ずっと…
2002年8月10日昨晩久しぶりに明け方近くまで友達と話し、数時間寝た後、竜樹さんに電話をする。
話を聞いてみると、どうやら昨日くらいまで具合が悪くて殆ど食事も取れなかった模様。
今日、病院に行って痛み止めと点滴を打って貰って、ようやく元気になったのだとか。
「元気になった」と聞くのが嬉しくて、急いで用意をしようとすると、「今日はゆっくり目においで」とのこと。
よくよく話を聞いてみると、今日竜樹家で前倒しの法事があるらしい。
法事が終わる15時過ぎに着くようにおいでとのことだったので、暫く自宅で待機することにする。
途中、「早く来ても大丈夫なように置き鍵しておくから、好きな時間においで」と連絡があったので、どろりどろりと用意を始める。
用意ついでにリビングに降りてプードルさんと遊んでいると、金岡母がイライラしながら待っている。
聞いてみると、海衣と姪御ちゃんが今日と明日と金岡家に戻ってくるのだけれど、何時の新幹線もしくは飛行機に乗ってくるのか、一向に連絡がないのだという。
竜樹家の法事の加減で逢える時間が少なくなるのは残念でならなかったけれど、うちを出る前に、海衣にも姪御ちゃんにも挨拶はできるのだからこれはこれでいいのかもしれない。
…けれど、金岡邸到着が夕方になってしまったら、もう挨拶抜きで出かけなきゃならなくなるけどね
一向に連絡をしてこない海衣に両親はやきもきしながら、私は時折自室に戻って作業をしたり、降りてきてはプードルさんと遊んだりして過ごしていた。
ちょうど、13時前に海衣から連絡があり、金岡母が迎えに行った。
金岡母と戻ってきた姪御ちゃんを見てびっくり。
…随分大きくなっていたのだ。
話す言葉もはっきりしてて、成長の速さにただただ驚くばかりだった。
そんな私を気に留める様子もなく、「プードルくん、プードルくん♪」とはしゃいで、プードルさんを追い掛け回す姪御ちゃん。
暫く暴れまくっておねむになった姪御ちゃんを寝かせた後、海衣が持って帰ってきたお土産や食べ損ねたお寿司を分け分けして食べ、片付けた後竜樹邸に出かけた。
外は相変わらず蒸し暑い。
うだるような暑さの中、のたりのたりと坂道を降りていると、携帯が鳴る。
「今、どこまで帰ってるん?」
「いや、何処にも帰ってませんよ。そちらに向かってますよ?」
「…え?今、どこにおるん」
「これからそちらに向かうべく、坂道下ってます」
「よかったぁ(*^-^*)」
鍵を置いておくと話していたのに、鍵を置いてくるのを忘れたことに気づいて慌てたらしい。
「大丈夫ですよ。遅くはなりますけど、ちゃんとそちらに行きますから」
そう言って電話を切って、竜樹邸に急いだ。
いつものようにバスに乗る前に食材調達をしてバスに乗る。
重たい食材を持ってよたよたと竜樹邸に入ると、そこには元気そうな竜樹さんがいた。
「暑いのに、よぉ来てくれたなぁ(*^-^*)」
「法事あったのに、元気じゃないですか?」
「法事の前に病院に行ってきたから、少し調子いいみたいや」
お互いにお昼ご飯らしきものは少しだけ食べたけれど、夕飯までの間のつなぎとしてパンを分け分けして食べる。
互いに取り留めのない話をして、少しばかりじゃれて。
互いに流れる空気が少しばかりあまやかなのに、妙に満たされたような気がして自然と笑顔が出る。
「俺なぁ、最近、すんごい霄がかわいいなぁって思うねん。
多分、俺が身体を起こせなくて霄にご飯を食べさせてもらった、あの辺からやと思うわ」
「そう言ってても、私には執着せぇへんくせに」
