そっと力を蓄えて…
2002年9月2日週明けは強い日差しと蒸し暑さで目が覚めた。
…9月に入ったというのに、いつまで暑いんだろう(>_<)
だるい身体を無理やり起こして、出かける用意をする。
電車の中は学生でいっぱい。
今日から新学期だからだろう。
ついこないだ夏休みで竜樹邸で一緒にいられる時間が楽しみだの、やれ急遽入院だのばたばたしていたけれど、気がつくと手術まで2週間を切ってしまった。
時間が経つのはとても早くて、その波を乗り切るのに日々精一杯で。
…果たして再手術の日までに一体どれくらいのことができるのかなぁ?
その質量は見当もつかないけれど。
竜樹さんが再手術に挑むその日まで、自分にできることと竜樹さんにとって必要なこととの折り合いをつけながら歩きつづけるしかないのだと。
ぼんやりと考えながら、会社に向かった。
先月末はやたら暇で問題があるなぁと思ったけれど。
いつもなら暇なはずの月初めなのに、朝からやたら忙しい。
電話は噛み付くように鳴り響き、つまらないことからややこしいことまで応対しては片付け応待しては片付けを繰り返す。
朝定例の書類取りで足止めを食らったら、それこそもれなくサービス残業コースに突入するだろうと始業1時間で読みがつく。
…どうか、足止めを食らいませんように
祈るような思いでそろりそろりと階段を下り、フロアに着いたら挨拶しながらだーーーーっと書類棚まで一直線。
それが功を奏したかどうかは判らないけれど、足止めを食らうことなく事務所に戻ってこれた。
黙々と書類を片付けたり処理したりしながらも、電話はちゃんちゃん鳴り響く。
お昼休みが来る頃にはぐったりしていた。
お弁当を食べながら、ふと思う。
…竜樹さん、お箸足りてるのかなぁ
土曜日、竜樹邸から持って出た割り箸が底をつきそうなので、洗えば何度も使えるお箸を持ってきてくれたらありがたいなぁという話が出ていた。
本当は昨日持っていくつもりが、頭痛でダウン。
今日仕事がスムーズに終わりそうなら、今日にでも持っていけたらなぁと思っているけれど。
仕事がスムーズに片付くかどうかは、定時が来るまで判らない。
「取り敢えず、出来るだけ仕事を片付けよう」と急いで昼食を摂り、ボスと社長のお茶を煎れなおし、後片付けの後残った時間を使って昼からの仕事に着手する。
昼からも仕事が途切れることはなく、やってくる仕事。
月初めの会議中も電話の勢いは衰えることがない。
むしろ担当者が会議中なので、対処できずに積み上げられる身処理の山。
会議が終わった後は、まるでゴミを投げ込むように書類入れに投げ込まれる大量の(そのくせ、あまり売上に反映されなさそうな)仕事を片すのに手をとられてしまった。
会社を出る頃にはぐったり疲れてしまった。
時間的にそのまま病院によることも出来ず、お箸を買うのがやっとだった。
竜樹さんが不自由することなく食事を摂れたかどうかだけが気になったまま、家に辿りつき、食事と後片付けが済むと、ごとりと意識が落ちてしまった。
次に目が覚めたら、とうに日付は変わっていた。
慌ててお風呂に入り、自室に戻ってから2週間以上遅れてる日記の穴埋めをしないとと起き上がってゾンビっちの前に座るけれど、今度は気持ちを言葉に置き換える作業に難航。
さりとて眠ることも出来ず、ずるずると起き続けてしまう。
…何で、こんな毎日なんだろう?
家に帰ったら最低限度の生活活動以外に何もせずに意識が落ちるなんて。
まだこれがこの家にいてるうちはいいけれど、これが家を出たり竜樹さんと一緒に暮らし始めたら一体どうなるんだろう?
…いや、竜樹さんと一緒に暮らし始めたら、ここまでしんどくはならないだろうけど
物理的にしなければならないことは増えるし、自分の時間が確保できる機会も減るのだろうけれど、少なくとも精神的には安定するような気がする。
寝るために家に帰るのではなく、大好きな人と一緒にいるために家に帰る。
そのために頑張って仕事を片付けられる。
…でも、どなんだろう?
