初めての雪 雪の後の陽だまり
2002年1月6日ひとまず鍋を食べるまでに竜樹さんの小腹を満たさないといけない。
冷凍庫に入っていた豚肉のスライスを解凍して、キムチの素と甘味噌を混ぜ合わせたところに投入。片栗粉をつけて揚げて、揚げたてを竜樹さんのところへ運ぶ。
「…うまいわ!これ(*^_^*)」
神戸小旅行から戻ってきたときにも作って好評だった覚えがあるので、豚肉のスライスは常に竜樹さんちの冷凍庫に居座ってる(笑)
…在庫を持っておいてよかった(*^_^*)
竜樹さんの笑顔を横目に、夕飯の用意に取り掛かる。
鍋に入れる鶏ダンゴは、ネギ1本をみじん切りにし、鶏ひき肉とあわせ、塩・コショウ・甘味噌(本当はショウガのみじん切りを入れた方がおいしい。竜樹邸で切らしてたので諦めたけれど)・少しのごま油を加えよく混ぜる。
スープは鶏がらスープに鰹節を加えひと煮立ちさせたあと、味噌と少しばかりキムチの素で味付け。
長ネギと白菜、豆腐と鶏団子を入れ煮立ったら、ラーメンを投入して2.3分煮込んで完成。
横になりながら待っていた竜樹さんを起こし、夕飯にありつく。
「鍋にラーメンってええなぁ。俺、ラーメン食べたかってん(*^_^*)」
ご飯を作ってるのを待ってる間、どうも体調が優れなかったみたいでなかなか起きられなかったみたいだけれど。
食べ始めると、たくさん食べてくれるのが嬉しい。
程なく2回目の炊き込みに入り、お腹一杯になるまで食べる。
お腹も心も満足したところで、ごろんと横になりテレビを見たりお話したりする。
その間、ずっと竜樹さんは私に触れ、時折キスをする。
いつもと比べるとずっと静かなじゃれあい。
それがどこか心に優しい。
気がつくと、眠ってしまっていた。
テレビの音が変わり「ちゅーぼーですよ!」が始まったことを知って、慌てて飛び起きる。
最近、竜樹さんは夕方過ぎると体調が悪くなるみたいで、ずっと頭痛を訴えている。
今もかなり頭痛がひどいみたい。
さりとて、このまま竜樹邸に留まれば、金岡母の鉄拳を食らうのは免れなくなる。
食卓と台所を片付けて、タクシー会社に電話しようとしたら竜樹さんが起き上がった。
しんどいのに送ってくれるというので、帰る支度をして竜樹邸を出る。
外はとても寒かった。
その上、雨が降った後に急激に冷えたせいか、竜樹さんの車の窓は凍り付いていた。
竜樹邸に戻り、鍋にお湯を取ってきて窓にかけ、家路を急ぐ。
竜樹さんの中に「早く帰さないといけない」って思いがあるのか、いつもよりもスピードが出てる。
少々それを怖いと思いながら窓の外を眺めていると、雪がちらついている。
それは私の家の方向へ向かえば向かうほど、降りが強くなってくる。
…路面、凍結してないかな?
気にしてるうちに私の家の近くまで、車は辿り着いている。
最後の角を曲がる時、ちょっと車がぶれた感じがした。
「…もしかして、路面、凍結始まってない?」
「うん。今の感じやと凍ってるわ(-_-;)」
「気をつけて帰ってね。こんな時に送らせてしまって、ごめんねm(__)m」
「おう。気をつけて帰るわな」
そう言って、別れる。
家に入ってからも、竜樹さんがきちんと帰れたかどうか不安でしょうがなくて、メールを一つ飛ばしてみた。
お返事があるとは思わなかったけれど、本当にお返事はなくて。
竜樹さんの安否が気になるのと、生活パターンが完全に夜型になってしまってるのとが重なって、結局朝まで起きていてしまった。
昨日の夜、友達からメールを貰っていたので返事を返すと、友達もまた朝まで起きてたという話。
そんなメールのやりとりを少しばかりしてるうちに、意識が落ちていってしまった。
どれくらい眠ったのか、見当もつかないけれど。
頭の上の方で携帯が鳴っている。
出てみると、竜樹さんだった。
「…あれ?霄、今起きたんか?」
「うん。朝まで寝られなくて、いい加減起きなって思っててんけど…」
「俺が電話したの、役に立ってんな(*^_^*)」
暫く携帯で話した後、起き上がり部屋の電話回線をつなぎなおして、お話の続き。
竜樹さんはきちんと帰れてて、今日はかなりいいことがあった様子。
竜樹さんが上機嫌で話しているのを聞くのは大好き。
電話口でにこにこしててもしょうがないのに、にこにこしながら話を聞いている。
ふと、明日の仕事始めの話になってしまい、ちょっと私がトーンダウン。
「…霄、もう会社辞めて、ちょっとの間、ゆっくりするか?」
突然、竜樹さんがそんなことを言い出した。
…去年までやったら「デフレスパイラルはあと2年くらい続くから、それまでは頑張れ」って言ってたのに?
