探し物を続けながら…
2001年5月9日相変わらず寝つきが悪くて、やっと意識が落ちたと思ったら朝がやってくる。
どうしようもなく胃が痛い。
外は晴れていて暑いくらいだったけど、湿度が高い。
「…昨日息遣い荒くなってたし、今日もしんどいかもなぁ。
こんなに湿度が高かったら…」
纏わりつくような湿気にうんざりしながら電車に乗る。
昨日竜樹さんと話せたせいか、外の空気の状態で竜樹さんの体調を慮ることに抵抗はなくて。
ただただ、今日一日竜樹さんが無事に過ごせますようにと心の中で願いながら、会社に入る。
相変わらず、ねむねむモードと体調不良モードが同居してる状態。
だけど、それに負けてるわけにもいかなくて。
落ちゲーのように降って来る仕事を、爆弾コーヒー片手にこなしていく。
途中、すきっ腹に爆弾コーヒーはきついかと思ったから、お弁当鞄の中にあったチョトスを食べもって仕事をする。
…それがよかったのか悪かったのか。
昼食の入りが悪くて、お腹が重い。
会社に常備してある胃薬3錠、お茶で流し込む。
それを見ていたボスが、「金ちゃん、薬飲みすぎ」と窘める。
ボスは話し出したら長いから、日記が書けなくなりそうでちょっと嫌だったんだけど。
何が原因で胃が痛くなるのかについてよく知ってはったので、日記の下書きをするのを諦めてボスの話を聞くことにした。
…私が元気でなかったら、竜樹さんが心配するから。
病人が二人になったら、一緒にいててさらに困難が増えるんだから
ボスは本当に役立つ話いろいろしてくれた。
その中でも、初耳なことがあって。
目が悪くなると、(特に乱視が入ってる状態で眼鏡やコンタクトもせずに)
パソコンの画面を一生懸命長時間見てると、胃が痛くなるらしい。
目が悪いのかもなんて疑ったこともないから、ちょっと目から鱗な感じで…
昼からも爆弾コーヒー片手に仕事をこなし、よろよろ会社を出る。
最寄の駅に着き、形態を取り出し「竜樹さんメール」を一つ飛ばす。
…返事はなかった
「これだけ湿度が高かったら、学校に行けてくれてさえいたらありがたいや」
そう思って家に帰る。
夕飯を食べ終えた後、食卓の上の新聞を読んだ。
紙面に小さく「セブン」のDVDの広告が載っていた。
何でも、未収録映像だのもう一つの結末映像だのが入ってるらしい。
…そう言えば、「セブン」って竜樹さんと観に行ったんだよなぁ
確か、あれを見る前に「今日は餃子屋で夕飯を食べよう」という話をしてたのに。
見終わったら後味が悪すぎて、殆ど食事が進まなかったっけ。
すんごいおいしい餃子屋で、私、そこで食事するのを楽しみにしてたのに(T_T)
その後、あんな映画二度と観たくないって話をしてたよなぁ。
ブラッド・ピットは好きだったのに(爆)
何気に昔のことを思い出したのがきっかけだった。
部屋に戻っていろんなことをしながら、思い出しの作業に入る。
竜樹さんと一緒にい始めた頃から入院するまでの間、
二人でよく映画を観に行ったんだ。
お付き合いする前に外で二人で会った時、
「一緒に映画でも観に行こう?」って言われたんだ。
その当時は竜樹さんとお付き合いすることになるなんて思ってなかったし、「竜樹先生」が女の人に困ってないっていう風評は腐るほど聞いてたから、そんな申し出を本気にせずに流してしまったけれど。
それからいろいろあって、二人は一緒にい始めて。
何本くらい映画を観たっけ?
