元気を取り戻すための鍵
2002年9月1日電車を乗り継ぎ最寄駅まで辿り着いてからスーパーに寄った。
「夕飯は食べて帰る」と言ってしまったので、家に帰っても食事はない。
せめて自分が食べる分くらい自分で賄おうということで、少しばかりの食材を調達。
バスに乗って家に帰る。
家に帰ると、金岡両親は食事を終えてちょっとくつろいでいた。
「あれ?今日は随分早いやん?どないしたん?」
予想通りの言葉が飛んでくる。
ならば、もう話した方がいいのだろう。
「あのね、竜樹さん、入院してはるんよ」
「何時から?」
「先週の月曜日から」
「また具合悪いの?」
「あんまり長いこと具合が悪いんで、もういっぺん手術するんだって」
「…そうか」
慌てるでなし、昔みたいに「そんなヤツとは別れろ」と喚くわけでなく、不気味なくらい静かな反応。
病院にいてる時、竜樹さんに「霄のご両親はどう言うてはるん?」と聞かれて、「まだ話してない」と伝えると、複雑そうな表情だった竜樹さん。
伝えにくい雰囲気であったことや今晩その旨伝えると話してはおいたけれど。
…この状況、一体竜樹さんにはどう説明したらいいんだろう?
またしても言葉に詰まるような問題をひとつ心に抱えながら、自室に戻って着替える。
極めて、彼ららしい反応だとは思う。
一見無関心そうに見えて、いきなり見舞いの品を持たされてびっくりすることもある。
彼らがどういう風に感じているのかは、きっとおいおい明らかになるんだろう。
竜樹さんには私が感じ取ったままを伝えようと思う。
リビングに戻って買ってきた食材でご飯を作る。
挽肉を炒め、台所に転がっていたタコスミックスと水を加えてタコミートを作る。
ナスを輪切りにして水に晒し、水気をふいてから軽く表面を炒めてグラタン皿に並べる。
その上にタコミートを乗せ、上からタコソースをかけ、溶けるスライスチーズを乗せてオーブンで焼く。
…かんなり辛かったけれど、もう少し辛味を調整したら美味しく食べられそうだなと思いながら、一人で黙々と食べている。
私が自室に戻っている間にプードルさんの散歩へ行っていたのか、金岡両親とプードルさんがリビングに戻ってくる。
このムサカもどきのご飯の話をしながら、何時の間にか会話の空気はいつも通りの状態に戻っていた。
ちょっとばかり複雑な気分になりながらも後片付けをして、また自室に戻る。
床に転がっていた携帯を見ると、姉さまからメールが届いていたので、またそのお返事を返しながら、何時の間にか休んでしまっていた。
朝、目が覚めてがっかり。
…あ、録画し忘れた(>_<)
昨晩姉さまから今朝のNHKのドイツ語講座で「オリ・カーン」のビデオクリップを放映すると聞いていて、張り切ってビデオをセットしようと思いながら何もしないまま寝てしまった。
あと30分早ければ間に合ったのにと、思うとさらに落ち込む。
携帯を見ると、姉さまからメールがひとつ。
…姉さまも見損ねたらしい。
週末に再放送があるらしいので、安心した次の瞬間、頭痛が襲う。
昨日それほどひどくなくてほっとしてたら、いつもの倍ほどの痛みが走った。
そのまま暫く布団の上で蹲り、また横になる。
…今日も体調がよかったら、竜樹さんの病院に行きたいのになぁ
できるだけ早く痛みが取れるようにと祈りながら、じっと横になっていた。
でもなかなか頭痛は治まらない。
焦燥感だけが募る感じ。
「…霄、会社辞めて運転免許でも取りに行くか?
