「手詰まり」の中で想うこと
2001年4月27日昨日一日会社を休んだものの、まだ相変わらず身体は重い。
でも今日は締日の上に、午後からの会議の資料を午前中に作らないといけない。
ようよう身体を起こして風邪薬ひとつ飲んで、会社に行く。
昨晩電話で話したことが心に引っかかってて、
すっきりした気分からは程遠い。
竜樹さんが機嫌よく「行って来い!」って言ってくれない時は、
無理やり押し切らない方がいいってことくらいは判ってる。
でも、会社の敷地内に足を踏み入れた途端、
やっぱり旅行に出たくて仕方なくなる。
「今日はとっとと仕事を済ませて金券ショップで回数券を買わないと。
早く帰って荷造りしないと」
ついそう思ってしまうんだ。
どうせ、竜樹さんはこの3連休を自分の身体を休めるのと授業に追いつくための勉強のために費やすんだ。
私はその間ほっとかれてるんだから、ええやんか?旅に出たって。
竜樹さんの返事の真意を本当は何となく判ってるくせに、そう思うんだ。
…誰だって、楽しい休暇にしたいやんか?
そう思っちゃうんだ。
そんな自分に自己嫌悪ひとつ。
竜樹さんに「ごめんなさい」と呟いて、仕事を進める。
午前中、本当に仕事がなかなか片付かない。
ひとつ片すと些細なことで上司に仕事の手を止められる。
体調が今ひとつなのと、すっきりしない気持ちを抱えてるせいでちょっと不機嫌入りそうになる。
…そんなん、この人らには関係ないやんか?
そんなことは判ってるんだ。
でも、思うように身体は動かないし、仕事は進まない。
気持ちだけ沈んでいくような感じがするんだ。
結局、仕事は結構遅くまで引っ張ってしまい、金券ショップに足を運ぶには微妙な時間になってしまった。
今日は決算賞与も出たことだし、交通費くらいはそこから出せるんだから細かなことなんて気にしなくてもよかった。
でも、どうしても気になるんだ。
…竜樹さんの真意をもっとちゃんと掴みたいんだ。
そう思いながら、竜樹さんメールをひとつ。
暫くしたら、返事が返ってきた。
…え?
今日、竜樹さんのお父さんが手術を受けたそう(゜o゜)
幸い、それは上手くいったそうだけれど…
「緊張がとけたら、脱力感が、襲ってきた。只今、呆然としている。お互い、お疲れ様でした。」
…こんな状態の竜樹さんを放り投げて旅行になんて出られへんよぉ
何ともいえない気持ちを抱えて、家に帰った。
夕食を済ませひと心地ついてから、友達の家に電話をする。
この週末、友達の家にご厄介になる予定だったのだけど、竜樹さんとの遣り取りがうまくいってないことを話すと、
「もう一度ちゃんと話しておいで」って言われる。
自分のために仕事を休んでまで時間を割いてくれる友達には逢いたい。
でも、竜樹さんを放り投げていくのも嫌だ。
…どうしよう
ずっと考え続けた。
…どんな言い方であれ、竜樹さんから「行って来たらええやん」って言われたら、そのまま「はいはい」って二つ返事で旅に出よう
我ながらとんでもないことを考えながら、竜樹さんに電話をした。
2回かけてやっと竜樹さんは出てくれた。
少々、「ずっこいかな?」って思ったけれど、「勝手にしたらええやん」って言ってもらえるような方向でさりげに話をしてみたのだけれど……
…竜樹さんは「勝手にせぇや」とは言ってくれなかった。
ただ、一言「いろいろあって、疲れてるねん」
そう言わはった。
…そう言われてしまったら、行けへんやんか?
そう思うのはあまりに自分勝手な話なんだけど。
複雑な想いを抱えて電話を切ってから、思ったんだ。
…私って、サイテー
竜樹さんがしんどいのに、私が楽しみたいってだけで竜樹さんから自分の欲しい言葉を引き出そうと仕向けたこと。
竜樹さんがいろんなことに疲れているのに、きちんと気遣ってあげれなかったこと。
…一瞬でも「旅行に出れない」ことを竜樹さんのせいだと思ってしまったこと
たまらなく、自分がヤなヤツに思えたんだ。
友達に結果を報告するまでに、少し時間がかかった。
自分自身がたまらなく嫌で少し泣いてしまったから。
…ようやっと少し持ち直して、友達と話をする。
「これっきり逢えなくなる訳じゃないんだから、竜樹さんのことを大切にしたげてね」
すんごい優しい言葉が返ってきた。
すんごい申し訳なく思った。
私一人の我儘でいろんな人に嫌な思いさせて、迷惑一杯かけてしまった。
友達はこんなどうしょうもないヤツのために長時間話し続けてくれた。
それがとても嬉しかったけれど。
やっぱり申し訳なく思ってしまったんだ。
彼女に対して申し訳なく思うのと同じくらい、竜樹さんにも申し訳ない気持ちで一杯になったんだ。
…ごめんね、竜樹さん。
今、置かれてる現実から少し飛び出してみたいと思ってるのは、私だけじゃないはずなのに。
煮詰まりそうで息が詰まりそうな想いを抱えてるのは私だけじゃないのに。
何で、きちんと竜樹さんのことを考えてあげれなかったんだろう?
