穏やかな風に乗りたくて…
2001年9月8日朝、目が覚めると吐き気がするような頭痛に襲われた。
…今日は竜樹さんちに行く日なのに
暫くして竜樹さんに電話すると、今日は外に出たいと竜樹さんは言った。
そんな風に話す竜樹さんの声は何処となくしんどそうだけれど。
とりあえず、用意をして出かけることにする。
途中、何度か竜樹さんちに電話するけれど、竜樹さんは出てくれない。
…今日は外食で済ませようと言っていたけれど、この調子だと作らないといけないかな?
電車を降りて、いつものスーパーで食材を買い込んでバスに乗る。
食材を買ってる時もかなり絶不調な私。
いつもならさっさと頭の中で作るものの組み立てができて買うべき食材が決まるのに、今日はなかなか決まらない。
バスの中で参考資料に持ってきた本を見返してみると、足りない食材がちらりほらり。
…また、作りながらどうするか考えるかぁ
どことなく投げやりな思考回路のままで、竜樹さんちに向かう。
竜樹さんちに着くと、竜樹さんのお母さんがいらっしゃった。
お母さんと話してると、妙に不機嫌な竜樹さん。
お母さんが帰ってから、横になってる竜樹さんの傍に座り込んで、お話を聞く。
「術後すぐの状態に戻ってもぉた感じがする…」
痛いから動かない、動かないと筋力が落ちて、更に痛みが増す、忌まわしい悪循環。
それを断ち切るためにも、本当は無理やりでも外に出かけないといけないのに、出かけられない。
竜樹さんの言葉の端々に、思うようにならないことへのもどかしさと苛立ちが見え隠れする。
…根本的に、私から竜樹さんにしてあげれることなんて何もないんだ
そう思うと言葉が出なくなる。
どうしていいのか判らなくなる。
そのうち、ゆっくりと竜樹さんが私に手を伸ばす。
竜樹さんが私に触れる時は、落ち着きたい時。
それが判るから、されるままになる。
やりとりにもつれ込むことのない時間は続く。
…私の心の中に宿る、やるせなさも切なさも消えることはないけれど、今は竜樹さんの心を落ち着かせることだけを考えよう。
そんな風に思ってるうちに、竜樹さんの中で「抑え」が効かなくなったらしい(笑)
ゆっくりとそれは始まっていく。
いつもよりも少しばかり熱のある竜樹さんに煽られるように、いろんなものを受け入れ、預けたような気がする。
何度も何度もそんなやりとりを繰り返し、静かな時間を迎える。
竜樹さんの寝顔を見ながら、また泣いてしまいそうになったけれど。
感傷に心を明渡せるほどの余裕なんてある訳もないんだと心に言い聞かせる。
心の中から感傷を追い払うと、私も睡魔に襲われそうになるけれど。
外へ食べに出るならともかく、出ないなら夕飯の準備をしないといけない。
竜樹さんが起きるのを待ちながら、夕食の段取りを考える。
眠りから覚めた竜樹さんは、思考が纏まらずにうにゃうにゃしてるけれど。
彼の様子を見ていると、今日も外食はなしになりそう。
竜樹さんの体調が思わしくない状態で外食すると、大抵ろくでもないことが起こるので(爆)、これはこれでよかったのかもしれない。
…本当に竜樹さんのことを思うなら、少々いろいろあっても、外へ連れ出した方がよかったのかもしれない
迷いに捕まりだしたらきりがないから、じゃれついてくる竜樹さんにご容赦頂いて(笑)、さっさと起き上がり夕飯の支度に取り掛かる。
今日の夕飯は、2種類の鶏のソテーとスモークサーモンとタコのサラダ。
鶏のソテーは、味付けが違うものを2種類作る。
鶏モモ肉を2枚用意。それぞれ一口大に切り、少し多めの塩・コショウ・ガーリックで味付けする。
表面にぱりっと焼き目をつけてから、じっくり焼きこみ皿に移す。
もう1種類は、バルサミコ酢とマヨネーズを1:2の比率で混ぜたものに、鶏がらスープの元を少々、刻んだパセリをいれ、最初のものより少な目の塩・コショウ・ガーリックで焼き目をつけた後、合わせた調味料を少しずつ入れ、味を調節しながら焼きこむ。
(本当は、バルサミコ酢とマヨネーズを混ぜたものを、焼きあがった鶏肉にかけて食べるらしいのだけど、出来上がったソースが余りにすっぱくて急遽、調理法を変えた)
あわせ調味料を入れると、鶏から出る油が心持ち多くなるので、余分な油をペーパータオル等で吸い取りながら焼きこむといいと思う。
マヨネーズが焦げすぎないうちに皿に移し、炒めたタマネギとパプリカを添える。
スモークサーモンとタコのサラダは、殆ど買ったものをそのまま並べたもの(笑)
タマネギをスライスし、水にさらしたものを器に盛り、ざく切りにしたキャベツを柔らかく茹で、冷水に取ったあと水気を切って、タマネギのスライスの上に乗せる。
そこに茹でたタコを一口大に切ったものを添え、その上からスモークサーモンを置く。
最後にイクラで飾り付けをし、回りにプチトマトを添え、フライドオニオンを散らして完成。
和風ドレッシングで食べる。
作り終えて後片付けをしてから、二人で向かい合って。
「いただきま〜す♪(*^人^*)」
さっきまでしんどそうにしていた竜樹さん、食事を取るとなぜか元気(笑)
今日は料理勘がどことなく鈍くて、正直おいしくできたかどうか自信はない。
竜樹さんはおいしいと思えば、「おいしい」と言ってくれるけれど、おいしくないものもはっきり「おいしくない」と言う人だから。
…あ〜ぁ、「黒星」喫するかなぁ(-_-;)
と覚悟していたけれど。
「美味いで、これ(*^_^*)」
苦肉の策で、調理法を変えた「バルサミコソースで焼きこんだ鶏肉」を指してそう言った。
…ほぇ?(゜o゜)
「お世辞、じゃないですよ、ね?」
「うん、食べてみ?美味いから(*^_^*)」
気が付くと、サラダも鶏肉も残り少なくなり、2膳目のご飯をついでる竜樹さん。
…本当に病人なの?竜樹さん?\(◎o◎)/!
