朝、どことなくひんやりとした空気に触れて、目が覚めた。
窓の外を見ると、雨が降っている。


…2年前の再来のような天気だなぁ


雨が降ろうが晴れていようが竜樹さんと一生にいられることに変わりは無いのだけど、せっかく「晴れたらUSJに行こうや」と張り切っておられたのだから、晴れてくれたらよかったのに。

出勤する時間よりかはゆっくりめのスタートなので、暫くいろいろ思いながら布団の中でぐずぐずしていた。

かと言って、そんなに悠長にもしていられないので、いつでも家を出ることができるように準備だけは怠らないようにしておいた。


そろそろ待ち合わせ場所に向かうべく、家を出ようと思っているとメールがひとつ届く。


「むかえにいくよ!」


雨が降っている上に荷物があるからという竜樹さんの配慮に感謝。
時折今いる場所とどれくらいで私の家に着くかということの連絡が入る。

玄関で荷物片手に靴を履いて待つ私。

11時丁度に「着いたよ!」というメールが届いて、脱兎のごとく家を出る。


「おぅ♪(*^_^*)」


ほにゃっとした笑顔につられるように笑顔を返す。


「雨、降っちゃいましたね(;ヘ;)」
「いや、でも昼からあがるらしいで(*^_^*)」


雨脚は強くなってきてる気がするけれど、あくまで竜樹さんはUSJを目指すらしい。
カーナビを設定して、車を走らせる。


「本当に行かはるんですか?」
「うん、俺は雨は上がると思うから」


一体何を根拠にそう言い切られるのかさっぱり判らなかったけれど、何となく今日は竜樹さんについて行動しようと思ったから、そのまま何も言わず竜樹さんと話しながら雨のドライブ。

少々道が混んでいて、竜樹さんもいらっとしてた時もあったけれど。
それほど感情的にならないまま、車はどんどん進んでいく。


ふと「これから」の話になった時、もう私にはあまり猶予は残されていないんだろうなぁと実感した。
竜樹さんがこれからどうしたいと思っているのか、それを逃したら多分2人にとってはいい結果は齎さないだろうこと。
切々と語る竜樹さんに、どう答えたらいいのか迷う私。

竜樹さんと私という2人だけのことなら迷いなく答えられることだとしても、それが私自身が置かれてる周りの環境のことまで考えたら、なかなかえいと飛び出せないのだけど。


それが元で悲しい未来になるのなら、もう躊躇うことは出来ない。


ぼんやりと考えているうちに、車は高速に入っていた。


「霄が退屈しないように敢えてこのルートを使おうと思ってん♪」


窓の外は海が見える。
もっと早く行けるだろうルートはあったらしいのに。
海が見えるルートを通っても、自分は海が見れるわけじゃないのに。
私が退屈しないようにという理由だけで、海が見えるルートを選んで走ってくれてる竜樹さん。


…この人の指し示す景色を楽しめる自分でありたい


そう思ってるうちに雨の高速を降りる。
高速を降りてから暫く走っていると、目的地はすぐそこに見える。
駐車場に入り車を停めて降りてみると、雨は小降りになっていた。

雨の中でもUSJに向かうお客さんはそこそこにいる。
それでもチケットを買うのにもそれほど待たされずに済んだし、移動に苦労するほどの人手じゃない。
荷物の一部をコインロッカーに詰め込んで、記念日デートinUSJの幕開け。


どこから目指していいのか判らない2人は地図を眺めながらあぁでもないこうでもないと言いながら歩き回る。

丁度見えてきたのは「ターミネーター2.3−D」。
別方向に見える「E.T.アドベンチャー」の行列の長さの割に人がまばらなので行ってみようとすると…


…故障で、やってないってさ"(ノ_・、)"


アトラクションに入る前に歩き疲れてもどうかと思って、近くに見えた「モンスターメイキャップ」に飛び込む。


ここは何故か遠足客でいっぱい。
ハイテンションで話すアトラクションの職員さんと何だか冷め切ってやる気ない遠足学生のギャップが何だか奇妙に面白かった。

アトラクション自体は…………
自分が手を上げて舞台に上がって参加してたら面白かったかも(-_-;)
そんな話をしながら、次の会場を目指す。


外に出ると、雨は上がっていた。


「あ、雨、あがってる」
「…やろ?俺が言うことは正しいねんで( ̄ー+ ̄)」


根拠レスな自信に満ち溢れた竜樹さんと次のアトラクションを目指す前に小休憩。
飲み物を飲みながらお話して、次に目指すは「バックドラフト」
待ち時間は15分。

苛地の竜樹さんが辛抱して待てる時間でよかった(笑)

アトラクションの最中に火の勢いに驚いた子供さんがぎゃーぎゃー泣き叫ぶハプニングあり。
結構迫力があって、2人して楽しめた。


…私はもう少しだけ火の勢いがあるといいなぁとかって思ったけど(^^ゞ


そろそろお腹もすいてきたので、軽く食事。
地図を見ながら次に行く場所の目処を立てながらやさしい時間は過ぎる。


…傍目には、彼氏の食べきれないご飯を黙々と食べてる女が約1名な図だったろうけど(^-^;


レストランを出て、出店を眺めながら向かったのは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド」。

ここの待ち時間は30分。
少し日が翳ってきたので、あまり待ち時間が長くても具合が悪い。

竜樹さんは「ウォーターワールド」に行きたかったらしいから、あまり消耗が激しくてもよろしくないなと思いながら、休日では考えられないほど短い待ち時間を竜樹さんの様子を見ぃ見ぃ過ごす。


そこで気が付いた。


あろうことか、チケットを落としてしまっていた"(ノ_・、)"
それがなくても園内にいてる間はアトラクションには行ける。
でも、今日一緒にいたという証はなくなる。

かっくりしょげかえってる私に竜樹さんは自分のチケットをくれる。


「しゃあないなぁ。これはちゃんと持っときやぁ」


次回来る時はケチらずにチケットホルダーを買おうと固く決意した。
ハプニングの連続だらけの待ち時間が終わり、ようやく待ちに待った「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド」


…もしかしたら、今日入ったアトラクションの中でこれが一番面白かったかもしれない(*^_^*)


竜樹さんはアトラクションの面白さ+別のことで大ウケされていたけれど(^^ゞ
アトラクションを終え、「ウォーターワールド」までの待ち時間を見ると、1時間ほどある。
急激にたくさん動いたのと俄かに冷え込んで来たために、竜樹さん自身の消耗が著しい。
今日はこれでお開き。


ゲートへ行くまでの間、あちらこちらで写真を撮ったり、スヌーピーショップでちょっとしたお土産を買ったりする。


…スヌーピーショップの前で撮った竜樹さんの写真はラブリーすぎて、宝物になった♪(*^_^*)


「また来ようね」
「もっと暖かくなって、この程度の待ち時間やったらもっと遊べるようになるで(*^_^*)」


こんなに喜ぶ竜樹さんを見るのは久しぶり。
暖かさと愛しさが溢れる笑顔をずっと独り占めしていたかった。


…いや、独り占めするために頑張ろうって思った。

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