ちゃんと竜樹さんを見てたら、どうすればいいかなんてすぐに判ったはずなのに…
…判ってるよ
竜樹さんを優先させれば、何かを置いていかなければならないことくらい。
少々のことは我慢しないと、きちんと支えてはあげられないことくらい。
判ってるんだよ、それくらいのことは。
でも、出口が欲しかったんだ。
煮詰まりそうな現実を抱えてること、竜樹さんに悟られないようにしながら上手にやり過ごす方法を自分ひとりで見つけたかったんだ。
いろんなことが見えてくると、「見て見ん振り」出来ない私は立ち止まってしまう。
よほどの覚悟と決意がなければ、すぐにいろんなことが手詰まりになってしまう。
「立ち止まらずにちょろちょろ動きまわる」のは、手詰まりになって行き詰まる自分を見たくないから。
それは周りの人たちが思う「優しさ」とは程遠いもの。
自分のことばかり考えるどうしようもないヤツなんだと思うと、ますます自分に失望するばかりで。
気持ちは上向きになんてならない。
せめて連休前半戦で片付けられたらいいのにな。
この手詰まりとどうしょうもない体調の悪さまとめて乗り越えたいな。
そうしさえすれ、また戻れる気がするんだ。
「迷いなく竜樹さんと一緒に歩くことを一番に考えられる霄」に。
明日から3日間をどう過ごすかは、明日の朝起きてから考えよう。
ぐちゃぐちゃの思考で考えたって答が出ないことくらい、
いい加減わかりきってることだから。
でも、もう自分以外の誰かに自分の都合を押し付けて迷惑かけないように。
それだけはちゃんと考えて行動しよう。
だって、その人の時間はその人の時間であって、
私の時間じゃないんだから。
それだけは忘れないでいよう。
たとえ自分が「手詰まり」の中にいたとしても……
でも今日は締日の上に、午後からの会議の資料を午前中に作らないといけない。
ようよう身体を起こして風邪薬ひとつ飲んで、会社に行く。
昨晩電話で話したことが心に引っかかってて、
すっきりした気分からは程遠い。
竜樹さんが機嫌よく「行って来い!」って言ってくれない時は、
無理やり押し切らない方がいいってことくらいは判ってる。
でも、会社の敷地内に足を踏み入れた途端、
やっぱり旅行に出たくて仕方なくなる。
「今日はとっとと仕事を済ませて金券ショップで回数券を買わないと。
早く帰って荷造りしないと」
ついそう思ってしまうんだ。
どうせ、竜樹さんはこの3連休を自分の身体を休めるのと授業に追いつくための勉強のために費やすんだ。
私はその間ほっとかれてるんだから、ええやんか?旅に出たって。
竜樹さんの返事の真意を本当は何となく判ってるくせに、そう思うんだ。
…誰だって、楽しい休暇にしたいやんか?
そう思っちゃうんだ。
そんな自分に自己嫌悪ひとつ。
竜樹さんに「ごめんなさい」と呟いて、仕事を進める。
午前中、本当に仕事がなかなか片付かない。
ひとつ片すと些細なことで上司に仕事の手を止められる。
体調が今ひとつなのと、すっきりしない気持ちを抱えてるせいでちょっと不機嫌入りそうになる。
…そんなん、この人らには関係ないやんか?
そんなことは判ってるんだ。
でも、思うように身体は動かないし、仕事は進まない。
気持ちだけ沈んでいくような感じがするんだ。
結局、仕事は結構遅くまで引っ張ってしまい、金券ショップに足を運ぶには微妙な時間になってしまった。
今日は決算賞与も出たことだし、交通費くらいはそこから出せるんだから細かなことなんて気にしなくてもよかった。
でも、どうしても気になるんだ。
…竜樹さんの真意をもっとちゃんと掴みたいんだ。
そう思いながら、竜樹さんメールをひとつ。
暫くしたら、返事が返ってきた。
…え?