どうしても探し出さないといけないものを探しながら、思いつくまま映画のタイトルをノートに書き出していく。
リバイバルのものや、ビデオで見たものも入れたら、ちゃんとした本数が判らない。
思い出しの作業に集中してないからかもしれない。
またそんな作業をしながら探し物をしてるものだから、探してる物も見つからない。
時間だけがどんどん過ぎていく(>_<)
…疲れてしまって、探し物も思い出しの作業も止めて一息つく
二人が一緒にいて何をしてきたのか。
思い出すのはとても大変なことで。
でも、一つ一つをエピソードつきで思い出していくと、いいことも悪いこともそのすべてが愛しいものであって、
その積み重ねが今の二人を作り上げたんだなって思う。
いつもいつもその時あるものをクリアしていくことに精一杯で。
何をしてきたのか、滅多やたら振り返ったりはしなかったような気がする。
だけど、何気に振り返る中でその時見えなかったものが見えることもある。
その時どんな想いを抱えて過ごしたのかが見えることもある。
その時足りなくて、今は満ち足りてるもの。
その時はきちんと持っていたのに、今はどこにやってしまったか判らないもの。
そんなものを焦らずに何気に見つけては、何かの形で残せたらいいな。
そして、いつか何気に竜樹さんにも話してみたいな。
…今まで、こんなことしたよ。
二人でいっぱい笑いあったよ。
ケンカしたことも泣いたことも泣かせたことも。
傷ついたり傷つけられたりしたことも。
抱きしめたり、抱きしめられたりしたことも。
二人でいるから強くなれたことも、二人でいたから弱くなってしまったことも。
二人が歩いてきた6年にはいろんなものが詰まってるね。
ゆっくりでもいいから何かの形にしたいんだ。
それを時間に嫌な部分を洗い流されてキレイになった思い出をただ懐かしむためでなく、
これから二人が歩いていくための糧に出来たら。
そう思うんだ。
あの時見えなかったものが、今だから見えるのかもしれない。
あの時持っていなかったものが、今はこの手の中にあるかもしれない。
もちろん、あの時見えたものが今は見えなくて、
あの時持っていたものが、今はもう持っていないことだってあるかもしれない。
そんないろんなものを二人で持ち寄りながら、抱きしめながら。
いつか二人の行き着く先を恐れることなく生きていける二人になれたらいいね。
今はまだ、互いの置かれた状況やしないといけないことに手一杯で、
お互いの関係を確固たるものに出来るだけの余裕もなければ自信もないんだろうけど。
少しずつ思い出しながら、だけどこれからの「二人」を目指して。
探し物を続けながら、歩けたらいいな。
長い旅はまだ続くのだろうけど、いろんなことを心に留めながら手を繋いで歩けたらいいね。
これからも竜樹さんといろんなことをしていきたいな。
竜樹さんにとって嬉しいこと辛いこと、楽しいこと悲しいこと。
そのすべてのものの近くにいつでもいられたらいいな。
自分の部屋で探し物をしながら、
思い出の中の「私たちの足跡」を探しながら。
そう願わずにはいられなかったんだ。
探さないといけないものも見つめないといけないものもたくさんあるけれど、
投げることなく、暖かな気持ちで取り組んでいけたらいいな。
その隣に竜樹さんがいたなら、とても幸せなんだと思うよ。
…本当にそう思うよ。
どうしようもなく胃が痛い。
外は晴れていて暑いくらいだったけど、湿度が高い。
「…昨日息遣い荒くなってたし、今日もしんどいかもなぁ。
こんなに湿度が高かったら…」
纏わりつくような湿気にうんざりしながら電車に乗る。
昨日竜樹さんと話せたせいか、外の空気の状態で竜樹さんの体調を慮ることに抵抗はなくて。
ただただ、今日一日竜樹さんが無事に過ごせますようにと心の中で願いながら、会社に入る。
相変わらず、ねむねむモードと体調不良モードが同居してる状態。
だけど、それに負けてるわけにもいかなくて。
落ちゲーのように降って来る仕事を、爆弾コーヒー片手にこなしていく。
途中、すきっ腹に爆弾コーヒーはきついかと思ったから、お弁当鞄の中にあったチョトスを食べもって仕事をする。
…それがよかったのか悪かったのか。
昼食の入りが悪くて、お腹が重い。
会社に常備してある胃薬3錠、お茶で流し込む。
それを見ていたボスが、「金ちゃん、薬飲みすぎ」と窘める。
ボスは話し出したら長いから、日記が書けなくなりそうでちょっと嫌だったんだけど。
何が原因で胃が痛くなるのかについてよく知ってはったので、日記の下書きをするのを諦めてボスの話を聞くことにした。
…私が元気でなかったら、竜樹さんが心配するから。
病人が二人になったら、一緒にいててさらに困難が増えるんだから
ボスは本当に役立つ話いろいろしてくれた。
その中でも、初耳なことがあって。
目が悪くなると、(特に乱視が入ってる状態で眼鏡やコンタクトもせずに)
パソコンの画面を一生懸命長時間見てると、胃が痛くなるらしい。
目が悪いのかもなんて疑ったこともないから、ちょっと目から鱗な感じで…
昼からも爆弾コーヒー片手に仕事をこなし、よろよろ会社を出る。
最寄の駅に着き、形態を取り出し「竜樹さんメール」を一つ飛ばす。
…返事はなかった
「これだけ湿度が高かったら、学校に行けてくれてさえいたらありがたいや」
そう思って家に帰る。
夕飯を食べ終えた後、食卓の上の新聞を読んだ。
紙面に小さく「セブン」のDVDの広告が載っていた。
何でも、未収録映像だのもう一つの結末映像だのが入ってるらしい。
…そう言えば、「セブン」って竜樹さんと観に行ったんだよなぁ
確か、あれを見る前に「今日は餃子屋で夕飯を食べよう」という話をしてたのに。
見終わったら後味が悪すぎて、殆ど食事が進まなかったっけ。
すんごいおいしい餃子屋で、私、そこで食事するのを楽しみにしてたのに(T_T)
その後、あんな映画二度と観たくないって話をしてたよなぁ。
ブラッド・ピットは好きだったのに(爆)
何気に昔のことを思い出したのがきっかけだった。
部屋に戻っていろんなことをしながら、思い出しの作業に入る。
竜樹さんと一緒にい始めた頃から入院するまでの間、
二人でよく映画を観に行ったんだ。
お付き合いする前に外で二人で会った時、
「一緒に映画でも観に行こう?」って言われたんだ。
その当時は竜樹さんとお付き合いすることになるなんて思ってなかったし、「竜樹先生」が女の人に困ってないっていう風評は腐るほど聞いてたから、そんな申し出を本気にせずに流してしまったけれど。
それからいろいろあって、二人は一緒にい始めて。
何本くらい映画を観たっけ?