「そんなことないで。今、霄持ってかれたら、すんごいヤやもん」
意外な台詞が飛び出すので、きょとんとしてると、軽いキス。
そのまま少し笑い合って、ゆっくりとお互いの熱を享受しあう。
7年前のあの日から繰り返される想いの受け渡しは、その都度心に違う色を挿す。
あまり雄弁でない竜樹さんから雄弁なキスが飛び、普段良く喋る私はただその熱に飲まれる。
何とも不思議な光景。
はっきり判るのは肌から伝わる熱。
そして、断片的に入る竜樹さんの声。
そのすべてに揺られるようにして、ただ竜樹さんを抱きしめて時間は過ぎていった。
竜樹邸の飲み水が切れていたので、自転車に乗って給水所までお水を貰いに行った後、夕飯を作り始める。
今日の夕飯は、鶏肉とピーマンのスイートバジル炒めと卵のスープ、じゃがいものサラダの3品。
3品とも出典はタイ料理の本からだったのだけど、相変わらず本を眺めながら作るのが途中でめんどくさくなって、本の通りでなくなるのはお約束。
鶏肉とピーマンのスイートバジル炒め。
鶏肉は小さめの一口大に切り、ヘタと種を取り除いたピーマン(赤や黄色のヤツ)とにんじん、玉ねぎはざく切りにしておく。
香菜の根3〜4本とにんにく1かけをすり鉢でつぶしたものを油を入れて熱したフライパンで香りが出るまで炒め、そこに玉ねぎ・にんじん・鶏肉・ピーマンの順に入れて炒め、オイスターソース大さじ1とナムプラー大さじ2、砂糖小さじ1と鶏がらスープカップ4分の1を入れ水分が飛ぶまで炒め、最後にスイートバジルを加えて完成。
じゃがいものサラダ。
じゃがいもは皮をむいて千切りにし、水に晒しておく。
鶏肉は茹でて細かく切り、エビは皮と背綿を除き、ゆでておく。
じゃがいもの水気を切ってから器に盛り、その上に鶏肉、エビをのせ、飾りにラディッシュを薄切りにしたものを乗せる。
サラダ油(適宜)とレモン汁(大さじ3)、チリソース(適宜)、ナムプラー(大さじ1)と砂糖(小さじ2分の1)と塩(適宜)を混ぜて作ったドレッシングで食す。
卵のスープ。
鶏肉とエビのゆで汁にナムプラーと塩で味を調えた後片栗粉でとろみをつけ、最後に余ったジャガイモの千切りと溶き卵を加えて完成。
食卓にご飯を並べ、待ちくたびれて横になってた竜樹さんを起こす。
「いただきます♪(*^人^*)」
タイ料理というと辛いものが多い気がしてたので、唐辛子の苦手な竜樹さんが食べやすいものを選んで作ってはみたものの、口に合うかどうかが心配。
「わぁ、これすんごい美味いわ♪」
竜樹さんは鶏肉とピーマンのスイートバジル炒めがいたくお気に召したらしい。
「冷房で冷えた身体にはちょうどいい」とスープも喜んでもらえる。
じゃがいものサラダは食感はお気に召したらしいけれど、ちょっとドレッシングが味気なかったらしく、和風ドレッシングに切り替えて食べておられた。
小食なる竜樹さんが沢山食べてるのを見て安心したからか、私自身はかくんと食欲が落ちた。
「夕飯作ってすぐに食べるのはしんどいやろ?休んでてええで?」
竜樹さんに進められるまま、横になっていた。
やがて食べ終わった竜樹さんが私の隣にやってきて、暫く二人でくっついている。
「ホンマ、霄ってかわいいなぁ(*^-^*)
ずっと俺の傍におるんやで?」
そう言って背中から抱きしめる竜樹さんの暖かさが体中に入り込んできて幸せな気分で一杯になる。
再手術に挑むまでの間、あと何回こうしていられるか判らないけれど。
ずっと傍にいて欲しいと思ってもらえる時間を少しでも沢山取れたらいいなぁって思う。