どう考えても週末の頭痛は平日のストレスからきてるんやろ。
免許取ってくれたら、俺も助かるねんけど…」
昨日、よほど疲れて見えたのか、何度もそう言われた。
入院してる人にそこまで言われるほど疲れた表情を見せること自体、どうかと思うけれど。
平日は職場で体中にぶつぶつを発し、休みの日の朝は決まって頭痛の嵐。
こんなのは本当に長く続けてていい訳ないんだけれど…
さりとて、いきなり収入がなくなるというのにも不安はあるから、それならそれでもうちょっと何とかしなきゃならない。
手術前の人に心配かけるしか能がないなんて、どうしようもない。
閉塞気味の思考回路ではあるけれど、出口を探す努力は続けないとなと思いながら、窓の外の空を眺めていた。
結局頭痛が治まったのは夕方だった。
薬を飲むためにリビングに降りて簡単なものを食べ、部屋に戻って薬を飲んでじっとしてると、姉さまからメールが届く。
また作業を引き受けることになって、ごそごそとゾンビっちをあける。
作業に入る前に、竜樹さんに「行けなくてごめんなさい」とメールを入れてぼつぼつと作業を始める。
やがて夕食。
3人揃って食事を摂り、後片付けをして自室に戻ると、携帯にも部屋電にも着信の表示。
…竜樹さんからだった"(ノ_・、)"
昨日病院の中を案内してもらった時に竜樹さんの病室から電話のあるところまでは結構距離があったので、わざわざ電話のあるところまで出向いてもらったのに出れなかったことが腹立たしくてならない。
相変わらず食事の時に携帯も部屋電の子機も持って降りない私が悪いんだけど…
「電話出られなくてごめんなさい。食事をとっていたのです」
そんなメールを夜空に飛ばした。
その後は、姉さま依頼の作業を続行。
途中、姉さまからメールが入って殆どチャット状態。
どうして昼間はあんなに頭が痛かったのに、夜になると元気なのかは全く謎。
…夜に元気でも意味ないのになぁ
全くそう思う。
竜樹さんと一緒にいたいなら、元気でいることは必要不可欠。
竜樹さんが大変な時だから、余計に元気でないといけないのに…
なるべく竜樹さんに元気な笑顔を届けられるように、自分自身が元気を取り戻すための鍵を探し出さないとならない。
姉さまとのチャット状態の携帯メールのやり取りをしながら。
せめて休日に頭痛で悩まされないで済む方法を早く見つけようと思った。
「夕飯は食べて帰る」と言ってしまったので、家に帰っても食事はない。
せめて自分が食べる分くらい自分で賄おうということで、少しばかりの食材を調達。
バスに乗って家に帰る。
家に帰ると、金岡両親は食事を終えてちょっとくつろいでいた。
「あれ?今日は随分早いやん?どないしたん?」
予想通りの言葉が飛んでくる。
ならば、もう話した方がいいのだろう。
「あのね、竜樹さん、入院してはるんよ」
「何時から?」
「先週の月曜日から」
「また具合悪いの?」
「あんまり長いこと具合が悪いんで、もういっぺん手術するんだって」
「…そうか」
慌てるでなし、昔みたいに「そんなヤツとは別れろ」と喚くわけでなく、不気味なくらい静かな反応。
病院にいてる時、竜樹さんに「霄のご両親はどう言うてはるん?」と聞かれて、「まだ話してない」と伝えると、複雑そうな表情だった竜樹さん。
伝えにくい雰囲気であったことや今晩その旨伝えると話してはおいたけれど。
…この状況、一体竜樹さんにはどう説明したらいいんだろう?