そう聞きたくなる勢いだった。
食事の後、竜樹さんの実家からお父さんが登場。
暫く3人で話し込み、楽しい時間を過ごす。
「お前さんは幸せやなぁ。毎週ご飯を作ってもらって、自分は背中が痛いって寝とったらええねんから」
竜樹さんのお父さんがそう仰ったのが、なんだか嬉しかったんだ。
本当は竜樹さんの役に立ってなくても、それがホントならすんごい嬉しいなって思ったんだ。
30分ほど歓談し、竜樹さんのお父さんはおうちに帰っていかれた。
二人で暫く寝転がってじゃれあう。
じゃれあいが本気になってしまって、あとが大変だったけれど(爆)
暫くすると、竜樹さんは起き上がって、私を家まで送ってくれた。
二人でいてる時間は暖かい。
いろいろ問題はあるけれど、いつかは穏やかな風に乗れるのかな?
今の風向きは二人にとって最悪かもしれないけれど、穏やかな風に二人で共に乗れるように。
もう少し、頑張ってみよう。
…二人で頑張ってみたいって思ったんだ。
…今日は竜樹さんちに行く日なのに
暫くして竜樹さんに電話すると、今日は外に出たいと竜樹さんは言った。
そんな風に話す竜樹さんの声は何処となくしんどそうだけれど。
とりあえず、用意をして出かけることにする。
途中、何度か竜樹さんちに電話するけれど、竜樹さんは出てくれない。
…今日は外食で済ませようと言っていたけれど、この調子だと作らないといけないかな?
電車を降りて、いつものスーパーで食材を買い込んでバスに乗る。
食材を買ってる時もかなり絶不調な私。
いつもならさっさと頭の中で作るものの組み立てができて買うべき食材が決まるのに、今日はなかなか決まらない。
バスの中で参考資料に持ってきた本を見返してみると、足りない食材がちらりほらり。
…また、作りながらどうするか考えるかぁ
どことなく投げやりな思考回路のままで、竜樹さんちに向かう。
竜樹さんちに着くと、竜樹さんのお母さんがいらっしゃった。
お母さんと話してると、妙に不機嫌な竜樹さん。
お母さんが帰ってから、横になってる竜樹さんの傍に座り込んで、お話を聞く。
「術後すぐの状態に戻ってもぉた感じがする…」
痛いから動かない、動かないと筋力が落ちて、更に痛みが増す、忌まわしい悪循環。
それを断ち切るためにも、本当は無理やりでも外に出かけないといけないのに、出かけられない。
竜樹さんの言葉の端々に、思うようにならないことへのもどかしさと苛立ちが見え隠れする。
…根本的に、私から竜樹さんにしてあげれることなんて何もないんだ
そう思うと言葉が出なくなる。
どうしていいのか判らなくなる。
そのうち、ゆっくりと竜樹さんが私に手を伸ばす。
竜樹さんが私に触れる時は、落ち着きたい時。
それが判るから、されるままになる。
やりとりにもつれ込むことのない時間は続く。
…私の心の中に宿る、やるせなさも切なさも消えることはないけれど、今は竜樹さんの心を落ち着かせることだけを考えよう。
そんな風に思ってるうちに、竜樹さんの中で「抑え」が効かなくなったらしい(笑)
ゆっくりとそれは始まっていく。
いつもよりも少しばかり熱のある竜樹さんに煽られるように、いろんなものを受け入れ、預けたような気がする。
何度も何度もそんなやりとりを繰り返し、静かな時間を迎える。
竜樹さんの寝顔を見ながら、また泣いてしまいそうになったけれど。
感傷に心を明渡せるほどの余裕なんてある訳もないんだと心に言い聞かせる。
心の中から感傷を追い払うと、私も睡魔に襲われそうになるけれど。
外へ食べに出るならともかく、出ないなら夕飯の準備をしないといけない。
竜樹さんが起きるのを待ちながら、夕食の段取りを考える。
眠りから覚めた竜樹さんは、思考が纏まらずにうにゃうにゃしてるけれど。
彼の様子を見ていると、今日も外食はなしになりそう。
竜樹さんの体調が思わしくない状態で外食すると、大抵ろくでもないことが起こるので(爆)、これはこれでよかったのかもしれない。