どうしても探し出さないといけないものを探しながら、思いつくまま映画のタイトルをノートに書き出していく。
リバイバルのものや、ビデオで見たものも入れたら、ちゃんとした本数が判らない。
思い出しの作業に集中してないからかもしれない。
またそんな作業をしながら探し物をしてるものだから、探してる物も見つからない。
時間だけがどんどん過ぎていく(>_<)
…疲れてしまって、探し物も思い出しの作業も止めて一息つく
二人が一緒にいて何をしてきたのか。
思い出すのはとても大変なことで。
でも、一つ一つをエピソードつきで思い出していくと、いいことも悪いこともそのすべてが愛しいものであって、
その積み重ねが今の二人を作り上げたんだなって思う。
いつもいつもその時あるものをクリアしていくことに精一杯で。
何をしてきたのか、滅多やたら振り返ったりはしなかったような気がする。
だけど、何気に振り返る中でその時見えなかったものが見えることもある。
その時どんな想いを抱えて過ごしたのかが見えることもある。
その時足りなくて、今は満ち足りてるもの。
その時はきちんと持っていたのに、今はどこにやってしまったか判らないもの。
そんなものを焦らずに何気に見つけては、何かの形で残せたらいいな。
そして、いつか何気に竜樹さんにも話してみたいな。
…今まで、こんなことしたよ。
二人でいっぱい笑いあったよ。
ケンカしたことも泣いたことも泣かせたことも。
傷ついたり傷つけられたりしたことも。
抱きしめたり、抱きしめられたりしたことも。
二人でいるから強くなれたことも、二人でいたから弱くなってしまったことも。
二人が歩いてきた6年にはいろんなものが詰まってるね。
ゆっくりでもいいから何かの形にしたいんだ。
それを時間に嫌な部分を洗い流されてキレイになった思い出をただ懐かしむためでなく、
これから二人が歩いていくための糧に出来たら。
そう思うんだ。
あの時見えなかったものが、今だから見えるのかもしれない。
あの時持っていなかったものが、今はこの手の中にあるかもしれない。
もちろん、あの時見えたものが今は見えなくて、
あの時持っていたものが、今はもう持っていないことだってあるかもしれない。
そんないろんなものを二人で持ち寄りながら、抱きしめながら。
いつか二人の行き着く先を恐れることなく生きていける二人になれたらいいね。
今はまだ、互いの置かれた状況やしないといけないことに手一杯で、
お互いの関係を確固たるものに出来るだけの余裕もなければ自信もないんだろうけど。
少しずつ思い出しながら、だけどこれからの「二人」を目指して。
探し物を続けながら、歩けたらいいな。
長い旅はまだ続くのだろうけど、いろんなことを心に留めながら手を繋いで歩けたらいいね。
これからも竜樹さんといろんなことをしていきたいな。
竜樹さんにとって嬉しいこと辛いこと、楽しいこと悲しいこと。
そのすべてのものの近くにいつでもいられたらいいな。
自分の部屋で探し物をしながら、
思い出の中の「私たちの足跡」を探しながら。
そう願わずにはいられなかったんだ。
探さないといけないものも見つめないといけないものもたくさんあるけれど、
投げることなく、暖かな気持ちで取り組んでいけたらいいな。
その隣に竜樹さんがいたなら、とても幸せなんだと思うよ。
…本当にそう思うよ。
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