隣にある暖かさ

2002年3月22日
今日も外は雨が降っていた。

昨日も風が強い上に雨が降っていたから、竜樹邸に泊まりに行くのを延期してしまったけれど。
せっかく有給を取ったのに、今日も延期にするわけにはいかない。
金岡母にアリバイ工作(笑)をして、雨の中家を出る。

…きっと今日も体調悪いんだろうなぁ

ぽつりぽつりと鈍色の空から降ってくる雨粒を見つめて、ため息一つ。


「竜樹邸に泊まりに行く」という話をした時、「いつもとは違うことがしたいなぁ」と竜樹さんは言っていた。
週末はいつも私が遅くまで寝てるせいで、どうしてもスタートが遅れる。
その加減で竜樹さんが家で用事をしないといけない時間に私が竜樹邸に入ることになり、結果的にじゃれっこをしてご飯を作って食べて家に帰るというパターンが出来上がってしまってる。
竜樹さんにしてみると、一日中竜樹邸から出られないような状態になってしまう。
だから、私が家に帰る時間を気にしなくてよい日くらい、日の高いうちに出かけたり、夜遊びに出たりしたいなぁと思っていらっしゃるよう。
竜樹さんの体調さえよければ、これはまたとないチャンスだけど。

…雨なんて降られたら、竜樹さんの体調がいいはずがない。


どうしたものかなぁと考えながら、時折友達にメールを飛ばしながら移動を続けた。


竜樹邸に入ると、竜樹さんは横になってた。
相変わらず「朝から何も食べてない」とのことだったので、荷物を置いて卵うどんを作った。
それに冷蔵庫に残っていた惣菜を何品か温めなおして、食べてもらった。

「ちゃちゃっと作った割に、おいしいやん?うどん(*^_^*)」

しんどそうな中にも、笑顔が出たのが嬉しかった。
後片付けをしてから2階に移動。
2階の窓際にあるベタの水槽を眺めながら話をする。
赤ちゃんベタの水槽の中には大きな貝が1匹、のたのたと側面についた苔を食べている。
隣の親ベタの水槽をふと見ると、小さな虫のような貝のようなものがちょろちょろしてる。

「これって?」
「あ、これなぁ。どうやら貝が卵を産んだらしくてな、気が付いたら孵っててん」

確かによく見ると、ちゃんと貝殻をしょってる。
親の貝よりも機敏にちょろちょろしては側面の苔を食べてる模様。

「貝が卵から孵ったのなんて、はじめて見たよぉ」
「俺もはじめて見たわぁ」

なんともいい加減な飼い主の下で、魚やら貝やらが孵っては水槽を賑やかにしている。
不思議と長時間水槽を眺めてても退屈せず、気が付いたら竜樹さんは横になっていた(笑)
ちょっと寒そうにしてたからお布団にもぐりこんでくっついてると、じゃれっこモードが発動した模様(//^//)ゞ
そのまま互いを受け渡す行為にシフトしていく。

先週ヘンな形で受け渡しがブチ切れてしまったからなのか、体調が悪くて気持ちが不安定なのか。
竜樹さんの勢いがヘンに加速してる気がして戸惑ってしまう。
無意識に身体をこわばらせてしまうことに自分でも首を捻りながら、それを勢いで押し開いていくような竜樹さんに少し怖さすら覚えたけれど。

「霄は俺でないと、あかへんねんもんなぁ」

その言葉がいつもと同じ調子だからほっとしたのか、またすべてを明渡してしまう。
互いの熱を享受しあってくたってしまった私をそっと抱き締めたまま、2人は暫く眠ってしまった。
次に起きたら、世界フィギュアが始まるような時間になっていた。

慌てて、ごはんを作りはじめる。


今日の夕飯は豚の角煮と春キャベツとニンジンの温サラダの2品。
給料日前ということで、冷蔵庫掃除料理となった。

豚の角煮。
今回はいつも家で作るのと少しやり方を変えてみた(単に足りないものがあったからだけど)
豚バラ肉を2等分に切り分け、サラダ油を少し入れたフライパンで表面を焼き、油を落としておく。
圧力鍋に豚バラ肉を入れ、肉が被るほどの水を入れて10分ほど加熱する。
(本当はネギの青い部分と生姜を入れるのだけど、竜樹邸になかったので割愛)
その後、煮汁を捨て、水2カップと酒3分の1カップと砂糖・醤油各大さじ3を入れ、20分ほど加熱し、10分ほど蒸らして完成。

春キャベツとニンジンの温サラダ。
一口台の大きさにちぎったキャベツと5cmくらいの長さに細く切ったニンジンを湯通しして器に入れ、スライスして水に晒した玉ねぎを乗せて、和風ドレッシングで食べる。

圧力鍋(別名ちびそらちゃん)があるお陰で、テレビを見ながら料理が出来た。
丁度、竜樹さんのご実家からご飯が炊けたと連絡があったので、ご挨拶がてら頂きに上がり、少し喋って帰ってくる。

体調がまた優れないのと待ちくたびれたのとで少々くたってる竜樹さんに笑顔で謝ってから、「いただきます♪(*^人^*)」

やっぱりこの天候がたたってるのか、夕方少々無理をしたのか(爆)、いつものように笑顔は飛び出さないけれど。
残すことなくキレイに食べてくれたのが嬉しかった。
暫く2人でごろごろとした後、後片付けをして、寝る準備に入る。
食卓を壁際に移動させ、2階からもう一組のお布団を取りに行く。
2人でお布団を引き、何時の間にか沸かしてくれてたお風呂に入る。
十分に温まってあがってきて、竜樹さんもまたお風呂に入っていく。
竜樹さんが上がってくるのを、テレビを見ながらじっと待っていた。


竜樹さんがお風呂から上がってきて、着替えてるのを何気なく見つめてる私。

「何、じっと見てんねん?」
「いやぁ、だいぶ締まってきたなぁと思って」
「締まってきたってよか、痩せてきたんやろ?」
「そしたら、またリハビリかねて鍛えないとあかへんねぇ」

何気ない会話を続けながら、お布団の上で寄り添っている。
再びじゃれモードに入りかけたとき、違和感ひとつ。

…お客様がいらっしゃいました(T△T)

「ごめんね。やっぱりお薬飲んで調節しょうかなぁ(ノ_<。)」
「何言うてんねん。ちゃんと来た方がええやろ?
俺がいてちゃんと規則正しくいられるようにしてんねんから、薬で周期を変えるなんてしょうもないこと考えんな」
「でも、泊まりに来てるのに、役目果たせないやんかぁ…(意味不明)」
「そんなんで、がっかりするかぁ!しょうもないこと考えんなや」

用意を済ませてぐじぐじいってる私の頭をぐしゃぐしゃとして、「もぉ、寝ようや」と普通に言ってくれた竜樹さん。


…7回目の春には、ちゃんとお客様がお帰りになるよう努力するから(さらに意味不明)

そう心の底でそっと呟きながら、横になった。


時折、眠れずにぐずぐずしてる竜樹さんを抱き締めるためにごろごろとお隣の布団に転がっていったり、自分のお布団に戻ってからも何気に足を絡めてくる竜樹さんに足を差し出したりしているうちに、竜樹さんは何時の間にか眠ってしまっていた。


明日はいい天気に恵まれて、二人とも元気でありますように…


隣にある暖かさを感じながら、祈るように眠りについた。

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