またしても言葉に詰まるような問題をひとつ心に抱えながら、自室に戻って着替える。
極めて、彼ららしい反応だとは思う。
一見無関心そうに見えて、いきなり見舞いの品を持たされてびっくりすることもある。
彼らがどういう風に感じているのかは、きっとおいおい明らかになるんだろう。
竜樹さんには私が感じ取ったままを伝えようと思う。
リビングに戻って買ってきた食材でご飯を作る。
挽肉を炒め、台所に転がっていたタコスミックスと水を加えてタコミートを作る。
ナスを輪切りにして水に晒し、水気をふいてから軽く表面を炒めてグラタン皿に並べる。
その上にタコミートを乗せ、上からタコソースをかけ、溶けるスライスチーズを乗せてオーブンで焼く。
…かんなり辛かったけれど、もう少し辛味を調整したら美味しく食べられそうだなと思いながら、一人で黙々と食べている。
私が自室に戻っている間にプードルさんの散歩へ行っていたのか、金岡両親とプードルさんがリビングに戻ってくる。
このムサカもどきのご飯の話をしながら、何時の間にか会話の空気はいつも通りの状態に戻っていた。
ちょっとばかり複雑な気分になりながらも後片付けをして、また自室に戻る。
床に転がっていた携帯を見ると、姉さまからメールが届いていたので、またそのお返事を返しながら、何時の間にか休んでしまっていた。
朝、目が覚めてがっかり。
…あ、録画し忘れた(>_<)
昨晩姉さまから今朝のNHKのドイツ語講座で「オリ・カーン」のビデオクリップを放映すると聞いていて、張り切ってビデオをセットしようと思いながら何もしないまま寝てしまった。
あと30分早ければ間に合ったのにと、思うとさらに落ち込む。
携帯を見ると、姉さまからメールがひとつ。
…姉さまも見損ねたらしい。
週末に再放送があるらしいので、安心した次の瞬間、頭痛が襲う。
昨日それほどひどくなくてほっとしてたら、いつもの倍ほどの痛みが走った。
そのまま暫く布団の上で蹲り、また横になる。
…今日も体調がよかったら、竜樹さんの病院に行きたいのになぁ
できるだけ早く痛みが取れるようにと祈りながら、じっと横になっていた。
でもなかなか頭痛は治まらない。
焦燥感だけが募る感じ。
「…霄、会社辞めて運転免許でも取りに行くか?
どう考えても週末の頭痛は平日のストレスからきてるんやろ。
免許取ってくれたら、俺も助かるねんけど…」
昨日、よほど疲れて見えたのか、何度もそう言われた。
入院してる人にそこまで言われるほど疲れた表情を見せること自体、どうかと思うけれど。
平日は職場で体中にぶつぶつを発し、休みの日の朝は決まって頭痛の嵐。
こんなのは本当に長く続けてていい訳ないんだけれど…
さりとて、いきなり収入がなくなるというのにも不安はあるから、それならそれでもうちょっと何とかしなきゃならない。
手術前の人に心配かけるしか能がないなんて、どうしようもない。
閉塞気味の思考回路ではあるけれど、出口を探す努力は続けないとなと思いながら、窓の外の空を眺めていた。
結局頭痛が治まったのは夕方だった。
薬を飲むためにリビングに降りて簡単なものを食べ、部屋に戻って薬を飲んでじっとしてると、姉さまからメールが届く。
また作業を引き受けることになって、ごそごそとゾンビっちをあける。
作業に入る前に、竜樹さんに「行けなくてごめんなさい」とメールを入れてぼつぼつと作業を始める。
やがて夕食。
3人揃って食事を摂り、後片付けをして自室に戻ると、携帯にも部屋電にも着信の表示。
…竜樹さんからだった"(ノ_・、)"
昨日病院の中を案内してもらった時に竜樹さんの病室から電話のあるところまでは結構距離があったので、わざわざ電話のあるところまで出向いてもらったのに出れなかったことが腹立たしくてならない。
相変わらず食事の時に携帯も部屋電の子機も持って降りない私が悪いんだけど…
「電話出られなくてごめんなさい。食事をとっていたのです」
そんなメールを夜空に飛ばした。
その後は、姉さま依頼の作業を続行。
途中、姉さまからメールが入って殆どチャット状態。
どうして昼間はあんなに頭が痛かったのに、夜になると元気なのかは全く謎。
…夜に元気でも意味ないのになぁ
全くそう思う。
竜樹さんと一緒にいたいなら、元気でいることは必要不可欠。
竜樹さんが大変な時だから、余計に元気でないといけないのに…
なるべく竜樹さんに元気な笑顔を届けられるように、自分自身が元気を取り戻すための鍵を探し出さないとならない。
姉さまとのチャット状態の携帯メールのやり取りをしながら。
せめて休日に頭痛で悩まされないで済む方法を早く見つけようと思った。
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