急転直下

2002年8月1日
昨晩友達にゲリラ的に電話をした後、何をするでもなく暫く起きていた。
あちらこちらの友達に送る物の荷造りもしなければならなかったけれど、何となく何をするでもなくだらりだらりと寝付けずにいた。
何か思うことがあったからではなく、単に部屋の温度が上がりすぎてて眠れなかっただけに過ぎないのだけど…
意識が落ちたと思ったら、あっという間に朝がきてしまった。


朝、ふとしたことから、今日がPLの花火大会の日だったことを思い出した。


…あれからもう2年経ったんやぁ


2年前の今日、竜樹さんと2人でバスツアーに参加して観に行った。
「手術の後のリハビリがしたいねん」という竜樹さんは、予てよりバスツアーを見つけ出して申し込んでいてくれた。
どうせなら浴衣を着ていこうと花火大会の前の週の週末に2人で浴衣を買いに行ったり、いろんな打ち合わせをして楽しい時間を過ごした。
当日はやたら蒸し暑い中、ナイアガラが正面に見える道路に陣取り、時折買い込んだ食糧を食べながらじっと花火が始まるのを待ちつづけた。
時折、激しい雨が降ったと思ったらいきなり近くに雷が落ちて目の前の世界が一瞬真っ白になったり。


…ナイアガラのクレーンに雷が落ちて、白昼ナイアガラが打ちあがってしまった(-_-;)


観に来てる人々と俄かに騒いでみたり、話してみたり、夜店で買い物をしたり、竜樹さんといろんな話をしたり。
花火が始まる前も始まってからもずっと楽しかった。
竜樹さんの体調はそれほどよくはなかったみたいだけど、時折身体を動かしに行きさえしたらなんとか持ち堪えられた。
花火が終わった後1kmほど離れた駐車場まで戻り、またバスに乗って地元に戻る。
花火会場の町を抜けるまでにものすごい時間がかかってしまい、結局自宅に帰り着いたのは深夜の2時を回っていたのだけど。
会社を休んで、思いっきり楽しんで。
こんな風に楽しい時間を場所は違えど、重ねていけるんだと思ってた。


…けれど。


今の竜樹さんの身体の状態でその当時と同じことをしたら、それこそ大事。
現地で動けなくなってしまう可能性だってある。
今週末は大阪と神戸で花火がある。
今年は大きな花火が同じ日に行われるから、多少例年よりは観やすいだろうと話していて、「体調がよかったら行こうね」って話をしていたけど…


よほど体調が良くなかったら、行くことは無理やろうなぁと思う。


別にどうしても花火大会に行きたい訳じゃない。
大小問わなければ、8月の終わり頃までぽつぽつと花火大会はある。
竜樹さんと一緒にいられる時間が取れるなら、イベントはおまけのようなものなのも確か。
けれど、一度も行けなかった時、また竜樹さんは抱え込むんだろうってことが判り切ってるから。

「行きたかったのに、どっこも行かれへんかった」という落胆と、「霄をどこにも連れて行ってやれへんかった」という自責と。

落胆を取り去ることができなくても、せめて自責だけは取っ払っておきたい。


「家にいても、外に出て遊びまわるのと同じくらい楽しいことはあるんだよ」


そんな想いを伝えられる何かを探し出したいなぁと思ってる。
日常で累積してる鬱屈が竜樹さんの前で出さずにいられたらと思ってる。
最近はどこにいても、そんなことをずっと考えている。
時折過去に思いをめぐらせながら、目の前に降ってくる仕事に今日も取り掛かろうと事務所に入ると、社員さんはみんな事務所を出て行く。

「何かあったかな?」と思いながら、人の流れについていくと社長とボスの訓辞が始まる。

…この時期になって、ようやっと寸志に限りなく近い賞与が出た。

先月の業績がよかったから出せたというよりも、ほとんど社長の気持ちだったようで。
額面云々よりも、これで竜樹さんにご馳走を振舞えるかもしれないということが嬉しかった。
それでも、会社の業績が悪いには違いはないから、時間中にいかに沢山の仕事を片付けるかを考えながら、いつものように時折ちゃちゃを入れてこられるボスに笑顔で応対しながら、目の前に降ってくる仕事をきりきりと片付けた。


よれっと会社を出ると、携帯にメールがひとつ。

…竜樹さんからだった。

「明日が花火だったっけ?
今日執刀医のとこに行ってきた。只今、散髪の順番待ち」

なるべく早く執刀医の先生には会いに行かないとダメだろうなぁという話はしていた。
ここ数週間ずっと体調が悪い体調が悪いと聞いていたので、行くのはもっと涼しくなってからになるんだろうなぁと思っていたけれど。
ひとまず、執刀医の先生に会いに行って散髪にも行けるのだから、今日はうんとこマシなんだろう。

大きな花火は明後日あるということ、寸志に近い賞与が出たことを報告するメールを飛ばしてみる。
すると、比較的早くお返事が帰ってきた。

「よかったねー。
ところで、日曜は遅れずに行けたぁ?
浮気は楽しかった出すかぁ?」

冗談が出るほど元気なのだと思うと嬉しくなって、日曜日にあったことを簡単にまとめてまたお返事を出す。

…でも、あの場所で話題になったことの詳細を書くと、あまり気分のいいものじゃないだろうなぁ

竜樹さんも私も大概いい年齢だから、「旦那に飽きたー」と話しておられる主婦’sの話には別に取り立てて衝撃受けたりはしぃへんやろけど、あらぬ疑いかけられても困るしなぁと思って大まかな話だけにとどめておいた。


電車を乗り換え、バスターミナルのある駅に着き、頼まれたお寿司の盛り合わせを買いに行く。


今日は金岡母の誕生日。
だから今日は家事なしデーにするべく、金岡母の一番の好物を買って帰ることに。
盛り合わせ5人前を注文し、出来る迄の間本屋で涼んで帰宅。
金岡父も早く戻ってきてて、家族(プードルさん含む)揃って寿司パーティ。
5人前のお寿司は、3人の胃袋に均等に収まった。


暫くリビングでプードルさんや猫と遊び、部屋に戻ってぼけっと過ごしていると、部屋の電話が鳴る。


…竜樹さんからだった。


何よりも先に、執刀医の先生とどんな話をしたかを聞いた。
いろんなものの数値は最後に診察してもらった時と殆ど違わないようで、もう一度手術をしなおすしか解決策はないだろうという結論に達した模様。

「で、何時頃になるんですか?再手術」
「もう予定日は決まってるねん」
「…いつなんです?」
「9月の真ん中頃やって」


…決まる時は案外早く決まるもんなんだ。

手術に纏わる諸々のことを思い起こしていると、

「だから、8月は遊ぼうなぁ」

竜樹さんは俄然張り切っておられる。

「無理はしなくていいよ」という私に、「否が応でも手術前になったら遊べなくなるんやから、今のうちに楽しまなぁ(*^-^*)」と竜樹さん。


自分の中でいろんなことに思いをめぐらせているのをよそに、私を取り巻く物事は容赦なく変わっていく。


…そろそろ、また気持ちを入れてなきゃならないね


急転直下でやってきた様々な出来事がこれからの自分をどう換えていくかは判らないけれど。
ひとまず、やって来た物事に対して精一杯向かってみようと思う。

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