2人でなら…
2002年10月12日意識がすーっと落ちてから1度も夢を見なかった。
引っかかりなくすっと目覚め、時計を見ると仕事のある日と殆ど変わりのない時間。
違うのは周りの風景と竜樹さんがすぐ傍にいること。
「おはよう(*^-^*)」
竜樹さんは隣の部屋からお水を持ってこちらにやってくる。
横になったままコップを受け取り水を飲んでぼんにゃりしてると、竜樹さんが抱き締める。
「珍しく早く起きたなぁ」
「…夢も見ませんでしたよ」
「よう眠れたんや」
「だと思いますよ。身体もだるくないし…」
それを聞いて安心したのだろうか。
竜樹さんの抱き締め方がちょっと熱を帯びてくる。
…お伺いをする時の、どこか子犬のような表情に負けてしまった。
またおやすみ街道逆戻り路線だなぁと思いながら、竜樹さんを受け止める。
こんな1日の始まりもたまにはいいのかもしれないなぁと思いながら、ただ竜樹さんを抱きしめつづけた。
ひとしきり熱を受け渡し、また少しうつらうつら。
窓の外の光が意識をまたこちら側に連れ戻す。
少しだるさの残るような、でもいつもよりもうんと軽い気持ちで起き上がる。
竜樹さんもお腹が空いたらしく、ご飯を作りに階下に降りる。
炊飯器を見るとご飯が沢山余っていたので、オムライスを作ることにした。
玉ねぎとニンジンと冷蔵庫に余っていた豚肉を刻んで炒め、そこへご飯を投入。
味付けは買い置きのドミグラスソースとトマトピューレで整え、器に移す。
卵を焼こうとしたら、卵の柔らかさに拘る竜樹さんが自ら卵にミルクを入れて調節していたけれど…
………竜樹さん、ちょっとミルク多いんですけど(^-^;
柔らかすぎる卵はなかなか成形するのが難しい上に、私自身オムライスを作るのは何年ぶりか判らないくらい久しぶり。
何ともぶっさいくなオムライスが出来上がった。
あまりにぶっさいくなのが我ながら呆れるほど面白くて、思わずデジカメで撮影。
味はよかったらしく、余ったドミグラスライスを今度は適正な硬さの卵で包んでご実家に差し入れした。
食事を終え、後片付けをしてからまた2階へ上がる。
2階は日当たりが良いので、そこにいるだけで気分が良くなる。
暫くテレビを見ながら竜樹さんと話し、時折携帯からメールを打つ。
いきなり手の中の携帯に着信が入る。
…海衣からだった
「お姉ちゃん、お母さん達知らない?」
よくよく聞いてみると、海衣たちが金岡家に着くまでにまだ時間があると踏んだのか、外出してしまった模様。
新幹線に乗り、その後電車を乗り継いで帰ってきたのに、締め出し。
しかも、金岡母携帯を家に置き忘れて出てるらしい。
電話の向こうから、姪御の声と家の中にいるだろうプードルさんが吼える声が響く。
長旅に疲れてるだろう、海衣と姪御ちゃんが気の毒だ。
(海衣の旦那さんは気の毒じゃないのか?)