…本当に竜樹さんのことを思うなら、少々いろいろあっても、外へ連れ出した方がよかったのかもしれない
迷いに捕まりだしたらきりがないから、じゃれついてくる竜樹さんにご容赦頂いて(笑)、さっさと起き上がり夕飯の支度に取り掛かる。
今日の夕飯は、2種類の鶏のソテーとスモークサーモンとタコのサラダ。
鶏のソテーは、味付けが違うものを2種類作る。
鶏モモ肉を2枚用意。それぞれ一口大に切り、少し多めの塩・コショウ・ガーリックで味付けする。
表面にぱりっと焼き目をつけてから、じっくり焼きこみ皿に移す。
もう1種類は、バルサミコ酢とマヨネーズを1:2の比率で混ぜたものに、鶏がらスープの元を少々、刻んだパセリをいれ、最初のものより少な目の塩・コショウ・ガーリックで焼き目をつけた後、合わせた調味料を少しずつ入れ、味を調節しながら焼きこむ。
(本当は、バルサミコ酢とマヨネーズを混ぜたものを、焼きあがった鶏肉にかけて食べるらしいのだけど、出来上がったソースが余りにすっぱくて急遽、調理法を変えた)
あわせ調味料を入れると、鶏から出る油が心持ち多くなるので、余分な油をペーパータオル等で吸い取りながら焼きこむといいと思う。
マヨネーズが焦げすぎないうちに皿に移し、炒めたタマネギとパプリカを添える。
スモークサーモンとタコのサラダは、殆ど買ったものをそのまま並べたもの(笑)
タマネギをスライスし、水にさらしたものを器に盛り、ざく切りにしたキャベツを柔らかく茹で、冷水に取ったあと水気を切って、タマネギのスライスの上に乗せる。
そこに茹でたタコを一口大に切ったものを添え、その上からスモークサーモンを置く。
最後にイクラで飾り付けをし、回りにプチトマトを添え、フライドオニオンを散らして完成。
和風ドレッシングで食べる。
作り終えて後片付けをしてから、二人で向かい合って。
「いただきま〜す♪(*^人^*)」
さっきまでしんどそうにしていた竜樹さん、食事を取るとなぜか元気(笑)
今日は料理勘がどことなく鈍くて、正直おいしくできたかどうか自信はない。
竜樹さんはおいしいと思えば、「おいしい」と言ってくれるけれど、おいしくないものもはっきり「おいしくない」と言う人だから。
…あ〜ぁ、「黒星」喫するかなぁ(-_-;)
と覚悟していたけれど。
「美味いで、これ(*^_^*)」
苦肉の策で、調理法を変えた「バルサミコソースで焼きこんだ鶏肉」を指してそう言った。
…ほぇ?(゜o゜)
「お世辞、じゃないですよ、ね?」
「うん、食べてみ?美味いから(*^_^*)」
気が付くと、サラダも鶏肉も残り少なくなり、2膳目のご飯をついでる竜樹さん。
…本当に病人なの?竜樹さん?\(◎o◎)/!
そう聞きたくなる勢いだった。
食事の後、竜樹さんの実家からお父さんが登場。
暫く3人で話し込み、楽しい時間を過ごす。
「お前さんは幸せやなぁ。毎週ご飯を作ってもらって、自分は背中が痛いって寝とったらええねんから」
竜樹さんのお父さんがそう仰ったのが、なんだか嬉しかったんだ。
本当は竜樹さんの役に立ってなくても、それがホントならすんごい嬉しいなって思ったんだ。
30分ほど歓談し、竜樹さんのお父さんはおうちに帰っていかれた。
二人で暫く寝転がってじゃれあう。
じゃれあいが本気になってしまって、あとが大変だったけれど(爆)
暫くすると、竜樹さんは起き上がって、私を家まで送ってくれた。
二人でいてる時間は暖かい。
いろいろ問題はあるけれど、いつかは穏やかな風に乗れるのかな?
今の風向きは二人にとって最悪かもしれないけれど、穏やかな風に二人で共に乗れるように。
もう少し、頑張ってみよう。
…二人で頑張ってみたいって思ったんだ。
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