週末のご褒美

2001年11月22日
今週は3連休のため、一日早く週末がやってくる。
竜樹さんに頼まれていたものを土曜日までに渡したかったので、仕事の後に竜樹邸に行くことにした。

先週持っていった豚の角煮がとても好評だったので、昨日会社の帰りにスーパーに寄って豚バラ肉を調達し、家に帰ってから金岡家の分とあわせて仕込んでおいた。
大根も安かったのであわせて調達し、金岡家用に鶏大根も作った。
最近は竜樹邸に持っていく差し入れを作っていると金岡母が拗ねるので(笑)、お土産とあわせて家の分のおかずも少しばかり作ることにしてる。
簡単な料理でも喜んで貰えれば御の字なので作るんだけど、いつもよりも仕込む量が多かったので少々疲れてしまった。

朝、いつもよりも少し早く起きて、豚の角煮を詰め込み、出かける。
慌てて出たために、竜樹さんに頼まれていたものを家に置き忘れてしまったことに気が付いたのは、電車に乗ってからだった。

竜樹さんが必要としてるものを忘れてしまったことで、何となく逢いに行きたくないような気持ちになってしまったけれど、竜樹さんに逢いたい気持ちが強くて、飛んでくる仕事をきりきり片付ける。
会社を飛び出し、友達とメールを交わしながら、電車に乗って移動する。
荷物の重さには辟易したけれど、めげずに(?)頑張って乗換えを繰り返しながら、竜樹さん地の最寄り駅まで何とか辿り着いた。
駅前のスーパーで少し食材を買い足して、バスに乗る。

竜樹邸に辿り着く頃にはふらふらになっていた。


「よく来てくれたなぁ(*^_^*)」

門を開ける音で気付いたのか、ドアを開けて出てきてくれた竜樹さん。
家の中に入り、冷蔵庫に食材を詰めたあと、リビングに移動して話をする。
頼まれていたものを持ってくるのを忘れたことを謝ると、別に不機嫌になることもなく、流してくれた。

竜樹さんの飼ってる魚が産んだ卵が孵り、ちっさな魚をがちょろちょろしてる水槽を眺めていると、背中から竜樹さんが抱き締めてくる。

「…ご飯、先に食べなくていいの?」
「迷うとこやねんけどなぁ……でもしたいねん」

いつもと違う展開にちょっとびっくりしたけれど、ちょっと困ったような顔をしてる竜樹さんがかわいらしくて、そのまま向きなおして抱き締める。
そうして、ゆっくりと互いを受け止め、預け始める。
寒くなってくると、体温が心地よくて、そのまま離したくなってくる。
やりとりが熱を増してきて、意識がぐちゃぐちゃになってきても、竜樹さんの温度が心地よくて。
ただ彼を預かり、ただ抱き締めることで何かを返す行為を繰り返す。
すべてのやりとりが終わってからも、竜樹さんの体温から離れがたくてそのままずっとくっついていたけれど。
ついていたテレビの音声が変わることで時間が遅くなってきてることがわかって、泣く泣く布団を抜け出す。

安心したような表情の竜樹さんを残して、着替えて台所に立つ。

我に返って、冷蔵庫を眺めると結構すぐに使わないといけない食材が多いことに気がつき、一人で慌てふためいている(笑)
それを煙草を吸いながら、どこか落ち着いたような表情で眺める竜樹さん。
どことなく、暖かいような空気の中で夕飯作りを始める。


今日の夕飯は、昨晩作って持ってきた豚の角煮と大根と鰻の柳川風、水菜と豆腐のサラダ。

大根と鰻の柳川風。
これは冷蔵庫掃除料理(笑)
先週鶏大根を作るつもりで買った大根が少しやらかくなり始めていたので、冷凍庫で眠り続けてた鰻とあわせて作った料理。
昆布でだしをとり、その中に輪切りにしてから縦方向にスライスし、更に半分くらいの細さに揃えた大根を投入、薄口醤油、酒、塩で味を調え、中火で煮る。
大根が透き通ってきたら、細く切った鰻(蒲焼にして1尾ごとに売られてるやつ)を鍋の真ん中に入れ、溶いた卵を回しいれ、火を止めて完成。
そのまま鍋ごと食卓へ。

水菜と豆腐のサラダ。
豆腐1/4丁を器に盛り、洗って食べやすい長さに切った水菜を乗せ、くし型に切ったトマトで飾り付けをし、和風ドレッシングをかけて食べる。


ちょっと遅い夕飯が完成し、竜樹さんがセッティングしてくれた食卓にご飯を運ぶ。

「いただきます!(*^人^*)」

金岡家では鰻を使った柳川風で使う食材は牛蒡だったりするので、大根と鰻と卵という取り合わせは初めて。
正直、自信はなかったけれど…

「うまいわ、これ(*^_^*)」

そういって、ぱくぱくと竜樹さんは鍋をさらえていく。
そのうち別の器に取り、「ちょっと持って行ってくるわなぁ」と言って、柳川風大根を竜樹さんの実家へ持って行ってしまった(゜o゜)
かなり、ご両親の反応が怖い気はしたけれど…
上機嫌な竜樹さんの表情を見てると、大丈夫なのかな?という気がしてきたので、引き止めるのはやめたけれど。

豚の角煮も相変わらず好評で嬉しい。
こんなに好評だと、調子に乗って毎週作ってしまいそう(*^_^*)
水菜を生で食べるのも竜樹さんのお気に召したようで、残さずに食べてくれた。
竜樹さんの食べっぷりを見てると、しんどかったことも辛かったこともみんな吹っ飛んでしまいそう。
会社帰りに竜樹邸に寄るのはちょっとばかししんどいのだけど、来てよかったって思える。

「…あ〜、よぉ食ったわぁ。おいしかったぁ(*^_^*)」

そう言って、笑顔を向けてくれる竜樹さん。

「ちょっとしんどそうやで?横になり?」

言われるまま、お布団を引いて横になる。
そうすると隣にやってきて、一緒に横になる竜樹さん。

「…あ〜、幸せやなぁ」
「そだねぇ(*^_^*)」

竜樹さんに腕枕してもらってくっつきながら、話す。
そのうち、竜樹さんも私も眠ってしまった。
それまで賑やかだったテレビの音が急に静かになる。
うつろな頭でテレビを見ると、深夜の洋画番組が始まってる。
慌てて時計を見ると、1時をまわっていた(゜o゜)
竜樹さんも異変に気付いたらしく、慌てて時計を見る。

「…霄、起きて。もう帰らんと」
「なんか帰るの、めんどくさい。竜樹さんにも悪いし」
「明日も来るんやろ?そしたら、今日は遅くなってもちゃんと帰らんとアカンやろ?」
「そだねぇ…」

身体がしんどい人に諭されながら、帰る用意をする。
洗い物を流しに持って行って整理して、荷物を纏める。


外はとても寒かった。
竜樹さんの背中が痛まないか心配だったけれど。
「ちゃんと送るから」という言葉に甘えてしまった。

車の中も寒かったけれど、二人の空気はどことなく暖かい。
帰る時間も何も気にせずにいられるようになれたらいいとずっと願っているけれど、お互いに越えないといけないことがあるから。
それを越えるまでは、いろんなことに折り合いつけながら頑張ろう。
週末を向かえる前の日に、二人でご飯を囲む。
そんなささやかな、だけど暖かくて愛しい週末のご褒美を糧にして、これからも頑張ろう。

竜樹さんの心の傍にいられるように、頑張ろう。


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