暫く話してみたものの、埒があかないので一旦切って暫く公園で金岡両親が帰るまで末とのこと。
…ちょっとだけ、竜樹邸にいることを後ろめたく思った。
それから連絡がないので、両親たちに出会えたかどうかは判らないけれど。
また何かあれば連絡があるだろうと思い、携帯を身体から離さないようにしてた。
竜樹さんは昨日の疲れが出たのか、何時の間にか横になってた。
時折うつらうつらしてるので、横で話しつづけるのも何だか気の毒で暫くじっと竜樹さんの顔を眺めていたけれど。
ふと思い立って階下に降りて、部屋の掃除を始めた。
竜樹さんは片付け好きなのでそれほど部屋は汚れてないけれど、ちゃんとしておけば次に竜樹さんが掃除する時楽なので、結構きちきちと掃除をした。
階段まで掃除したけれど、さすがに竜樹さんが寝てる横で掃除機をぶんぶんかける訳にもいかず、そこで掃除は終了。
まだ竜樹さんが眠っておられるので、一足先に晩御飯の下拵えに入る。
お米を磨いで、炊飯器にセット。
今日はひとまず養老蒸しと何か思いついたものを1,2品足すことに。
養老蒸し。
しめじは石突を切り小房に分けて洗う。
えのきは半分の長さに切り、ニンジンは短冊切り、なめたけは袋から出しておく。
それらをダシと醤油とみりんと酒と少量の砂糖・塩で味付けしたものの中に入れ暫く煮る。
ひと煮立ちしたら器に入れ、摩り下ろした長いもをかけて蒸し器で20分ほど蒸す。
蒸す手前まで出来上がった頃に竜樹さんがことりことりと階下に降りてきた。
「そら、掃除が終わってから休まなかったんか?」
「うん、何となくね」
「少し休み。後は俺もやるから」
それでも養老蒸しを蒸し上げながらテレビを見ながら話し、1、2時間が過ぎた後、おもむろに竜樹さんが台所へ行く。
「何をするのかな?」と思ってみてると、冷凍庫から上げる手前まで下拵えが完了してるエビフライを取り出し、フライパンに油を入れて揚げ始める。
「エビフライくらい、私揚げるよ?」
「いや休んだし、動ける時は動かなアカンねや」
そう言って、黙々とエビフライを揚げている。
「休んどき」という竜樹さんのお言葉に甘えて、テレビを見ながらぼっとしていた。
エビフライが揚げあがる頃を見計らって、冷蔵庫からトマトを取り出してスライス。
お皿に並べて食事の準備を始める。
揚げあがったエビフライを並べて食卓へ運んだ後、竜樹さんはまだ台所でごそごそしておられる。
見に行ってみると、エビフライのソースを作っていた。
マヨネーズに七味、ウスターソースに七味を混ぜたものの2種類。
竜樹さん辛いものダメじゃなかったっけ?と思ったけれど、よくよくソースの器を見ると七味は極めて微量。
「足りなかったら、自分のところで足しや」
いかにも竜樹さんらしいお答えだ。
テレビを見ながら、2人がそれぞれに作ったものを食べ始める。
竜樹さんはエビフライにご機嫌。
養老蒸しのあっさりさ加減もまた竜樹さんをご機嫌にした模様。
これまた余ってしまって余分に蒸した小さな養老蒸しの鉢をご実家に差し入れして、後片付け。
竜樹さんはご機嫌なまま、お風呂に。
私は暫くテレビを見ながら休んでいた。
竜樹さんがお風呂から上がった後、暫くお話しして先に竜樹さんだけ2階へ。
私はお風呂に入る前に余った食材で夜食を作った。
短冊切りにして余ったにんじんを細く切り、茹でたインゲンを半分の大きさに切り余った榎と一緒に牛肉で巻いて焼き、余っただし汁で溶いた八丁味噌と醤油をあわせたもので味付け。
