Broken Grass

2002年9月29日
一緒にい始めた時からそれ相応に波は被ってきたけれど、
何度となくやってきた大波を二人で乗り越えて辿り着いた場所は、
あの時よりも情況はよくなかったとしても、心休まる暖かな場所に違いはない。


何物にも執着することの出来なかったあなたがひとつずつ諦めずに済むものを手に入れて、辿り着けるだろう心の拠り所となる人間。
それが私ならいいなとずっと思っている。
そして願いつづけたものが疑うことなく完全な形で手に入ったのだと確信が持てる領域に辿り着いた。


2人の繋がりがより強く確かなものとして自分の中で息づいていること。
それが年を重ねるごとに確実に確かになる中で、見落としてしまったことがあった。


黙っていたんじゃ理解などしてもらえないと知っていたから、
理解されたいと願う人にだけはちゃんと話そうと努力してた。
言葉も中身も選びはしたけれど…


沈黙は全ての肯定ではない。
それは何も私にだけ言えたことではないこと。
氷のように冷たい何かは長い年月を掛けてゆっくりとでも溶けたのだと思っていた。


…けれど、


大切なものをすべては連れて行けないという事実は未だ覆ることはなかった。


あなたはそれをまだ知らない。


「元気してる?疲れ出てませんか?」


「少し張り切りすぎた」というあなた。
こちらではひと悶着あったことを知らないあなたの何気ない言葉にどう返したらいいか考えてしまったけれど。

どこまでやりあっても、どこまで決定的な別れを齎すとしても、あなたの手を放す気はさらさらないんだ。
あなたの心の中のあちらこちらに見え隠れする砕けたものの破片の切っ先の一部分でも私が取り除けるというのなら。
どんな情況にあっても、私の心に変わりはないんだ。


「急に沢山動いたから疲れたんだね。
ゆっくり休んで元気を蓄えて、明日も、これからもずっと一緒に歩きましょうね」


とうの昔に腹など決まってるんだ。


…私はあなたの拠り所を奪ったりはしない。
二度と、誰にも奪わせない。





Broken Glass
どんなに傷ついても
どんな哀しみに出会うとしても
あなたの胸を壊した記憶の闇を
いつの日か私に下さい。


(From:「Broken Grass」Mari Hamada)

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