無駄だと思う前に…
2002年3月2日昨晩、割と早い時間に眠ってしまったので、かなり早い時間に目が覚めてしまった。
もう一度寝直すとまた昼前くらいまで起きられない気がしたので、そのまま起きてたらりたらりと文章を書いたり、お手紙を書いたりしていた。
一段楽して、リビングに降り暫く両親と話した後、竜樹さんに電話をする。
26日のことがあったから、少し竜樹邸に行くことを躊躇う部分があったせいもあるのだけれど…
「昨日、注射と点滴を打ったら少しマシになったから、おいで」
そう言われたので、週末に買い込んだ食材を提げて出かける。
重い食材を提げてよろよろしながら坂道を降り、電車に乗る。
車窓を流れる景色は、どこか春の色を帯びている。
夜の冷え込みを考えてコートを着てる私がなんだか酷く不恰好に思える。
…もう春はそこまで来てるんだから、竜樹さんの体調も早く安定すればいいのになぁ
そう願いながら、また電車を降り、また移動する。
電車を乗り換えたところに、メールがひとつ。
「鍵、開けとくね!」
そのメールに竜樹さんの調子がまだよくなってないことを読み取って、また気持ちは沈みそうになるけれど。
…それでもええやん?逢えるんだから。
気持ちを切り替えて、改札を出る。
電車を降りて、また少し足りないものを買い足してバスに乗る。
バスを降りてから、よろよろと歩いててふと見ると。
梅が咲いてる。
…桜の季節には一緒に出かけられるといいなぁ
そろそろ篭りっきりにうんざりしてるだろう竜樹さんを思いながら、暫く梅を眺めてから竜樹邸に入る。
「…来てくれたんかぁ?」
2階から竜樹さんの声が聞こえるから、荷物を置いて上がっていくと、竜樹さんは横になっていた。
「昨日眠れんでなぁ。眠剤使うと次の日すんごい背中が痛むから使わへんかったら、なんか寒気がするねん」
竜樹さんの顔に触れると、結構熱い。
「風邪ひいたんじゃないの?竜樹さん?」
「そかも知れへん。とにかく寒いねん(>_<)」
「んじゃ、あっためてあげるよぉ(*^_^*)」とだけ答えて、竜樹さんの布団にもぐりこむ。
抱き締めて背中やら頭やら撫でてくれる竜樹さんと暫く一緒に横になっていた。
そうしてるうちに少し飲み物が欲しくなったそうで、一緒に下の階に降りる。
朝ごはんは食べたと仰るけれど、昼ごはんは食べてないのだとか。
「何か作ろうか?」と聞いたら、「食べる気がしない」とのこと。
飲み物を作って竜樹さんに渡し、台所で食材を整理してると、「おいでおいで」する竜樹さん。
ちょこちょこと寄って行くと…
そのままじゃれっこモードに突入してしまった(//^//)ゞ
「本当にこの人、一睡も出来なかったんだろうか?」
首を捻りたくなるほどの勢いに戸惑う。
今までとは違う違和感を感じて、じたばたと(かなり本気で)もがき倒すのを押さえ込まれる。
戸惑いと少しばかりの恐怖感はやがて意識が落ちることで色褪せた。
暫くぱたぱたと竜樹さんが何かをしていたことを意識の底で認識しながら、それでも落ちていくのに任せてしまった。
次に目を覚ましたら、17時だった。
隣に竜樹さんがいなかったので2階に探しに行くと、静かに横になっていらっしゃった。
「何か食べて、お薬飲む?」
「うん、そうするわ」
「冷蔵庫の中に先週作ったカレーがあるからそれを食べる」と仰るのでそれを暖めなおすけれど、冷蔵庫で保存する前に室内に置いてた時間が長かったからか、傷んでしまってた。
困ってしまって、竜樹さんが好きなフレンチトーストを持って上がる。
竜樹さんに食べるように言ってから、夕飯の用意に取り掛かる。
今日は粕汁とアボガドとサーモンのわさび醤油とマヨネーズ和え(byこねここくらぶ)を作るつもり。
けれど、竜樹さんの調子があまりに悪そうなので、夕飯を作るのをちょっと躊躇ってしまう。
沢山目に作っても、冷蔵庫に入れずに置く期間が長かったり、保管してもしんどさにかまけてそれを食べられずにいて結局無駄にするなら、作っても作らなくても一緒かぁと思ってしまって。
食材を無駄にするならやめようか?なんていつもなら考えもしないことを考えてる自分がいる。
…正直、私自身の疲れはまだ抜けてないんだなぁと思う。
ネガティブに走りがちな思考を元通りに戻そうと、食事作りを横に置いて水汲みをしたりするけれど。
水汲みをする時にペットボトルをすかぁんと落としたり、水をこぼしかけたりする。
自分の予想以上に疲れが酷いことを実感するだけで、また気分は落ち込んでいく。
ひとまず、アボガドとサーモンは来週まで保存するのは難しいだろうと思って、無駄になるのを覚悟で調理しにかかる。
刺身用サーモンを細かくたたき、賽の目切りしたアボカドと小口切りにしたネギを混ぜ合わせ、わさび醤油とマヨネーズで和える。
アボカドってあの食感と味がどうも苦手で、能動的に食べたい食べ物ではないのだけれど、栄養価は高いというし、ちょっと試してみたかった気はしてたから。
竜樹さんが食べれなかったら私が食べたらいいやと、どんぶり鉢いっぱいのおかずをとりあえず作った。
けれど、粕汁を作るだけの気力は戻ってこない。
ご飯を作って、それを竜樹さんが喜んでくれる。
それがあるなら、どんなにしんどくても作れるけれど。
作ってもそれが何の役にも立たないなら、やるだけ無駄なんじゃないの?
