想いの柱

2002年9月25日
短い睡眠をとり、起きて昨日の晩できなかった作業を片した。
人間眠ると気持ちの中にあるものはある程度リセットされるものだとよくボスが口にしていたけれど、心は相変わらずすっきりしないまま。
心も身体もここに来て、疲労感が累積される一方で少しも休まった感じがしない。


竜樹さんの手術が終わったこと。
竜樹さんは無事に戻ってきた上に、身体の具合は以前よりも格段によくなっていること。
ひとつの山を越えた時、目の前に広がるものがいいものばかりだったから、少し気が抜けてしまったのかもしれない。
本当に大変なのはこれからだというのに、妙な疲れが体中に広がっている。


病院に行って竜樹さんの身の回りの手伝いが出来ることは嬉しいこと。
役に立てることが多ければ多いほど頑張ろうという気になるし、会社帰りで疲れていても竜樹さんの笑顔があればまた頑張れる気がするから。
けれど、それと同時に病院に行くともれなくついてくるのは、過剰な気遣い。
竜樹さんに対してもだけど、彼を周りにいる人達に対して。

何処へ行っても気遣いが必要なのはごくごく当然なのだけれど、拾い上げるアンテナを少々過敏にしとかないと感情の部分に障る言葉を撒き散らす可能性がある。
本人にそのつもりがなくても、受け取り手が必ずしもよいようには解釈しない。
それがとりわけきついところに竜樹さんはいらっしゃるから。


消耗感が強く出てる時は、敢えて病院には出向かない方がいいかもしれない。
竜樹さんも具合がよくなってきてるとはいえ、決して安定してる訳でもない。
竜樹さんから元気を吸い上げてるようじゃ、お話にならない。
一度固めて休養を取って、竜樹さんの要請があるまで行かない方がいいかもしれない。


そんなことを考えながら、会社へ向かった。


仕事を始めると、トラブル続出でまた滅入っていく。
滅入って立て直して問題解決すると、またトラブル発生。
自分の事情はここでは関係ないと知りながら、正直「もう勘弁してくれよ」という気分にもなる。
しょっぱなからのトラブル続きで消耗し尽くしたところに、先輩の足止め攻撃。


午前中だけですっかり疲れてしまった。


幸い、昼からは仕事の流れが格段に穏やかになり、簡単な雑用を片しながらぼんやりと自分の中で散らばってるものを整理してみた。


ちょうど今日あげようとしていた日記の内容を思い返しながら、3分の2ヶ月ほど遅れてる日と今の状況が何となく被ってる感じがして、何だか妙な感じがした。
更新作業がぐずぐず状態だから、たまたま似たような情況に出くわしてるだけだと思うけど…(^-^;

それがバイオリズム重なるよな質のものなら、まずは自分の気持ちを整理してみるところから始めて、竜樹さんの状態を見ながらゆっくり詰めていったらいい。
いつも小器用には出来なかったけれど、どうにかこうにかしながら歩いてきたんだもの。
竜樹さんの状態を見ながら詰めればいいや。

体中を埋め尽くしてる疲労感が取れてる訳ではないけれど、上向きな兆しを少しだけ見出した状態で家に帰った。


携帯にも他の場所にも、暖かな気持ちが届いた。
それはとてもありがたいこと。
人の想いが直接問題を解決する訳でなくても、誰かが判ろうとしてくれたことを握り締めているだけで、気持ちはうんと楽になるから。
ゆっくりとでも、自分の気持ちを見つめ直そうと思った。


自室に戻ってぼんやりしてると、携帯が鳴る。

…竜樹さんからだ。

構えなくてもよさそうなものなのに、咄嗟に構える自分が嫌になる。


「…はい」
「なぁ、霄ぁ。平井堅の曲ってネットでどやって拾うん?」


……………………………(゜д゜)………


惺さんと2人でネットをしてて、平井堅のMIDIか彼の歌自体をダウンロードした買ったらしい。
「検索かけて調べた?」と聞くと、沢山引っかかってきて訳がわからなくなったらしい。
ひとつひとつ開いてると何時になっても終わりそうにないので、困ったらしい。
ひとまずゾンビっちを開けて目鼻をつけてから連絡しなおすとだけ伝えて、一旦電話を切った。


…昨日のあの気まずさは何処へ行ったんだろう?


竜樹さんは何事もなかったように全然関係のない話をするために電話をしてくる。
私はというと、それを解決すべくゾンビっちと戯れる。


…あれほど悩んだことは、一体なんだったんだろう?


何一つとして解決した訳じゃないのに、さも解決してるかのように次から次へといろんなことが起こってはまた形を潜める。
自分を取り巻く想いや事象の変化にいささか首を捻りながら、竜樹さんの要求してるだろう答に辿り着く目鼻をつけ、また竜樹さんに電話をする。


竜樹さんは私の話を聞き、それをそのまま惺さんに伝えてる。
電話の向こうの惺さんは何となく楽しそうにしてはる感じ。


…正直、ちょっとほっとした。


結局、平井堅の曲自体をダウンロードするにはお金がかかることが判って、みんなして納得の上断念。
遠く離れた場所で3人でネットをしたということだけが残った。


警戒心を剥き出しにしても守りたいものがあった。
そんな感情を剥き出しにしてまで守ろうとする必要があったかどうかを突き詰めて考えると、未だに見えてこないものはあるけれど。

いつでも私が大切に思うのは竜樹さん。
想いのかけらを守りたかったのではなく、守りたいのはいつでも彼そのもの。
感情が漣立とうが凪いでいようが変わりないこと。
それが本当に不変かどうかは、私が一生かけて自ら証明するのだろうけど…


迷いの森の出口は見えそうで見えないけれど、はっきりしてるのは。
本当に大切なものはいつでも竜樹さんなのだと。
想いの柱はいつでも竜樹さんただ一人なのだと。


疲労感にどっぷり浸かってもなお、その柱だけは残っていたことが判った。
いろんなことの先行きが見えなくても、それだけで十分なのだと今は思う。


想いの柱が自分の中にありさえすれば…

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