笑顔を迎えに行こう

2002年3月18日
昨晩、メッセを漂っている立て続けに友達に捕まえてもらえたので調子に乗って話しすぎたのか、朝起きるのが辛かった。
「おっぞまし〜ぃ、朝が来たっ♪」の歌を口ずさむ元気すらなく、どろどろと用意をしだらだらと家を出る。

社屋に入ると、週明けの割には仕事の滑り出しがゆったりしていたのが救いだった。
帰り際にお客さんが来てばたばたしてしまった以外は、大した問題も起こることなく仕事は終わる。
先週、ボスのおやりになったことで丸1週間怒りモード炸裂しっぱなしだったけれど、滑り出しから尖ることなく対応は出来た(だろう)。
事実、話すボスの顔に笑顔が戻ってきていたから。
笑顔はどういう思惑やら状況があれ、笑顔を呼ぶものなのだなぁと思いながら、会社を後にした。


ふと、帰りの道すがら。
家に帰ってからしないといけないことを考えながら、思いを廻らす。

自発的に何かをしないとだめだなぁと感じてるのはいいけれど、それが強制になるのはどんなもんかなぁと思ったり。
まだ自縄自縛で済んでるうちはいいけれど、人のことを過剰に気にして萎縮するのはいかがなものかなぁと思ったり。
元々、いい意味でも悪い意味でも竜樹さんに言えない自分の想いをどこかに残しておきたくて始めたことが、気持ちの負担の原因になるのなら。
去年の今ごろ、「ネットなんてやめとけ」と言った竜樹さんの言葉を思い出しながら、一度いろんなものを整理してみたくなった。


これから私の行く手に待ち受けるのは、竜樹さんの再手術という名の茨の道。
前回の手術と違って、竜樹さんの生命に直接障るような大きな手術ではないとはいえ、きちんと回復するまでにどれ位の時間と痛みが伴うのかを何となく知っているから。
あまりお気楽な道程ではないんだろうなぁと思う。
もう一度、いろんな感情を選び分けて対応したり行動したりする必要があることも判りきっている。

だとしたら。

自分の心を縛りすぎたり、しようとすることで萎縮させてしまうものは、一度やめてみるのもいいのかもしれない。

そんな風に思ったんだ。


闘病ってのは、半ばゴールのないレースのようなもので。
テンション下げたり気力が尽きたりしたら、大負け喫するのは目に見えている。
だから、戦う本人もそれを支える周りの人も気力を切ってはならないよ?

かつての経験を基にして、時々思い出したように話すこともあったけれど…


竜樹さんや竜樹さんのご両親の気力が持続できるようにするために、ある程度の笑顔は維持する必要がある。
勿論、私を取り囲む人たちに無用の心配をかけたくないのもあるけれど…

「霄ちゃんの笑顔は無敵の笑顔」

かつてそう言われたことを柱にして、ある程度の線の笑顔は出せるようなところまで自分自身を戻しておきたい。

その結果、心を鎧うことを避けて通れなくなるとしても…


どうやら甘えを覚えると際限なく甘えてしまうのは悪い癖で、「程良い」甘え方というものを知らない。
だから、なるべく甘えないようにと思って心を鎧う自分がいる。
どうしても心を鎧で覆うようになると周りにいる人のことを全く見なくなるか、周りにいる人に対する配慮は維持しても自分のことは全く語らなくなる。
ただ、ここに来て心を預けることを覚えてしまった私がもう一度昔のようにできるかどうかは大きな疑問ではあるけれど。


…それでも必要なら、やるさぁねぇ


誰に相談するまでもなく、私の中では答は出てしまっているけれど。


なけなしの笑顔を以って再手術のことを暫し忘れさせてくれた竜樹さん。
いくら前回よりも軽いものとはいえ、その手術が終われば手放しですべてが終わるわけでないことくらい彼が一番よく判ってることだろう。
小さな不安を心の底に眠らせながら、それでも楽しい時間を作り出そうとしてくれた大切な人に、私から出来ることは何なのか?
本当は竜樹さんに聞いてみないといけないのかもしれないけれど。


ひとまず、私もまた彼がしてくれたように、彼に不必要な不安を与えないよう、安心してそこへ迎えるよう、私からもなけなしの笑顔を贈ろう。
それがたとえ心を鎧った末に生まれたものであっても…
すべてが終わりさえすれば、互いが互いの抱えるものを包み隠すことなく預けあえるようになるんだから。

そのために必要なことは、来るべき日が来る前にすべて済ませてしまおう。

そうして、これから心の底を探りながら自分の中の笑顔を迎えに行く作業を始めよう。
生まれた場所はどんな場所であっても、相手を想う心から生まれた笑顔は穢れたものでも嘘っぱちなものでもないと。
誰が認めようが認めまいが、自分の心の赴くままそれを推し進めてみよう。


私の笑顔の生まれた場所がどんな場所だったかを竜樹さんが知ることもなく、ただその笑顔を受け取ってくれたなら。


鎧うことですら悪くもないんだろうと、今は思う。

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