今日、竜樹さんのお父さんが手術を受けたそう(゜o゜)
幸い、それは上手くいったそうだけれど…
「緊張がとけたら、脱力感が、襲ってきた。只今、呆然としている。お互い、お疲れ様でした。」
…こんな状態の竜樹さんを放り投げて旅行になんて出られへんよぉ
何ともいえない気持ちを抱えて、家に帰った。
夕食を済ませひと心地ついてから、友達の家に電話をする。
この週末、友達の家にご厄介になる予定だったのだけど、竜樹さんとの遣り取りがうまくいってないことを話すと、
「もう一度ちゃんと話しておいで」って言われる。
自分のために仕事を休んでまで時間を割いてくれる友達には逢いたい。
でも、竜樹さんを放り投げていくのも嫌だ。
…どうしよう
ずっと考え続けた。
…どんな言い方であれ、竜樹さんから「行って来たらええやん」って言われたら、そのまま「はいはい」って二つ返事で旅に出よう
我ながらとんでもないことを考えながら、竜樹さんに電話をした。
2回かけてやっと竜樹さんは出てくれた。
少々、「ずっこいかな?」って思ったけれど、「勝手にしたらええやん」って言ってもらえるような方向でさりげに話をしてみたのだけれど……
…竜樹さんは「勝手にせぇや」とは言ってくれなかった。
ただ、一言「いろいろあって、疲れてるねん」
そう言わはった。
…そう言われてしまったら、行けへんやんか?
そう思うのはあまりに自分勝手な話なんだけど。
複雑な想いを抱えて電話を切ってから、思ったんだ。
…私って、サイテー
竜樹さんがしんどいのに、私が楽しみたいってだけで竜樹さんから自分の欲しい言葉を引き出そうと仕向けたこと。
竜樹さんがいろんなことに疲れているのに、きちんと気遣ってあげれなかったこと。
…一瞬でも「旅行に出れない」ことを竜樹さんのせいだと思ってしまったこと
たまらなく、自分がヤなヤツに思えたんだ。
友達に結果を報告するまでに、少し時間がかかった。
自分自身がたまらなく嫌で少し泣いてしまったから。
…ようやっと少し持ち直して、友達と話をする。
「これっきり逢えなくなる訳じゃないんだから、竜樹さんのことを大切にしたげてね」
すんごい優しい言葉が返ってきた。
すんごい申し訳なく思った。
私一人の我儘でいろんな人に嫌な思いさせて、迷惑一杯かけてしまった。
友達はこんなどうしょうもないヤツのために長時間話し続けてくれた。
それがとても嬉しかったけれど。
やっぱり申し訳なく思ってしまったんだ。
彼女に対して申し訳なく思うのと同じくらい、竜樹さんにも申し訳ない気持ちで一杯になったんだ。
…ごめんね、竜樹さん。
今、置かれてる現実から少し飛び出してみたいと思ってるのは、私だけじゃないはずなのに。
煮詰まりそうで息が詰まりそうな想いを抱えてるのは私だけじゃないのに。
何で、きちんと竜樹さんのことを考えてあげれなかったんだろう?
ちゃんと竜樹さんを見てたら、どうすればいいかなんてすぐに判ったはずなのに…
…判ってるよ
竜樹さんを優先させれば、何かを置いていかなければならないことくらい。
少々のことは我慢しないと、きちんと支えてはあげられないことくらい。
判ってるんだよ、それくらいのことは。
でも、出口が欲しかったんだ。
煮詰まりそうな現実を抱えてること、竜樹さんに悟られないようにしながら上手にやり過ごす方法を自分ひとりで見つけたかったんだ。
いろんなことが見えてくると、「見て見ん振り」出来ない私は立ち止まってしまう。
よほどの覚悟と決意がなければ、すぐにいろんなことが手詰まりになってしまう。
「立ち止まらずにちょろちょろ動きまわる」のは、手詰まりになって行き詰まる自分を見たくないから。
それは周りの人たちが思う「優しさ」とは程遠いもの。
自分のことばかり考えるどうしようもないヤツなんだと思うと、ますます自分に失望するばかりで。
気持ちは上向きになんてならない。
せめて連休前半戦で片付けられたらいいのにな。
この手詰まりとどうしょうもない体調の悪さまとめて乗り越えたいな。
そうしさえすれ、また戻れる気がするんだ。
「迷いなく竜樹さんと一緒に歩くことを一番に考えられる霄」に。
明日から3日間をどう過ごすかは、明日の朝起きてから考えよう。
ぐちゃぐちゃの思考で考えたって答が出ないことくらい、
いい加減わかりきってることだから。
でも、もう自分以外の誰かに自分の都合を押し付けて迷惑かけないように。
それだけはちゃんと考えて行動しよう。
だって、その人の時間はその人の時間であって、
私の時間じゃないんだから。
それだけは忘れないでいよう。
たとえ自分が「手詰まり」の中にいたとしても……
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