どうかこれ以上…
2002年6月30日昨晩は竜樹邸を出る前に竜樹母さんとお話。
その後、タクシーを呼んで金岡邸に戻る。
家に帰ると、久しぶりのお友達からご連絡。
「どぼんの会」の貴重なメンバーだ(笑)
※「どぼんの会」:自分で自分のお庭(HP)なり、日記なりのカウンターのキリ番を踏んでしまいがち人の会。現在、細々と会員募集中。詳しくは3月19日付の日記で補足する…予定(^^ゞ
久しぶりなので近況報告や「どぼんバナー」を作る約束等をして、長く楽しいお話を終える。
横になって意識が落ちて、少しばかり心地よくなった頃。
とても嫌な夢を見て飛び起きる。
カーン様がブラジルの選手にゴールを抜かれる夢。
最悪の寝覚めにうんざりしながら窓を開けると、雨が降っていた。
…この雨、横浜でも降ってるのかな?
決勝戦の天気を気にしながら、お布団の上に座り込んでぼーっとしてると、金岡母に呼ばれて買い出しの手伝いに繰り出すことになる。
休みの日のスーパーは人が多すぎてうんざりするので、金岡家の面々は休みにはスーパーには行かないことにしているけれど、今日は滅多に安くならない商品の特売。
…それは、金岡家愛用のインスタントコーヒー(笑)
ここでも性格が出るようで。
一番堂々としてるのは所帯主の金岡母。
世帯主の金岡父と私はコーヒーだけを買うのがしのびなくて、何かしらちっさな商品を追加して買ってる。
あと、私と金岡母は目当てのものだけを探して精算を済ませるけれど、金岡父は食材を見て歩くのが楽しいらしく、いつまでたっても精算を済ませることなく、売り場をちょろちょろしている。
3人3様の買い物の光景をしばし笑顔で眺め、家に帰って食材の整理をしたあと、プードルさんと遊んだり、部屋で休んだりする。
気圧の関係なのか、頭が痛いので横になっていると、下から大きな声で呼ばれる。
…どうやら、私は閉会式を寝っとばしてしまったらしい。
お姉さまとの約束では、決勝トーナメントの試合だけを録っておけばいいとのことだったので、大して気にはならなかったけれど。
進んでいくセレモニーを見て、「あぁ、これで終わるんだなぁ」と思ったり、これから始まる決勝戦に選手でもないのに緊張してみたり。
…カーン様を拝むのも、これが最後なんだよなぁ(ノ-;)
W杯が終わってからも、ブンデスリーガでは引き続きプレーを続けられるので、最後ではないのだけど。
カーン様がよほど強い意志をお持ちか、チーム的に4年後の彼の力を必要としない限りは恐らく今回が最後のW杯と考えるのが妥当な線だろう。
私が札幌まで追いかけていった人の、今大会最後のプレーをちゃんと観たいと思った。
そして、いろんな人たちから「運だけで勝ちあがったチーム」だとか「プライドのない代表」とかって言われ続けてた、このメンバーで優勝して欲しいと願った。
セレモニーも終わり、決勝戦の放送前に自室に戻り、レプリカに着替えて、机の上の珂庵にお願いする。
そして、決勝戦を見るべくリビングに舞い戻る。
横浜は雨。
一瞬やんでるようにも見えるけれど、細かい雨が降っている。
雨が降るとボールが走る分、ボールコントロールに長けたブラジルが有利だといわれてるけれど、私はカーン様とカーン様のチームを信じようと思った。
…守り抜こうとする思いが、形を成すことだけを信じたいと思った。
今大会7回目のドイツ国歌。
ヘンな話、ドイツ国民でもないのに、この国の国歌を聞くと震えが来るような感覚に陥る。
それこそ今のドイツ国歌の歌詞の意味も知らず、そのメロディにどんな歴史や経緯があったかを詳しく知ればそんなこと言えよう筈もないのかもしれないけれど。
それでも、そのメロディとカーン様の表情がぴたっと来る瞬間が、とても好きだ(*^-^*)
ぼけっと、だけど心の目を閉じないように、試合に入っていく。
今日はそうそう簡単には勝たせてもらえないと知りながら、それでも勝ってくれることを信じて…
前半戦はドイツ優勢の試合運び。
コーナーキックも多いし、相手サイドにボールを持ち込む機会も多い。
けれど、どうにも決定打に欠ける。
ディフェンダーやキーパーに阻まれたり、ゴールポストに泣かされたり。
いい攻めを見せながら決定打に欠ける様子に、
「こういうのがヤバいんだよね。攻めても攻めても点にならなくて、攻め疲れた頃に相手に点を入れられて負けるパターン。今回の大会多いじゃない?」と金岡母。
…嫌な予感がした。
確かに母が言うのは正しい。
果敢にゴールに挑んでいても、どういう訳かゴールに嫌われる瞬間がある。
それが続いてくると、攻めてる選手も疲れてくる。
そしてぽーんと相手にチャンスを奪われ、点も奪われるパターン。
それで何チーム泣いただろう?
