんは運転中はあまり口を利かないのだけど、今日は妙におしゃべり。
これまたどうしたことだろうかと思いながら、受け答えしてるうちに竜樹邸に到着。
竜樹邸に入ると、いい匂いがする。
「今日はごちそうをしようと思って♪(*^-^*)」
見ると、ガスレンジにはフライパンと鍋がひとつ。
フライパンの中にはイカ焼き、鍋の中には湯豆腐。
イカ焼きと湯豆腐を温めなおしながら、料理の説明をしてくれる。
「これだけやないねんで♪(*^▽^*)」
温まったイカ焼きを皿に移して差し出してくれた後、今度は別の鍋を火にかける。
すき焼きだった。
リビングでもこもことイカ焼きをほうばっていると、机の上に湯豆腐一式、すき焼き一式。
もうあとは食べるだけの状態にして運んで来てくれた。
竜樹さんは何もしない人ではないけれど、ここまでいくとサービス過剰な気がする。
「……あの、どうしはったんですか?」
嫌味でもなんでもなく、それがシンプルな疑問だった。
「…いや、結構無理言ったのに頑張ってくれたから、申し訳ないなぁって思って。
そんなんええから、早く食べぇや」
一連のことを言い過ぎたとは言わないまでもそれに対してやれるだけのことをやったことは認めてもらえたらしい。
冷めないうちに湯豆腐とすき焼きを食べ始める。
湯豆腐は昆布のだしがよく利いてて、シンプルながらも美味しい。
七味入のポン酢も相性がよく、いつまでも食べつづけたいって思うほど。
すき焼きも多からず少なからず、甘すぎず辛すぎず。
一生懸命頑張ったんだなぁっていう努力の跡が見えすぎるくらいに見えている。
それでも竜樹さんはまだキッチンでがさがさしていらっしゃる。
いつもよりはうんとゆっくり食事をして、後片付けをしようと台所に移動したら、今度は小さな箱からいくつもプラスチックの入れ物を取り出す。
「霄ぁ、どれ食べる?」
小さなテーブルの上にはコーヒーゼリーとグレープフルーツゼリー、プリンが並んでいた。
「どれを食べてもいいよ♪(*^-^*)」と仰るので、竜樹さんの好きなプリンを残してグレープフルーツゼリーを貰った。
ケーキ屋さんのゼリーみたいで、とても美味しかった。
リビングに戻ってゆっくりしてると、甘えたモードの竜樹さん。
竜樹さん的に気まずい時に甘えたモードに移行されるのは、暗に「ごめんなさい」な気分の時。
…それでもちゃんと「ごめんなさい言えよーヽ(`⌒´)ノ 」と突っ込まないのは甘いのか?
かわいそうなくらいよく働き、甘えたモードで寄ってくる竜樹さんを無碍に出来ないのは当たり前のこと。
そのままぎゅっと抱き締めた。
暖かな時間と暖かな食事に絆された上に、お見送り付。
小さな燻りよりも暖かさが勝った状態のまま家に帰れたのは嬉しい限り。
気がついたら、オール敬語で話していたのが元通りの喋りに戻っていた。
滅多なことがなければ私は態度は硬化させないけれど、態度を硬化させたら徹底的に相手のことを視界にも意識にも入れないようにするから。
私の態度の硬化が少なからず、竜樹さんに何か思わせてしまったのだろう。
…食べ物と心づくしで誤魔化されたかな?
誤魔化されちゃならないことも間違いなくあるのだけれど。
逆に竜樹さんの心づくしで固まった心が柔らかくなるなら、まだ大丈夫。
諍うことがあっても、それをどうにか改善したいと思ってるうちは。
多分、まだ大丈夫。
おまけに今週は洗濯当番。
雨の日に洗濯の仕事をするのも嫌だけれど、寒い日に洗濯の作業をするのも何だかなぁと思う。
身体が縮こまるように心も縮こまっていきそうだけど、無理矢理身体を起こして家を出る。
取り敢えずごきげんような結果にはならなかったけれど、さりとて何かが改善された兆しもない。
強いて言うなら、拒絶の空気よりも親和の空気の方が強かったかなとは思ったけれど、本当にこれで解決したとも思えない部分は間違いなくある。
…それでも、すぐに結論を出す必要もないかもしれない
心の中にある根幹の部分が僅かでも死んでないなら、まだ維持していくことが不可能な訳ではない。
それはあくまで私の中においては、だけど。
社屋に入り、仕事と洗濯機の相手とを並行する作業に入る。
案の定、洗濯機のあるフロアは寒い。
風除けを下ろしてもいいのだけど小さな青空が見えないのは辛いから、風除けを下ろすことなく寒風吹きすさぶ中洗濯の作業を続ける。
幸い、通常業務の方がそれほど立てこまなかったので、幾分いつもよりは楽な立ち上がり。
運がよければ、仕事が立て込みそうな日に巡ってくるだろう仕事の下準備にも取り掛かれそう。
ここで頑張っても何の意味もないと知りながらも、黙々と仕事を続ける。
多少むっとくることはあっても割と穏やかなまま昼休みを迎え、ボスティー、ボスショーと移行してまた昼からの作業に入る。
昼からは立て込むような立て込まないような奇妙な立ち上がりで進行。
終業1時間前に大騒ぎしないで済むように、戦闘モード全開で臨む。
ちょうど魔の1時間前に差し掛かった頃、鞄が小さく揺れた。
そっと覗き込むと、メールがひとつ。
「迎えに行くわ、最寄の駅まで」
竜樹さんからだった。
昨日会ったのに一体何の用なんだろう?と首を捻ってしまったけれど、わざわざ出向いてくれるのに「来なくていいです」なんて言う必要はないから。
こそっと「わかりました」とだけ打ってそっと飛ばし、また戦闘モードに戻す。
終業30分前に状況が一変して、定時からは少し遅れて事務所を出る羽目になってしまった。
ひとまず予定の時間より少し遅れそうですとだけ連絡すると、竜樹さんも渋滞にかかかってしまった模様。
「もし店が近くにあるなら、卵を買ってきて」と言われたので、駅からそれほど遠くないところになる食料品店で卵を買う。
割らないように気をつけながら、自転車に乗って待ち合わせの場所に向かう。
…結局、もっと遅くに事務所を出てもいいくらいの時間に竜樹さんは待ち合わせ場所に来られた。
「ごめんなぁ、待たせて」
「いや、仕事がぼかんとやってきたんで、こっちも出るの遅れたし…」
昨日にもまして穏やかな笑顔の竜樹さんにまた首を捻る。
…一体、どしたのだろう?