そんな風にしか考えられない自分が嫌で仕方がない。
会社のことでもそんな風に感じることが多くなってきて、いい加減嫌になってきてるのに。
竜樹さんのことでまでそんな風に思うのがたまらなく嫌だ。
そんなことに思いを廻らせながら時間ばかりが無意味に過ぎていく。
気が付いたら、19時をまわっていた。
様子を見に行くと、竜樹さんは相変わらずの状態なので、ひとまず薬が飲めるようにとお粥を作ることにした。
お粥が出来たころ、竜樹さんは下に降りてきた。
降りてきた竜樹さんにお粥を食べてもらい、それでも夕飯を作るかどうか迷ってると、「今日の夕飯は何?」と竜樹さん。
アボガドとサーモンのは出来てるけど、粕汁を作るかどうか迷ってる旨を話すと、「粕汁、食べたい」とのことなので、慌てて作り出す。
…こんなことなら、さっさと作っておけばよかったなぁ
自分のしたことが無駄になるかどうか迷うよりも、役立つかも「しれない」可能性を大切にすべきなのにね?
ネガから抜けられない疲れた私には元気が足りなすぎて、本当はここに来てること自体が竜樹さんには何の役にも立ってはいないのかもしれないけれど…
無駄だと思う前に、相手を想うことを。
相手を想ってすることがたとえ無駄になってしまったとしても、心から生まれたものが無駄ではないのだから。
想う気持ちだけを大切にしたいね。
(3日付の日記に続きます)
もう一度寝直すとまた昼前くらいまで起きられない気がしたので、そのまま起きてたらりたらりと文章を書いたり、お手紙を書いたりしていた。
一段楽して、リビングに降り暫く両親と話した後、竜樹さんに電話をする。
26日のことがあったから、少し竜樹邸に行くことを躊躇う部分があったせいもあるのだけれど…
「昨日、注射と点滴を打ったら少しマシになったから、おいで」
そう言われたので、週末に買い込んだ食材を提げて出かける。
重い食材を提げてよろよろしながら坂道を降り、電車に乗る。
車窓を流れる景色は、どこか春の色を帯びている。
夜の冷え込みを考えてコートを着てる私がなんだか酷く不恰好に思える。
…もう春はそこまで来てるんだから、竜樹さんの体調も早く安定すればいいのになぁ
そう願いながら、また電車を降り、また移動する。
電車を乗り換えたところに、メールがひとつ。
「鍵、開けとくね!」
そのメールに竜樹さんの調子がまだよくなってないことを読み取って、また気持ちは沈みそうになるけれど。
…それでもええやん?逢えるんだから。
気持ちを切り替えて、改札を出る。
電車を降りて、また少し足りないものを買い足してバスに乗る。
バスを降りてから、よろよろと歩いててふと見ると。
梅が咲いてる。
…桜の季節には一緒に出かけられるといいなぁ
そろそろ篭りっきりにうんざりしてるだろう竜樹さんを思いながら、暫く梅を眺めてから竜樹邸に入る。
「…来てくれたんかぁ?」
2階から竜樹さんの声が聞こえるから、荷物を置いて上がっていくと、竜樹さんは横になっていた。
「昨日眠れんでなぁ。眠剤使うと次の日すんごい背中が痛むから使わへんかったら、なんか寒気がするねん」
竜樹さんの顔に触れると、結構熱い。
「風邪ひいたんじゃないの?竜樹さん?」
「そかも知れへん。とにかく寒いねん(>_<)」
「んじゃ、あっためてあげるよぉ(*^_^*)」とだけ答えて、竜樹さんの布団にもぐりこむ。
抱き締めて背中やら頭やら撫でてくれる竜樹さんと暫く一緒に横になっていた。
そうしてるうちに少し飲み物が欲しくなったそうで、一緒に下の階に降りる。
朝ごはんは食べたと仰るけれど、昼ごはんは食べてないのだとか。
「何か作ろうか?」と聞いたら、「食べる気がしない」とのこと。
飲み物を作って竜樹さんに渡し、台所で食材を整理してると、「おいでおいで」する竜樹さん。
ちょこちょこと寄って行くと…
そのままじゃれっこモードに突入してしまった(//^//)ゞ
「本当にこの人、一睡も出来なかったんだろうか?」
首を捻りたくなるほどの勢いに戸惑う。
