夜の海を越えて…

2002年6月28日
昨日の晩はすぐに眠ってしまって、朝少し早く目が覚めた。
夜に出来なかった日記のノート書きをしてあげた後、廊下で会った金岡母に言われた。

「さっきニュースでカーンのインタビューやってたわよー
試合の時と違って、随分穏やかな感じの人よねってお父さんとも話してたのよー」


……………/( ̄ロ ̄)\ !


私がくだらないノートを書いてる間に、テレビにカーン様が…
そう思うとすっかりへこんでやる気が萎えてしまって、家を出るのが遅れる。
慌てて坂道を駆け下りる。


今日は月末。
否が応でも忙しくなるべき日だけれど、もしも今日も暇だったらかなりヤバいよなぁと思いながらびくびくとしている。
忙しすぎても暇すぎても文句垂れ流してる自分が嫌でならないけれど…

どこでモチベーションの上げ方を落っことしてきたかなぁと不思議な気持ちで社屋に入る。


…予想を反して、月末の癖に暇。

確かに、今日は仕事が終わった後、相棒と食事会、その後は竜樹邸にお泊り。

忙しくないなら忙しくないに越したことはないとはいえ、あまり暇だと今後のことで頭が痛くなりそうで嫌。

そう言いながら、全ての仕事が片付いた後、少しばかり時間を貰い、また夕方からのフローに取り掛かる。

ここまでは気持ち悪いくらい順調だったけれど、最後の最後でトラブル発生。
帰る間際に、「これ、月曜日出荷したいんですけどぉ…」


………(゜д゜)


とんでもない時間から、書類の督促を親会社にする羽目になる。


ところが親会社の人もまた呑気で、定時を10分以上過ぎてからでんでろりとファックスを送ってくる。
仕方がないのでファックスが来るまで待って、必要な書類を組んで担当者に渡して会社を後にする。

…結果、相棒を30分近く待たせる羽目になった。


待ち合わせ場所に着いた相棒、開口一番「私、今日はここの店に行きたいねん」
連れて行かれた先は「神戸にんにくや」

「明日休みだからいいでしょ♪」

…「いやぁ、私、この後竜樹邸に行くんだけど…」と言う間もなく、ずるずると引きずられていく。


「臭かったらごめんね、竜樹さんm(__)m」と心の中でひと謝りして、お店に入る。


「いらっしゃいませぇぇぇぇぇ!(^○^)」


店員さんの妙に高いテンションにいきなりびびる。
どうやら、店に入ってから出て行くまで、店員さんはずっとハイテンションのまま応対してくれる模様。

「…私さ、これは究極のサービス業だと思うのよ(-_-;)
とてもやないけど、私1時間ももたへんわ」

相棒もサービス業経験者だけれど、ここで働くのは無理らしい。
すごいテンションで叫びまくる店員さんを他所に、2人でメニューを睨み、次々と料理を注文していく。

ほうれん草とカリカリベーコンのサラダ、ゆず豆腐のサラダ、たこのガーリックから揚げ、明石たこのマリネに牛タンのカルパッチョ、トマトとニンニクのパスタ、鶏のカリカリ揚げ4種ソース添え…(名称はちょっとうろ覚え)

2人とも外に出ると飲みより食べがメインなので、どんどん注文していく。
料理を食べながら、テレビの話からW杯の話、漫画の話と話題はどんどん広がっていく。
恋愛話も出てくるけれど、こないだほど竜樹さんのことは追及されなかった。
それは少しずつではあるけれど、ちゃんと現状を打開するべく話をしてることを伝えているから。
ともあれ「霄ちゃんに任せる」とのことで、暫く様子を見てくれるそう。
ほっとしながら、相棒のマシンガントークにあわせて話しつづける。

デザートにゴマアイスと、甘夏のムースを食べ、まだ喋り、気がつくと23時。


そのまま駅へ向かう。


竜樹邸に行くのであれば、相棒とは別ルートの電車に乗らないといけない。
ただ比較的遅くまで平日は電車があったような気がしたのと、引き続き相棒と話しつづけていたくて、少し遠回りをして竜樹邸に向かうことにした。

相棒と別れ、終点で乗り換えて竜樹邸へ向かうけれど、竜樹邸の最寄の駅方面に行く電車がなくなってしまった。
ちょうど竜樹邸の最寄駅へ向かうための中継の駅で電車はおしまい。
そこで途中下車して、タクシーで竜樹邸に向かうことにする。

…タクシー乗り場はすごい人だかり(/||| ̄▽)/


一体いつになったらタクシーに乗れて、いつになったら竜樹邸に辿り着くのか見当がつかない。
ひとまず、何処にいててどんな状態で、とりあえず遅くなるということだけ竜樹さんにメールを送る。

「わかった」

一言返ってきたので、安心してタクシーを待ち続ける。
10分ほどして、タクシーはやって来た。


あまりに沢山にんにく料理を口にしたので、きっと臭いだろうとなるべく口を開かないようにして、窓の外の景色を眺めていた。
外はまるで黒い海のよう。
そこを無数のヘッドライトが同じ方向に向かって進んで行く。

…まるで、回遊魚を見てるみたい。

にんにく料理に頭をやられたのか、それとも単にお疲れが激しいのか。
柄にもなく、詩的なものの見方をしてる。


ぶつっと押し黙ってる私にタクシーの運転手さんが話し掛けてくる。
飲みの話、会社の話、休日の話。
定年を過ぎた後も働いておられる運転手さんの話は妙に楽しくて、うっかりすると竜樹邸までの道案内を忘れてしまいそうになる。

けれど、その辺は運転手さんの方がやっぱりしっかりしてて、ちゃんと竜樹邸の近くまで送り届けてくれた。


暗い夜道をとてとて歩いて、竜樹邸に入る。

「お疲れやのに、よぉ来てくれたなぁ♪(*^-^*)」

そう喜んで、おいでおいでしてくれるけれど、近くに寄った瞬間、

「霄ぁ、いくらなんでも臭いぞ、それはー。。゛(ノ><)ノ 」
「にんにく料理食べてきたってメール入れたじゃないですか?
だったら来ない方がよかったですかぁ?」
「そんなん言ってないけどさぁ…」
「そしたら、今日は別の部屋で休みましょうか?」
「別にそんなんせんで、ええけどさぁ…」

と言いながら、臭い消しに多少役立つといわれるミルクをコップ一杯に注いで持ってこられる。
それを黙々と飲み、今日の話をする。


暫くして、「2階で休もっか」という話になって、布団を抱えて移動。
寝る支度をして、横になる。
取り留めない話をしてるうちに、20日の深夜に険悪な雰囲気になった時、

「…なぁ、霄。こないだ言ってた『頼まれたものを渡すのと引き換えに、話したいことがある』って言ってたん、何やったん?」

大まかなことは先週末に聞いて確認してたから、それでお終いにするつもりだったけれど、彼の中ではそれはまだ終わってなかったらしい。

「あぁ、あれね…」


取り留めない調子でまた話が始まる。


夜の海を越えたところにあったのは、私の言葉を覚えていてくれた竜樹さんという名の陸地。


そこで今の自分の想いを語ろう…


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