焦燥感の向こう

2002年11月11日
昨日は1日ゆっくり過ごし、友達とメールで話したり電話で話したりして楽しい時間も過ごした。
楽しい会話の後に楽しみにしてる企画のための調べものをしてると、ちょっと惑うことは出てきたんだけれど。

それでも気分も機嫌も良く眠ったというのに、ずっと身体から眠気が抜けない。
どんどろりと起き上がり、のたのたと用意をして出かける。


ペールブルーの空の下は妙に寒い空気が渦巻く。
こんなに寒いと竜樹さんの体調は安定してくれなくなるので困るんだけれど…

どうしたらいいのかについてちっさい頭で一生懸命考えてみても、その答は思考の渦からうんと遠いところにしか存在しない。
というよりも、答自体が存在するのかどうかすら判らない。

今の私自身が割と不安定な状態を繰り返す傾向があるので、すぐさま前向きなる姿勢を確立することもままならないだろうけれど…

闇雲に動き回ったところで望む答が手に入る訳じゃないけれど、じっとせざるを得なくても確実に何か掴める状態ではありたいから。
なるだけ前向きな状態でいろんなものを見つめていたいと思う。


社屋に入ると憂鬱さは一気に加速していくのがよく判る。
今にも逃げ出したくなるけれど、「あと5回ここへ来たらお休みだから」と自分自身に言い聞かせて、仕事に臨んだ。

朝のフローを片すべく別フロアに届く書類を貰いに行く前に、親会社から渡されてる書類の確認作業をしなければならない。
こないだからざっと計算はしてみてるのだけれど、すごい数字のズレが生じてることだけは確か。

その処理の仕方がまたややこしいので、本当ならずっと放っておいてしまいたくはなるけれど、放っておいたらきっと書類の督促で追っかけまわされるんだろう。


…一度、放り出してみようかな?


できるはずもないよな途方もない誘惑を横に押しやり、黙々とケタはずれにおかしい数字の検証作業に取り組む。

おかしな数字の検証作業は難航し、朝のフローに差し障りが出るかと思うとイライラしてくる。
イライラしてくると、不思議と原因は目の前から消えうせる。

何度も何度もイライラとチェックを重ねてみて、原因を掴めばなんてことなかった。


親会社の中の連絡が不十分すぎるだけだってことがよくよく判った(-_-メ)


朝のフローに必要な書類を引き取りがてら、親会社につき返す書類を抱えて階下に降りる。

階段から吹き上がる風が冷たくて、書類チェックで縮こまった身体はよけいに縮こまる感じ。
かくかくと歩き、書類を受け渡しして、またかくかくと階段を上る。
その姿があまりに元気がなかったらしく、ボスに「しっかりしょーぜぇヾ(^○^)」と檄を飛ばされた(-_-;)

他の作業はそれほど大変じゃなかったけれど、ただただルーズチックな親会社のあさって向いた書類の推敲にどっと疲れてしまった。


時々やってくるアクシデントを除いてはそれほどしんどい業務内容ではないはずだったけれど、朝の書類検証の疲れが尾を引いたのだろう。

事務所を出る頃にはぐったりしていた。

外に出ると、雨がぱらついている。
「どこまでついてないなぁ」と嘆きたくなるような気持ちのままで、よろよろと駅まで向かい、電車に乗る。


竜樹さんがどうしてるか気になって、メールをひとつ飛ばす。


「昼は冷えたけど、だいじょぶ?
私は数字あわせに疲れてもた。
雨までパラつくし、なんだかだわ(-_-;)

…ところで、小旅行の宿泊先、迷ってるのよ。
詳細はまたのちほど」


一度にいろんな用件を盛り込むと、話題散乱気味のメールになって読みにくいだろうと思いながらも、つい話題を盛り込みすぎた状態でメールを飛ばしてしまう。
竜樹さんの体調が落ち着いていたら、その状態からでもお返事はくるし、どれだけ端的に纏めててもお返事が来ない時は来ないから。

身体がしんどいと思考も引きずられるようにして下向きになるから、極力ひとつのことを深く掘り下げすぎて考えないようにしたかった。


家での用事が済んで、自室でぼけっとしてると竜樹さんから電話が入る。
ちょっとご機嫌なご様子なので訳を聞いてみると、今日の夕飯が美味しかったらしい。
先週末竜樹父さんが北陸に旅行に出られてそのお土産にカニを持って帰ってこられたそう。


「新鮮やし、身が詰まってるから焼き蟹にしたらすんごい美味しいねん♪」


表情こそ見えないけれど、とても機嫌がよいのは受話器越しでもよく判る。
本場のカニが食べれていいなぁって思ってると、「多くて食べ切れなかったから、明日食べにおいで♪」と言ってもらえた。


「仕事の後やったら、しんどいかぁ?」
「いーや、行きます行きます行きます行きます!o(^-^o)o(^-^)o(o^-^)o」
「そんなに言わなくても、カニは逃げへんから…(^-^;」


すっかりいじましい人だと思われるような返事を高らかにしてしまった(^^ゞ


…カニも楽しみだけど、週の途中で竜樹さんに会えるのが嬉しいんだってば


あの返事からじゃ、その想いが伝わることなどありはしないだろうけど(爆)
カニ話で盛り上がり、そのまま電話は終わるかと思ったけれど…


「…あ、宿泊先の話、どないしたんや?」


「詳細はまた後ほど」などと言っておきながら、その話をどこかへ落っことしてしまってた。

昨日の夜ネットで調べて判ったことをそのまま竜樹さんに伝える。
例年といろんなことが違ってきてるので、宿泊先を変えてよりお得感のあるプランに乗っかるか、それとも違う方法を考えるか、私一人では決めかねたことも話した。


いろんな条件を提示しようと頭の中で整理しながら話そうとしていると、


「いつも通りにしょうやぁ」


一言竜樹さんはそう仰った。
このご時世なんで、なるべくお得感のあるものを見つけ出す方がいいだろうって頭が強かったから、そのお返事にちょっとびっくりしたけれど。


「いいんですか?他の条件聞かなくても」
「ええねん、毎年それで悪かったことはないやろ?
俺は変えない方がいいと思うから」


意外なまでにあっさりと今年の神戸小旅行の段取りは決まってしまった。
あとは宿泊先を予約して、有給を取得する準備に入るだけ。


いろんなことに思いを廻らし、常にどうしたらいいかを考え出すとその思考は渦を巻くようになる。
それが何となく自分の中で調和が取れなくなってくると、思考は迷走するし、結論は渦の底に潜んでしまって、一人いらいらしがちなのだけれど…


何気なく、すっとその焦燥感から抜け出せる瞬間はある。


何が焦燥感を払うかのかは判らないけれど、ふっと青空に出会えたような気持ちになることは間違いなくあるんだ。


…カニが焦燥感を掃ったとは思えないけれど


ずっと引っかかり引っかかりした1日の最後は、妙にすっきりした気持ち。
焦燥感に引きずりまわされた感じが拭えなかったけれど、投げずにいてればいつかは出逢えるのかもしれない。


焦燥感の向こうにあるのは、青空のようなクリアな気持ち。
1日の終わりに何気なく気づけたことが何だか嬉しかった。


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