お日様の力

2002年6月8日
昨夜、また懲りもせずドイツ・カメルーン戦のチケット獲得のためWCSにアタックしてる時に竜樹さんから電話が入る。
ひとまず、今週はひとつ大きな問題が片付いたそうで、幾分気持ちが楽になったとのこと。
「明日晴れたら、出かけられるといいね」と話して電話を切った。
それからなかなか寝付けずにいたけれど、明日はなるべく竜樹邸に早く入らないとと思っていたので、目覚ましをセットしてひとまず横になる。


目覚ましが鳴ってひとまず起き上がって暫くは動いていられたけれど、どうにもこうにも頭が痛くて仕方がない。
それに耐えかねて横になったのが悪かった。

…気がつくと、あと1時間でお昼だった。


ひとまず竜樹さんに電話すると、もう既に外に出られてるとのこと。
私が竜樹邸に到着する頃はまだ竜樹さんは出先だろうとのことでゆっくりめのスタートで落ち着く。
用意してる途中にゴージャスなお姉さまからメールが入り、「WCSに入れた時にドイツ・カメルーン戦のチケットが出てたら、買っておこうか?」と申し出てくれたけれど。

…そう言えば、6月10日の週は相棒と出かける約束してなかったっけ?

嫌な予感がしたので、すぐさま相棒に電話。

「ねぇ、『カルテ』11日やった?13日やった?」
「11日やけど?」

…/( ̄□ ̄)\!

いきなり力が抜けてしまった。
「ドイツ・カメルーン戦に行こうかなって思っててん、その日」とはさすがによう言わないのでり、折り返しお姉さまに「取ってくれなくていいです」メールを送る。

…本当は、ドイツ戦にもう一度行きたかったんだけどなぁ

ただでさえ出遅れているのに、すっかり竜樹邸に行く気力をなくしてしまった。

それでも、「行きます」と言った以上は仕方がない。
金岡家の昼食の準備をし、金岡母から言付かったものを提げて家を出た。


外は日差しが強い上に蒸し暑くて。
「もう少し早く出ればよかった」とひたすら後悔。
重度の低血圧とはいえ、ここまでくればただのダラダラ病と変わらない。
ため息をつきながら、痛む頭を抱えて電車を乗り継ぎ、竜樹邸に辿り着く。
駐車場を見ると、竜樹カーはある。

…あ、帰ってきてはるんや。

慌てて竜樹邸に行くと、少し日に焼けて赤い顔をした竜樹さんがいた。

「暑いのに、ご苦労さん♪」

機嫌がいいのでどうしたのか聞いてみると、少し遠出して散歩してきたとのこと。
長距離を歩くとやっぱり後は背中が痛むらしいけれど。
一時に比べたら、いい傾向だと思うと嬉しくなる。
コーヒーを飲みながら、W杯の話をしたり、電話では話せなかった話に興じる。

「今日はどことどこがやるんでしたっけ?」
「18時頃からイタリア・クロアチア戦と20時頃からブラジル・中国戦があるで?」

それまでは野球中継を見たり、チャンネルをぱちぱちと変えてはテレビを眺めながらお話する。
そのうち竜樹さんが横になったので、キッチンか2階の部屋の掃除でもしようかと思うと、
「おいでー」と竜樹さん。
竜樹さんの近くにちょこんと座ると、触れてくる。

「今日は来たのが遅かったから、サッカー始まるまで掃除しとかないと。
サッカー終わったら食事食べに出かけるでしょ?」

「今日は外に食べには出れそうにないから、散歩帰りに買ってきた食材でご飯を作ろ。
掃除はそんなにたくさんやらんでええし…」

「お触りはなしですよ?」

「…え?あかんのん?」

そう言いつつ、一向に触れるのをやめないどころか、そのまま受け渡しにもつれこんでいく。

…なんだか、いつでもいろんなことをこれで誤魔化されてないか?

そう思う自分は確かにいるのだけど、竜樹さんの熱が判断を狂わせるのか。
それとも、そう思う感情ごとどうでもいいものなのか。
やるせなさや切なさや、愛しさすらぐちゃまぜになった想いの受け渡しは進んでいく。
何かの感情に任せるわけでもなく、ただシンプルな想いの束を分け合うように、時間ごと預け預けられる。


抱き寄せられて少しばかり眠りそうになっていると、ブラウン管からスタジアムの音がする。
慌てて首を動かすと、「興味のある番組やってると、お前すぐそっち見るからなぁ」呆れたような竜樹さん。
それでも向き直った私の身体に触れることはやめてないので、本気で怒ってはいないのだろうけれど。

「これがドイツ戦でなくてよかったね」
「確かにカーン、カーンうるさいもんなぁ」
「みんな、カーン様のこと『ゴリラ顔』って言うねん。
失礼しちゃうわぁヽ(`⌒´)ノ」
「…俺かって、ゴリラ顔やん。骨格的には」

「だから、カーン様の顔が一番好きだって訳じゃないねんてヽ(`⌒´)ノ」と反論しようとしたら、自分で自分の目の上の方の骨を指して、「俺ってここんとこ高いやろ?だから殴られたらすぐ切ってまうんやぁ」などあれこれとゴリラ顔的骨格の話を一生懸命ご自分の顔の骨格を捕まえてなさってる。
久しぶりに見たそんな姿に、思わず笑ってしまった。

「よかったね♪カーン様とお揃いのゴリラ顔で♪
少なくとも私には好かれてるやない?」
「そやなぁ」

先週までの空気とは信じられないくらい穏やかなる空気に少しばかり戸惑いつつも、やっぱりそんな空気がいとおしくて。
ただ竜樹さんにへばりついて、サッカーを観ていた。
結構白熱した試合だったから、「やっぱり現地まで観に行きたいなぁ」というと、「現地やったら、そんなカッコして見てられへんやん、家で観るのが一番やで」と不敵な笑いの竜樹さん。

…(/-\*)

自分のカッコを見返して、照れもしたけれど。
それから少しして、夕飯の準備に取り掛かる。


今日の夕飯は簡単メニュー。
イカそうめんと冷奴、焼き鳥、インゲンの胡麻和えという簡単(下手すると酒の肴)メニュー。
2人で仲良く食べ、後片付けして、また触れ合って。
さて自力で帰ろうかと言う時になって、「今日はバスに乗るの、待ってくれへんかなぁ」と竜樹さん。
少々力仕事入ってるような用事があったから、「傍にいて欲しい」って想いからそう言ったのではないのだろうけど。
結果的にいつもよりも長く竜樹さんと一緒にいられたし、瀕死のお魚を救うお手伝いもできたし、これでよかったのかもしれない。
お手伝いがあったとはいえ、家に送ってもらうのなんて久しぶり。
それだけ今日は竜樹さん、元気なんだろう。
それが一番嬉しい。


…お日様に当たるって大事なんだなぁ


竜樹さんの元気な姿を見て、そう思った。


来週は早く起きて、一緒に出かけられたらいいな。

…お日様の力を、2人で共有できたらいいなって思った。



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