昨日は気が抜けたのか1日頭痛に苦しんだ。
手術が終わって竜樹さんが無事であることも両親にはまだ伝えられていない。

…どうも、私はタイミングの計り方がへったくそなんだよなぁ

臆せずに言えばいいようなものだけど、竜樹さんの件については付き合い始めの頃から随分抵抗があったので、どうしても慎重になってしまう。


今日は昼から髪を切りに行った後、竜樹さんの病院に行く予定。


カーン様に会いに札幌に行く前日に髪を切ったのが最後だから、かれこれ3ヶ月くらい放りっぱなしだったことになる。
昨日やっと予約の電話を入れたけれど、どんな髪型にしてもらうのかも、どんな色に染めるのかも決めていない。

ただ、竜樹さんが手術室に向かう前に「髪の毛、もう少し落ち着いた色にしときや」と言い残したことだけが頭に残ってる。


手術室に入る前に言うことってよっぽどのことだと思うので、私の頭の色はよっぽど派手な色に化けていたのだろうかと考えてしまう。
ひとまず夏の日差しで色の抜けてしまった部分を切り落として、少し落ち着いたトーンの色を入れてもらおう。
ぼんにゃりと考えながら用意をして、出かけた。


外は鈍色の空。
今にも雨が降り出しそう。
肌に触れる空気も湿気を帯びていて、蒸し暑くて仕方がない。
こんな天気の時は、竜樹さんが冷暖房完備で一定温度に保たれている病院にいてくれてることをありがたいと思う。


美容院に着いて、鏡の前に置いてある本とにらめっこしながら髪形を考える。
今まで同じ店で何度も髪を整えてもらうこと自体なかったけれど、去年個々でお世話になってから妙に気に入って、最近はここで定着。

…といっても、早くて3ヶ月、長いときは半年くらい来ないのだけど(^-^;


本を片手に「今度はこんなんにしようと思うんです」と言うと、「短いですよ、これ。本当にいいんですか?」と何度も聞き返される。
そんなにあわんかなぁと思って、こころもち写真よりも長めで決着。
あとは美容師さんにおまかせ。
カットは担当の人がするけれど、他のことはいろんな人が立ち代り入れ替わり…

カラーリングをしてくれてる美容師さんは、確か前の時もカラーリングしてくれた人。

この方よく覚えてはる人で、そんなに頻繁にくる訳でない私の嗜好をよく覚えていらっしゃる。
私は美容院で本を出されると、外国のファッション雑誌系の本を1冊だけ貰ってずーーっとそれをゆっくり読んでいる。
カラーリングをしてる間読むための本を持ってきてくれはった時も、外国ファッション誌の日本語版を1冊だけ持ってきてくれた。


…すごーい♪(・∀・)


しょうもないことで何だか感動。
会社でたまに接客せざるを得ないことがあるとおたおたするけれど、こんな風にするといいんだぁとその美容師さんがしてはることをちらちらと見ながら、ファッション誌に目をやる。
そういう人間ウォッチも密かに好きな金岡霄。


カット・カラーリングで3時間近く座りっぱなしで少々疲れたけれど。
すっかりキレイにしてもらって、ご機嫌さん。

「雨が降りそうだから…」とお店の人がくれたビニール傘を持って、竜樹さんの病院に向かう。


電車を乗り継ぎ乗り継ぎして、病院に到着。
鰻の寝床みたいな通路を歩いてエレベーターに乗り、竜樹さんのいる部屋に向かう。


「…おー、来てくれたんかぁ(*^-^*)」


竜樹さんは手術の日よりもずっと顔色がいい。
おまけにベッドの上で身体を起こしておられる。

「身体起こしてて、大丈夫ですか?」
「昨日はさすがに痛うてしゃあなかったけど、今日は随分マシやねん」


ほにゃと笑う竜樹さんを見てると、目を疑う。
正直、手術ひとつしただけでこんなに違うなんて思わなかったから。
ただただびっくりしていた。


「…竜樹さーん、買ってきたでぇ」


患者さんと思しき人が買い物袋を提げてやってくる。

「おう、悪いな」

そう言って買い物袋から新聞を受け取り、お金を払う。


…………………\(◎0◎;)/


「…竜樹さん。まさか人を使ったんじゃ(-"-;)」
「手術前は自分で売店まで買いに行っててんけど、今日日曜で売店休みやしこの部屋出られへんから、買ってきてもらえるよう頼んでん(*^-^*)」

「そうなんっすよー。俺たちメル友なんです♪」

お使い頼まれた患者さん、パジャマのポケットからすちゃっと携帯を取り出す。


……………………………(゜д゜)……………


「病院、携帯使ったらダメなんちゃいますのん?」
「いいんすよー、みんな使ってるしー♪」
「いい訳ないやないですか」
「音は切ってるし、大丈夫っすよー♪」
「…みたいやで?」


…そういう問題か?(-_-;)


全く呆れた不良患者たちである。
暫く賑やかに3人で話し、買い物をしてきてくれた患者さんを探していた看護婦さんに患者さんは強制連行されて病室に戻っていった。


「ここにいはる人はみんなあんな感じなんですか?」
「そやねん、面白いやろー?(*^-^*)」


…何ともけったいな病院である。


竜樹さんに頼まれて前にいた病室に時々物を取りに行っては戻ってを繰り返す。
その間も何人かの患者さんがふらっとやってきてはまた出て行く。

前の病院の集中治療室じゃありえないような風景。


…どうりで竜樹さんの機嫌が良いわけだ。


妙に納得してしまった。


竜樹さんが夕飯を摂るまで部屋であれこれ手伝って。
ご褒美にと、夕飯についてきたメロンを貰った。


:*.;".*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.";.*:


病院食なのに、めちゃめちゃ甘いメロン。
こんないい食事が出る病院があるなんて知らなかった。
びっくりすること続きで少々疲れてしまったけれど、竜樹さんが元気そうにしてくれてることがただ嬉しい。


帰る前、ふと気になって聞いてみたら、思わぬ答が返ってきてがっかりしながらも妙に納得。
何事につけても、意欲的になってる竜樹さんを嬉しく思いながら病室を後にした。


帰る電車の中からお友達への報告メールを打ち、夜空に放つ。
何度か移動を繰り返してるところに、メールが飛び込む。


「めざしを今度来る時に買って来て。もちろん、既に焼いてあるのをね。
コンビニで売ってるやつ。多めに買って持って来てくれる!(^○^)」


………………ヾ(>▽<)ゞ


「めざし」というタイトルを見るなり、吹き出してしまった。

…カルシウム摂って、骨を強くしながら元気になるんだね?


連休明けには元の部屋に戻って、リハビリを始める竜樹さん。
傷口が痛んだりしないだろうかと、かつての記憶を思い起こしては胸に痛みが走るけれど。


前よりよくなるために、今を生きてる。
竜樹さんが生きて頑張ろうとする気持ちを上手にサポートできるように頑張ろう。


そうして、今より機嫌のよい明日を手に入れよう。



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