一瞬の晴れ間

2001年5月24日
ここ数日、水面下でいろいろ考えていた。
湿気を含んだ鈍色の空や降り続く雨のせいだったかもしれない。
意味もなく泣けてきたり、何を見ても僻んだり嘆いたりして。

「6年も付き合ってて結婚にも至らないのは、その関係って破綻してるのよ。
続けても無駄なんじゃない?もうやめて次に行けば?」

あの会社で勤め始めてから、何かにつけてそう言ってくる人がいて。
ずっと流して済ましてきたのに、そんな言葉が妙に癇に障ったり心の中に暗い影落としたりして。

「らしくもない」ことにようけ捕まった気がする。

竜樹さんの調子が悪くて、連絡が取れなくなってたせいかもしれない。
私自身がどこかガタ来てるのかも知れない。
何が原因で捕まってしまったか、まだ特定できてはいないけれど。


取るに足りない「自分」を嘆いていた。
何からも認められてないような「自分」を嘆いていた。
止まって休んでしまうと、心が蹲ってしまうようで、
ますます深みにはまっていった。


「もっと自分を労わりなよ?」
「もっと自分を大切にしてよ」

いろんな人に心配だけかけてしまってる。
気を遣わせてしまってるみたいで申し訳ない気持ちでいてることに変わりはないんだけど…


…でもね、判ってしまってん

私は「止まる」とダメみたい。
じっとしてるとろくなこと考えない。
ここ数日はなるべく自分なりに「休もう」って思ってた。
よほどのことがない限りは無理はしなかったつもりだけど。
ただでさえ好きじゃない「自分自身」が大嫌いになった。
すんごい惨めな感じやった。


何ものにも認められない、何ものも得ることが出来ない。
こんな私だけど。
「私自身」が自分を認められずに全て放棄したら、
「私」は何物でもなくなってしまうよね?
今まで労わり慣れしてへんから、却って労わろうと頑張り過ぎたのが仇になったかな?
きりきりまで自分を追い詰めてから、跳ね上がってくるような力一つに頼って生きることにあまりに慣れ過ぎてしまったからかな?
どうも留まることに良さを見出せないんだ。


他人に心配かけるような生き方は極力したくないし、するべきじゃない。
でももう暫くだけ、私は私の「本能」の部分にあるものに任せようって思う。

寝たくなければ、気が済むまで眠らない。
「電池」が切れたら、おとなしく充電されるまで眠る。
ご飯食べたくなければ、食べたくなるまで食べないし、
食べたくなったら、おとなしく食事する。
遊びたければ気が済むまで遊びまわるし、
遊ぶ気力がなくなれば一日おとなしくしてる。
竜樹さんの心配もしたけりゃ勝手にするし、
考えたくもなくなったら、竜樹さんが頭の中に浮かぶまで考えない。

もう「私」の気の赴くまま、委ねてみようと思うんだ。
もちろん、会社にいる8時間近い時間は「会社」のルールに従うし、
他人を傷つけないように配慮するっていう最低限度のルールも守る。
そんなんは当たり前のこと。


でも、私の主は他ならぬ私自身。
何にも持っていなくても、何にも形作れなかったとしても、
私が私を放棄したなら、もう何処にも存在してられないから。


…ごめんなさい、もう暫くだけ私は私の気の済むようにします。

きっと、ようようふらふらでも生きてはいるから。
そんな中から竜樹さんの隣で立つ位置やら役割やら存在意義やら見つけ出すから。

心配なくなくです。

どうとしてでも生きては行くから。
どうしようもなくても、私は私でしかないんだから…


そう居直って用事を片しに外に出ると、雨は上がっていた。
その数十分後にはまた雨が降り出すんだけど…
一瞬見えた晴れ間がまるで居直った私に「好きなようにやってみろや」って言ってくれてるような気がして、なんだか嬉しかったんだ。
居直りで何が変わるわけでなかったとしても、
なんだかひどく嬉しかったんだ。

そして数時間後、再び雨の中家路を急ぐ。
最寄の駅から「竜樹さんメール」をひとつ飛ばしたけれど、案の定返事はなくて。

…今日も学校には行けなかったのかな?

とため息ひとつ。
でも、私自身の「あり方」が決まっただけでもマシな一日だったんだろうか?
そう思うと少しだけ心の中に晴れ間が見えた気がした。
正しかろうが間違ってようが今はそれで十分な気がしたんだ。


家に帰ってひと心地ついてから、思い切って竜樹さんのところに電話したんだけど、
これまた予想通り出てはもらえなくて。
がっかりしても仕方がないから、またパソコンに向かう。
ちょうどよくネットの友達が捕まえてくれたので、お話をする。
何回か回線が切れて繋ぎ直してる時、携帯から「初恋」が…

…竜樹さんだ(*^_^*)

ちょうど良く(?)なかなか回線が繋がらないことをいいことに、電話で話す。

「今日も学校へは行けなかったの?」
「いや、今日は行ったよ。結局、休んだのは22日だけ」
「…そっかぁ」

話してるうちに電話回線はネットに繋がる。
さすがに竜樹さんと話しながら友達と話すことは出来そうになかったから、お友達に断りを入れた途端、

「…じゃあ、これから宿題があるから」

そう言って竜樹さんはとっとと電話を切ってしまった(>_<)
そして一旦終わるはずだったお友達との会話が続いていくことになった。


友達とお話を終えて時計を見ると、あと数時間で会社に行く時間になってた。


(日付が変わってるので)今日は健康診断(>_<)
1年1度の恐怖の健康診断。
気が進まないけど、行かないといけない。

…とりあえず、寝よう。


そうして、目まぐるしい私の一日は終わった。
鈍色の空から晴れ間が何度か見えた、そんな一日だった。

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