やるべきことが増えてしまって、今のように毎日消耗しきるような仕事のやり方が続けててそう長くはもつ訳もなくて。
いずれにせよ、なるべく早いうちには仕事を辞めないとならないだろうなぁとは思う。
さりとて、いきなり収入をなくしても大丈夫だと思えるほどに置かれてる状況が機嫌の良いものでもなければ、いろんなものを蹴散らすには勇気も足りない。
ただ判ってるのは、この仕事は何年続けても好きになんてなれないなぁということだけ。
どうすれば効率がよくなるのか、立て続けに連発するミスを防げるのか。
考えてそれをただ伝えるだけでは通らないことが多くて、伝えるための手段も方法も提示の仕方も考えるけれど。
結局、今までしてることを変えたくないのだということになれば、どれだけ無駄であってもそれを続けるしかないことも。
理路整然と話をしようとすると、自分の歩いた過去で頭を打つ。
…何で、前職がどうだったとかってことを5年近く引きずれるんやろ?
一度お気に召さなきゃあとは三つ子の魂百までよろしく、いつまでもずるずるずるずると。
そういう感情的で女々しい思考回路の人々にもいい加減うんざりはしてたんだ。
努力がすべてにおいて反映されるなんて間違っても思わないけど、好きでもないことで無駄な努力なんてできるかって気はしてる。
…判りきってることで何時までも心煩わしてる私も、大概女々しいわなぁ
結局、自戒モードへ思考は逆戻りするけれど。
日常に振り回されすぎる自分は、何だからしくなくて嫌だなぁと思う。
煩わしいものを一刀両断に出来なくなってる自分の勢いのなさに嫌気もさしてれば、会社にいる間の8時間半を割り切って過ごせない自分の大人気なさにもうんざりはしてるけれど。
ひとまず、竜樹さんの手術が終われば、進退の目鼻はつくんだからと言い聞かせたのも自分。
だから今は竜樹さんの手術の行方を眺めながら、じっと様子を見ていよう。
飛び出すための力をそっと蓄えながら。
そして私から生まれる行動力が竜樹さんの方向からずれないように。
もちょっとだけ自分がコントロールできればいいなと思う。
…9月に入ったというのに、いつまで暑いんだろう(>_<)
だるい身体を無理やり起こして、出かける用意をする。
電車の中は学生でいっぱい。
今日から新学期だからだろう。
ついこないだ夏休みで竜樹邸で一緒にいられる時間が楽しみだの、やれ急遽入院だのばたばたしていたけれど、気がつくと手術まで2週間を切ってしまった。
時間が経つのはとても早くて、その波を乗り切るのに日々精一杯で。
…果たして再手術の日までに一体どれくらいのことができるのかなぁ?
その質量は見当もつかないけれど。
竜樹さんが再手術に挑むその日まで、自分にできることと竜樹さんにとって必要なこととの折り合いをつけながら歩きつづけるしかないのだと。
ぼんやりと考えながら、会社に向かった。
先月末はやたら暇で問題があるなぁと思ったけれど。
いつもなら暇なはずの月初めなのに、朝からやたら忙しい。
電話は噛み付くように鳴り響き、つまらないことからややこしいことまで応対しては片付け応待しては片付けを繰り返す。
朝定例の書類取りで足止めを食らったら、それこそもれなくサービス残業コースに突入するだろうと始業1時間で読みがつく。
…どうか、足止めを食らいませんように
祈るような思いでそろりそろりと階段を下り、フロアに着いたら挨拶しながらだーーーーっと書類棚まで一直線。
それが功を奏したかどうかは判らないけれど、足止めを食らうことなく事務所に戻ってこれた。
黙々と書類を片付けたり処理したりしながらも、電話はちゃんちゃん鳴り響く。
お昼休みが来る頃にはぐったりしていた。
お弁当を食べながら、ふと思う。
…竜樹さん、お箸足りてるのかなぁ
土曜日、竜樹邸から持って出た割り箸が底をつきそうなので、洗えば何度も使えるお箸を持ってきてくれたらありがたいなぁという話が出ていた。
本当は昨日持っていくつもりが、頭痛でダウン。
今日仕事がスムーズに終わりそうなら、今日にでも持っていけたらなぁと思っているけれど。
