あったかいね
2002年3月16日休みの日にしては早く目が覚めた。
あれこれとしてるうちにお昼近くになったので出かけることにした。
階下に降りると、車のワックスかけをするためのスポンジを取りに戻ってきた金岡母と鉢合わせ。
何となく自分だけ家の事を何もせずに出て行くのは気が引けてしまって、荷物を階段に放り投げて台所に立ち、竜樹さん直伝そば飯を作って家を出た。
夜はまだ冷え込むとはいえ、日中はとても暖かい。
これで、原因不明の体調不良がなければ言うことないのに。
竜樹さんの原因の判りきった体調不良がなければ言うことがないのに…
暖かい日差しと対照的にちょっと恨み言めいた思いを抱えて坂道を降りる。
電車に乗る前にふと地元のスーパーを覗いて行こうと思ったら、スーパーの近くにちっさな魚屋さんが出来ていた。
店先を見ると、アサリが樽に入れられて売られている。
「一盛り 250円」
…よぉし、買った♪(*^_^*)
アサリを二盛り買って、電車に乗る。
電車を乗り継ぎ、バス停前のスーパーで買い忘れていた厚揚げを買ってバスに乗ろうとしたら…
目の前で出てってしまった(T^T)
結局、竜樹邸に着いたのは予定よりも20分くらい遅れてしまった。
竜樹邸に入ると、2階から「来てくれたんかぁ?」と竜樹さんの声。
鍋に塩水を作って買ってきたアサリをぼとぼとと入れて2階にあがると、竜樹さんはご機嫌。
時折テレビを見ながら、他愛もない話をしつづける。
お互いに先週は体調不良で鬱屈としてたのに、明るい光の入る部屋では鬱屈とした気分も幾分かマシになるようで、柔らかな笑顔がこぼれる。
…これだから、しんどくてもここに来るのをやめようとは思わないんだよね?
取り留めない話は続くけれど、竜樹さんがまだ昼ご飯を食べてないとおっしゃるので階下に降りた。
ところが竜樹さんは降りた途端、じゃれっこモード発動。
気が済むまでじゃれて頂いた後、台所に立った。
昨日の夕飯の残りのだしの上にうどんだしを足し、玉ねぎのスライスを入れて少しばかり煮る。
冷凍庫にあったはずの牛肉を入れようと思ったらなかったので、仕方なくそのままうどんを放り込み、溶き卵でとじて完成。
名前の付けようのない卵とじうどんを竜樹さんは喜んで食べてくれた。
食べ終わってひと心地ついて、ちょっと横になって休むことにした。
2人でお布団の中でくっつきながら話をするけれど、私が起きていられなくてうつらうつら…
突然、「一人で眠れるか?」と竜樹さん。
竜樹さんは身体を休める時は一人でないと休まらない人なので、2階に上がると仰る。
ちょっとばかり寂しいけれど、それはそれで仕方がないから分かれて休むことにする。
「…適当な時間になったら起こしに行きますね?」
「いや、俺が起こしにくるわ。多分、眠ってる霄が襲われると思うけど?щ( ̄∀ ̄)ш」
「ふぁぁい。ご自由にぃ…」
そう言って私は眠りについた。
どれくらい時間が経ったか判らないけれど、竜樹さんに襲われて目を覚ました(//^//)ゞ
半分ねむねむな意識の中でじゃれあって、竜樹さんの熱で意識を起こしていく。
ようやっと意識が起きて、いろんなものの受け渡しが始まる中、いきなり内線が鳴る。
竜樹さんと私はびっくり。
竜樹さんはそのまま無視して続ける。
すると、今度は家のチャイムがけたたましく鳴る。
完全に2人のやりとりは続かなくなる。
不機嫌モード発動の竜樹さんがご実家の方に内線を入れると、「弟さんが帰ってきてるから、みんなで食事に行かないか?」とのこと。
竜樹さんは「外出するには身体が辛いから」とあっさり断わってしまった。
ただ、外食するのに車を使うから車の鍵を貸して欲しいとのことで、着替えた竜樹さんはご実家の方に鍵を渡しに帰った。
戻ってきた竜樹さんは不機嫌モード5割増状態。
こうなってしまうと手がつけられない。
私が悪いわけではないけれど、一生懸命宥めてみる。
「霄が悪いんちゃう。霄が来てると判ってるんやから、そっとしといてくれたらええのに…(`^´)」と更に不機嫌モードは加速する一方。
仕方がないので私も着替えて起き上がり、「美味しいものを作るから、それで機嫌直してね」と言うと、ちょっとばかり機嫌が悪いのは治まったようだけれど。
