クマと散歩

2001年5月16日
今日は朝から天気がいい。しかも比較的湿度は低い。
暑くなりそうな感じがする。

会社に入るとねむねむモードは炸裂しっぱなしで、パソコンの前に座っても机に向かっても倒れそうになる。
爆弾コーヒーも効き目がない,(_ _)(-.-)(~O~)ふぁ・・(~O~)(-.-)

…困ったものだ

ようよう意識を繋いでやっと昼休みを迎えた。


ふと思い立って、机の中の携帯を通勤用リュックの外ポケットに押し込んで外に出た。
1Fのガレージに置いてる自転車に乗って出かける。
夕方に食べるお菓子を買いに、コンビニへ向かった。
いつもなら駅の方に向かって自転車を走らせるのだけど、今日はちょっと遠出したくなって、片道15分近くかかるコンビニへ向かった。
温度もちょうどよく、風も心地いい。

産業道路沿いに走るので、殺風景と言えば殺風景なんだけど。
ところどころある会社の敷地内にある木の碧が鮮やかで、ささくれ立った気持ちが少し和む気がした。

…毎日通勤の度に自転車を走らせるけれど。
いつもすごいスピードで駆け抜けるから、周りの風景など見てる余裕がなくて。
会社に入ると階段の踊り場にある窓くらいしか、きちんと開けられる窓もなくて。
木々の碧さが深くなっていく様に気を留めるなんてこと殆どなかった。


今の会社に入社した当時、いろんなことが重なって気持ちが滅入ってて、いつも社屋の外に出たくて仕方なかった。
当時は自転車を持ってなかったからパートさんに自転車を借りて、昼休みになると雨が降らない限り走り回ってた。
そのうち会社の中にいることに対する嫌悪感が少なくなり、一人の時間を取りにくくなってしまったこともあって、昼休みに遠出をするのはご無沙汰してた。


…ふと視線を左の方にやると、フェンスで囲まれた空き地が目に飛び込む。
思わず自転車を停めて、空き地を眺める。
そこにはシロツメクサやレンゲが所狭しと咲いている。
こんな街中にまだこんな場所もあったんだと感心しきり。
こんな風景を見たのは、子供の頃以来だ。


子供の頃の目線だと、目に飛び込むものは何でも新鮮に映ったのに、目線が高くなるにつれて気にも留めなくなっていた。
こうして何気に飛び込んでくるか、意識的に「心の瞳」で見ようとしない限り、こんなことには気づきもしないのだろう。


背中のリュックの外ポケットからクマが外を眺めてる。
私の携帯にはクマのぬいぐるみが2匹ついているのだ。

…以前話題に上った竜樹のクマと私のクマだ(笑)

竜樹さんは自然を感じ取れる場所が大好きだから、こんな場所を見つけたら喜ぶだろうな。
今ここにいらっしゃらないのが、ちょっと残念。
ご本人は今頃、学校でみんなと楽しくご飯を食べてるだろう。

「まぁ、『クマ竜樹さん』が竜樹さんの代わりに一緒に見てくれたからいいだろう」

そう思って、また自転車を走らせる。


…そう言えば、
竜樹さんがまだ元気だった頃、大きな川の上流まで車で上がって、
川に入って魚を捕ったり、岩の上にぼけっと座って二人で木々の碧や川の流れを眺めたことがあった。

それは彼が入院するまで続いた。


竜樹さんは流れが塞き止められた場所で小さな魚を素手でよく捕まえた。
魚とりがとても上手だったのには感心したけれど。
もっと驚いたのは、野生の魚は岩で囲んで作った小さな生け簀などものともせず、ぽーんと飛び出して流れの中に戻っていく。
10cmもない小さな魚にそんな強さがあるってこと、そのとき初めて知ったんだ。


川の流れの速さや水の冷たさ。
木々の碧さの圧倒的な鮮やかさ。
自然の流れの中を泳ぐ小さな魚の力強さ。
そんなもののすべては竜樹さんに見せてもらって始めて気づいたもの。
竜樹さんがいなかったらきっと気がつかないまま過ごしただろう、ささやかな、でもとても大切なこと。

今日、何気なく目に飛び込んだ小さな自然なんて足元にも及ばないだろうけれど。
小さな竜樹さんの分身と一緒に見つけられてよかった。
本当にささやかなことだけど、そう思ったんだ。


竜樹さんが昔のような元気さを取り戻すには、まだまだ時間がかかるだろうけど。
もしも、今よりもっと体調がよくなったら、
またあの場所に行ってみたいな。

「夢路」はまだ遠いのだろうけれど、
竜樹さんの大好きな自然の中でゆったりとした時間をすごせたらいいな。
また二人で何気ない自然の強さや鮮やかさを眺めてみたいな。


そんな時間をもう一度共有できる日が来ますように…

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