話を聞いてみると、どうやら昨日くらいまで具合が悪くて殆ど食事も取れなかった模様。
今日、病院に行って痛み止めと点滴を打って貰って、ようやく元気になったのだとか。
「元気になった」と聞くのが嬉しくて、急いで用意をしようとすると、「今日はゆっくり目においで」とのこと。
よくよく話を聞いてみると、今日竜樹家で前倒しの法事があるらしい。
法事が終わる15時過ぎに着くようにおいでとのことだったので、暫く自宅で待機することにする。
途中、「早く来ても大丈夫なように置き鍵しておくから、好きな時間においで」と連絡があったので、どろりどろりと用意を始める。
用意ついでにリビングに降りてプードルさんと遊んでいると、金岡母がイライラしながら待っている。
聞いてみると、海衣と姪御ちゃんが今日と明日と金岡家に戻ってくるのだけれど、何時の新幹線もしくは飛行機に乗ってくるのか、一向に連絡がないのだという。
竜樹家の法事の加減で逢える時間が少なくなるのは残念でならなかったけれど、うちを出る前に、海衣にも姪御ちゃんにも挨拶はできるのだからこれはこれでいいのかもしれない。
…けれど、金岡邸到着が夕方になってしまったら、もう挨拶抜きで出かけなきゃならなくなるけどね
一向に連絡をしてこない海衣に両親はやきもきしながら、私は時折自室に戻って作業をしたり、降りてきてはプードルさんと遊んだりして過ごしていた。
ちょうど、13時前に海衣から連絡があり、金岡母が迎えに行った。
金岡母と戻ってきた姪御ちゃんを見てびっくり。
…随分大きくなっていたのだ。
話す言葉もはっきりしてて、成長の速さにただただ驚くばかりだった。
そんな私を気に留める様子もなく、「プードルくん、プードルくん♪」とはしゃいで、プードルさんを追い掛け回す姪御ちゃん。
暫く暴れまくっておねむになった姪御ちゃんを寝かせた後、海衣が持って帰ってきたお土産や食べ損ねたお寿司を分け分けして食べ、片付けた後竜樹邸に出かけた。
外は相変わらず蒸し暑い。
うだるような暑さの中、のたりのたりと坂道を降りていると、携帯が鳴る。
「今、どこまで帰ってるん?」
「いや、何処にも帰ってませんよ。そちらに向かってますよ?」
「…え?今、どこにおるん」
「これからそちらに向かうべく、坂道下ってます」
「よかったぁ(*^-^*)」
鍵を置いておくと話していたのに、鍵を置いてくるのを忘れたことに気づいて慌てたらしい。
「大丈夫ですよ。遅くはなりますけど、ちゃんとそちらに行きますから」
そう言って電話を切って、竜樹邸に急いだ。
いつものようにバスに乗る前に食材調達をしてバスに乗る。
重たい食材を持ってよたよたと竜樹邸に入ると、そこには元気そうな竜樹さんがいた。
「暑いのに、よぉ来てくれたなぁ(*^-^*)」
「法事あったのに、元気じゃないですか?」
「法事の前に病院に行ってきたから、少し調子いいみたいや」
お互いにお昼ご飯らしきものは少しだけ食べたけれど、夕飯までの間のつなぎとしてパンを分け分けして食べる。
互いに取り留めのない話をして、少しばかりじゃれて。
互いに流れる空気が少しばかりあまやかなのに、妙に満たされたような気がして自然と笑顔が出る。
「俺なぁ、最近、すんごい霄がかわいいなぁって思うねん。
多分、俺が身体を起こせなくて霄にご飯を食べさせてもらった、あの辺からやと思うわ」
「そう言ってても、私には執着せぇへんくせに」
「そんなことないで。今、霄持ってかれたら、すんごいヤやもん」
意外な台詞が飛び出すので、きょとんとしてると、軽いキス。
