前向きなる気質

2002年6月6日
昨日は竜樹さんと話した後、別段何をするでなくそのまま寝てしまった。
ドイツ・カメルーン戦のチケットを取るべく、チケットサイトのへたれサーバーと格闘するつもりでいたけれど、それも埒があかなさそうなのでやめてしまった。
ドイツ戦にどっぷり入り込んでいたせいか、よく眠れた。


けれど、朝起きあがると足元がふらつく。

…ヤバいかもなぁ(-_-;)

何となく休んでしまいたい衝動には駆られるけれど、もしドイツ・カメルーン戦のチケットが取れたら急遽休むことになるかもしれないからと、有り得そうにもないことを想定しながら、自分自身を宥めながら家を出た。


移動途中に恒例の朝メール投売り大会を展開するけれど。
昨日1日感じたことをメールして飛ばしてから、何となく気持ちが沈みこむような感じが取れないまま会社に向かう。


…自分がどういう状態であっても、それは他人様には関係ないことだぜ?


ともすると忘れがちなことを、再度自分に言い聞かせながら社屋に入る。


事務所に入って開口一番、ボスが声をかけてくる。


「金ちゃぁ〜ん、カーンがキーンとやられたなぁ」

…ヽ(`⌒´)ノ^┻━┻

何のことはない、昨日のドイツ・アイルランド戦のことである。
(注:後半のロスタイムで、アイルランドのロビー・キーンがシュートを決めてドローに持ち込んだという結果を踏まえてのツンドラギャグ)


私が札幌までドイツ戦を観に行ったこと。
その一番のお目当てがカーン様だったこと。
ボスは、連日のW杯関係の話題の中で知りえたことを踏まえた上で、昨日のドイツ・アイルランド戦を観戦なさった模様。


「カーンって、眉毛ないしごつい顔してるし、何かかっこいいって言うより怖いおっさんって感じやないか。
金ちゃんはあんな顔が好きなんかぁ?」

「違います!」

即答してしまった。

…あぁ、カーン様ごめんなさい。お顔が嫌いなわけではないのです。
ついでに言うなら、竜樹さんもごつい系顔の人です(爆)

竜樹さんには謝らずにカーン様に対して心の中で謝り倒す金岡霄。


「じゃあ、カーンのどこが好きやねん」
「プレースタイルですよ。プレーにおけるメンタルな部分も含めて」
「…あぁ、なるほどな。それやったら判るわ」


…一体この人、何が判ったというのだろう?


にこにこと「うんうん」と頷いてるボスを横目に見ながら、仕事を始める。


…カーン様は自分の後ろにいてくれるだけで、「頑張るぞ」って気になるんだよね。


意思が強いのと押しが強いのは次元が違うものだと私は思ってる。
確かに私は、強い意志を持っている人が好き。
場を読めずに(読まずに?)ただ闇雲にがんがん押してくる人は、かなり苦手。

何かを目指して、意思を通していける人。
その傍にいてて、「あ、この人とおったら大丈夫」って根拠レスでもそんな空気が感じられる人。
そういう人には非常に弱い。


何度も何度も襲う逆風を、ただ自らの意思で覆していける人。
逆境を覆すに足りる流れを呼び込む意思のある人。

確かに、そういう人を探す方が難しいのかもしれないね。


…そんなんだから、ボスに「金ちゃんを御せる男を捜すのは、鳥取砂丘で落とした指輪を探すより難しい」って言われるんだけど(-_-;)


そんな風に意識は仕事から少しばかり脱線している状態。
何とか意識を仕事モードに戻そうと一人であたふたしていると、同僚さんが先日の健康診断の結果を配り始める。


「…やー、ボスさん♪お呼び出しですかぁ」
「ほっといてください。社長かって呼び出し食らわないだけで、もうガタガタやないですか?」
「俺は健康そのものだぜー」


まるで子供の言い合いみたいな会話が事務所の端と端とで展開。
やがてその渦に巻き込まれるように、私も含めて事務所中が暫く健康診断の結果を見比べてがやがやと話し出す。


…なんか平和な光景だよなぁ。


ここのところ会社で日記の下書きが出来るほどにまで仕事が減ってきてて。
それこそ「いよいよヤバいんちゃうか?」なんて話が飛び出すかの今日この頃だというのに、やれコレステロールが高いから運動しろだの、肝数値が高いから酒は控えろだの、健康問題の話ばかりで盛り上がる。

時折かかってくる電話で一旦は会話が切れるけれど、電話がひと段落するとまた検診結果で盛り上がる。


このところ鬱々モードな心には、丁度いい環境のまま午前中の仕事を終えた。


昼休み、メールを打とうと携帯を握り締めるとボスが話し掛けてくる。
それに応対すべく、携帯を置いて受け答えする。


朝と同じように、W杯の話題になる。
ドイツ・カメルーン戦に行きたいという話をすると、「もう札幌で十分やろ」とボス。
「日本で観れるのはそれが最後なんですよ」と返すと、「韓国まで行ってこいや」とボス。

「そんなん、海外に一人旅なんて、今度こそ両親が許しませんよ。
さすがに私にもそんな勇気はありませんしね」と返したら…


「金ちゃんは何処へ行っても、ちゃんと歩いていけるでぇ。
周りの人が思うほど誘惑に負けて、道を外したりはせぇへんってわしは思うで」


…そなんかなぁ?


竜樹さんから私を見ると、頼りなくて仕方なく見えるみたいなのに。
一体ボスは私の何を見てそんなん思うんやろ?

ちょっとした疑問なんだけれど、聞き返すには会話の移り変わりが速すぎて、結局聞けずじまいだったけれど。


そうして昼からも仕事はずっと暇なまま、またしても日記の下書きをして時間を過ごし、定時に会社を出る。


…今日ボスと話したことを思い返しながら、気づいたこと。


私が好きな人物像は、きっといつかなりたい姿のかけら。
私の好きな気質の持ち主に大切にされたい自分は確かにいるけれど、それと同じくらいそんな人になりたいと思う自分がいる。


誰かにとって、大切な人にとって。
そこにいてるだけで、「あぁ、こいつがいたら大丈夫や」とか「頑張ろう」って思える何かを渡せるなら。
きっともう少しだけ、こんな自分でも好きにはなれるのかもしれないね。


心に眠りし欠乏感も自分に対する失望感も未だ癒えることはないけれど。
それでも、大好きな人の気質のかけらを少しずつ分けてもらいながら、なりたい自分に近づけたらいいなと思う。


…そんな前向きなる気質について、思いを馳せた穏やかな1日。


コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索