驚く私を尻目に、竜樹さんはいろいろと提案してくれる。
去年の後半くらいから、精神的に職場にいるのが辛くて、家に帰ると日記を書く気力もネットにあがる気力もなくなってしまっていて、どう考えてもこんな状態を長く続けていていいはずはないと思っていた。
だから、動くなら今年だろうなとは前々から思ってはいたけれど。
竜樹さんと楽しい時間を過ごせることに対して、私が働いてきたことも少なからず貢献はしてきたのだから、それを「しんどい」という理由でぶん投げてもいいはずはないと思ってはいるけれど。
本当にこの状態が自分にとっていいもののようには思えなくなってるから、随分迷い続けているけれど。
勝手なもので、竜樹さんが自分のことを気にかけてるように思えていない時は、「ちったぁ、気付いてよ?」って思うくせに、気にかけすぎてるのが見えすぎると「あ、私の頑張りは足りない」と思ってしまう。
我慢し続ける強さではなく、竜樹さんの心に負担やある種の負い目を感じさせないようにする配慮は必要だよなって思う。
何より、しんどそうな私ではなく、笑顔溢れる私でいたい。
笑顔ばかりでいられないこともわかってるけれど、竜樹さんの心に小さな陽だまりを作れる人になりたい。
「ありがとね。どう出るべきか考えながら今年は動くから」
私の想いがどれほど伝わったかは判らないけれど。
私の心には小さな陽だまりができていた。
昨日、今日と竜樹さんの心が微妙に変わってるのを感じて。
安穏と現状維持をしてればいいわとはいかなくなるだろうなって気がしてる。
大気の冷え込みは今年初めての雪を連れてきて、次の日小さな陽だまりを残していった。
それと同じように、年末年始と冷えてしまった私の心に、竜樹さんは小さな陽だまりをくれた。
いろいろなことに決断下して、急激に物事を変えるにはまだまだ不足してることは多いけれど。
もしも、竜樹さんという陽だまりが私にとって変わることなくそこにあってくれるのなら。
その陽だまりを守るために、腰をあげる必要があるのかもしれない。
風はまだ強いけれど、そろそろ動き出さないといけないのかな?
陽だまりを見つめながら、そう思った。
冷凍庫に入っていた豚肉のスライスを解凍して、キムチの素と甘味噌を混ぜ合わせたところに投入。片栗粉をつけて揚げて、揚げたてを竜樹さんのところへ運ぶ。
「…うまいわ!これ(*^_^*)」
神戸小旅行から戻ってきたときにも作って好評だった覚えがあるので、豚肉のスライスは常に竜樹さんちの冷凍庫に居座ってる(笑)
…在庫を持っておいてよかった(*^_^*)
竜樹さんの笑顔を横目に、夕飯の用意に取り掛かる。
鍋に入れる鶏ダンゴは、ネギ1本をみじん切りにし、鶏ひき肉とあわせ、塩・コショウ・甘味噌(本当はショウガのみじん切りを入れた方がおいしい。竜樹邸で切らしてたので諦めたけれど)・少しのごま油を加えよく混ぜる。
スープは鶏がらスープに鰹節を加えひと煮立ちさせたあと、味噌と少しばかりキムチの素で味付け。
長ネギと白菜、豆腐と鶏団子を入れ煮立ったら、ラーメンを投入して2.3分煮込んで完成。
横になりながら待っていた竜樹さんを起こし、夕飯にありつく。
「鍋にラーメンってええなぁ。俺、ラーメン食べたかってん(*^_^*)」
ご飯を作ってるのを待ってる間、どうも体調が優れなかったみたいでなかなか起きられなかったみたいだけれど。
食べ始めると、たくさん食べてくれるのが嬉しい。
程なく2回目の炊き込みに入り、お腹一杯になるまで食べる。
お腹も心も満足したところで、ごろんと横になりテレビを見たりお話したりする。
その間、ずっと竜樹さんは私に触れ、時折キスをする。
いつもと比べるとずっと静かなじゃれあい。
それがどこか心に優しい。
気がつくと、眠ってしまっていた。
テレビの音が変わり「ちゅーぼーですよ!」が始まったことを知って、慌てて飛び起きる。
最近、竜樹さんは夕方過ぎると体調が悪くなるみたいで、ずっと頭痛を訴えている。
今もかなり頭痛がひどいみたい。
さりとて、このまま竜樹邸に留まれば、金岡母の鉄拳を食らうのは免れなくなる。
食卓と台所を片付けて、タクシー会社に電話しようとしたら竜樹さんが起き上がった。
しんどいのに送ってくれるというので、帰る支度をして竜樹邸を出る。
外はとても寒かった。
その上、雨が降った後に急激に冷えたせいか、竜樹さんの車の窓は凍り付いていた。
竜樹邸に戻り、鍋にお湯を取ってきて窓にかけ、家路を急ぐ。
竜樹さんの中に「早く帰さないといけない」って思いがあるのか、いつもよりもスピードが出てる。
少々それを怖いと思いながら窓の外を眺めていると、雪がちらついている。
それは私の家の方向へ向かえば向かうほど、降りが強くなってくる。
…路面、凍結してないかな?