今までとは違う違和感を感じて、じたばたと(かなり本気で)もがき倒すのを押さえ込まれる。
戸惑いと少しばかりの恐怖感はやがて意識が落ちることで色褪せた。
暫くぱたぱたと竜樹さんが何かをしていたことを意識の底で認識しながら、それでも落ちていくのに任せてしまった。
次に目を覚ましたら、17時だった。
隣に竜樹さんがいなかったので2階に探しに行くと、静かに横になっていらっしゃった。
「何か食べて、お薬飲む?」
「うん、そうするわ」
「冷蔵庫の中に先週作ったカレーがあるからそれを食べる」と仰るのでそれを暖めなおすけれど、冷蔵庫で保存する前に室内に置いてた時間が長かったからか、傷んでしまってた。
困ってしまって、竜樹さんが好きなフレンチトーストを持って上がる。
竜樹さんに食べるように言ってから、夕飯の用意に取り掛かる。
今日は粕汁とアボガドとサーモンのわさび醤油とマヨネーズ和え(byこねここくらぶ)を作るつもり。
けれど、竜樹さんの調子があまりに悪そうなので、夕飯を作るのをちょっと躊躇ってしまう。
沢山目に作っても、冷蔵庫に入れずに置く期間が長かったり、保管してもしんどさにかまけてそれを食べられずにいて結局無駄にするなら、作っても作らなくても一緒かぁと思ってしまって。
食材を無駄にするならやめようか?なんていつもなら考えもしないことを考えてる自分がいる。
…正直、私自身の疲れはまだ抜けてないんだなぁと思う。
ネガティブに走りがちな思考を元通りに戻そうと、食事作りを横に置いて水汲みをしたりするけれど。
水汲みをする時にペットボトルをすかぁんと落としたり、水をこぼしかけたりする。
自分の予想以上に疲れが酷いことを実感するだけで、また気分は落ち込んでいく。
ひとまず、アボガドとサーモンは来週まで保存するのは難しいだろうと思って、無駄になるのを覚悟で調理しにかかる。
刺身用サーモンを細かくたたき、賽の目切りしたアボカドと小口切りにしたネギを混ぜ合わせ、わさび醤油とマヨネーズで和える。
アボカドってあの食感と味がどうも苦手で、能動的に食べたい食べ物ではないのだけれど、栄養価は高いというし、ちょっと試してみたかった気はしてたから。
竜樹さんが食べれなかったら私が食べたらいいやと、どんぶり鉢いっぱいのおかずをとりあえず作った。
けれど、粕汁を作るだけの気力は戻ってこない。
ご飯を作って、それを竜樹さんが喜んでくれる。
それがあるなら、どんなにしんどくても作れるけれど。
作ってもそれが何の役にも立たないなら、やるだけ無駄なんじゃないの?
そんな風にしか考えられない自分が嫌で仕方がない。
会社のことでもそんな風に感じることが多くなってきて、いい加減嫌になってきてるのに。
竜樹さんのことでまでそんな風に思うのがたまらなく嫌だ。
そんなことに思いを廻らせながら時間ばかりが無意味に過ぎていく。
気が付いたら、19時をまわっていた。
様子を見に行くと、竜樹さんは相変わらずの状態なので、ひとまず薬が飲めるようにとお粥を作ることにした。
お粥が出来たころ、竜樹さんは下に降りてきた。
降りてきた竜樹さんにお粥を食べてもらい、それでも夕飯を作るかどうか迷ってると、「今日の夕飯は何?」と竜樹さん。
アボガドとサーモンのは出来てるけど、粕汁を作るかどうか迷ってる旨を話すと、「粕汁、食べたい」とのことなので、慌てて作り出す。
…こんなことなら、さっさと作っておけばよかったなぁ
自分のしたことが無駄になるかどうか迷うよりも、役立つかも「しれない」可能性を大切にすべきなのにね?
ネガから抜けられない疲れた私には元気が足りなすぎて、本当はここに来てること自体が竜樹さんには何の役にも立ってはいないのかもしれないけれど…
無駄だと思う前に、相手を想うことを。
相手を想ってすることがたとえ無駄になってしまったとしても、心から生まれたものが無駄ではないのだから。
想う気持ちだけを大切にしたいね。
(3日付の日記に続きます)
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