明日はどうか…

2002年9月11日
手術まであと2日。

今日から竜樹さんは手術の準備のため絶食に入る。
次にまともな食事を取れるのは手術後何日くらい経ってからになるんだろうか?
「絶食に入ったら、病院に来てもらってもまともな応対はできへんかもしれへんし」と仰ってたことを思い返すと、次に会うのは手術の当日だろう。

…手術までに伝えたかったことは何かなかっただろうか?

思い返しながら、出かける準備をする。
階下に降りると、金岡父がばたばたとしてる。

「お母さんダウンしたから、今日は早く戻ってこなあかんで」


…………………(>_<)


竜樹さんの手術目前に私自身も風邪っぴき、その上金岡母までダウンなんて。
続く時は続くものだ。
取り敢えず今日は仕事をたったか片付けてとっとと帰ってこようと心に決めて、勢い良く玄関を飛び出し坂道を駆け下りる。


金岡母の体調不良があまり長く続かなければいいなと思う。
術後暫くは会社帰りに竜樹さんの病院に寄る機会は格段に増える。
そうすると否が応でも帰宅は遅くなる。
金岡母がいるから多少遅く戻っても家の方は大丈夫だろうと思うけれど、金岡母の具合が悪ければ早く戻っていろいろとしないといけないことは多い。
家族の晩御飯にプードルさんと猫の世話。
家の雑用だってほりっぱなしって訳にはいかないだろう。


…せめて、人外魔境があまり消耗しすぎる状態でありませんように


祈るような気持ちで社屋に入る。


「今日はいつも以上にきりきりと仕事を片付けるぞ」と意気込んで事務所に入ったものの、気持ち悪いくらい仕事がない。
いつも仕事はそんなにないとは言え、イレギュラーも何もない。
片付ける書類も、忙しい時なら放りっぱなしの雑用すらない。
気持ち悪いくらい暇だと消耗の度合いは小さくていいとは言え、「こんなんでええのん?」という申し訳程度の疑問と有り余る時間の使い方を考えてしまう。

無理やり雑用を掘り繰り返しながら、日々あったことを振り返り、今後のことに思いを馳せる。


結局暇なまま定時を迎え、とっとと家に戻ってきた。
電車に乗って夕飯に何を作るか考えながら移動を繰り返し、少しばかりの食材を買い足して家に戻った。


玄関を開けてびっくり。


リビングの方から美味しそうなにおいがする。
慌てて靴を脱ぎ捨てて台所に向かうと、白い顔をした金岡母が夕飯を作っている。

「…起きてて大丈夫なん?私がやるつもりで帰ってきたのに」
「寝てたら少しマシになったから、大丈夫かなぁと思って」
「白い顔して何を言ってるのよ。寝てなまたぶり返すよ?」
「でももうマシになったから」


……………ヽ(`⌒´)ノ


元気な時は「ちょっとは家のことも省みてよね」とむくれるくせに、自分がダウンしたら無理やりにでも起きて何かをしようとする。

けれど、ご飯を作ってる時白かった顔色は時間が経つにつれ、少しずつよくなってくる。

後片付けや他の諸々のことは遅れて帰ってきた金岡父と2人で分担し、ご飯を食べ薬を飲んだ金岡母は寝室へ強制連行。
そのまま起きてちょろちょろしないように言い含めて、雑用を片付け自室に戻る。


会社でいろんなストレスを余り溜めずにすんだおかげで、あまりしんどくないのは救い。
少しばかり姉さまとメールのやり取りをして、そのまま横になる。


…明日は事務所に同僚さんと私以外誰もいないんだよなぁ。


そういう日はトラブル満載デーになることは、経験則で判るので憂鬱になるけれど。
今日は手術前最後の中休みを貰ったと思えばいいのだろう。
出来るだけ疲れすぎずに、「その日」を迎えられたらそれでいい。


眠って次に目が覚めたら、手術はまた一歩近づく。
来るべき時のために、体力気力とも温存できたのはありがたいことだと思う。


明日もどうか人外魔境は穏やかでありますように。
明日はどうか大切な人たちが元気で過ごせますように。



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