最初の週末
2002年8月24日竜樹さんが入院して最初の週末。
昨日の夜から竜樹邸に戻ってきてるとのことで、張り切って早く出るつもりがまた寝すぎてしまった。
相変わらず頭痛がひどいので少々うめいてはいたけれど、うめいていても埒があかないのでシャワーを浴びてぼんにゃりとした意識を無理やり覚ます。
丁度出かけようと思った時に昼食が出てきて、ひとまずおにぎりを2個だけ貰って出かけた。
先週慌てて病院に入院したので足りないものもいくつかあるらしく、いろいろと手伝うべきことはある。
体力的に少々自信はないものの、そんなことも言ってはいられない。
坂道を駆け下りて、ホームに滑り込んできた電車に乗る。
電車の中で少し涼んでまた移動。
予定が早く済めば、夜から遊びに行く予定にはしている。
花火やら何やらいろいろ予定が流れてきたので、なるべくなら竜樹さんは行きたいと話していた。
でも、それはあくまで予定であって、本決まりではない。
場合によっては夕飯を作らなければならなくなるけれど、買い物をすると更に竜樹邸に着くのが遅れる。
…冷凍庫に入ってるものの在庫整理料理で勘弁してもらおう。
そう勝手に自分を納得させて、バスに乗り込む。
車窓から差し込んでくる光はまぶしい。
日よけをしても、太陽の熱だけは日よけを通しても伝わってくる。
バスを降りると、一番日が高い時間だからか気温も高い。
この調子じゃ竜樹さんの体調がいいとは思えないけれど、それならそれできちんと手伝って、笑顔だけでも渡せたらいいやと思う。
竜樹邸に入る前にメールがひとつ。
「今、どの辺まで来てる?」
…あのぉ、竜樹さんの家の前なんですけど(^-^;
そう思いながら、竜樹邸のドアを開ける。
「あぁ、よぉ来てくれたなぁ。どの辺まで来てたか、心配やってん」
「ごめんなさい、ちゃん連絡しないで」
「構わへんよ。少し涼み」
勧められるまま涼み、それから台所の片づけをしたり、竜樹さんの指示に従って必要なものを旅行鞄に詰めていく。
…ついでに、テレビも箱に詰め込んで、持って出られるようにしておいたp(*^-^*)q
2人で一緒に荷造りをして一息ついた頃、「お腹がすいた」と竜樹さん。
冷蔵庫を物色してると、「久しぶりに食べに出ようや」と仰る。
その時、セカンドバッグを持たせてくれる。
中には長財布がひとつ入ってる。
「霄が欲しかったらあげようかなって思っててん。欲しい?」
その財布はずっと私が欲しいなぁと思っていたもの。
鞄は既に廃番品らしく、竜樹さんが個人的に欲しいと思って探し歩いて見つけたものらしい。
手に入れた経緯を嬉しそうに話してくれる竜樹さんを見てると、まるでそのアイテムそのものが小さな竜樹さんのように思えてくる。
「…頂いても、いいですか?」
「ええよ、その代わり霄自身で払ってな♪( ̄ー+ ̄)」
……………(/-\*)
そんな冗談に少しばかり固まりながら、竜樹邸を出る。
車に乗って、近くに出来たというイタリアンレストランに行く。
土曜日の夕方前なのに、何故か結構混雑している。
窓側の席に座り、2人で景色を眺めながら電話で話せなかった近況報告をしあう。
「ご飯を食べて背中が痛まなかったら、少し家で涼んでから遊びに行こうか」
「大丈夫ですか?」
「体調がよかったら、あとは気力で持たすから大丈夫や」
そう言いながら、料理を2人で仲良く取り分けていたけれど。
…竜樹さん、痛み止めを家に置き忘れてきたらしい(>_<)
俄かに辛そうにされてる様子にどうすることも出来ず。
お店で少し休んでから、竜樹邸に戻る。
竜樹さんが横になってる間、後片付けをしたり、ちょっと不安げな竜樹さんの傍に座っていたり。