それをさらに盛って冷やしてから、ラップして冷蔵庫へ。
ひと仕事終わってから、お風呂に入った。
今日はオレンジの香りのお湯。
またのぼせる手前までお湯に浸かってリラックス。
上がろうかなと思ったら、食卓の上に冷たい水と錠剤が置いてあった。
…自分が眠ってしまう前に、きちんと用意しに戻ってきてくれたんだ
汗がひくまでゆっくり休んで、お水を飲んで錠剤を飲んで。
私もまた竜樹さんの隣へ。
お布団に入ると、意識があったのか無意識なのかは判らなかったけれど、竜樹さんがそっと左手を差し出してくれた。
竜樹さんの腕を抱き締めるようにして、私も眠りについた。
1日家にいることですら、2人でなら暖かい時間。
それは私の気持ちをゆっくりとほぐしていく。
引っかかりなくすっと目覚め、時計を見ると仕事のある日と殆ど変わりのない時間。
違うのは周りの風景と竜樹さんがすぐ傍にいること。
「おはよう(*^-^*)」
竜樹さんは隣の部屋からお水を持ってこちらにやってくる。
横になったままコップを受け取り水を飲んでぼんにゃりしてると、竜樹さんが抱き締める。
「珍しく早く起きたなぁ」
「…夢も見ませんでしたよ」
「よう眠れたんや」
「だと思いますよ。身体もだるくないし…」
それを聞いて安心したのだろうか。
竜樹さんの抱き締め方がちょっと熱を帯びてくる。
…お伺いをする時の、どこか子犬のような表情に負けてしまった。
またおやすみ街道逆戻り路線だなぁと思いながら、竜樹さんを受け止める。
こんな1日の始まりもたまにはいいのかもしれないなぁと思いながら、ただ竜樹さんを抱きしめつづけた。
ひとしきり熱を受け渡し、また少しうつらうつら。
窓の外の光が意識をまたこちら側に連れ戻す。
少しだるさの残るような、でもいつもよりもうんと軽い気持ちで起き上がる。
竜樹さんもお腹が空いたらしく、ご飯を作りに階下に降りる。
炊飯器を見るとご飯が沢山余っていたので、オムライスを作ることにした。
玉ねぎとニンジンと冷蔵庫に余っていた豚肉を刻んで炒め、そこへご飯を投入。
味付けは買い置きのドミグラスソースとトマトピューレで整え、器に移す。
卵を焼こうとしたら、卵の柔らかさに拘る竜樹さんが自ら卵にミルクを入れて調節していたけれど…
………竜樹さん、ちょっとミルク多いんですけど(^-^;
柔らかすぎる卵はなかなか成形するのが難しい上に、私自身オムライスを作るのは何年ぶりか判らないくらい久しぶり。
何ともぶっさいくなオムライスが出来上がった。
あまりにぶっさいくなのが我ながら呆れるほど面白くて、思わずデジカメで撮影。
味はよかったらしく、余ったドミグラスライスを今度は適正な硬さの卵で包んでご実家に差し入れした。
食事を終え、後片付けをしてからまた2階へ上がる。
2階は日当たりが良いので、そこにいるだけで気分が良くなる。
暫くテレビを見ながら竜樹さんと話し、時折携帯からメールを打つ。
いきなり手の中の携帯に着信が入る。
…海衣からだった
「お姉ちゃん、お母さん達知らない?」
よくよく聞いてみると、海衣たちが金岡家に着くまでにまだ時間があると踏んだのか、外出してしまった模様。
新幹線に乗り、その後電車を乗り継いで帰ってきたのに、締め出し。
しかも、金岡母携帯を家に置き忘れて出てるらしい。
電話の向こうから、姪御の声と家の中にいるだろうプードルさんが吼える声が響く。
長旅に疲れてるだろう、海衣と姪御ちゃんが気の毒だ。
(海衣の旦那さんは気の毒じゃないのか?)
