激情

2001年5月23日
今日も鈍色の空から雨が降る。

昔から雨なんて好きじゃなかったけど、
竜樹さんに出会ってからは大嫌いになった。

雨が降ると竜樹さんの笑顔が消えるから。

竜樹さんの背中を痛め続けた挙句に、彼の呼吸すらしにくくするから。


化学が進歩したと言うなら、
雨が降らなくても水不足にならないように、
水を大量に精製できる技術を開発してくれりゃいいのに。

人工的に気象を変えられる技術があると言うなら、雨自体降らせないようにしてくれりゃいいのに。


そんなことを言ったら、あなたはこう言うんだろうね。


「そんな自然の摂理に反したようなことを望むのは、間違ってる」と。


何と比べてあってるとか違ってるとか、そんな問題じゃないんだよ?

あなたの顔に笑顔が少しでも多くあることを希ってるだけだよ。

それ以外の何物でもないんだよ。


…願っても仕方のないこと願ってみたって、
どうしようもないこた判ってる。

そんなことを願うより他に何かできること探す方が正しいことも判ってる。

でも、雨が降る度に閉ざされてくような感じがするんだ。

雨が二人が寄り添って歩いていく道を閉ざされていくような気がするんだ。


歩いていく道が閉ざされてしまうものだとしても。

あなたと二人がいい。

二人が寄り添ったまま、二人が共にある世界が閉ざされてしまえばいいのに。

なのに。

雨は、二人を分け隔てたままで閉ざしてしまうんだ。

そして、私の中に眠る「雨の日に起こる失敗の記憶」と
「ないものねだりな激情」だけ揺り起こすんだ。


…だから、

雨続きの一日は大嫌い。

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