不機嫌モードが背中の痛みを連れてきたのか、また竜樹さんは2階に上がっていった。
タイミングの悪さを少しばかり恨みはしたけれど、これも仕方がないと思って、夕飯作りを始める。
今日の夕飯は、アサリと豚肉のにんにく蒸しと厚揚げとキャベツの梅醤油炒めの2品。
「アサリと豚肉のにんにく蒸し」(「カフェのごはん」に載ってたものに少し手を加えたもの)
器に豚ばら肉のスライスを一口大に切ったものを敷き詰め、にんにくのスライスを並べた後、小房に分けたシメジを敷き詰め、上に砂吐きをしてよく洗ったアサリを並べ、蒸し器で5分から7分ほど蒸し、出来上がりに醤油大さじ1杯半ほどまわしかけて完成。
「厚揚げとキャベツの梅醤油炒め」(これも料理の本に載ってたものに少し手を加えたもの)
8等分にした厚揚げと一口大に切ったキャベツをフライパンで炒め、焼き色がついたら、梅干2個をちぎったものを醤油をあわせたものを加え、炒め上げて完成。
先に炒め物を作り、アサリを蒸してる頃に竜樹さんが降りてきた。
蒸しあがったアサリを見て、「美味そうやなぁ(o^−^o)」と竜樹さん。
その表情からは不機嫌モードは消えていた。
食卓に出来上がった料理を並べ、席に着いて「いただきます♪(*^人^*)」
「やっぱりこれ美味いわ♪」
「アサリと豚肉のにんにく蒸し」は竜樹さんのお気に召したようで、ぱくぱくと食べておられる。
その表情を見てると、それまでのことなんてすっかり飛んでいってしまう。
ただ、ちょっと疲れが残ってるのか、私は先に箸を止めて休んだ。
暫くすると、竜樹さんもご飯を終え、私の隣にごろん。
また暖かい時間が流れる。
竜樹さんの隣で今日一日のことを思い出して。
いいことよりもタイミングの悪さばかりが際立って思い返されてしまったのは悲しかったけれど。
この暖かさがすべてを溶かしていくのだと思う。
「こんな風に穏やかでいられるのは、お互いが別々の家を持っててええところしか互いに見せてへんから、言えるんかも知れへんで?」
竜樹さんはそう言っていたけれど。
「嫌なところが見えたとしても、互いに折り合いをつける努力はしていけるでしょ?私たちは?」
「そやなぁ…」
昼間暖かかったこともあって暖房をつけていなかった部屋は寒かったけれど、くっついてるとたがいの温みが暖かさを生む。
「あったかいね」
何度も何度も帰り支度をするまで寄り添ってはそう呟いた。
そう言うたびに「そやなぁ」と答えてくれた竜樹さん。
いいことも悪いことも相応にあるけれど、2人が触れる空気が暖かいものであればいいと。
竜樹さんに寄り添いながらそう願った。
あれこれとしてるうちにお昼近くになったので出かけることにした。
階下に降りると、車のワックスかけをするためのスポンジを取りに戻ってきた金岡母と鉢合わせ。
何となく自分だけ家の事を何もせずに出て行くのは気が引けてしまって、荷物を階段に放り投げて台所に立ち、竜樹さん直伝そば飯を作って家を出た。
夜はまだ冷え込むとはいえ、日中はとても暖かい。
これで、原因不明の体調不良がなければ言うことないのに。
竜樹さんの原因の判りきった体調不良がなければ言うことがないのに…
暖かい日差しと対照的にちょっと恨み言めいた思いを抱えて坂道を降りる。
電車に乗る前にふと地元のスーパーを覗いて行こうと思ったら、スーパーの近くにちっさな魚屋さんが出来ていた。
店先を見ると、アサリが樽に入れられて売られている。
「一盛り 250円」
…よぉし、買った♪(*^_^*)
アサリを二盛り買って、電車に乗る。
電車を乗り継ぎ、バス停前のスーパーで買い忘れていた厚揚げを買ってバスに乗ろうとしたら…
目の前で出てってしまった(T^T)
結局、竜樹邸に着いたのは予定よりも20分くらい遅れてしまった。
竜樹邸に入ると、2階から「来てくれたんかぁ?」と竜樹さんの声。
鍋に塩水を作って買ってきたアサリをぼとぼとと入れて2階にあがると、竜樹さんはご機嫌。
時折テレビを見ながら、他愛もない話をしつづける。
お互いに先週は体調不良で鬱屈としてたのに、明るい光の入る部屋では鬱屈とした気分も幾分かマシになるようで、柔らかな笑顔がこぼれる。
…これだから、しんどくてもここに来るのをやめようとは思わないんだよね?