運転に集中したい竜樹さんは運転中はあまり口を利かないのだけど、今日は妙におしゃべり。
これまたどうしたことだろうかと思いながら、受け答えしてるうちに竜樹邸に到着。
竜樹邸に入ると、いい匂いがする。
「今日はごちそうをしようと思って♪(*^-^*)」
見ると、ガスレンジにはフライパンと鍋がひとつ。
フライパンの中にはイカ焼き、鍋の中には湯豆腐。
イカ焼きと湯豆腐を温めなおしながら、料理の説明をしてくれる。
「これだけやないねんで♪(*^▽^*)」
温まったイカ焼きを皿に移して差し出してくれた後、今度は別の鍋を火にかける。
すき焼きだった。
リビングでもこもことイカ焼きをほうばっていると、机の上に湯豆腐一式、すき焼き一式。
もうあとは食べるだけの状態にして運んで来てくれた。
竜樹さんは何もしない人ではないけれど、ここまでいくとサービス過剰な気がする。
「……あの、どうしはったんですか?」
嫌味でもなんでもなく、それがシンプルな疑問だった。
「…いや、結構無理言ったのに頑張ってくれたから、申し訳ないなぁって思って。
そんなんええから、早く食べぇや」
一連のことを言い過ぎたとは言わないまでもそれに対してやれるだけのことをやったことは認めてもらえたらしい。
冷めないうちに湯豆腐とすき焼きを食べ始める。
湯豆腐は昆布のだしがよく利いてて、シンプルながらも美味しい。
七味入のポン酢も相性がよく、いつまでも食べつづけたいって思うほど。
すき焼きも多からず少なからず、甘すぎず辛すぎず。
一生懸命頑張ったんだなぁっていう努力の跡が見えすぎるくらいに見えている。
それでも竜樹さんはまだキッチンでがさがさしていらっしゃる。
いつもよりはうんとゆっくり食事をして、後片付けをしようと台所に移動したら、今度は小さな箱からいくつもプラスチックの入れ物を取り出す。
「霄ぁ、どれ食べる?」
小さなテーブルの上にはコーヒーゼリーとグレープフルーツゼリー、プリンが並んでいた。
「どれを食べてもいいよ♪(*^-^*)」と仰るので、竜樹さんの好きなプリンを残してグレープフルーツゼリーを貰った。
ケーキ屋さんのゼリーみたいで、とても美味しかった。
リビングに戻ってゆっくりしてると、甘えたモードの竜樹さん。
竜樹さん的に気まずい時に甘えたモードに移行されるのは、暗に「ごめんなさい」な気分の時。
…それでもちゃんと「ごめんなさい言えよーヽ(`⌒´)ノ 」と突っ込まないのは甘いのか?
かわいそうなくらいよく働き、甘えたモードで寄ってくる竜樹さんを無碍に出来ないのは当たり前のこと。
そのままぎゅっと抱き締めた。
暖かな時間と暖かな食事に絆された上に、お見送り付。
小さな燻りよりも暖かさが勝った状態のまま家に帰れたのは嬉しい限り。
気がついたら、オール敬語で話していたのが元通りの喋りに戻っていた。
滅多なことがなければ私は態度は硬化させないけれど、態度を硬化させたら徹底的に相手のことを視界にも意識にも入れないようにするから。
私の態度の硬化が少なからず、竜樹さんに何か思わせてしまったのだろう。
…食べ物と心づくしで誤魔化されたかな?
誤魔化されちゃならないことも間違いなくあるのだけれど。
逆に竜樹さんの心づくしで固まった心が柔らかくなるなら、まだ大丈夫。
諍うことがあっても、それをどうにか改善したいと思ってるうちは。
多分、まだ大丈夫。
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