不安はよぎっていくけれど、それでも必死に自陣を守り続けるカーン様。
何度も何度も危ない場面をカーン様が救っていく。
ディフェンダーも必死になってカーン様を援護する。
攻撃陣もなかなかチャンスを物に出来ないとは言え、懸命に相手ゴールを狙っていく。
ブラジルの選手とカーン様がちょっとした接触で、小競り合いになりそうになった時、前半終了のホイッスルが鳴る。
主審のコリーナ氏に何か怒りながら話してるカーン様。
…後半ヘンな展開にならないといいけれど、
その不安は的中する。
後半に入って、ブラジルのコーナーキックの時、カーン様がボールをキャッチした際、ブラジルの選手のスパイクと接触。
今大会、あまり辛そうなお顔をなさらなかったカーン様がとても痛そうな表情を見せる。
…もしかして、怪我した?
暫くすると右手を手当てしてもらってるカーン様が映る。
「この状態で、大丈夫なのかな?」と思った途端、リバウドのシュートを止めたカーン様の手から零れたボールをロナウドが蹴り込む。
5試合ぶりの得点は奇しくも決勝戦。
ドイツが攻めあぐねてる上に、あと20分もない時間帯。
悔しそうなカーン様を見てると、嬉しそうに笑ってるロナウドの表情はすんごいむかつくけれど。
勝負ってのはこんなもんなんだろう。
その後も、ブラジルの攻撃は緩まることはない。
またロナウドにゴールを奪われ、そのままドイツは1点も取れないまま終わってしまった。。
喜ぶブラジルチーム。
倒れ込みもせず、涙も見せず、ただまっすく前を見据えてるカーン様。
誰が慰めに来ようが、カーン様の姿勢が変わることはない。
誰が悪かったわけじゃない。
もちろんカーン様が悪かったわけじゃない。
だけど、この人はきっと自分を責めつづけるのだろう。
4年後、自国で優勝するその時まで…
涙が出そうになるのを、必死で堪えた。
「あの人たちはもっと強くなるよ。だって、これほどまでの屈辱を味わったんだから」
金岡母のその一言だけが救いだった。
ワールドカップの授与式を見るのも辛くて、準優勝のメダルの授与を見た後、自室に戻った。
そして、一人で泣いた。
自分の国の選手でもなければ、自分がプレーしたわけでもないのに。
涙が止まらないのは、守りたいと希ったものを守りきれない辛さが胸に痛いから。
事情は違えど、その無念を抱えて歩きつづけるものの傍にいて痛いほどそれを感じながら生きているから。
「英雄と役立たずは紙一重だ」
事実ではあったとはしても、そんな言葉で彼がどうかこれ以上自分を責めませんようにと願いながら、暫く涙が落ちるに任せた。
カーン様のように涙を見せずに前を見据えることは、今はまだ出来そうにもなかった…
その後、タクシーを呼んで金岡邸に戻る。
家に帰ると、久しぶりのお友達からご連絡。
「どぼんの会」の貴重なメンバーだ(笑)
※「どぼんの会」:自分で自分のお庭(HP)なり、日記なりのカウンターのキリ番を踏んでしまいがち人の会。現在、細々と会員募集中。詳しくは3月19日付の日記で補足する…予定(^^ゞ
久しぶりなので近況報告や「どぼんバナー」を作る約束等をして、長く楽しいお話を終える。
横になって意識が落ちて、少しばかり心地よくなった頃。
とても嫌な夢を見て飛び起きる。
カーン様がブラジルの選手にゴールを抜かれる夢。
最悪の寝覚めにうんざりしながら窓を開けると、雨が降っていた。
…この雨、横浜でも降ってるのかな?
