Antique

2001年1月20日
朝。
いつもより少し早めに目が覚める。
いつものように「眠くなる胃薬4点セット」を飲む。
何だか頭と喉が痛かったので、ついでに風邪薬も飲む。
…またまた眠気がやってきた(__).。oO
あ〜、眠気に負けてうつらうつらできるのは、休みの日の醍醐味。
幸せだぁ……( ̄ー ̄)


たららららぁんらららぁんららたぁらら〜♪

遠いところで「ドリフのひげダンスのテーマ」が鳴ってる(爆)
これって、私の携帯の着信音やんなぁ…(_ _)zzz...
………あぁぁぁぁぁぁぁっ、竜樹さんからだぁ( ̄□ ̄;)!!

「もしもし、また遅れたっ?」

「何言ってんの?待ち合わせ時間13時やろ」

…時計を見ると11時σ(^◇^;)

「外見た?雨、降ってるやろ?
今から出たら12時過ぎにそっちに着くから、出れるように準備しといて。迎えに行くから」

「いいの?頑張って駅まで行くよ?」

「雪に変わらなかったら、そっちまで上がれるから待ってて」

電話の声は元気そう。よかった(^m^*)エヘヘ


用意をして靴さえ履けば出られるような状態にして、リビングに下りると
「あんた、また出かけるの?」と母(>_<)
「外見とぉみぃ、雪降ってるよ」と呆れたように付け加えた。

…母に言われて窓の外を見たら、雨は雪に変わっていた(゜o゜)
「またか、冬将軍め……」
思わず恨み言一つ。
「竜樹さん、事故ったりしてないよなぁ…」
また不安になる。

とりあえず「家を出といて」と言われた時間になったので外に出ると、竜樹さんの車が止まってる\(⌒O⌒)/

「あ〜、よかった」

車に乗って、美術館を目指す。
阪神高速は危ないなということで、国道を走ることになる。
長時間運転せんなんので、ひとまずファミレスで昼食を取る。
楽しく食事をし、またドライブ再開。
しかし、今日は異常に寒い。
元気だった竜樹さんも徐々にしんどそうな表情を見せる。
時々休みもって、美術館に着く(_ _)ヾ(^-^)オツカレサマ タツキサン


美術館に入ると、お互い好き勝手に絵を見始める。
12月に展覧会に行ったときほど、他のお客さんがいちゃいちゃしてなかったから、
イライラすることもなく(?)自分の世界にどっぷりはまって見ていられた。

…こういうところに来ると、考えてまうんだよなぁ

今のままの生活続けてていいのかなって。
大学卒業してからも絵を描く時間が欲しくて正社員にならず、描くのに必要なだけ稼げる勤務形態を取った。
そうして就いた職場で竜樹さんと出会った。
出会えたことはすごく嬉しい、今もあなたといられて嬉しい。
でも、そのうち絵を描く時間、どんどん減っていった。
あなたに会うために描く時間が減ったのは構わない。むしろ嬉しいくらい。
だって、時間が足りなきゃ学生の時みたいに食べる時間や寝る時間を削れば済むことだもの。
でも、今みたいに「見えない未来」目指すために自分の時間を「会社の仕事」のために投売りすることを本当に「これでいいの?」って思う時がある。
別に昔みたいな描き方をしなくても、私の心は死なないけれど、今の日常がとても窮屈になることもあるよ。体弱り出してから、てきめん(>_<)
こんな風に、生前苦労しててもきちんと形になってる作品の前に立つと、自分のやってることがすごく空しいって思うの。

「お前の体は絵を描くための道具に過ぎない」

「あの人」は私にそう言い続けた。そうかもしれないって思った。
いつしか、それでいいのかもって思ってた。

「何言ってんねん?健康は何物にも代え難いねんで。体潰すとこまでやったような作品見たって何にもええと思わへんよ、俺は」

竜樹さんは私にそう言った。
やっと「あの人」の遺した呪縛から逃れられるのかもしれない、私の心の奥にしまった傷は本当に癒えるのかもしれない、そう思った。
でも、今はその希望が私の心を傷つけてるような気もする。
どうしよう。もう一度あの頃のような生き方するのが幸せ?
竜樹失ってまで信じられるほどの夢なん?それは?


「その絵、すごいええなぁ」
竜樹さんが私の背中をぽんと叩いて、そう言った。

「…うん、空の色が綺麗やなぁって思ってずっと見ててん」

「すごい奥行きのある絵やと思って、気に入ってん。あそこにあるのは海やろ……」

意見が珍しく一致したからか(笑)一生懸命、自分の気に入った絵の話をする。
しかも、本当に珍しくお互いのお気に入りの絵がすべて一致した。

「…ええ時に声をかけはるなぁ、竜樹さんは」

後ろ暗い物思いから、竜樹さんのいる「現実」に戻ってこれた。
竜樹さんの声がなかったら、かんなりヤバかった。
また「あの人」の許へ引き摺り戻されるところだった。

ひとしきり絵を見て、美術館を後にする。
泥のような物思いをそこに残して。

「体ぼろぼろにしてまで、描かんでもいいってことやね。神様?」


…この寒い中、竜樹さんは無理をしすぎたみたい。
ごはん食べに行っても食が進まず、終始ねむ目の状態(__).。oO
料理屋出てからも、駐車場に車を停めたままでシート倒して眠ってはった。
「私は私のことばっかり考えてうだうだしてるのに、この人は私を外に連れ出すために目茶目茶無理してるんや」

…ごめんね、竜樹さん。
謝ってばかりで反省の色0やって言わないでね。
いつかきっともっと強い意志をもって竜樹さんの横に立つから。
もう少しだけ、この泥のような物思い抱えることを許して下さいね。
きっと、必ず乗り越えて見せるから。

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