仕事がスムーズに片付くかどうかは、定時が来るまで判らない。
「取り敢えず、出来るだけ仕事を片付けよう」と急いで昼食を摂り、ボスと社長のお茶を煎れなおし、後片付けの後残った時間を使って昼からの仕事に着手する。
昼からも仕事が途切れることはなく、やってくる仕事。
月初めの会議中も電話の勢いは衰えることがない。
むしろ担当者が会議中なので、対処できずに積み上げられる身処理の山。
会議が終わった後は、まるでゴミを投げ込むように書類入れに投げ込まれる大量の(そのくせ、あまり売上に反映されなさそうな)仕事を片すのに手をとられてしまった。
会社を出る頃にはぐったり疲れてしまった。
時間的にそのまま病院によることも出来ず、お箸を買うのがやっとだった。
竜樹さんが不自由することなく食事を摂れたかどうかだけが気になったまま、家に辿りつき、食事と後片付けが済むと、ごとりと意識が落ちてしまった。
次に目が覚めたら、とうに日付は変わっていた。
慌ててお風呂に入り、自室に戻ってから2週間以上遅れてる日記の穴埋めをしないとと起き上がってゾンビっちの前に座るけれど、今度は気持ちを言葉に置き換える作業に難航。
さりとて眠ることも出来ず、ずるずると起き続けてしまう。
…何で、こんな毎日なんだろう?
家に帰ったら最低限度の生活活動以外に何もせずに意識が落ちるなんて。
まだこれがこの家にいてるうちはいいけれど、これが家を出たり竜樹さんと一緒に暮らし始めたら一体どうなるんだろう?
…いや、竜樹さんと一緒に暮らし始めたら、ここまでしんどくはならないだろうけど
物理的にしなければならないことは増えるし、自分の時間が確保できる機会も減るのだろうけれど、少なくとも精神的には安定するような気がする。
寝るために家に帰るのではなく、大好きな人と一緒にいるために家に帰る。
そのために頑張って仕事を片付けられる。
…でも、どなんだろう?
やるべきことが増えてしまって、今のように毎日消耗しきるような仕事のやり方が続けててそう長くはもつ訳もなくて。
いずれにせよ、なるべく早いうちには仕事を辞めないとならないだろうなぁとは思う。
さりとて、いきなり収入をなくしても大丈夫だと思えるほどに置かれてる状況が機嫌の良いものでもなければ、いろんなものを蹴散らすには勇気も足りない。
ただ判ってるのは、この仕事は何年続けても好きになんてなれないなぁということだけ。
どうすれば効率がよくなるのか、立て続けに連発するミスを防げるのか。
考えてそれをただ伝えるだけでは通らないことが多くて、伝えるための手段も方法も提示の仕方も考えるけれど。
結局、今までしてることを変えたくないのだということになれば、どれだけ無駄であってもそれを続けるしかないことも。
理路整然と話をしようとすると、自分の歩いた過去で頭を打つ。
…何で、前職がどうだったとかってことを5年近く引きずれるんやろ?
一度お気に召さなきゃあとは三つ子の魂百までよろしく、いつまでもずるずるずるずると。
そういう感情的で女々しい思考回路の人々にもいい加減うんざりはしてたんだ。
努力がすべてにおいて反映されるなんて間違っても思わないけど、好きでもないことで無駄な努力なんてできるかって気はしてる。
…判りきってることで何時までも心煩わしてる私も、大概女々しいわなぁ
結局、自戒モードへ思考は逆戻りするけれど。
日常に振り回されすぎる自分は、何だからしくなくて嫌だなぁと思う。
煩わしいものを一刀両断に出来なくなってる自分の勢いのなさに嫌気もさしてれば、会社にいる間の8時間半を割り切って過ごせない自分の大人気なさにもうんざりはしてるけれど。
ひとまず、竜樹さんの手術が終われば、進退の目鼻はつくんだからと言い聞かせたのも自分。
だから今は竜樹さんの手術の行方を眺めながら、じっと様子を見ていよう。
飛び出すための力をそっと蓄えながら。
そして私から生まれる行動力が竜樹さんの方向からずれないように。
もちょっとだけ自分がコントロールできればいいなと思う。
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