取り留めない話は続くけれど、竜樹さんがまだ昼ご飯を食べてないとおっしゃるので階下に降りた。
ところが竜樹さんは降りた途端、じゃれっこモード発動。
気が済むまでじゃれて頂いた後、台所に立った。
昨日の夕飯の残りのだしの上にうどんだしを足し、玉ねぎのスライスを入れて少しばかり煮る。
冷凍庫にあったはずの牛肉を入れようと思ったらなかったので、仕方なくそのままうどんを放り込み、溶き卵でとじて完成。
名前の付けようのない卵とじうどんを竜樹さんは喜んで食べてくれた。
食べ終わってひと心地ついて、ちょっと横になって休むことにした。
2人でお布団の中でくっつきながら話をするけれど、私が起きていられなくてうつらうつら…
突然、「一人で眠れるか?」と竜樹さん。
竜樹さんは身体を休める時は一人でないと休まらない人なので、2階に上がると仰る。
ちょっとばかり寂しいけれど、それはそれで仕方がないから分かれて休むことにする。
「…適当な時間になったら起こしに行きますね?」
「いや、俺が起こしにくるわ。多分、眠ってる霄が襲われると思うけど?щ( ̄∀ ̄)ш」
「ふぁぁい。ご自由にぃ…」
そう言って私は眠りについた。
どれくらい時間が経ったか判らないけれど、竜樹さんに襲われて目を覚ました(//^//)ゞ
半分ねむねむな意識の中でじゃれあって、竜樹さんの熱で意識を起こしていく。
ようやっと意識が起きて、いろんなものの受け渡しが始まる中、いきなり内線が鳴る。
竜樹さんと私はびっくり。
竜樹さんはそのまま無視して続ける。
すると、今度は家のチャイムがけたたましく鳴る。
完全に2人のやりとりは続かなくなる。
不機嫌モード発動の竜樹さんがご実家の方に内線を入れると、「弟さんが帰ってきてるから、みんなで食事に行かないか?」とのこと。
竜樹さんは「外出するには身体が辛いから」とあっさり断わってしまった。
ただ、外食するのに車を使うから車の鍵を貸して欲しいとのことで、着替えた竜樹さんはご実家の方に鍵を渡しに帰った。
戻ってきた竜樹さんは不機嫌モード5割増状態。
こうなってしまうと手がつけられない。
私が悪いわけではないけれど、一生懸命宥めてみる。
「霄が悪いんちゃう。霄が来てると判ってるんやから、そっとしといてくれたらええのに…(`^´)」と更に不機嫌モードは加速する一方。
仕方がないので私も着替えて起き上がり、「美味しいものを作るから、それで機嫌直してね」と言うと、ちょっとばかり機嫌が悪いのは治まったようだけれど。
不機嫌モードが背中の痛みを連れてきたのか、また竜樹さんは2階に上がっていった。
タイミングの悪さを少しばかり恨みはしたけれど、これも仕方がないと思って、夕飯作りを始める。
今日の夕飯は、アサリと豚肉のにんにく蒸しと厚揚げとキャベツの梅醤油炒めの2品。
「アサリと豚肉のにんにく蒸し」(「カフェのごはん」に載ってたものに少し手を加えたもの)
器に豚ばら肉のスライスを一口大に切ったものを敷き詰め、にんにくのスライスを並べた後、小房に分けたシメジを敷き詰め、上に砂吐きをしてよく洗ったアサリを並べ、蒸し器で5分から7分ほど蒸し、出来上がりに醤油大さじ1杯半ほどまわしかけて完成。
「厚揚げとキャベツの梅醤油炒め」(これも料理の本に載ってたものに少し手を加えたもの)
8等分にした厚揚げと一口大に切ったキャベツをフライパンで炒め、焼き色がついたら、梅干2個をちぎったものを醤油をあわせたものを加え、炒め上げて完成。
先に炒め物を作り、アサリを蒸してる頃に竜樹さんが降りてきた。
蒸しあがったアサリを見て、「美味そうやなぁ(o^−^o)」と竜樹さん。
その表情からは不機嫌モードは消えていた。
食卓に出来上がった料理を並べ、席に着いて「いただきます♪(*^人^*)」
「やっぱりこれ美味いわ♪」
「アサリと豚肉のにんにく蒸し」は竜樹さんのお気に召したようで、ぱくぱくと食べておられる。
その表情を見てると、それまでのことなんてすっかり飛んでいってしまう。
ただ、ちょっと疲れが残ってるのか、私は先に箸を止めて休んだ。
暫くすると、竜樹さんもご飯を終え、私の隣にごろん。
また暖かい時間が流れる。
竜樹さんの隣で今日一日のことを思い出して。
いいことよりもタイミングの悪さばかりが際立って思い返されてしまったのは悲しかったけれど。
この暖かさがすべてを溶かしていくのだと思う。
「こんな風に穏やかでいられるのは、お互いが別々の家を持っててええところしか互いに見せてへんから、言えるんかも知れへんで?」
竜樹さんはそう言っていたけれど。
「嫌なところが見えたとしても、互いに折り合いをつける努力はしていけるでしょ?私たちは?」
「そやなぁ…」
昼間暖かかったこともあって暖房をつけていなかった部屋は寒かったけれど、くっついてるとたがいの温みが暖かさを生む。
「あったかいね」
何度も何度も帰り支度をするまで寄り添ってはそう呟いた。
そう言うたびに「そやなぁ」と答えてくれた竜樹さん。
いいことも悪いことも相応にあるけれど、2人が触れる空気が暖かいものであればいいと。
竜樹さんに寄り添いながらそう願った。
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