少し休んで落ち着かれたのか、竜樹さんが触れてくる。
安心が欲しいのだと触れる手から伝わる感じがして、素直に応える。
熱を受け渡す竜樹さんは強気な部分と不安な部分が同居してる感じ。
それが私の不安を増幅させるというよりも、寧ろ竜樹さんの本質の部分を垣間見る気がしてちょっとだけほっとする。
そんなところを知る人はきっと数少ないのだと思うことは、自己満足の域を出ないことかもしれないけれど…
ひとしきり熱と想いを受け渡して、くすーっと眠る竜樹さん。
時計を見ると、「元気だったら行ってみようか?」と言ってたイベントには間に合いそうにない。
「出かけたかったな」という思いもあるけれど、竜樹さんに必要以上の無理はさせたくなかった。
時折、辛そうな、でも時折安心したような表情を見せる竜樹さんの傍でじっと竜樹さんが眠る様を眺めていた。
暫くして、遠くから賑やかな音が聞こえてきたので2階に上がってぼんやりとその方角を眺めてみたり竜樹さんの飼っているお魚を眺めたりして過ごした。
そのうち目を覚ました竜樹さんに呼ばれて、階下に降りる。
熱いお茶を飲みながらまた取り留めないお話。
竜樹さんは今日しようと思っていたことを書き留めたメモを眺めてチェックを入れてる。
…その中で1箇所、気になる記述があったのだけど。
この時はその話題について触れられることはなかったので、敢えて私も問い質さなかった。
そうして今後の指示を竜樹さんから受けてる時、竜樹さんから鍵を渡された。
「もしかしたら、ここへ取りに来て貰わなければならないようなことが発生するかも知れへんし、持っておいて」
そして、竜樹邸の鍵を預かった。
「何となく小腹すいたし、食べに行こうか?」
そう言って再び出かける。
遊びにはいけなかったけれど、どこか楽しい時間を差し挟んだ、そんな入院後最初の週末。
昨日の夜から竜樹邸に戻ってきてるとのことで、張り切って早く出るつもりがまた寝すぎてしまった。
相変わらず頭痛がひどいので少々うめいてはいたけれど、うめいていても埒があかないのでシャワーを浴びてぼんにゃりとした意識を無理やり覚ます。
丁度出かけようと思った時に昼食が出てきて、ひとまずおにぎりを2個だけ貰って出かけた。
先週慌てて病院に入院したので足りないものもいくつかあるらしく、いろいろと手伝うべきことはある。
体力的に少々自信はないものの、そんなことも言ってはいられない。
坂道を駆け下りて、ホームに滑り込んできた電車に乗る。
電車の中で少し涼んでまた移動。
予定が早く済めば、夜から遊びに行く予定にはしている。
花火やら何やらいろいろ予定が流れてきたので、なるべくなら竜樹さんは行きたいと話していた。
でも、それはあくまで予定であって、本決まりではない。
場合によっては夕飯を作らなければならなくなるけれど、買い物をすると更に竜樹邸に着くのが遅れる。
…冷凍庫に入ってるものの在庫整理料理で勘弁してもらおう。
そう勝手に自分を納得させて、バスに乗り込む。
車窓から差し込んでくる光はまぶしい。
日よけをしても、太陽の熱だけは日よけを通しても伝わってくる。
バスを降りると、一番日が高い時間だからか気温も高い。
この調子じゃ竜樹さんの体調がいいとは思えないけれど、それならそれできちんと手伝って、笑顔だけでも渡せたらいいやと思う。
竜樹邸に入る前にメールがひとつ。
「今、どの辺まで来てる?」
…あのぉ、竜樹さんの家の前なんですけど(^-^;
そう思いながら、竜樹邸のドアを開ける。
「あぁ、よぉ来てくれたなぁ。どの辺まで来てたか、心配やってん」
「ごめんなさい、ちゃん連絡しないで」
「構わへんよ。少し涼み」
勧められるまま涼み、それから台所の片づけをしたり、竜樹さんの指示に従って必要なものを旅行鞄に詰めていく。
