雨があがったら…

2002年8月27日
さすがに前日の睡眠時間が2時間をきってると、翌日も眠れないなどということはないようで、気がつくと朝を迎えていた。

きっとそれだけじゃなくて、前日の「大丈夫」の贈物があったからだと思うけれど。


今日も暑くなりそう。
先週は「もう秋が来たの?」と思うほどに涼しかったのに、こんなに気温の変化が激しいといくらなんでも身体がもたない気がする。

けれど、竜樹さんの手放した魚にとっては、暑い方が元気でいられるからいいんだけど…

竜樹さんも元気だといいなと思いながら、会社に行く。


このところ朝は比較的平和。
朝一番の書類取りも書類を取りに降りるまではロシアンルーレットするような精神状態に陥るけれど、殆ど足止めを食らうことがなくなったので、ストレスは小さくなってきてる。
足止めで30分ほどのロスをしなければ、仕事はきちんと時間内に収まる。

連日、どういう訳か明るいボスに話し掛けられても仕事の進み方に支障がないので、極めてにこやかに応対できる。
降って湧いてくるイレギュラーの仕事にもそれなりに時間が取れる。


比較的機嫌のいい状態で昼休みを迎えた。


昼からの仕事に入る頃、隣の席に置いているお弁当鞄が揺れる。
見ると、竜樹さんからメールが届いていた。


「おなか、すいたー(;ヘ;)
内科の検査があって、昼食食べたらあかんねんてっ!ちぇっ(-"-;)
今日は暑いなぁー(>○<)がんばっとるかぁ?」


検査ひとつ受けるのも大変なんだなぁと思いながらも、そんな一コマを届けてくれたことが嬉しくて、俄然機嫌をよくして仕事を始めた。


…けれど。


午前中とは打って変わって、いらいらどかーんなことがいくつも起こる。

「仕事上のことなんだから…」と言い聞かせてみたところで、どう考えても注意ひとつすれば防げるようなことばかり。
謝り倒したり、対応に追われたり、俄かにイライラは募ってくる。

ひとつ片付いたと思ったら、またひとつ降ってくる。
ミスの対応の状況、殆どわんこ蕎麦状態。


わんこ蕎麦状態は4時間近く続き、最後には怒る気力すらなくなった。


よったよたの状態で、社屋を後にした。


少々混雑した電車に乗る。
立ったまま開かない方のドア側に立っていたけれど、立ったまま眠ってしまいそう。
危うく乗り換えの駅で降り損ねそうになる。
ひやりとして少しばかり目が覚めたからか、ようやくお昼に貰った竜樹さんのメールにお返事。


「お昼抜き、大変やったね。夕飯にはありつけた?
今日はいらいらどかーんなことか続きましたが、何とか乗り切りました。
やればできるものです(笑)

帰りも外が蒸し暑くてへろへろになりそうでしたが、もうすぐ家にもたどり着けそうです。
やればできるものです(しつこい)」


空腹のまま眠るような事態だけは避けられますようにと願いながら、そっとメールを飛ばした。


家に帰って、リビングでプードルさんと格闘の後、夕飯。

最近、20時からパンパシ水泳を見るのが金岡ファミリー内でのお約束。
去年の世界水泳の時に比べたら、日本勢の活躍が目覚ましい。
かつて海衣が水泳をかじってたこともあって、金岡ファミリー、テレビの前で豆のように頭を並べて水泳観戦。


途中、携帯に姉さまから電話が入り、リビングから自室に移動して長時間話したおす。
もしかしたら、部屋の電話に竜樹さんから連絡が入るかもと思いながら話していたけれど、結局今日のお昼抜きが効いたのか、竜樹さんから連絡はなかった。


部屋の外でばたばたと音がする。
どうやら大雨が降ってきたらしい。
2階中の窓が開いてたらしく気がつかなかった私はちょっと怒られたけれど。


…雨が降る前は調子が悪いのに、その上お昼抜きだったなんて


連絡がないのは無理がないと理解できる。
けれど、調子が悪くないのにメールで状況を知らせてくれる、そんな気遣いがありがたく、愛しくもあった。


…雨が上がったら、もう少し涼しくなるといいね。


そうしたら、竜樹さんの患部は痛まずに済む。
そうしたら、手術まで少しばかり気分良く過ごしてもらえる。
ただでさえ不安が付き纏う大きな手術を前に、どうせならしんどいのは少ない方がいい。


雨が上がったら、青空が見えるように。
2人のいる場所に降る雨があがった時、そこに笑顔がありますように。


降り止まぬ大雨を見つめながら、そう願いつづけた。

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