中休み

2002年8月15日
竜樹さんにただぺたーとくっついたり、じゃれあったり。
竜樹さんの身体の具合が落ち着くまで、ずっと2人でくっついて横になっていた。

やがて「ちゅ〜ぼ〜ですよ」も終わり、日付が変わる。
「午前様なんてそう滅多にしないのだから」と思う自分がいる反面、「金岡母がいないからって、あまり遅くなるのもあかんかな?」と思う自分もいる。
けれど、やっぱり竜樹さんといたくて、たらたらしてしまう。

「霄ぁ、帰るで。用意しぃやぁ」

ゆっくりと起き上がった竜樹さんに声をかけられ、身体を起こす。
お昼に痛み止めと点滴を打ったせいだろうか?
いつもより元気そうな表情の竜樹さんがいる。


静まり返った夜道を歩いて、車に乗る。
2人で交わす会話もどことなく穏やかで、本当に家に帰るのが惜しいけれど。
また週末には会えるのだからと、互いに言い聞かせるようにして別れる。


こっそりと鍵を開け家に入り、リビングを見ると金岡父がソファーで横になっている。
私があまりに遅いものだから、テレビを見ながら待っていてくれたんだろう。

「遅くなってごめんなさい、お父さん。もうお布団に横になった方がいいよ」
「…うー(-"-;)」

金岡父、怒ることを忘れたのか、そのままはしゃぐプードルさんを連れて寝室へ戻っていった。

そして、私も自室に戻る。


ここのところ、竜樹さんと話したことや一緒にいたことを反芻すると眠れなくなるので、なるべく思い返さないようにしてるけれど。
どういう訳だか毎回反芻しては眠れなくなる。
意識が落ちるまで、いろんなことを考えながら時間をやりすごす。


…次に起きたら、昼前だった(-_-;)


今日は1日休養日に充てていたので、せっかくだから簡単な夕飯ぐらいはしようと思っていた。
金岡父が自分では作らないような、だけど簡単な料理を作ることだけ知らせておいて、買出しと用事を片しに出かける。


銀行に行って大振込大会を展開後、電車に乗ってスーパーへ行く。
夕飯の食材と金岡父に頼まれていた食材を買いに入り、たらりたらりとフロアを歩きながら、食材をぽこぽことカゴに放り込んでいく。


今日の夕飯はカレーにする予定(簡単すぎ…)


13日に出勤した時、お弁当を買いに出て「オムレツカレー」なるものを持って帰ってきた。
基本的に美味しいカレーだったのだけど、オムレツが焼けすぎてて堅かったのが気になった。

それと、身近な人たちがする、不思議なことがずっと気になってた。


竜樹邸でカレーを食べると、決まってカレーに生卵を落とす。
海衣も結婚してから何故か、カレーに生卵を落とす。


…これ、半熟のオムレツで作ったらどうなるのかなぁ?


思えばしょうもない好奇心から、今日の夕飯のメニューは決まった。
けれど、ただのカレーにしても面白くも何ともないので、金岡父の好きな特別辛いカレーを作ろうと決意。
さりとてただ闇雲に辛いだけでもなぁなどと考えながら、スーパーをちょろちょろする。


ふと調味料の棚を見ると、マンゴーピューレなるものが置いてある。
ガラムマサラは早々に買い物篭に放り込んでいて、もうこれ以上調味料に用はないはずだけど、どうしても気になったので棚の前で立ち止まる。

マンゴーピューレにも甘口と辛口がある。
辛口はピューレに唐辛子が混ざってる模様。
まさか1回のカレーに一瓶使うことはないだろうからと考えてるうちに、頭の中にぼわんと竜樹さんが出てくる。