暫く話してみたものの、埒があかないので一旦切って暫く公園で金岡両親が帰るまで末とのこと。
…ちょっとだけ、竜樹邸にいることを後ろめたく思った。
それから連絡がないので、両親たちに出会えたかどうかは判らないけれど。
また何かあれば連絡があるだろうと思い、携帯を身体から離さないようにしてた。
竜樹さんは昨日の疲れが出たのか、何時の間にか横になってた。
時折うつらうつらしてるので、横で話しつづけるのも何だか気の毒で暫くじっと竜樹さんの顔を眺めていたけれど。
ふと思い立って階下に降りて、部屋の掃除を始めた。
竜樹さんは片付け好きなのでそれほど部屋は汚れてないけれど、ちゃんとしておけば次に竜樹さんが掃除する時楽なので、結構きちきちと掃除をした。
階段まで掃除したけれど、さすがに竜樹さんが寝てる横で掃除機をぶんぶんかける訳にもいかず、そこで掃除は終了。
まだ竜樹さんが眠っておられるので、一足先に晩御飯の下拵えに入る。
お米を磨いで、炊飯器にセット。
今日はひとまず養老蒸しと何か思いついたものを1,2品足すことに。
養老蒸し。
しめじは石突を切り小房に分けて洗う。
えのきは半分の長さに切り、ニンジンは短冊切り、なめたけは袋から出しておく。
それらをダシと醤油とみりんと酒と少量の砂糖・塩で味付けしたものの中に入れ暫く煮る。
ひと煮立ちしたら器に入れ、摩り下ろした長いもをかけて蒸し器で20分ほど蒸す。
蒸す手前まで出来上がった頃に竜樹さんがことりことりと階下に降りてきた。
「そら、掃除が終わってから休まなかったんか?」
「うん、何となくね」
「少し休み。後は俺もやるから」
それでも養老蒸しを蒸し上げながらテレビを見ながら話し、1、2時間が過ぎた後、おもむろに竜樹さんが台所へ行く。
「何をするのかな?」と思ってみてると、冷凍庫から上げる手前まで下拵えが完了してるエビフライを取り出し、フライパンに油を入れて揚げ始める。
「エビフライくらい、私揚げるよ?」
「いや休んだし、動ける時は動かなアカンねや」
そう言って、黙々とエビフライを揚げている。
「休んどき」という竜樹さんのお言葉に甘えて、テレビを見ながらぼっとしていた。
エビフライが揚げあがる頃を見計らって、冷蔵庫からトマトを取り出してスライス。
お皿に並べて食事の準備を始める。
揚げあがったエビフライを並べて食卓へ運んだ後、竜樹さんはまだ台所でごそごそしておられる。
見に行ってみると、エビフライのソースを作っていた。
マヨネーズに七味、ウスターソースに七味を混ぜたものの2種類。
竜樹さん辛いものダメじゃなかったっけ?と思ったけれど、よくよくソースの器を見ると七味は極めて微量。
「足りなかったら、自分のところで足しや」
いかにも竜樹さんらしいお答えだ。
テレビを見ながら、2人がそれぞれに作ったものを食べ始める。
竜樹さんはエビフライにご機嫌。
養老蒸しのあっさりさ加減もまた竜樹さんをご機嫌にした模様。
これまた余ってしまって余分に蒸した小さな養老蒸しの鉢をご実家に差し入れして、後片付け。
竜樹さんはご機嫌なまま、お風呂に。
私は暫くテレビを見ながら休んでいた。
竜樹さんがお風呂から上がった後、暫くお話しして先に竜樹さんだけ2階へ。
私はお風呂に入る前に余った食材で夜食を作った。
短冊切りにして余ったにんじんを細く切り、茹でたインゲンを半分の大きさに切り余った榎と一緒に牛肉で巻いて焼き、余っただし汁で溶いた八丁味噌と醤油をあわせたもので味付け。
それをさらに盛って冷やしてから、ラップして冷蔵庫へ。
ひと仕事終わってから、お風呂に入った。
今日はオレンジの香りのお湯。
またのぼせる手前までお湯に浸かってリラックス。
上がろうかなと思ったら、食卓の上に冷たい水と錠剤が置いてあった。
…自分が眠ってしまう前に、きちんと用意しに戻ってきてくれたんだ
汗がひくまでゆっくり休んで、お水を飲んで錠剤を飲んで。
私もまた竜樹さんの隣へ。
お布団に入ると、意識があったのか無意識なのかは判らなかったけれど、竜樹さんがそっと左手を差し出してくれた。
竜樹さんの腕を抱き締めるようにして、私も眠りについた。
1日家にいることですら、2人でなら暖かい時間。
それは私の気持ちをゆっくりとほぐしていく。
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