…ついでに、テレビも箱に詰め込んで、持って出られるようにしておいたp(*^-^*)q
2人で一緒に荷造りをして一息ついた頃、「お腹がすいた」と竜樹さん。
冷蔵庫を物色してると、「久しぶりに食べに出ようや」と仰る。
その時、セカンドバッグを持たせてくれる。
中には長財布がひとつ入ってる。
「霄が欲しかったらあげようかなって思っててん。欲しい?」
その財布はずっと私が欲しいなぁと思っていたもの。
鞄は既に廃番品らしく、竜樹さんが個人的に欲しいと思って探し歩いて見つけたものらしい。
手に入れた経緯を嬉しそうに話してくれる竜樹さんを見てると、まるでそのアイテムそのものが小さな竜樹さんのように思えてくる。
「…頂いても、いいですか?」
「ええよ、その代わり霄自身で払ってな♪( ̄ー+ ̄)」
……………(/-\*)
そんな冗談に少しばかり固まりながら、竜樹邸を出る。
車に乗って、近くに出来たというイタリアンレストランに行く。
土曜日の夕方前なのに、何故か結構混雑している。
窓側の席に座り、2人で景色を眺めながら電話で話せなかった近況報告をしあう。
「ご飯を食べて背中が痛まなかったら、少し家で涼んでから遊びに行こうか」
「大丈夫ですか?」
「体調がよかったら、あとは気力で持たすから大丈夫や」
そう言いながら、料理を2人で仲良く取り分けていたけれど。
…竜樹さん、痛み止めを家に置き忘れてきたらしい(>_<)
俄かに辛そうにされてる様子にどうすることも出来ず。
お店で少し休んでから、竜樹邸に戻る。
竜樹さんが横になってる間、後片付けをしたり、ちょっと不安げな竜樹さんの傍に座っていたり。
少し休んで落ち着かれたのか、竜樹さんが触れてくる。
安心が欲しいのだと触れる手から伝わる感じがして、素直に応える。
熱を受け渡す竜樹さんは強気な部分と不安な部分が同居してる感じ。
それが私の不安を増幅させるというよりも、寧ろ竜樹さんの本質の部分を垣間見る気がしてちょっとだけほっとする。
そんなところを知る人はきっと数少ないのだと思うことは、自己満足の域を出ないことかもしれないけれど…
ひとしきり熱と想いを受け渡して、くすーっと眠る竜樹さん。
時計を見ると、「元気だったら行ってみようか?」と言ってたイベントには間に合いそうにない。
「出かけたかったな」という思いもあるけれど、竜樹さんに必要以上の無理はさせたくなかった。
時折、辛そうな、でも時折安心したような表情を見せる竜樹さんの傍でじっと竜樹さんが眠る様を眺めていた。
暫くして、遠くから賑やかな音が聞こえてきたので2階に上がってぼんやりとその方角を眺めてみたり竜樹さんの飼っているお魚を眺めたりして過ごした。
そのうち目を覚ました竜樹さんに呼ばれて、階下に降りる。
熱いお茶を飲みながらまた取り留めないお話。
竜樹さんは今日しようと思っていたことを書き留めたメモを眺めてチェックを入れてる。
…その中で1箇所、気になる記述があったのだけど。
この時はその話題について触れられることはなかったので、敢えて私も問い質さなかった。
そうして今後の指示を竜樹さんから受けてる時、竜樹さんから鍵を渡された。
「もしかしたら、ここへ取りに来て貰わなければならないようなことが発生するかも知れへんし、持っておいて」
そして、竜樹邸の鍵を預かった。
「何となく小腹すいたし、食べに行こうか?」
そう言って再び出かける。
遊びにはいけなかったけれど、どこか楽しい時間を差し挟んだ、そんな入院後最初の週末。
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