「霄ぁ、唐辛子は勘弁してくれぇ・゜・(ノД`;)・゜・ 」

困り顔の竜樹さんが頭に浮かんで、スイートタイプの瓶をぼこん。
あとは金岡父から頼まれていたプードルさんへのお土産とカマスの開きを買って帰る。


重い食材を提げてバスに乗る。
金岡家の方面へ向かうバスに乗る人は殆どいなくて、2人掛けの席に一人で荷物を広げて座ったとしても、まだ座席が余るような状態。
竜樹邸に向かうバスが混み混みだったのとはうってかわっての閑散とした様子に「やっぱり世間様は休みなのだと実感。
クーラーががんがんに効いた空き空きのバスに乗ってぼんにゃりと家に帰る。


家に着いて食材を片付け、暫く金岡父と話したり、プードルさんと遊んだりして過ごし、夕飯を作り始める。


どうせなら、スパイスを混ぜてルーを作るところから始めたかった。
カレーを作る作業の中でそれはやったことがないから。
簡単な料理にひと手間加えるならその辺から始めてみたかったけれど、プードルさんの「遊んで攻撃」を一手に食らっている金岡父の消耗が激しいのであまり待たせる訳にも行かず。
仕方なく、ルーから作るのは次回に持ち越しになった。


肉を炒めて皿にあげ、野菜を炒めて皿にあげ。
鍋にお湯を沸かして、野菜からぼちゃんぼちゃんと放り込んでただひたすらことことと煮る。

あまりに楽な作業にヘンな感動を覚える。

竜樹邸で料理をする時、殆ど「料理の鉄人」よろしく常に動き回っているので、煮てる間に洗い物を片付けてまだ何かができる余裕が嬉しい。

「付け合せ何にしようかな?」と冷蔵庫の中を物色してると、プードルさんに攻撃され尽くしてよれっとした金岡父が「気分転換に俺が作る」と言い出したので、付けあわせだけはお願いして、鍋の番をしながらプードルさんと遊びまわる。


野菜も肉も柔らかくなってきたので、カレーのルーを入れ味付けを始める。
やや辛めに仕上げるつもりで、辛口のルーを多めに入れて調整してたけれど、マンゴーペーストを入れると途端に甘くなりすぎて、あれこれと調整を加えつづける。
とろみが丁度よくなってきたので、ガラムマサラを多めに入れて完成。
作業自体は楽でよかったけれど、ガスの熱ですっかり汗だらけ。
カレーを食べたらまた汗まみれになるのは判っていたけれど、ひとまずシャワーを浴びてひと息。


心持ち手を加えたカレーと金岡父作マカロニサラダを食す。


金岡父は(自分でも作れるのだけど)金岡母が作ったものしか口にしない傾向が強く、金岡母が不在の時は自分で作らない限り、海衣や私が作ったものは食べようとしなかったので「正直、こんなことをしても意味があったのかな?」と思ったり。

けれど、「上手にできてるやないか」と誉めながら、きれーに平らげてしまわれた。
その様子を見てると嬉しくなって、景気よく平らげてしまったけれど…


空になった食器を片付けてて気がついた。


…「オムレツカレー」にするんちゃうかったん?


汗まみれになって少々頭にうろがきたのか、半熟オムレツを焼いてカレーの上に乗せるという簡単な作業をすこんと忘れていた。
金岡父も私も卵は好きだ。
これがうまくいったら、竜樹さんにも食べさせてあげられたかもしれないのに…

「何をがっくりきてるんや?」

べっこりへこんでる私に金岡父が声を掛けてきたので、「オムレツカレー」にするつもりでいたのに、オムレツ焼くのを忘れたという話をすると…


「あー、俺はカレーの上には何も乗せへん方がええねや♪(*^-^*)」

一言で片付いてしまった。


スパイスを調合してルーからカレーを作ること。
半熟オムレツを乗せたカレーが美味しいのかどうか。

つまらない探究心から作ろうとした料理が中途半端な形で終わってしまって、少しべこんときたけれど、いい休養日にはなったんだと思う。


明日からまた予定は目白押し。
ぼんにゃりと適度に探究心を満たすことの出来た中休みも悪くはないなって思った。

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