昨日の夕方頃から、原因不明の背中痛に襲われた。
横になっているのも辛かったけれど、身体を起こしているのはもっと辛かったから、横になって背中の痛みと格闘してるうちに寝入ってしまい、たくさんの寝汗で目が覚めた。

「…今日はどうしようかなぁ?」

私自身が本調子じゃないので迷い迷い電話をすると、電話に出た竜樹さんもまたとても調子が悪そう。
それでも、帰省していた弟さんを空港へ送った後なら逢えるからおいでという言葉を受けて用意を始める。
いざ出かけようとしたとき、父から飛んできた言葉にカチンとくる。

…確かに、午前様続きじゃご近所さんにカッコ悪いってなぁわかるけどね

ムッとした気持ち一つ抱えて、家を飛び出した。


家を出て暫くすると、スコールのような雨。
傘を持っていない私は、濡れながら駅を目指した。
突発的にやってきた強い雨は、電車に乗る頃にはあがっていた。

電車を乗り継ぎ、竜樹さん家に向かうバスに乗る前に、またもや夕飯の買い物をする。
相変わらず、頭の中でメニューを繰り出しながら、食材をカゴに放り込む。

…今日も、竜樹さんが喜んで食べてくれるといいな(*^_^*)

レジを済ませて外に出ると、殆ど待たずにバスに乗れた。


竜樹さんの家に入ると、家の中は静まり返っていた。
竜樹さんの様子が気になって2階に上がると、竜樹さんはとても苦しそうにしてた(T_T)

「これから病院に行って、注射打ってこなアカンねんけどな…。車を運転するのもしんどいねん」

免許を持っていない私は、竜樹さんが一番しんどい時に役に立たない。

「…タクシー、呼ぼっか?」

恐る恐る聞く私に、竜樹さんは暫く何も答えることができない。

「…もう少しだけ、横になって様子見るわ…」

そう言って、竜樹さんは寝返りを打った。
何となく居たたまれない気持ちになって1階に降りた。


買った食材を片付け、流しに目をやると片付けが済んでいない食器がたくさん積んであった。
割とちゃんちゃん片付ける竜樹さんがここまでほりっ放しにしてることから、竜樹さんの調子がとても悪いことが判る。
もくもくと洗い物を始め、洗いあがった食器を食器乾燥機に押し込み2階に上がると、竜樹さんは起き上がって着替えていた。

「…これから頑張って医者に行ってくるわ。霄は家で待っててくれるかなぁ?」

竜樹さんが出かけるのを玄関まで見送り、夕飯の準備に取り掛かる。


今日のメニューは…タイトルがありません(笑)
金岡家で何度か出てきた、多分金岡母の創作料理。
ニンジンと白菜とタマネギを塩コショウで軽く炒め、むきエビを塩コショウで炒めたところに先に炒めてあった野菜をもどして一緒に炒めなおし、少しの水と鶏ガラスープの素で煮る。
最後に水溶き片栗で軽くとろみを付けて完成。

それと豆腐サラダ。
ドレッシングはおとつい買って来た中華ドレッシングに小口切りにした万能ねぎとみじん切りにしてカリっとする手前まで炒めたベーコンを放り込んだもの(笑)

作っている間に竜樹さんが戻ってきて、台所の隣の部屋で横になりながら私が料理をしてるのを見ていた。
じっと見られるのって恥ずかしいものだけど、作るのに夢中で見られてることを忘れていた(^^ゞ


よく冷えた2階にご飯をを持って上がる。
二人とも、動き回った後だったからすぐに食べることができず、暫くぼーっと涼んでいた。
そうしてるうちに夕飯は、ネコ舌な竜樹さんには丁度いい温度になっていた。

「いただきます(^人^)」

二人向かい合ってご飯を食べ出した。

「美味い!!上手にできてんなぁ、霄(*^_^*)」

竜樹さんのそんな笑顔が嬉しい。
こないだの簡単メニューの時も随分お褒め頂いたけれど、今日はさらに竜樹さんの機嫌がいい。

「冷めても美味いのは、ホンマに美味いってことやねんで?」
「豆腐サラダのドレッシングも美味い!!」

いつも一度にたくさんの量を食べられない竜樹さんが珍しく2膳目のご飯を食べ、山のようにあった中華風野菜シチュー(竜樹さん命名)はキレイになくなっていた。

…ご飯を作りに来てよかったぁ(*^_^*)

親に小言を言われても雨に降られても、それだけで満足できた。


いつものように、食事の後竜樹さんの部屋で横になる。
竜樹さんはやさしいけれど、少し強めに私を抱き締めてくれる。
長めのキスと優しく抱き締めてくれる腕だけで、幸せな気持ちになったけれど。
どこからともなく、何気なく。
二人はまたやりとりを始める。

…竜樹さん、大丈夫なのかな?

優しさの中に見える小さな激しさに戸惑いながら、そんなことを思ったりするけれど。
竜樹さんの起こす大きな波に飲み込まれては、もがき続ける。
そんな中にある小さな安心を受け取って、そんな時間に幕は下りる。


「…霄、ゆっくり休んだらええからな」

髪をなでる竜樹さんはそう言ってくれたけれど。
このままだと寝入ってしまって、再び午前様コースになってしまう。
それを繰り返してしまえば、本当に今度こそ両親とバトることになるのは目に見えてるから、身体を起こして意識を覚まそうとする。

「…今日、午前様やったらアカンねんもん。このままやったら寝ちゃうもん」

ダダっ子みたいな口調でぶつぶつ言ってる私を竜樹さんは優しく抱き締めてくれる。

「俺がちゃんと送ってってやるから、ちょっと休んどき?心配せんでええから」


その言葉をありがたく思いながら、竜樹さんの隣で少しだけ横になっていた。


…やっぱり竜樹さんの傍がいいよぉ

そんな風に思いながら、竜樹さんの傍でくっついていた。


やがて、帰る時間になり、車に乗る。
車の中で交わす会話の中にすら、垣間見られたのは。
私の気持ちの中の予見と竜樹さんの実際とにずれがあったとしても。
竜樹さんが私を大切に想ってくれてるだろうってこと。
もしかしたら、それが今日一番の収穫だったのかもしれない。


家に着き、私が家の中に入るのを確認するまで車を出そうとしない竜樹さんを愛しく思いながら、実感したこと。


「他に何もいらない 本当はわかっていたこと
             信じられる誰かの笑顔ひとつだけあれば」


いろんな困難を乗り越えてなお、竜樹さんの気持ちと自分自身の気持ちを疑わずにいられた理由があるとしたら。
本当にそんなシンプルな理由だったのかもしれない。

互いが互いの笑顔ひとつを必要として、何かを目指していった先に。
本人同士が、そのついでに周りが納得する「結果」を手に入れられたなら。
それがとてつもない幸せなのかもしれない。

…そんな風に思ったんだ。


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