気にしてるうちに私の家の近くまで、車は辿り着いている。
最後の角を曲がる時、ちょっと車がぶれた感じがした。
「…もしかして、路面、凍結始まってない?」
「うん。今の感じやと凍ってるわ(-_-;)」
「気をつけて帰ってね。こんな時に送らせてしまって、ごめんねm(__)m」
「おう。気をつけて帰るわな」
そう言って、別れる。
家に入ってからも、竜樹さんがきちんと帰れたかどうか不安でしょうがなくて、メールを一つ飛ばしてみた。
お返事があるとは思わなかったけれど、本当にお返事はなくて。
竜樹さんの安否が気になるのと、生活パターンが完全に夜型になってしまってるのとが重なって、結局朝まで起きていてしまった。
昨日の夜、友達からメールを貰っていたので返事を返すと、友達もまた朝まで起きてたという話。
そんなメールのやりとりを少しばかりしてるうちに、意識が落ちていってしまった。
どれくらい眠ったのか、見当もつかないけれど。
頭の上の方で携帯が鳴っている。
出てみると、竜樹さんだった。
「…あれ?霄、今起きたんか?」
「うん。朝まで寝られなくて、いい加減起きなって思っててんけど…」
「俺が電話したの、役に立ってんな(*^_^*)」
暫く携帯で話した後、起き上がり部屋の電話回線をつなぎなおして、お話の続き。
竜樹さんはきちんと帰れてて、今日はかなりいいことがあった様子。
竜樹さんが上機嫌で話しているのを聞くのは大好き。
電話口でにこにこしててもしょうがないのに、にこにこしながら話を聞いている。
ふと、明日の仕事始めの話になってしまい、ちょっと私がトーンダウン。
「…霄、もう会社辞めて、ちょっとの間、ゆっくりするか?」
突然、竜樹さんがそんなことを言い出した。
…去年までやったら「デフレスパイラルはあと2年くらい続くから、それまでは頑張れ」って言ってたのに?
驚く私を尻目に、竜樹さんはいろいろと提案してくれる。
去年の後半くらいから、精神的に職場にいるのが辛くて、家に帰ると日記を書く気力もネットにあがる気力もなくなってしまっていて、どう考えてもこんな状態を長く続けていていいはずはないと思っていた。
だから、動くなら今年だろうなとは前々から思ってはいたけれど。
竜樹さんと楽しい時間を過ごせることに対して、私が働いてきたことも少なからず貢献はしてきたのだから、それを「しんどい」という理由でぶん投げてもいいはずはないと思ってはいるけれど。
本当にこの状態が自分にとっていいもののようには思えなくなってるから、随分迷い続けているけれど。
勝手なもので、竜樹さんが自分のことを気にかけてるように思えていない時は、「ちったぁ、気付いてよ?」って思うくせに、気にかけすぎてるのが見えすぎると「あ、私の頑張りは足りない」と思ってしまう。
我慢し続ける強さではなく、竜樹さんの心に負担やある種の負い目を感じさせないようにする配慮は必要だよなって思う。
何より、しんどそうな私ではなく、笑顔溢れる私でいたい。
笑顔ばかりでいられないこともわかってるけれど、竜樹さんの心に小さな陽だまりを作れる人になりたい。
「ありがとね。どう出るべきか考えながら今年は動くから」
私の想いがどれほど伝わったかは判らないけれど。
私の心には小さな陽だまりができていた。
昨日、今日と竜樹さんの心が微妙に変わってるのを感じて。
安穏と現状維持をしてればいいわとはいかなくなるだろうなって気がしてる。
大気の冷え込みは今年初めての雪を連れてきて、次の日小さな陽だまりを残していった。
それと同じように、年末年始と冷えてしまった私の心に、竜樹さんは小さな陽だまりをくれた。
いろいろなことに決断下して、急激に物事を変えるにはまだまだ不足してることは多いけれど。
もしも、竜樹さんという陽だまりが私にとって変わることなくそこにあってくれるのなら。
その陽だまりを守るために、腰をあげる必要があるのかもしれない。
風はまだ強いけれど、そろそろ動き出さないといけないのかな?
陽だまりを見つめながら、そう思った。
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