そのまま少し笑い合って、ゆっくりとお互いの熱を享受しあう。
7年前のあの日から繰り返される想いの受け渡しは、その都度心に違う色を挿す。
あまり雄弁でない竜樹さんから雄弁なキスが飛び、普段良く喋る私はただその熱に飲まれる。
何とも不思議な光景。
はっきり判るのは肌から伝わる熱。
そして、断片的に入る竜樹さんの声。
そのすべてに揺られるようにして、ただ竜樹さんを抱きしめて時間は過ぎていった。
竜樹邸の飲み水が切れていたので、自転車に乗って給水所までお水を貰いに行った後、夕飯を作り始める。
今日の夕飯は、鶏肉とピーマンのスイートバジル炒めと卵のスープ、じゃがいものサラダの3品。
3品とも出典はタイ料理の本からだったのだけど、相変わらず本を眺めながら作るのが途中でめんどくさくなって、本の通りでなくなるのはお約束。
鶏肉とピーマンのスイートバジル炒め。
鶏肉は小さめの一口大に切り、ヘタと種を取り除いたピーマン(赤や黄色のヤツ)とにんじん、玉ねぎはざく切りにしておく。
香菜の根3〜4本とにんにく1かけをすり鉢でつぶしたものを油を入れて熱したフライパンで香りが出るまで炒め、そこに玉ねぎ・にんじん・鶏肉・ピーマンの順に入れて炒め、オイスターソース大さじ1とナムプラー大さじ2、砂糖小さじ1と鶏がらスープカップ4分の1を入れ水分が飛ぶまで炒め、最後にスイートバジルを加えて完成。
じゃがいものサラダ。
じゃがいもは皮をむいて千切りにし、水に晒しておく。
鶏肉は茹でて細かく切り、エビは皮と背綿を除き、ゆでておく。
じゃがいもの水気を切ってから器に盛り、その上に鶏肉、エビをのせ、飾りにラディッシュを薄切りにしたものを乗せる。
サラダ油(適宜)とレモン汁(大さじ3)、チリソース(適宜)、ナムプラー(大さじ1)と砂糖(小さじ2分の1)と塩(適宜)を混ぜて作ったドレッシングで食す。
卵のスープ。
鶏肉とエビのゆで汁にナムプラーと塩で味を調えた後片栗粉でとろみをつけ、最後に余ったジャガイモの千切りと溶き卵を加えて完成。
食卓にご飯を並べ、待ちくたびれて横になってた竜樹さんを起こす。
「いただきます♪(*^人^*)」
タイ料理というと辛いものが多い気がしてたので、唐辛子の苦手な竜樹さんが食べやすいものを選んで作ってはみたものの、口に合うかどうかが心配。
「わぁ、これすんごい美味いわ♪」
竜樹さんは鶏肉とピーマンのスイートバジル炒めがいたくお気に召したらしい。
「冷房で冷えた身体にはちょうどいい」とスープも喜んでもらえる。
じゃがいものサラダは食感はお気に召したらしいけれど、ちょっとドレッシングが味気なかったらしく、和風ドレッシングに切り替えて食べておられた。
小食なる竜樹さんが沢山食べてるのを見て安心したからか、私自身はかくんと食欲が落ちた。
「夕飯作ってすぐに食べるのはしんどいやろ?休んでてええで?」
竜樹さんに進められるまま、横になっていた。
やがて食べ終わった竜樹さんが私の隣にやってきて、暫く二人でくっついている。
「ホンマ、霄ってかわいいなぁ(*^-^*)
ずっと俺の傍におるんやで?」
そう言って背中から抱きしめる竜樹さんの暖かさが体中に入り込んできて幸せな気分で一杯になる。
再手術に挑むまでの間、あと何回こうしていられるか判らないけれど。
ずっと傍にいて欲しいと思ってもらえる時間を少しでも沢山取れたらいいなぁって思う。
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