休みの日にしては珍しく、いつもよりも早く起きた。
明日からまた出勤だから、今日は早く竜樹邸に行って早く帰ってこなきゃならない。
少し早めの昼食を食べて、昨日作った名無しケーキ(笑)に仕上げの生クリームをコーティングして、カットする。
箱に詰め切れなかったものを金岡母に献上。

「あっさりしてて、おいしいやん?(*^_^*)」

高くて倒れそうになったリコッタ君を連れて帰ってきてよかったなと思いながら家を出ると、雨が降っていた(T^T)

竜樹さんに差し入れする物品とケーキの箱を提げ、傘を差しながらよろよろと坂道を降り、電車に乗る。

竜樹邸に入る前に今日の夕食の食材も調達しようと思っていたので、竜樹さんに「必要なものがあれば、メールください」とだけ打って送信。
程なくお返事は返ってきたけれど、全部買うとかなり重くなりそう。
ちょっとばかり泣き入りそうだったけれど、いつものように竜樹邸に向かうバス停の近くのスーパーで買い物。
頼まれた食材の必要な個数が判らなくて、竜樹さんに電話すると「迎えに行く」とのこと。
慌てて食材をカゴに投げ込んで、レジで清算して店の外に飛び出すと、そこには竜樹さんの車が待っていた。


竜樹邸に着き、食材を片付けていると竜樹さんがおそばを茹でてくれた。
相変わらずだしの取り方が上手で、にこにこしながら食べ終える。
洗い物を片付けると、竜樹さんが隣の部屋で手招きするので、ちょこちょこと入っていくと。

「少し早い誕生日プレゼントやねんけど…」

と小さな袋をくれた。
袋を開けると、指輪が入っていた。
指輪の部分に細かい細工がしてあって、石を乗せてる台座にも細かい細工がしてある。
その中央にちょこんとルビーが乗っかっていた。


どうやら竜樹さんはルビーがお気に入りらしい。
初めて貰った指輪もルビー。
店にあるルビーの指輪をすべて出させて、自分で意思の色を確認して選んでくれた。
それから半年後、またルビーの指輪を貰った。
前の会社の中でちょっとした騒動があって竜樹さんが精神的に追い詰められてた時、
「いつか俺が結婚したいと思った女に渡そうと思ってずっと持っていた」という、(私がつけるにしては)大きなルビーの指輪を貰った。


彼にとって大切な場面でいつも託されるルビー。
いろんなことを思い出して、とても嬉しくなった。
ただ嬉しいことを伝えたくて、竜樹さんを抱き締める私。
そんな私に話し下手な竜樹さんは一生懸命指輪を選んだ時の話をしてくれた。
ひとしきり「嬉しい」って気持ちを受け渡して一段落したところで、いつものようにのんびりテレビを見る。


番組も一段落して、夕飯の下拵えでもしようかなと思って立ち上がろうとした時、
「霄ちゃ〜ん♪」と甘え声を出す竜樹さん。

…竜樹さん、ご飯よりもじゃれっこが先ですか?(*-_-*)

互いの気持ちを受け渡すのには、いい手段なんだろうけれど…
ごにょごにょと考えている間にも、竜樹さんは喜々としてごそごそしてはる。
そのうち思考が纏まらなくなってきたから、竜樹さんに意識ごと預けることにした。
普通にしてる時に熱に中てられることはないけれど、竜樹さんの熱には中り易いみたいで、すべての受け渡しが終わる頃には何がどうなってるのか判らなくなっていた。
そのまま意識は落ちていく。


多分、私がくたってる頃に竜樹さんは着替えて何かをしていたように思ったけれど、次に目を覚ましたときには隣で眠っていた。
ぼんやりとした意識の中ででも、やっぱりこの人の寝顔はかわいいなと思う。
暫くぼんやりと竜樹さんの寝顔を眺めて、ふと今何時なのかが気になった。

…( ̄○ ̄;)!

「サザエさん」の時間だった。
慌てて、でも竜樹さんを起こさないように気遣いながら起き上がり、着替えて台所に立つ。
あまり時間のかかる料理はできない。
仕方がないので、簡単メニューのプレートになってしまった。


今日の夕飯は、はすのハンバーグと、キャベツとリンゴとレーズンのサラダ、チーズの牛肉巻きトマトソース煮の3品。


はすのハンバーグは、持っていたカフェ系レシピの本に載ってた(と思われる)料理。
ハンバーグの種にれんこんの荒みじんを茹でたものとれんこんの摩り下ろしを混ぜ合わせ、普通のハンバーグと同じように焼き、ポン酢で頂く。

キャベツとリンゴとレーズンのサラダ(By金岡母)。
キャベツの千切りと乱切りにしたリンゴとレーズンをボウルに入れ、マヨネーズで和える。
暫く置くと、ヨーグルトで味をつけたような感じになる。

チーズの牛肉巻きトマトソース煮は、角切りにしたチーズをすき焼き用の牛肉で巻いた後、巻き目を下にして焼き、安定し始めたら周りに焼き色をつけ、赤ワインをかけアルコールを飛ばした後、トマトピューレを入れて暫く煮て完成。


料理をしてるうちに、竜樹さんも目を覚ましたのか、部屋の片付けを始めていた。
部屋の片付けが終わる頃、料理も出来上がっていた。

「…いただきます♪(*^_^*)」

ふと見ると、ワカサギのフライとワカサギの生姜醤油煮が並んでいた。
竜樹さんが「作った」と電話で話してたヤツだ。
食べてみると、揚げたてじゃないのにおいしい。

「これ、美味いわ!」「これ、おいしい!」

2人とも別のものを食べて同時にそんな言葉を発していたのがおかしくて、顔を見合わせて笑う。
いつもよりも早いペースで、食事は終わる。
終始、「おいしい!(*^_^*)」と言いながら、キレイに食べてくれたのが嬉しくて、気分良く後片付けを済ませた。

その後、やっとこ持ってきたバレンタイン用のケーキの試食。

「…美味いわぁ!これも!(*^_^*)」

竜樹さんの口にもあってくれたらしい。
それがとても嬉しい。
残りは例年通り、竜樹さんのご実家に献上。
ケーキを竜樹さんのお母さんに渡すと、「お誕生日のお祝い」を貰ってしまった(^^ゞ
いつもいつも大したこともしてないのに、気遣ってもらってばかりで申し訳ない気がするけれど…。
「貰っといたら、ええねんで?」とは竜樹さん。
「いつかこのご恩返しは必ず…m(__)m」と心の中でそっと呟いた。


帰る間際にちょっとした騒動があって、一瞬気まずい思いをするけれど、それも一段落。
いつもよりも早めに竜樹邸を後にする。


「しんどいやろけど、俺に尽くしてくれてたらいいことあるで?
 霄の努力を俺の親父もお袋も認めてくれてるねんから…」


大層なことは何一つ出来てないのに、もしも竜樹さんのご両親が認めてくれていらっしゃるなら、それはとてもありがたいこと。
竜樹さんからのプレゼントも、竜樹さんのお母さんのお心遣いも嬉しかったけれど。
本当に嬉しいのはきっと、自分のしてる些細なことでも認めてもらえること。


竜樹さんを想う気持ちが連れてきたものを大切に。竜樹さんを想う気持ちを大切に。
またこれからも歩きたいなぁって思う。


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