決勝戦の天気を気にしながら、お布団の上に座り込んでぼーっとしてると、金岡母に呼ばれて買い出しの手伝いに繰り出すことになる。
休みの日のスーパーは人が多すぎてうんざりするので、金岡家の面々は休みにはスーパーには行かないことにしているけれど、今日は滅多に安くならない商品の特売。
…それは、金岡家愛用のインスタントコーヒー(笑)
ここでも性格が出るようで。
一番堂々としてるのは所帯主の金岡母。
世帯主の金岡父と私はコーヒーだけを買うのがしのびなくて、何かしらちっさな商品を追加して買ってる。
あと、私と金岡母は目当てのものだけを探して精算を済ませるけれど、金岡父は食材を見て歩くのが楽しいらしく、いつまでたっても精算を済ませることなく、売り場をちょろちょろしている。
3人3様の買い物の光景をしばし笑顔で眺め、家に帰って食材の整理をしたあと、プードルさんと遊んだり、部屋で休んだりする。
気圧の関係なのか、頭が痛いので横になっていると、下から大きな声で呼ばれる。
…どうやら、私は閉会式を寝っとばしてしまったらしい。
お姉さまとの約束では、決勝トーナメントの試合だけを録っておけばいいとのことだったので、大して気にはならなかったけれど。
進んでいくセレモニーを見て、「あぁ、これで終わるんだなぁ」と思ったり、これから始まる決勝戦に選手でもないのに緊張してみたり。
…カーン様を拝むのも、これが最後なんだよなぁ(ノ-;)
W杯が終わってからも、ブンデスリーガでは引き続きプレーを続けられるので、最後ではないのだけど。
カーン様がよほど強い意志をお持ちか、チーム的に4年後の彼の力を必要としない限りは恐らく今回が最後のW杯と考えるのが妥当な線だろう。
私が札幌まで追いかけていった人の、今大会最後のプレーをちゃんと観たいと思った。
そして、いろんな人たちから「運だけで勝ちあがったチーム」だとか「プライドのない代表」とかって言われ続けてた、このメンバーで優勝して欲しいと願った。
セレモニーも終わり、決勝戦の放送前に自室に戻り、レプリカに着替えて、机の上の珂庵にお願いする。
そして、決勝戦を見るべくリビングに舞い戻る。
横浜は雨。
一瞬やんでるようにも見えるけれど、細かい雨が降っている。
雨が降るとボールが走る分、ボールコントロールに長けたブラジルが有利だといわれてるけれど、私はカーン様とカーン様のチームを信じようと思った。
…守り抜こうとする思いが、形を成すことだけを信じたいと思った。
今大会7回目のドイツ国歌。
ヘンな話、ドイツ国民でもないのに、この国の国歌を聞くと震えが来るような感覚に陥る。
それこそ今のドイツ国歌の歌詞の意味も知らず、そのメロディにどんな歴史や経緯があったかを詳しく知ればそんなこと言えよう筈もないのかもしれないけれど。
それでも、そのメロディとカーン様の表情がぴたっと来る瞬間が、とても好きだ(*^-^*)
ぼけっと、だけど心の目を閉じないように、試合に入っていく。
今日はそうそう簡単には勝たせてもらえないと知りながら、それでも勝ってくれることを信じて…
前半戦はドイツ優勢の試合運び。
コーナーキックも多いし、相手サイドにボールを持ち込む機会も多い。
けれど、どうにも決定打に欠ける。
ディフェンダーやキーパーに阻まれたり、ゴールポストに泣かされたり。
いい攻めを見せながら決定打に欠ける様子に、
「こういうのがヤバいんだよね。攻めても攻めても点にならなくて、攻め疲れた頃に相手に点を入れられて負けるパターン。今回の大会多いじゃない?」と金岡母。
…嫌な予感がした。
確かに母が言うのは正しい。
果敢にゴールに挑んでいても、どういう訳かゴールに嫌われる瞬間がある。
それが続いてくると、攻めてる選手も疲れてくる。
そしてぽーんと相手にチャンスを奪われ、点も奪われるパターン。
それで何チーム泣いただろう?
不安はよぎっていくけれど、それでも必死に自陣を守り続けるカーン様。
何度も何度も危ない場面をカーン様が救っていく。
ディフェンダーも必死になってカーン様を援護する。
攻撃陣もなかなかチャンスを物に出来ないとは言え、懸命に相手ゴールを狙っていく。
ブラジルの選手とカーン様がちょっとした接触で、小競り合いになりそうになった時、前半終了のホイッスルが鳴る。
主審のコリーナ氏に何か怒りながら話してるカーン様。
…後半ヘンな展開にならないといいけれど、
その不安は的中する。
後半に入って、ブラジルのコーナーキックの時、カーン様がボールをキャッチした際、ブラジルの選手のスパイクと接触。
今大会、あまり辛そうなお顔をなさらなかったカーン様がとても痛そうな表情を見せる。
…もしかして、怪我した?
暫くすると右手を手当てしてもらってるカーン様が映る。
「この状態で、大丈夫なのかな?」と思った途端、リバウドのシュートを止めたカーン様の手から零れたボールをロナウドが蹴り込む。
5試合ぶりの得点は奇しくも決勝戦。
ドイツが攻めあぐねてる上に、あと20分もない時間帯。
悔しそうなカーン様を見てると、嬉しそうに笑ってるロナウドの表情はすんごいむかつくけれど。
勝負ってのはこんなもんなんだろう。
その後も、ブラジルの攻撃は緩まることはない。
またロナウドにゴールを奪われ、そのままドイツは1点も取れないまま終わってしまった。。
喜ぶブラジルチーム。
倒れ込みもせず、涙も見せず、ただまっすく前を見据えてるカーン様。
誰が慰めに来ようが、カーン様の姿勢が変わることはない。
誰が悪かったわけじゃない。
もちろんカーン様が悪かったわけじゃない。
だけど、この人はきっと自分を責めつづけるのだろう。
4年後、自国で優勝するその時まで…
涙が出そうになるのを、必死で堪えた。
「あの人たちはもっと強くなるよ。だって、これほどまでの屈辱を味わったんだから」
金岡母のその一言だけが救いだった。
ワールドカップの授与式を見るのも辛くて、準優勝のメダルの授与を見た後、自室に戻った。
そして、一人で泣いた。
自分の国の選手でもなければ、自分がプレーしたわけでもないのに。
涙が止まらないのは、守りたいと希ったものを守りきれない辛さが胸に痛いから。
事情は違えど、その無念を抱えて歩きつづけるものの傍にいて痛いほどそれを感じながら生きているから。
「英雄と役立たずは紙一重だ」
事実ではあったとはしても、そんな言葉で彼がどうかこれ以上自分を責めませんようにと願いながら、暫く涙が落ちるに任せた。
カーン様のように涙を見せずに前を見据えることは、今はまだ出来そうにもなかった…
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